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🏙️タワマンベビー 『わたし、タワマンがいいの!』


    ―生まれる前の赤ちゃんとママが交わした
    ちょっぴり不思議な実話―🧸.・*


    🌷お読みいただく前に🌷

    この物語には、流産・妊娠・出産に関する表現が含まれています。
    当時の出来事をもとに描いているため、人によっては当時の記憶を思い出し、心が揺れる内容になるかもしれません。

    今はまだ読むことがつらいと感じる方は、ご自身のタイミングを大切にしてください🌸

    もし今日は別のお話を読みたい気分でしたら、こちらの記事もおすすめです👇

    「作者はどんな人?」
    気になる方はこちらをご覧ください👇



    🌷まえがき🌷

    あなたは、
    産まれる前の赤ちゃんと会話したことがありますか?

    私はあります。

    この物語は、
    私が稽留流産を経験したあとに
    生まれる前の赤ちゃんと交わした会話をもとに描いています。

    信じられないと思う方もいるかもしれません。

    でもあの日、赤ちゃんが伝えてくれた言葉は、
    今でも私の心の中で輝く宝物となっています。

    この物語が
    あなたの心を少しでもあたためられたら嬉しいです。




    🌷第一章🌷:お部屋だけができた冬

    「私がママじゃ……嫌だったのかな。」


    とある冬。

    私のお腹には、
    小さな命が宿り…

    ませんでした。


    正確には、
    赤ちゃんのお部屋だけができて、
    その部屋に住むはずだった赤ちゃんの姿が無い状態です
    。


    一週間おきに病院へ通い、
    エコーを見ながら願います。

    「次こそ見えるかな。」
    「まだ小さいだけだよね。」

    そうやって、
    自分に何度も言い聞かせました。


    そして通院3週間目。

    先生は、とても落ち着いた声で言いました。


    「稽留流産です。」(けいりゅうりゅうざん)

    「お部屋を取り除く手術はうちではできないので、紹介状を書きますね。」



    頭では理解できても、
    心だけが
    その言葉を受け入れてくれませんでした。

    雪が静かに降る冬の景色。病院を出るママの後ろ姿。手にはエコー写真。


    家に帰ってからも、
    私の頭の中を、
    同じ言葉が何度も繰り返していました。


    暗い部屋。夜。ベッド。窓から月明かり。ママが一人。


    「私がママじゃ…
    嫌だったのかな。」


    ━━━━━━━━━━━━━━


    もうすぐ、
    お別れしなければいけない。


    そんなことばかり考えていた
    ある日。

    不思議なことが起きました。


    誰もいないはずの部屋で、
    小さな声が聞こえたのです。




    「まま?」



    部屋の中。窓から柔らかい光。空気中にキラキラ。その中心に、まだ少し透けている赤ちゃん。声だけ聞こえて、ママが振り返る。


    ━━━━━━━━━━━━━━


    ふわふわの髪。
    まんまるなほっぺ。
    つぶらな瞳。


    その姿を見た瞬間、
    思わず涙がこぼれそうになりました。


    「あか……ちゃん……?」


    その時でした。

    赤ちゃんは腕を組み、
    小さくため息をつくと——

    光の中に立つ赤ちゃん。腕組み。ちょっとドヤ顔。背景は白+金色の光。ママは小さく描く。


    👶🏻
    「まま?」

    👶🏻
    「こんなボロボロのお部屋に
    10ヶ月も住ませる気?」


    ママ。口が半開き。固まる。


    「……え?」


    ━━━━━━━━━━━━━━


    部屋の中は、
    さっきまでの静けさが嘘みたいでした。


    目の前には、
    確かに赤ちゃんがいます。



    夢……?
    それとも幻……?


