メインコンテンツへスキップ
見出し画像

白いローブとMONSTER |雑サメ。〜勇者の隣で普通に暮らす……多分♯41|第7章 正しさが通り過ぎる(なんか通り過ぎてった編)

    ◀【前話】  |🏠【目次】|  ▶【次話】

    ミカルのお使いでポーションを取りに行く。
    場所はいつもの神殿の内部。一番奥。
    そこで「下さーい」と叫ぶと中華袋を投げるありがたみの薄い女神。
    いまさらだが、だいたいなんで中華袋なんだ?同じ梱包ならダンボールで良くないか?
    いや、軽い、かさばらない、丈夫。きっとワンタッチ梱包……楽。

    そう思いながら奥を覗くと、今日は珍しく先約がいた。

    白いローブを被ったポリゴンが、円形の台座に座っているではないか。
    仕方がない。時間ずらしてから来るか、とUターンしたその時、
    「大丈夫ですよ、もう行きますから」と声が掛かった。
    ハスキーな声。男の人なのか、女の人なのかよくわからない。
    側を通り過ぎたその人は、ローブが顔に落ちていて、表情もわからなかった。間近で見ると、白いローブには金の縁取りが掛かっていた。

    その人が座っていた場所には重めの甘い香りが残っていた。

    ◻︎◻︎

    ポーションを持ってミカルの部屋をノックした。
    「おかえり。ありがとな」
    「ただいま。はい、女神のポーション」
    「……女神、地味に梱包上手くなってないか?」
    「地味にそうだよね」
    「角が無駄に綺麗なのがイラッとするな」
    「わかる」
    女神の丁寧さに敬意を払ってテープを端から剥がしていく。
    プチプチに一個ずつ包まれたポーションが現れるが、色がなんだかおかしい。

    ……緑色?
    いつものは茶色に青ラベルの小瓶のはず。
    「え?いつものじゃないじゃん。女神間違えて送ってきた?」
    開けるとMONSTERと表記されていた。

    「ああ、上位ポーションだな」
    ミカルはぼやくように天井を見上げ、軽くため息をついた。
    「効きすぎるんだよな。レッドブルくらいで足りるのに……」

    ………シオリは脳の処理が追いつかなかった。

    ◻︎◻︎

    「うーん。駐車場代が上がった」
    「住んでるとこの?」
    「それもだし、郵便局の隣の時間式駐車場も増えた」
    「どこも値上げなのかしら」
    「20分で100円UPって強気過ぎない?」
    「別の所に止めるしかない」
    「郵便局の隣だし、需要あるって思われてるから上げるのよね」
    「路駐は?」
    「切符切られるからだめ」
    「回ってくるとこか〜」

    「あとうんこされると迷惑かかるし」
    「うんこ?車が?」
    シオリは思わず声を上げる。
    おばちゃん達はこともなげにしゃべり続ける。

    「ああ、ミドリウマのね」
    「うちはスカシウシ派。のんびりしてるから楽」
    「シオリちゃん乗ったことない?」
    「えっと、だいたい歩いて来れちゃうから」
    「今度ミカル君に乗せてもらいな。うんこ袋忘れないようにね」

    うんこ袋推奨の異世界の乗り物か……。

    「もう、ご飯作ってるのにうんこの話とか最悪www」
    「あら、うんこ大事よ〜」
    「大事だけどさwww」

    おばちゃん達と一緒に野菜を洗う穏やかな午後だった。

    ◀【前話】  |🏠【目次】|  ▶【次話】



     
     
    低予算・低体温で回る世界と、爆破でしか更新されない物語。 (雑サメ。連載お休み中。) ログライン『世界の変さより今日の生活』 ・低予算・低体温ファンタジー ・サメは爆破します(重要) ・合わなかったら、そっと閉じてOKです

    あなたへのおすすめ