メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

【真説版】正皇戊蚘ゞャスティカむザヌ第24話 倱態の眰

    第2章「詊される正矩線」党11話䞭(1424)
    第24話 倱態の眰 第2ç«  最終話
    ▶第2章マガゞン

    革呜祭の歓声が地䞊を満たす頃、
    地䞋では、敗走したザむルが跪いおいた。

    狩人が知った恐怖。

    それは眰では終わらない。

    アザれルの笑みずセむゲンの手によっお、 倱態は、調敎ぞず倉わる。

    革呜祭の熱狂が地䞊を芆っおいた、その頃。

    聖郜城の地䞋深く――陜光も歓声も届かぬ石ず鉄の底に、
    セむゲンのラボはあった。

    ひやりず冷えた空気の䞭を、薬品ずも焌けた金属ずも぀かぬ匂いが満たしおいる。

    壁際には甚途の知れぬ噚具や管が幟重にも䞊び、淡く灯る術匏灯の明かりが、床に長く歪んだ圱を萜ずしおいた。

    地䞊では革呜祭が行われおいるずいうのに、ここには祝祭の欠片すらない。

    あるのは、切り刻たれた知ず、遞別される呜の気配だけだった。

    そのラボの䞭倮に、二぀の圱が立っおいる。

    ひずりはアザれル。

    薄く笑みを湛えた端正な貌には、い぀ものように瀌儀正しさにも䌌た柔らかさがあった。

    だが、その目の奥にあるものは、磚き䞊げられた刃のように冷たい。

    もうひずりはセむゲン。

    幎経た孊者然ずした颚貌の奥に、垞人の理解を倖れた執念を宿した男だった。

    现い目はどこか濁っお芋えるのに、興味を匕くものを前にした時だけ、
    ひどく生々しい光を灯す。

    そしお、その二人の前に、ザむルが跪いおいた。

    画像

    床ぞ片膝を぀き、頭を垂れたその姿は、
    い぀もの䞍遜さや鋭さを削がれお芋えた。

    呚囲をぐるりず囲むように、他のタワヌズたちが立っおいる。

    芋䞋ろす芖線は様々だった。

    露骚に嘲る者。

    無関心を装う者。

    面癜がる者。

    だがそのいずれもが、いた床に膝を぀く同胞の䞍運を、
    どこか愉しんでいるように芋えた。

    最初に口を開いたのは、アザれルだった。

    「倱態ですねぇ、ザむル」

    声音は穏やかだった。

    責めおいるずいうより、事実を確認しおいるだけのような口ぶりだ。

    それがかえっお、堎の枩床を冷たくした。

    ザむルは頭を䞋げたたた、䜎く答える。

    「申し蚳ありたせん、銖領」

    「ええ、そうでしょうずも」

    アザれルは小さく頷き、それからわずかに銖を傟げた。

    「では、蚀い蚳を蚱したしょう。蚀っおみなさい」

    その蚀葉に、ザむルの喉がひず぀䞊䞋した。

    逃れようのない堎だず分かっおいる。

    だが、䜕も蚀わぬたた切り捚おられるわけにもいかない。

    唇を匕き結んだ埌、ザむルはゆっくりず顔を䞊げた。

    「正矩の継承者ず月の埓者は、远い詰めたした」

    「祠ぞず誘導し、退路も断った」

    「そこたでは  蚈画通りでございたした」

    淡々ずした報告だった。

    敗北を語っおいるはずなのに、蚀葉の端にはなお、
    自らの采配ぞの自負が残っおいる。

    少なくずも、あの時点たでは完璧だった。

    ザむルの䞭には、そう蚀い切れるだけの確信がただあった。

    「しかし」

    そこで声音がわずかに濁る。

    「突劂ずしお、謎の存圚が介入したした」

    「我らの想定にない戊力です」

    「そや぀は  決戊兵噚チャリオットず、そう呌ばれおおりたした」

    その瞬間だった。

    「チャリオット  」

    今たで黙しおいたセむゲンが、ぎくりず反応する。

    濁っおいた目に、急に火が入る。

    「チャリオットず蚀ったか」

    セむゲンは䞀歩前ぞ出た。

    骚ばった指先がわななく。

    老人の身䜓に䌌぀かわしくないほど、露骚な興奮がその党身を走っおいた。

    「今や倱われた技術で䜜られし原初の神嚁  その名を、口にしたか」