    私は震える声で聞きました。

    「あ……赤ちゃん?」

    ママのアップ。涙目。目の前のみずくさんを見つめる。


    👶🏻
    「ごきげんよう、まま♡」

    👩🏻
    「……え?」

    👶🏻
    「わたし、
    みずくです。」

    👩🏻
    「み……ずく?」

    👶🏻
    「はい。」
    「今日は要望を伝えに参りました。」

    ドヤ顔。胸を張って、片手を軽く腰に当てる。

    👩🏻
    「……要望?」
    👶🏻
    「はい。」

    👩🏻
    「赤ちゃん……だよね?」
    👶🏻
    「そうですが?」

    👩🏻
    「…………」
    👶🏻
    「聞いてる?」

    ママ。完全停止。みずくさんは「?」って顔。

    👶🏻
    「あの、改築のお願いに来ました。」


    🌷第二章:タワマン建築会社よりご説明します

    「わたし、タワマンがいいの!」


    私は、
    頭の中が真っ白でした。

    赤ちゃんなのに。
    赤ちゃんなのに……
    ものすごく堂々としています。


    画像


    👶🏻
    「このお部屋を――」



    「タワマンにしてください。」

    両手を広げる赤ちゃん。背景にはキラキラした未来都市のタワマン。


    👩🏻
    「た…タワマン…?改築?」


    「か……改築って、
    どういうことかな?」


    👶🏻
    「簡単なことです。」

    ママは思考停止。赤ちゃんはドヤ顔。

    👶🏻
    「では説明致しましょう!」

    画像



    👶🏻
    「まずですね。」
    「このお部屋。」



    「賃貸なんです。」



    👩🏻
    「……ちんたい?」

    思わぬ言葉にママは呆然。ママは首をかしげ、頭にはハテナが浮かぶ。

    👶🏻
    「そうです。」

    👩🏻
    「えっと……」

    👶🏻
    「管理会社ってありますよね?」

    👩🏻
    「ある……ね?」

    👶🏻
    「人間は、
    お部屋を借りる前に管理会社の人と
    内見をしますよね?
    」

    賃貸物件を内見する人間の様子

    👩🏻
    「うん…」
    👶🏻
    「赤ちゃんも同じです。」

    👶🏻
    「約10ヶ月間、お部屋を賃貸で借りるのね。」

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    👶🏻「どんな部屋かな!」

    「どんなままかな。」

    「どんなぱぱかな。」

    ってみんなで見るの。

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    みずくは、
    まるで当たり前のように話を続けます。


    👶🏻
    「それでね!」
    「私のお部屋が完成したって聞いて、内見に来たの!」

    👶🏻
    「すっごく楽しみにしてたの!」

    目をキラキラさせながら、両手を胸の前で組んでいる赤ちゃん

    👶🏻
    「こういうのかな〜って想像してワクワクして
    夜しか眠れなかった。」

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    👩🏻
    「……!」

    👶🏻
    「みんなに“行ってらっしゃい!”って送り出してもらってさ。」
    「それはもうテンション上がりましたよ。」

    雲の上。小さなバッグを持って出発する赤ちゃん


    👶🏻
    「やっと、ままと会える!」

    👶🏻
    「やっと、一緒に暮らせる!」

    👶🏻
    「どんなお部屋かな〜?」

    ワクワクしながらドアを開ける赤ちゃん


    👶🏻
    「それで…」


    「ドアを開けた瞬間──」


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    👶🏻
    「…………。」

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    👶🏻
    「なによこれーーーーー!!!」


    両手を広げて激怒する赤ちゃん。


    👶🏻
    「すきま風、ぴゅーーぴゅーー!!」

    「壁はガタガタ!」

    「床はミシミシ!」

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    👶🏻
    「えっ?」

    「ここに10ヶ月!?」

    ほっぺをぷくっと膨らませて怒る赤ちゃん

    👶🏻
    「うそでしょ?」
    👶🏻
    「新築賃貸物件が完成したって聞いたのに!?」
    「話が違うじゃない!!!」

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    👩🏻
    「す……すみません💦」


    私が思わず謝ると、
    みずくは小さくため息をつきました。


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    👶🏻
    「はぁ…」
    「まま。」
    「謝る必要はない。」

