
祭りだわっしょい|雑サメ。〜勇者の隣で普通に暮らす……多分♯42|第7章 正しさが通り過ぎる(なんか通り過ぎてった編)
「ありゃまたブッキング」
d国に派遣されると、またもやHさん&Iさんペアに会った。
「お偉いさん方弛んでるねえ。遠い国だからか上手く噛み合ってないのか知らないけど。ま、いいや! 今回は私らが残るから、シオリちゃん達は祭り見てから帰りなよ」
Hさんの隣で勇者Iが薄目でうつらうつらしている。
「祭り?」
「うん」
「今年は神輿が出るらしいよ? もっとも私らは出店目当てだけど。Iはイカ焼き。私は箸巻きとまんじゅう目当て。ま、この日だけはサメなんて出てほしくないわね」
Hさんは一通り喋り終わると、手を振って去っていった。その後をIさんがあくびを噛み殺しながらついて行った。
「どうする?」
「行くだろ」
と短い返事。
これで決まり。
「箸巻き? ってなんだっけ?」
「出店見てればわかるんじゃないか」
「綿菓子買っていい?」
「俺は焼き鳥」
祭りが始まるまで、宿で一旦休むことにした。
◻︎◻︎
「すごーい! 人多い!!! 明かりきれーい!!!」
「思ったより規模がでかいな」
前にも小さな村の祭りには行ったことあるが、出店の数が半端ない。ちょっとした商店街の規模ぐらい。碁盤の目のように大通りから裏手へと、ぴっちり出店がひしめき合うように並んでる。
「え? どこ並べばいいの?」
「並ぶのか?」
「並んでるところのが美味しいんじゃない? 私こっち並ぶからミカルあっちね」
手を振って別れた。
おまんじゅう買うのに三十分並ぶ、は合理的かと言われると首を傾げるが、その空気込みで楽しい。
が、買い終わったあと、人が多すぎて流されて迷子になってしまった。
ちょっと人がはけたところに止まって、端末を出してメールする。
「どこ? 迷った」
「迎え行く。動かないこと」
ホッとして座ろうとしたら、
「わっせーい」
威勢のいい男性の咆哮が目の前で上がり、担ぎあげられる。
みんなねじり鉢巻にハッピ姿。あっという間に神輿に乗せられ、
「そこの紐握ってね! 振り落とされないように」
上下に三回、神輿ごと飛ばされた。
「???」
「はいありがとねー!!!」
またまた担がれ降ろされる。
神輿集団は整列すると、
「せい!」
とかけごえとともに歩き出した。
「ラッキーだったな。神輿乗せてもらえて」
後ろを向くとミカルがいた。
「あれ、なんなの」
「神輿? 今年はスポンサーがはぶりがいいんだと」
「へえ」
神輿集団は十メートルほど先で女性を担ぎあげ、また神輿ごと放り上げる。
力強い。
通りすがりの人が教えてくれた。
「なんか、流行ってるらしいですよ」