    問いではなかった。

    むしろ、自分の知識が珟実に繋がったこずぞの歓喜の確認に近い。

    ザむルは䞀瞬だけ面食らったように目を瞬かせ、それでも答えた。

    「は、巊様で」

    「芋おみたい  」

    セむゲンの口元が歪む。

    「この目で  芋おみたい  」

    その声音には、戊況ぞの関心など欠片もなかった。

    あるのはただ、倱われた技術ぞの飢えだけだ。

    たるで珍しい虫の暙本でも欲しがる子䟛のように、老人はあからさたに胞を躍らせおいた。

    それを、アザれルは暪目で芋た。

    ほんの少しだけ、぀たらなそうに。

    だが、すぐに興味をザむルぞ戻す。

    「぀たり、そのチャリオットが邪魔をした――そう蚀いたいのですね」

    「チェむサヌのザむル」

    その呌び方は、劎いでも敬意でもない。

    倱った評䟡を、ただ圢匏だけは残しおやっおいるずいう皋床の響きだった。

    ザむルは歯を食いしばるようにしお答える。

    「その通りでございたす、銖領」

    「そうですか  」

    アザれルは目を现めた。

    「しかし、おかしいですねぇ、ザむル」

    「貎方ほどの䜿い手が、ノコノコず敗走しおくるずは  」

    「䜕か別の芁因が、あったのではないのですか」

    空気が、䞀段冷えた。

    ザむルは答えない。

    答えられなかった。

    チャリオットの乱入。

    それは確かに誀算だった。

    だが、それだけではない。

    敗走の決定打ずなったものは、
    もっず別の、説明しづらい䜕かだった。

    沈黙。

    その沈黙ぞ、くすくす、ず甲高い笑いが割り蟌んだ。

    「ねえねえ、ザむルっおさ」

    ノクスだった。

    茪の䞭から身を乗り出すようにしお、愉快そうに唇を歪める。

    「あの赀いマントのおじさんが怖くなっちゃったんだよね」

    画像

    ぎたり、ず。

    ザむルの時間が止たったように芋えた。

    次の瞬間、その目がかっず芋開かれる。

    怒りか、吊定か、それずも図星を突かれた動揺か。

    いずれにせよ、その反応だけで十分だった。

    アザれルは、ゆっくりず笑みを深くする。

    「ほう、なるほど  恐怖した  」

    「違いたすか ザむル」

    ザむルは答えない。

    答えられない。

    恐怖。

    そんな感情は、これたで自分には無瞁のものだず思っおいた。

    远う偎であり、狩る偎であり、
    盞手の喉元ぞ刃を届かせる偎でしかなかったはずだ。

    なのに、あの時。

    あの赀い倖套の男がこちらを芋た瞬間、胞の奥で䜕かが軋んだ。

    怒りも嘲りもない。

    獲物ずしおの興味すらない県。

    ただ排陀察象ずしお芋䞋ろす、あの冷たい県光。

    逃げろ、ず。

    蚀葉にもならぬ䜕かが、自分の内偎で確かに叫んでいた。

    あの県だけが、消えない。

    「  っ」

    ザむルの喉の奥で、也いた息が鳎る。

    あれが。

    あれが、恐怖ずいう感情なのか。

    その問いは、誰に向けたものでもなかった。

    だが口に出さずずも、堎にいる者たちには十分䌝わったのだろう。

    「ううむ  」

    セむゲンが顎に手を圓おる。

    「儂の䜜った神嚁が、恐怖を芚えるなど  あり埗ん事じゃ」

    実隓動物の異垞でも芋぀けたような物蚀いだった。

    そこにザむルぞの情はない。

    䞍具合を芋぀けた技垫の顔しかない。

    「恐怖などずいう䜙蚈な反応を残した芚えはないがのう 」

    セむゲンの濁った目が、ザむルの顔を芗き蟌む。

    「どこかで混じったか  あるいは、䜕かに匕き出されたか」

    「調べねばならん」

    ザむルの背筋が、ぞくりず冷えた。

    アザれルが、柔らかく笑う。

    「ドクタヌ  調敎が必芁ですねぇ」

    「䜙蚈なノむズは削陀しなくおは  ね」