    👶🏻
    「わたし、怒りに来たんじゃなくて。」
    「お願いをしに来たの。」

    👩🏻
    「……え?」

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    👶🏻
    「せっかくままと過ごす10ヶ月…」


    「自分好みの快適なお部屋がいいじゃん…。」



    👩🏻
    「……そうだね。」
    「ママと過ごす10ヶ月、大切にしたいよね。」




    みずくは、
    私が少し落ち着いたのを確認すると
    また先生みたいな顔に戻りました。

    画像

    👶🏻
    「よし!じゃあ早速…
    管理会社を呼んで工事開始!」



    🌷第三章:タワマン改築計画、始めます

    「まずは基礎工事からです。」


    私は、
    しばらく黙って考えました。

    改築。
    タワマン。
    管理会社。

    ……

    全部理解はできていないけれど、
    一つだけ分かったことがあります。

    この子は、
    本気だ。

    私は、
    みずくの話を聞きながら
    気になっていたことを聞いてみました。

    ママ。少し安心した笑顔。


    👩🏻
    「みずくさん。」

    👶🏻
    「はい。」

    👩🏻
    「ママは何をしたらいい?」

    ジト目の赤ちゃん


    👶🏻
    「……。」

    👩🏻
    「?」

    👶🏻
    「まま。」
    👩🏻
    「はい!」

    👶🏻
    「一旦黙って最後まで聞いて?」

    👩🏻
    「はい…!ごめんなさい!」

    画像


    👶🏻
    「ありがとうございます。」

    「では…」

    👶🏻
    「改築計画を始めましょう!」

    人差し指を立てる赤ちゃん



    みずくは
    ホワイトボードの前に立つと、
    小さく咳払いをしました。

    本当に
    先生みたいです。

    👶🏻
    「まずは、
    基礎工事からです。」


    👩🏻
    「きそこうじ!」

    ママ。メモ帳を取り出す。「タワマン改築計画」と書いてある

    👶🏻
    「どんなに立派なタワマンでも、
    土台がグラグラだったら安心して住めません。」

    立派なタワマン。でも地面がぐらぐら。


    👩🏻
    「たしかに。」
    👶🏻
    「だから…」
    「まずは土台から。」

    👩🏻
    「どだい…」
    (カキカキ…✍️)

    真剣な表情で設計図をかく赤ちゃん


    👩🏻
    「ちなみに土台って、何のこと?」

    👶🏻
    「いい質問です。」
    👶🏻
    「それは…」
    「栄養です。」

    ホワイトボード。「🏙️ タワマン改築計画」「☑ 基礎工事」「① 栄養」赤ちゃんは真剣な表情。

    👶🏻
    「お部屋を作る材料がなかったら…」
    「工事、始められません。」

    👩🏻
    「おっしゃる通り!」

    ホワイトボードに、葉酸、DHA、鉄分をイラスト付きで描いている。

    👶🏻
    「葉酸とかね。」

    👩🏻
    「葉酸は聞いたことある!」

    👶🏻
    「優秀です。」

    👩🏻
    (ちょっと嬉しそう😊)

