
西海市崎戸町百話#40~大島大橋②
園崎咲人ーー第四十話 大島大橋②
大島大橋が開通したのは、1999年(平成11年)11月11日。
それだけでも「1」が並ぶ。
ところが、この橋の供用開始時刻を知って驚いた。
午前11時11分11秒。
つまり、平成11年11月11日11時11分11秒。
ここまで「1」を並べるために、わざわざ秒まで合わせたのである。
橋の開通には、本来なら年月日だけ分かれば十分だろう。
それでも、この瞬間を選んだ人がいた。
私はこういう遊び心が好きだ。
大島大橋ができたことで、それまで太田和港(おおたわこう)からフェリーで海を渡っていた交通は大きく変わった。
大島や崎戸へ、車でそのまま向かえる時代が始まったのである。
地域にとっては大きな出来事だったはずだ。
だからこそ、その始まりを誰もが覚えやすい瞬間にしたかったのかもしれない。
年月が過ぎれば、橋がなかった時代を知らない人も増えていく。
私自身、今では何の疑問もなく大島大橋を渡って崎戸へ向かう。
それでも、平成11年11月11日11時11分11秒。
この数字を知っていれば、大島大橋が生まれた瞬間だけは忘れそうにない。
橋だけでなく、その「時刻」まで地域の記憶として残っている。
そんな橋も、なかなか珍しい。
園崎咲人