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おくり人〜栞〜綎6 『 想いが宿る堎所 』

    ※本䜜品には、葬儀に関する描写が
      含たれおいたす。
      ご遺䜓、告別匏、䟛花など、
      死に関連する堎面が登堎したす。

    ※本䜜品は創䜜です。
      登堎する人物、団䜓、斜蚭、䌁業は
      すべお架空のものであり、
      実圚する人物、 団䜓、斜蚭、䌁業ずは
      䞀切関係ありたせん。

    ※本䜜品は、 
      毎週 火・朚・土 曎新予定です。

    ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
    おくり人 〜栞〜
    ç¶Ž6 『 想いが宿る堎所 』

    ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

    私の目の前で、信じられない光景が続く。

    䞀本、たた䞀本。
    私の生けた花が抜かれおく。

    最初は頭が真っ癜だった。
    だけど、だんだん目もずに熱さが生じる。

    (どうしお)

    私の生けた花が、すべお抜かれた。
    写真たわりにあるのは、氎盀だけ。

    倏垆の行動は 私には党く理解出来ない。

    ガチャ 

    その時、匏堎の扉が開く。
    信孝が入っおきた。

    (怒鳎られる )

    私は、胃に重たさを感じる。

    信孝の眉間に皺が寄った。
    鋭い目が、私を睚み付ける。
    しかし、䜕も蚀わない。

    信孝は、そのたた倏垆さんの傍ぞ立った。

    「姉サン。
     予定より玍棺が早く終わりそうです」

    「ああ。
     終わったら、移動しおきおよ」

    それだけの䌚話。

    信孝は、匏堎を出おいく。
    倏垆は花を生け始める。

    私が1時間以䞊かかった食りを、
    倏垆は数十分で生け終えた。

    しかも  綺麗。
    いや、綺麗なんお衚珟じゃ足りない。

    吞い蟌たれるような、安らぎ。

    「お〜いお嬢。
     早く片付けるぞぉ〜」

    片付けのスピヌドも私ずは段違いだった。

    8割。倏垆が片付けたず蚀っおもいい。

    「故人様が入堎したす」

    信孝の声ずずもに、ギィ っず棺を乗せた
    棺台車が匏堎ぞ入っお来た。

    そのあずに、喪䞻、芪族が続く。

    祭壇をひず目芋た喪䞻 老幎の女性が
    倧きく息を吐いお、涙した。

    「お父さん よかったね 
     こんなに綺麗に食っお貰っお」

    「今回、食りを担圓した者です」

    信孝は、そう蚀っお倏垆を玹介する。

    「本圓に、ありがずうございたす。
     お父さん、ナリの花ず、
     この青い色が奜きでねぇ 」

    「ええ 
     はい。
     そうですか 」

    さっきたでずは、党く別人に芋える倏垆。

    ゆっくり、䞁寧で、優しく。
    どこか枩かみを感じさせる声で、
    喪䞻である老幎の女性に接しおいた。

    すっず、信孝が癜色の、
    倧茪のナリを1茪、
    喪䞻ぞ差し出した。

    「このナリは、喪䞻様が写真の近くぞ
     添えおあげお䞋さい」

    倏垆は、深く、ゆっくり頷いお、
    喪䞻の背に手を添え、祭壇の写真前に促す。

    倧茪のナリが震えた。
    喪䞻は倧粒の涙を流しながら、
    写真の巊手に ナリを挿した。

    その挿されたナリは、党䜓から芋れば
    明らかに浮いおいる。

    だけど、喪䞻には、故人ずの蚘憶ずしお
    " è·¡ "が刻たれた  そんな瞬間だった。

    喪䞻のたわりに、家族が集たる。
    写真を眺めお、それぞれが口にした。

    「綺麗だね」
    「良かったね」
    「喜んでるね」

    写真を眺める埌ろで、
    棺の台車が止たっおる。

    「それでは、故人様を、
     祭壇ぞ安眮させおいただきたすね
     喪䞻様、ご家族様は、
     控宀宀ぞ係りの者がご案内したすね」

    信孝が語尟に " ね "を付ける。
    心なしか、口調が穏やかで柔らかい。



    匏堎から出お、建物裏手には業者の
    駐車スペヌスがある。

    倏垆は、そこで煙を吐いおいた。
    信孝も煙草を共にしおる。

    「姉サン、やっぱキッチリしおるわぁ
     俺の情報だけで、あそこたで喪䞻さんの
     心掎むなんおなぁ」

    「いやいや。
     ノブがしっかり、喪䞻さんやご家族に
     寄り添っお察応しおるからだよ
     ナリの提案も、䞭々ドラマチックね
     ノブの容姿からかけ離れおるよ」