    👶🏻
    「鉄分も大事。」

    「あと…」



    👩🏻
    「あと……?」

    👶🏻
    「ご飯を抜かないこと。」

    👩🏻
    少し考えてから、小さくつぶやく。

    「そうだよね。」
    「自分のためじゃなくて……」
    「みずくさんのためにもしっかりした食生活にしなきゃ😊」

    👶🏻
    「よろしい!」

    ママのノート。🏙️みずく改築メモ☑ 土台☑ 栄養・葉酸・鉄分・DHA・ご飯を抜かないページの端に、小さく😊と描いてある。


    みずくは、
    ホワイトボードの項目にまた1つチェックをつけました。

    ホワイトボード。🏙️タワマン改築計画☑ 基礎工事☑ 栄養□ 空調設備□ セキュリティ□ その他。赤ちゃんは満足そう。

    👶🏻
    「よし!次は…」
    「空調設備です!」

    👩🏻
    「……クウチョウセツビ?」

    ホワイトボードに大きく文字を書く赤ちゃん。

    👶🏻
    「空気ってね。」
    「住み心地にすごく関係するの。」

    👩🏻
    (カキカキ…)
    「ふむふむ……。」


    みずくは、
    にっこり笑った空気清浄機の絵を描いています。

    ホワイトボード。かわいい空気清浄機のイラストを描く赤ちゃん。ママは一生懸命スケッチしている。


    👶🏻
    「これは、高性能空気清浄機です。」

    👩🏻
    「……コセイノウクウキ…何ちゃら✍️」

    👶🏻
    「空気がきれいだと気持ちよく過ごせます。」

    👶🏻
    「まま?」

    👩🏻
    「…はい!」

    👶🏻
    「最近、深呼吸した?」

    ママ。「あ……。」という表情。


    無意識に息を止めていたことに気付き
    大きく深呼吸。

    👩🏻
    スーーー……
    ハーーーー……


    👶🏻
    「よろしい!」

    👩🏻
    ノートの端に小さく。
    「深呼吸!重要!」
    (カキカキ…✍️)

    ノートの端に小さく「深呼吸!」とメモ



    みずくは、
    ホワイトボードの「空調設備」
    にチェックを付けると
    次の項目へ進みました。

    指し棒を持って得意げな赤ちゃん

    👶🏻
    「続きまして。」
    「セキュリティです。」

    👩🏻
    「……セキュリティ。」

    👶🏻
    「タワマンといえば?」

    👩🏻
    「……?」
    「オートロック?」

    👶🏻
    「その通り!」

    ホワイトボードに「🔒 オートロック」と大きく書く。


    👶🏻
    「お部屋にはね。」
    「入っていい人と、
    入らなくていい人がいます。」

    👩🏻
    (カキカキ…✍️)
    「ふむふむ……。」

    👶🏻
    「だから、まま。」

    「嫌だなって思うものまで、
    無理にお部屋へ入れなくていいの
    。」

    お部屋のドア。笑顔の人は「ようこそ😊」黒いモヤモヤやストレスには「🔒立入禁止」とオートロックが閉まる。


    👩🏻
    (メモを取りながら小さくつぶやく。)
    「そうだね……。
    とっても大切なことだ。」

    イタズラっぽく笑う赤ちゃん

    👶🏻
    「意外と飲み込み速いね、まま。」

    「安心して暮らせるお部屋って、
    そういうことだから。」


    みずくさん、
    ホワイトボードの最後の項目を書く。

    👶🏻
    「さて。」
    「ここからは、わたしの要望です。」

    ホワイトボード

    👩🏻
    「要望……なんでしょうか?」

    目がキラキラしている赤ちゃん

    👶🏻
    「シャワーです!」

    「シャワーは、天井から降ってくるタイプがいいの!」


    メモの手が止まる。


    👩🏻
    「……天井?」

    👶🏻
    「そう!」

    赤ちゃんの妄想。近未来のホテルみたいなお風呂。シャワーが天井から降っている。

    👶🏻
    「あとね!」
    「キラキラしてるのがいい!」

    👩🏻
    (カキカキ…✍️)
    「キラキラ……✨」

    👶🏻
    「広くて!」
    「明るくて!」
    「未来っぽくて!」

    👩🏻
    (カキカキ…✍️)
    「未来っぽい……。」

    ママがメモしたノート。内容にびっくり。

    👩🏻
    「他には?」

    👶🏻
    真剣に考える。

    👶🏻
    「ミストサウナは……。」




    「………。」




    👶🏻
    「まだ少し早いかな。」

    👩🏻
    吹き出して笑う。

    腕組み。真剣な顔の赤ちゃん

    👩🏻
    (そこはちゃんと 年齢考えるんだ🤣)

