
【12話】呪いがとけるまで・・・
罪の重さは15万円
次の日お昼ごろに死にたい気分で起きた。
目が開かない。。。
鏡を見ると
昨日泣きすぎて顔の原型がなくなっていた。
私「おわった。。。」
さすがに今日は休ませてくれそうにないので
シャワーを浴びてから
出勤間際まで必死に保冷材で目を冷やしていた。
それでも気を抜くと涙が出てきて
全然目の腫れは引かなかった。。。
何事もなかったように出勤しようと思ったが。。。
顔面崩壊している私を見て
店長がドン引きした。
店「おまえその顔吉田に殴られたんか?!💦」
私「心をフルボッコにされました。。。」
店「ちゃうやん!顔よ。。。」
私「その結果やん!!物理攻撃はされてない!💢
こんな泣いたの人生で。。。初めてか。。。も。。。」
また泣きそうになってきた。。。
店長が必死で私をあやしだす💦
店「凜ちゃ~ん泣かないでぇ~💦
状況えぐすぎるけど今から仕事だからねぇ~」
私「う”ん。。。」
その日バックヤードはお通夜状態だった。。。
次の日吉田から電話があった。
吉「大丈夫か??」
私「大丈夫なわけないやん。」
吉「あぁ。。。そうやな。。。
ところで病院いつ行く?♪」
(だからなんで病院行くのちょっと楽しそうなん??)
私「いつでもいい。」
吉「病院どこにあるん?」
私「この辺の婦人科知らんし。」
吉「俺も知らんねん。調べといてや!」
私「。。。うん」
(ご飯屋探しといてくらいのノリかよ。。。)
吉「決まったら連絡して!一緒に行くから!」
私「。。。わかった。」
この時吉田が俄然張り切って
病院に一緒に行くと行った時
なんか違和感を感じた。
その違和感は未だに謎のままだが
私はその時
『妊娠をでっち上げられてると思ってるのか?
でも妊娠させた事を若干喜んでるようにも思えた。』
あの時の本心は吉田にしかわからないが、
そんな違和感を今も私は感じ続けている。
それから最寄り駅のすぐ近くの産婦人科を見つけた。
ネット予約して、
駅前で吉田と待ち合わせて行った。
落ち着かない吉田。
落ち着かないと言っても
なんだかワクワクしてるように見える。
病院に着き
尿検査の紙コップと問診票を受付で渡された。
問診票を吉田に渡しトイレに行こうとすると
吉「えっ?!俺のこと書くの?!」
?!!(;一_一)あほなん?
私「あなたが妊娠できるなら書いたらいい!」
と言い残して、私はトイレに向かった。
ソワソワ、キョロキョロしながら
待合室で待つ吉田
吉田から問診票を受け取り記入した。
吉田は横から問診票を覗き込みながら
私の出産歴などを見ていろいろ聞いてきた。
なんだか吉田はまるで小学生が親について
産婦人科に来たようなテンションだった。
私「産婦人科来るの初めてじゃないやろ?」
吉「えぇ~初めて!」
私「そういう嘘いらん!娘おるやろが!💢」
吉「俺あんまなんも知らん。」
私「??はぁ??知らんわけなくない?」
吉「わからん。」
私「え?あなたの子供ですよね?」
吉「うん。でも病院とか妊婦検診とかわからへん」
話せば話すほど吉田が言ってる
意味がわからなくなってきた。
そして診察室に呼ばれた。
なぜか張り切って入っていく吉田
私はとてつもなく足取りが重かった。。。
先生はメガネの優しそうな
50代くらいの小柄な男の先生だった。
先「おめでとうございます!ご懐妊ですね!」
私「。。。」
吉「そうですか。。。」
先「おめでとうでいいんですよね?」
私「よくないです。」
先「あぁ。。。となると。。。
旦那さんではないのかな?」
と吉田の方を見た。
私「はい。」
先「今まだ5週だから
これからどうするか2人で話し合ってください
もし中絶するので
あれば8週から22週なる前までだから。」
私「8週まで手術できないんですか?」
先「そうだね。すぐに受けたいの?」
私「。。。」
先「中絶手術するとなると彼の同意書もいるからね。
今日渡しとく?」
私「はい。」
吉田は終始周りをキョロキョロ見渡したり
エコー写真を見たりしていた。
病院から出て車に乗り近所をドライブした。
吉「やっぱり妊娠してたけど、
り~んはどうしたい?」
私「。。。それでいいよ。」
吉「それでとは?」
私「だから吉田さんがしたいようにしていいよ!!💢」
この流れで私に【どうしたいか?】
聞いてきたことにイラついた。
聞くまでもなく、
吉田が既婚者だということが発覚し、
しかもまだ1才になったばかりの娘がいるのに
産む選択なんて初めからないのに
何で聞いた!?と腹が立った。
それに私は元旦那に取られた
3人の娘のことで頭がいっぱいだった。
そしてなにより
【この男の子供を産むのは絶対にイヤだ】
と心の底から湧き上がってきた。
吉「じゃぁ。。。俺が決めるってことになったら
そういうことになるけどいいの?」
私「だからいいって!!💢」
そして家に帰った。
その頃手帳に仕事の同伴、来店
吉田と会った日、SEXした日
生理日などを記録していた。
その手帳にさっき貰ったエコー写真を挟んだ。
そして2月のページを見ながら
いつできたのかを考えていた。
あの地下の駐車場の日だった。
また気が遠くなる感覚がした。
ほとんどレイプ状態で無理矢理やられて妊娠
そして既婚者でしたのオチ
自分のあまりの状況に
私は思考停止した。
『もう考えるのやめよう。
ってかもう考える元気ないわ。。。』
そう思ってこの時
いろんな感情を大きな壺に入れ厳重に鍵をかけた。
その後1週間ほどでつわりが始まった。
腰回りの肉も付きだし、
仕事中はアルコールも受け付けなくなり
本当にしんどかった。
罪滅ぼしのように、
出勤前に店の近くまで送る吉田。
中絶手術まであと数日という頃に
急に吉田が話し出した。
吉「いくら払ったらいい?」
私「なにが??」
吉「え。。。あの。。。あれやん。。。」
私「なに?」
吉「仕事休まないとあかんくなるやろ?」
私「給料保障みたいなこと?」
吉「そうそう!」
私「。。。」
吉「。。。いくら払ったらいい?」
私「相場がわからん。反省の金額じゃない?」
吉「じゃあ。。。
15万でいいかな??」
私「。。。」
吉「えっ?!どっち?」
私「どういう計算で15万なん?
まさか手術代込みじゃないよね?」
吉「もちろん手術代は別!
1週間休むとして大体これくらいかなと思って。」
私「ふ~ん。。。」
正直少ないなと思った。
でも相場もわからないし、交渉する気力もなく
ごちゃごちゃ言って
何ももらえなくなるのも嫌だなと思い了承した。
数年後に1回だけこの時の話をしたことがある。
この時吉田はもっと請求されると思ってたらしい。
正直30~100万くらいは請求されるかもと
どうやって交渉しようか
ヒヤヒヤしていたそうだ。
『それがあっさり15万で済んでよかった』と思ったそうだ。
私はどこまでも自分を蔑ろにしてきたんだなと思う。。。
納得もいってない、
身体も心も傷つきボロボロなのに
何も言わず耐えることを選んだ私
どうかしていた。
今思うと
すでにこの時には私は完全に思考回路が死んでいた。
そしてここからさらに地獄へと転がり落ちていく。。。