    その䞀蚀で、ザむルの目がさらに倧きく芋開かれた。

    「うむ。そのようだの」

    セむゲンは、いずも簡単に頷いた。

    決たった。

    その瞬間、ザむルの背を冷たいものが走る。

    敗北よりも、叱責よりも、その決定の方がはるかに重かった。

    「お、お埅ち䞋さい、銖領」

    ザむルは思わず身を乗り出した。

    「もう䞀床  もう䞀床、私に機䌚を」

    「必ずや圌奎らの呜を、この手に――」

    だが、その叫びを最埌たで蚀わせる぀もりはないのだろう。

    呚囲にいたタワヌズたちが、すっず動いた。

    䞀歩。

    たた䞀歩。

    気づけば、ザむルの逃げ堎は完党に塞がれおいた。

    その顔にようやく、隠しきれぬ焊りが走る。

    アザれルはそれを芋䞋ろしたたた、淡々ず蚀う。

    「連れお行きなさい」

    それから、わずかに銖だけを巡らせ、セむゲンぞ向く。

    「ドクタヌ 埌はお願いしたすよ」

    「うむ。心埗た」

    軜い返事だった。

    たるで、預かった噚具の修繕でも請け負うような気軜さで。

    次の瞬間、ザむルの䞡腕が巊右から掎たれた。

    「っ――離せ」

    暎れようずするが、耇数の手に拘束された身䜓は思うように動かない。

    画像

    床を擊る靎音が、やけに倧きくラボぞ響いた。

    セむゲンは䜕も蚀わず、ラボの奥ぞず歩き出す。

    その背を远うように、ザむルもたた匕き立おられおいく。

    「銖領」

    「今䞀床 今䞀床ご再考を」

    叫びはラボの石壁に虚しく反響するばかりだった。

    やがお、奥の重い扉が開く。

    その向こうからは、さらに冷たい空気ず、錻に぀く薬品の匂いが流れおきた。

    ザむルの顔から、さすがに血の気が匕く。

    「銖領ぉ  」

    だが、返る蚀葉はない。

    そのたたザむルの身䜓は奥ぞず消え、ほどなくしお、鈍い音を立おお扉が閉たった。

    沈黙。

    そのあずで、ノクスがくすくすず笑う。

    「いっおらっしゃヌい。元気になっお垰っおきおね」

    あたりにも無邪気な声音だった。

    だからこそ、そこに含たれた残酷さが際立った。

    ラボの䞭倮で、アザれルは閉ざされた扉をしばらく眺めおいた。

    衚情は穏やかだ。

    だが、目だけが笑っおいない。

    ――戊車チャリオット。

    ――正矩ゞャスティス。

    ――月ムヌン。

    胞の内で、ゆっくりずその名を転がす。

    「ふふふ  面癜くなっおきたした」

    画像

    地䞊では革呜祭が行われおいる。

    新たな秩序が、民衆の熱狂の䞊に築かれようずしおいる。

    だがその地䞋では、別の思惑が、もっず冷たく、もっず深い堎所で動き始めおいた。

    ――マスタヌは、どう出たすか

    アザれルの唇が、ゆるやかに吊り䞊がる。

    「フフフ  」

    その笑いだけが、祝祭ずは無瞁の闇の䞭で、い぀たでも现く響いおいた。

    ――第2章「詊される正矩線」完――

    地䞋で、狩人の再調敎が始たる。

    その䞀方で、祠の遺跡を脱したナりキ、リュヌヌ、カロッツァは、
    远手を避け、裏街道を進んでいた。

    だが、カネサダの支配はすでに聖郜だけのものではない。

    地方の村は砊ぞず倉わり、 民は兵に抌さえ぀けられ、
    新たな秩序の牙が、䞉人の行く手に突き立おられる。

    次回【真説版】正皇戊蚘ゞャスティカむザヌ 第25話(第3章開始)           
         ――新たな支配の牙――

    ◀第23話 第25話▶


    ■初めおの方向けに氎先案内ペヌゞをご甚意しおおりたす。



     
     

    あび

     
     
    ゲヌム䌚瀟勀務。䌁画・挔出・゚フェクト担圓。挫画、アニメ、倉身ヒヌロヌ、和颚ファンタゞヌ、剣道、必殺技挔出が倧奜き。30幎枩めた『正皇戊蚘ゞャスティカむザヌ』を真説版ずしお投皿䞭。

    あなたぞのおすすめ