    👶🏻
    「心の声もれてるよ」


    ━━━━━━━━━━━━━━


    みずくは、
    ホワイトボードを眺めながら
    満足そうに大きくうなずきました。

    画像

    👶🏻
    「これで完成です!」

    👩🏻
    最後に大きく丸を書く。
    「完成だね😊」

    ママ。ノートを閉じる。深呼吸。少し嬉しそう。


    👩🏻
    「みずくさん。」

    👶🏻
    「はい?」

    空気が少し変わる。ママの表情が少しだけ真剣になる。


    👩🏻
    「一つだけ、聞いてもいい?」

    👶🏻
    少し表情を変える。
    👶🏻
    「どうぞ。」

    ママはノートをぎゅっと抱きしめる。


    👩🏻
    「もし……」
    「タワマンじゃなかったら…」

    「みずくは……」
    「私のところには、来てくれないのかな?」


    👶🏻
    「…………。」




    🌷第四章:ままのせいじゃない

    「そこ、順番が逆。」


    みずくは、
    しばらく何も話しませんでした。

    私の目を
    まっすぐ見つめています。


    その表情は
    今まで見たことがないくらい優しくて、
    少しだけ寂しそうでした。

    ママと赤ちゃん。向かい合って座っている。赤ちゃんの表情は今まで見たことがないくらい優しくて少しだけ寂しそう。


    👩🏻
    「もし……」
    「タワマンじゃなかったら…」


    (しばらく沈黙)


    👶🏻
    小さく首を横に振り

    「違うよ。」

    優しい表情の赤ちゃん


    👶🏻
    「まま。」

    👶🏻
    「そこ、順番が逆。」



    👩🏻
    「……え?」

    👶🏻
    「わたしは…」
    「ままと、ぱぱの家族になりたかった。」

    👶🏻
    「だからお部屋を見に来たの。」

    嬉しそうにママを見つめている赤ちゃん

    👶🏻
    「家族になりたいって気持ちは、
    最初から決まってた。
    」

    👶🏻
    「でも、どんなお部屋で10ヶ月過ごすかは
    自分で決めたかった!
    」

    ママ。涙があふれる。でも、もう悲しい涙じゃない。


    「だから。」

    「ままのせいじゃない。」

    優しく微笑む赤ちゃん

    👶🏻
    「これは、自分で決めたこと。」


    涙が止まりません。

    ━━━━━━━━━━━━━━


    今まで、何度も何度も
    「私が悪かったのかな。」
    そう考えてきました。

    でも、
    みずくはその考えを
    優しくほどいてくれました。

    ママ。涙が止まらない。でも表情は穏やか。

    👩🏻
    「ごめんね。」

    「そして……」
    「ありがとう。」

    少し照れながら、そっぽを向く赤ちゃん

    👶🏻
    少し鼻を高くして
    「どういたしましてっ!」

    👩🏻
    「ふふっ……。」
    「みずくさんらしい。」

    ママが笑いながら泣いている。
    少し照れ笑いする赤ちゃん


    ━━━━━━━━━━━━━━

    みずくの体は、
    少しずつ光に包まれていきました。

    私は
    その姿を目に焼き付けるように見つめます。

    赤ちゃんの周りに、やわらかい光が集まり始める。冬の空気が、少しだけ春色に変わっていく。

    👶🏻
    「そろそろ定時だから帰るね。」

    👩🏻
    「うん。」
    (定時って…みずくさんらしい☺️)