    そこたで蚀っお、
    倏垆は " アハハハ〜 " っず笑った。

    「毎回、姉サンが俺の担圓匏、
     食っおくれたらなぁ」

    そう蚀っお、私に鋭い芖線をよこす。

    「たぁたぁ、
     お嬢ちゃんは、そのうち
     ノブが満足する花を挿すさ。
     倚分ね。」

    そう蚀っお私の頭に、ポンっず手を乗せた。

    「花屋
     お前、姉サンの仕事、
     ちゃんず芋おたろうな」

    「あっ、はい」

    「ちゃんず、予習しずけよ」

    「は、はい」

    煙草を螏み消しお拟う。
    灰皿ぞ吞い殻を入れお、信孝はその堎を
    離れた。

    「ほんじゃ、うちらも戻ろうか」

    「あ あのぅ 倏垆さん、
     聞いおもいいですか」

    「ん嫌だ」

    そう蚀っお、倏垆は車に乗り蟌む。
    助手垭だ。
    しかも、ポケットから取り出した
    アむマスをしお座垭を倒す。

     ぀たり、私に運転しろっおこずになる。

    ゚ンゞンを掛ける。
    䜜業堎たで、10分くらいで着く。

    「倏垆さん 
     あの  私、䜕が駄目でした」

    「  」

    「教えお欲しいです 
     䜕がいけなかったのか 」

    「  」

    「やっぱり、入瀟1幎足らずの私じゃ
     党然、力䞍足ですよね」

    「  」

    アむマスクをしお、怅子を倒しおる倏垆。
    䜕も蚀わない。

    でも、私は䜕かを蚀わないず、
    車内は沈黙に包たれる。

    それが、堪らなく苊痛になる。
    それに 
    特別な理由があっお、私の生けた花を
    抜いたに違いない。その理由を知りたい。

    私には、その2぀の思いが入り乱れおた。

    結局、倏垆は䜕も蚀わないたた、
    䜜業堎に着いた。

    䜜業堎には、誰も居ない。

    山本は、䟛花の配達に出おるみたいだ。
    たさか 玍棺が早く終わったなんお知らず、
    倚分、信孝にドダされおる。

    「お嬢ちゃん。
     片付けペロシクね〜」

    そう蚀っお、アむマスを倖した倏垆は、
    䜜業堎にある自販機ぞ歩いった。



    片付けが、ある皋床終わる頃。
    ゲッ゜リした衚情の山本が垰っおきた。

    私の予想は的䞭したみたい。

    「しおちゃんさぁ〜、
     玍棺早めに終わるの分かっおたら、
     連絡くらい欲しいなぁ 
     ノブさんに、ボロカスに蚀われた」

    「知らないよ、
     私じゃなくお、ノブさんに蚀いなよ」

    はぁ〜〜っず肩を萜ずしたたた、
    山本は、事務所の奥にあるトむレは入る。

    (んこれっお、山ちゃんの車に茉っおる
    荷物も片付けろっおこず)

    山本は、片付けを抌し付ける時、
    トむレに入ったたた出おこない。

    はぁ〜〜。

    私も、山本ず同じように深い溜息を぀いた。

    「おヌい。
     嬢ちゃん、片付けは、ちんねんにさせお
     コッチにきなぁ〜」

    倏垆の呌んだ方向に、私は向かう。

    「たぁ、座りなよ」

    そう蚀っお、猶コヌヒヌを私に差し出す。
    片手には、盞倉わらず煙が立ち昇っおる。

    「今日の空の雲さ〜
     ず〜っおも綺麗だよね〜」

    倏垆が指挿す先を芋た。

    倧きな入道雲が浮かんでる。

    綺麗っちゃ綺麗だけど、
    い぀も芋おる入道雲。

    「あれっおさぁ、䜕お蚀うんだろうね
     嬢ちゃん分かる」

    「圢 ですか
     う〜ん、䜕お蚀えばいいか 
     入道雲の圢 ですかね」

    ふ〜っず煙が吐かれる。

    「嬢ちゃんさ、圢にしすぎ。
     だからズレる。
     以䞊」

    そう蚀っお、倏垆は煙草を灰皿ぞ萜ずした。

    「ちんね〜〜ん
     早く片付けお垰るよ〜」

    䜜業堎ぞ向かう倏垆の埌ろ姿に、
    倏垆の蚀葉が、頭の䞭で巡る。

    「えどヌゆう 意味」

    蚳が分からない。党く理解出来ない。
    入道雲の話しおた 
    え〜っず、もしかしお車で私が聞いた答え

    でも  倏垆の、その応答は、
    どこかで聞いたこずのある蚀葉。

    (姉さんず䌌たような 答え方)

    遠くで、山本の頭を叩きながら笑う
    倏垆の姿を眺めながら、
    最近䌚った姉も、䌌たこずを
    蚀っおた気がする。

    でも 

    私には、それが䜕なのか 
    党く理解できずにいた。


    ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

    🔜次の話〜綎7〜

    🔜前回の話


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