【PL学園コラム2】人文字の作りかた教えます!「端っこ」で点になる私
⚾️母校PL学園の「誰も書いていない裏話」を毎週投下しているryuuです!
各回読み切りなので、この記事だけでも楽しんでもらえます!
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1ミリでも動いたら怒号が飛んでくる。そんな世界だった。
1981年春。
甲子園の応援に参加するため、入寮が早まった。
そして、すぐに連れていかれた。
「Cちゃん、じっとして」
同部屋の同級生Aちゃんの小さく強い声が、耳の奥に残っている。
「たいへんなところに来てしまった」と気づいたときは、甲子園のアルプススタンドにいた。
📣PL学園式・人文字の作りかた
人文字は「カラーブック」「カラーカード」という何色ものカードをリングで綴じたものを使う。
下敷きサイズになった、でっかい単語帳のようなものだ。
一人ひとりに専用の1冊があって、
指示された番号のカードをめくって、顔の前に掲げる。
「打て」の「打」という文字を担当する生徒と、
地の部分を担当する生徒では、
番号と色の組み合わせが違う。
私たちは応援部や生徒体(生徒会に代わる、PL学園独自の呼称。「隊」ではなく「体」と書く)役員に言われるがまま、顔の前にカードを掲げる。
1年女子は、ほとんどが端っこの地の部分だから、毎回ほぼ同じ。
「隣と合わせていればいいんだ」と安心していた、その矢先。
ブラスバンドの爆音にも負けない怒号が飛び交った。
「そこ!動かない!」
「遅れるなっ!」
「声、張れぇっ!」
少しでも動くと、カードの隙間から頭が覗く=美しくない。
それだけで怒鳴られる。
→ 寮に戻っても叱られる。
カードで顔を隠し、微動だにせず「端っこ」の点になる。
腕が震えても、どれだけ辛くても、しっかり持って前に出す。
ブラスバンドの音に、1秒も遅れてはいけない。
応援部の男子上級生が吹く笛に合わせて、喉が千切れそうなほどの大声も出す。
「かっと~ばせ~、よーしむらっ! ◯◯たおせ~っ、おー!」
怒鳴っている上級生の顔を見ることはできない。
でも、本当に怖かったのは応援の厳しさだけではなかった。
😱ティッシュを2枚使うだけで、目をつけられる世界
上級生がいない部屋でティッシュ(私物)を使っていると、
部屋の隅で同級生のBちゃんがじっと見ている。
「どうしたの?」
申し訳なさそうにBちゃんは言った。
「Cちゃん(私)はいつも、
ティッシュを2枚ずつ取るなぁと思って」
意味がわからず、かたまる私。
「外から来た人は違うなぁと思って」
頭の中が真っ白になる。
それってもしや、
外から来た人=高校から入った人はティッシュを一度に2枚使う。
実家暮らしで贅沢が身についているという意味なのか。
「Bちゃんは、1枚ずつ使うの?」
「うん。Aちゃんも、上級生のかたがたも」
ひぇ~っ。
Bちゃんが気づかせてくれなければ、「ティッシュを一度に2枚使う、贅沢な新入生」と
目をつけられるところだった。
Aちゃんは小学校から、Bちゃんは中学からPL学園の寮生活。
私にとっては人生初の異世界が、
ふたりにとっては、当たり前の日常だった。
野球部OBの多くがメディアで語っているように、
PL学園1年生の記憶は
「とにかく、しんどかった」。
それだけしか、残っていない。
けれど、初めての春の出来事は、
今でも、はっきりと覚えている。
ティッシュ2枚事件も、アルプスでの怒号も、Aちゃんの「じっとして」も。
知らないって、こわい。
でも、知らせてくれる仲間がいれば、なんとか生き延びられる。
そして地獄の寮生活1年目がスタートした。
次回も甲子園応援のつづきです。一滴の水も飲めませんでした👇
※このコラムは、あくまで個人の記憶と主観に基づくものです。
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アイキャッチ画像をお借りしたmaumau_5さんがステキな記事を書かれています。ぜひ、お読みください。わたしも行ってみたい~👇