    👶🏻
    「約束だからね?」

    👩🏻
    「うん!」

    約束の小指を立てる赤ちゃん

    👶🏻
    「春までに。」
    「タワマン。」


    👩🏻
    「はい!」

    👶🏻
    「期待してます!」

    ママ。ノートをぎゅっと胸に抱きしめる。

    👩🏻
    「ちゃんと準備して待ってるね。」
    「みずくが安心して住めるように。」

    少し照れながら笑う赤ちゃん

    👶🏻
    「よろしい!」

    👶🏻
    「じゃあ、そういうことで。」

    赤ちゃんが光の粒になって空へ帰っていく。ママも小さく手を振る。

    👩🏻
    「またね。」

    ページいっぱい。冬の景色。木の枝には、小さな桜のつぼみが一つ。

    🌷第五章:約束の春

    「ちゃんとメモしたもんね」


    季節は流れ、
    冬は終わりを迎えました。

    窓の外では
    少しずつ桜が咲き始めています。

    冬だった景色が、淡い桜色に変わっている。窓辺には春の日差し。
    画像

    ページの余白には、
    少しずつ増えていったメモ書きが。

    「今日はちゃんとご飯食べた!」
    「深呼吸できた!」
    「少し早く寝られた!」


    みずくさん、これで合ってるかな?

    ママがノートを優しく撫でる

    👩🏻
    「約束……守ったよ」


    👩🏻
    「みずくは……」
    「住みたいって思ってくれるかな。」

    ママは窓の外の桜を見る。その表情は、不安ではなく、穏やかな希望
    ページいっぱい。一本の桜。花びらが一枚、ふわっと舞う。


    ━━━━━━━━━━━━━━

    春🌸
    あの日から数ヶ月。

    私は、
    一本の線を見つめていました。

    妊娠検査薬。うっすらと、でも確かに見える陽性反応。ママの手が少し震えている。

    信じたくて。

    でも
    また期待しすぎるのが怖くて。

    私は何度も見返しました。

    ママ。涙がにじむ。口元を押さえている。

    👩🏻
    「……本当に来てくれた。」


    病院へ向かう道。

    あの日と同じ道なのに、
    景色が少し違って見えました。

    桜並木。ママはお腹をそっと押さえながら歩く。

    エコーの日。

    先生が、
    ゆっくり画面を動かします。

    診察室。エコー画面には、小さな命。水彩画で優しく表現。

    先生
    「順調ですね😊」

    ママ。喜びの涙があふれる。

    その瞬間。
    私の頭の中に浮かんだのは、
    先生の声ではありませんでした。

    👶🏻
    「だから言ったでしょ」

    腕を組みながら、少し得意げな表情の赤ちゃん。
    エコー画面の中へぴょんっと飛び込む赤ちゃん

    春になって、
    みずくは帰ってきてくれました。

    ママはお腹に手を当てる。自然に笑顔になる。

    👩🏻
    「待ってたよ!」

    👶🏻
    「知ってる。」

    ページいっぱい。桜が満開。風に舞う花びら。



    ━━━━━━━━━━━━━━


    みずくさんとの再会を喜んでいた
    ある日の夜。

    私は、
    不思議な夢を見ました。

    ふわふわした光の世界。赤ちゃんが二つの光の玉を見比べている。片方はピンク。もう片方はブルー。


    👶🏻
    「んーーー。」
    「迷うなぁ。」

    👩🏻
    「何を?」

    腕組みする赤ちゃん。真剣な顔


    👶🏻
    「性別!」
    「女の子もいいんだよね〜。」

    👩🏻
    「うん」

    👶🏻
    「ぱぱ、絶対メロメロで溺愛してくれるじゃん。」
    「お願いしたら、いっぱい買ってくれそう。」

    👩🏻
    「たしかに。笑」

    青い光を見る赤ちゃん


    👶🏻
    「でも〜。」
    「男の子も楽しそうなんだよなぁ。」

    👩🏻
    「そうだね😊」

    👶🏻
    「キャッチボールしたいし。」
    「虫も捕まえてみたい。」
    「木にも登ってみたい。」

    虫取り網を持って走り回る子供

    👶🏻
    「悩む……。」
    👩🏻
    「決まりそう?」

    👶🏻
    (両方の光を見つめる。)

    👶🏻
    「さぁね〜。」
    「分かってると思うけど…」
    「ままのために決めるわけじゃないからね。」

    👩🏻
    クスッと笑う。
    「はいはい😊」

    青の光と赤の光を静かに見つめている赤ちゃん


    ━━━━━━━━━━━━━━

    それから数ヶ月。


    桜は青葉へと変わり、
    いよいよ
    みずくに会える日がやってきました。

    病院。分娩室。ママは汗を流しながら、必死に赤ちゃんを迎えようとしている。


    長い時間をかけて、
    ようやく……
    その瞬間がやってきました。

    助産師さんが赤ちゃんを抱き上げる。


    助産師さん
    「おめでとうございます!」

    「元気な男の子ですよ!」

    涙が一気にあふれるママ。


    👩🏻
    「男の子……」

    赤ちゃん。元気いっぱい


    👶🏻
    「おぎゃあーー!!」





    👶🏻
    「……まま。」
    「一緒にキャッチボールしようね。」

    ママ。「……ん?」という表情。赤ちゃんがハッとする。


    👶🏻(はっ!)
    「おぎゃぁぁぁぁーーー!!!!」


    助産師さん
    「元気な泣き声ですね😊」


    👩🏻
    「ふふっ😊」

    👶🏻
    「おぎゃぁぁぁぁーー!!」




    🌷第六章:いってきます

    「ちゃんと届いてるからね。」


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    👶🏻
    「そうだ。」

    「まま。」
    「いつもたくさんの愛をありがとう。」
    「ちゃんと届いてるからね。」


    👶🏻
    「じゃあ!」
    「いってきまーす!」

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    タワマンベビー 
    おしまい




    🌷あとがき🌷


    最後まで『タワマンベビー』を読んでくださり、
    本当にありがとうございました。

    私は、この物語を世の中に届けるために
    約2年という長い時間をかけて執筆と作画を続けてきました。

    妊娠、出産、そして流産。

    この作品で扱うテーマは、とても繊細で、言葉ひとつ、
    表現ひとつで誰かを傷つけてしまう内容になりかねません。

    だからこそ、
    「どうすればこの想いを届けられるだろう。」
    その答えを探しながら、何度も立ち止まり、描き直し、
    この物語を少しずつ形にしてきました。

    これは、私が実際に経験した出来事をもとにした物語です。

    あの日の私は、何度も
    「私が悪かったのかな」
    と自分を責め続けていました。

    もし、同じように自分を責め続けている誰かがいるなら。

    この物語が、その心をほんの少しでも優しくほどくことができたら。

    そんな願いを込めて、勇気を出してこの作品を書きました。

    今回、私だけの画力では表現しきれない部分については、
    AIにも作画を手伝ってもらいました。

    けれど、この作品の世界観や構図、表情、物語は、一枚一枚試行錯誤を重ねながら、私自身が時間をかけて作り上げています。

    また、一番最後には、私が最初に描いたラフ画も掲載しています。

    完成したイラストと見比べながら、この絵本がどのように生まれていったのかも楽しんでいただけたら嬉しいです。


    私は「共感覚」という、人とは少し違う感覚を持っています。

    だからこそ見える景色や、感じられる世界があります。

    この物語も、その感覚があったからこそ描けた作品なのかもしれません。

    AIにもまだ不慣れで、みずくさんの髪の長さなど、細かな部分で統一しきれていない箇所もあるかもしれませんが、そんな制作の跡も含めて温かく見守っていただけたら幸いです。

    この物語が一人でも多くの方の心に届き、
    自分を責め続けてきたママが少しでも優しい気持ちになれたなら、
    それ以上に嬉しいことはありません。

    ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。


    🌷作者精一杯のラフ画🌷


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    みずくさんが伝えてきた理想のタワマン
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    📚制作背景はこちらです👇


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