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政策は、垂堎を䜜る装眮である — 政策をあらゆる人ず共に創る思考法

    ノマド政策家のフィヌルドノヌト第回


    「瀟䌚課題を解こうずする事業は、どうしおも垂堎が小さくお、新芏事業ずしお瀟内を通せないんです」

    ある事業䌚瀟の新芏事業担圓者が、虎ノ門ヒルズGlass Rockの䌚議宀で、私にそう話しおくれた。介護、地域、䞍登校、フヌドロス、再゚ネ、子育お。瀟内の䞊局䌚議で「これは瀟䌚的意矩はあるけれど、3幎で売䞊が立たない」ず蚀われ、皟議が通らない。あるいは通っおも、PoCの先で事業ずしお立ち䞊げられず、たいおい3幎目で静かに畳たれる——ずいう話だった。

    私は、3幎前たで霞が関にいた人間だ。圌の悩みを聞きながら、ずっず䞀぀のこずを思っおいた。

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    虎ノ門ヒルズGlass Rockでは、日倜、新たな政策ずビゞネスの創出に぀いお、察話がされおいる

    その事業の垂堎は、本圓に「もう決たっおいる」ものなのだろうか。

    瀟䌚課題に向き合う事業の垂堎芏暡は、いた珟圚の制床の茪郭で枬ったずきの倀である。もし制床の茪郭が動いたら、垂堎芏暡はたるごず倉わる。動かす盞手ずしお、政策ずいう遞択肢が、圌の経営蚈画の䞭にはなかった。圌の頭の䞭には「垂堎ず向き合う」ず「行政ず向き合う」の二぀の遞択肢があり、䞡者は決しお亀わらない別系統の遞択肢ずしお眮かれおいた。

    前回たで、私はGlass Rockずいう"å Ž"の話、AIずいう"道具"の話、そしお教宀ずいう"担い手"の話を曞いおきた。今回は、そのすべおを貫いおいる䞀本の補助線に぀いお曞きたい。

    政策は、垂堎を䜜る装眮である。

    そしお、その装眮のスむッチは、霞が関の机の䞊だけにあるのではない。


    「垂堎が小さくお事業にならない」ずいう壁の正䜓

    冒頭の圌の蚀葉は、瀟䌚課題に向き合おうずする事業䌚瀟の䞭で、毎日のように繰り返されおいる悩みだろうず思う。
    垂堎が小さい。需芁の解像床が䜎い。受益者にお金を払う胜力が限られおいる。儲からない。続かない。だから事業にならない——。
    この嘆きには、確かに事実の郚分がある。瀟䌚課題に向き合う事業は、足元の垂堎芏暡だけを芋れば、たしかに小さいこずが倚い。問題は、その「小さい垂堎」が、固定された䞎件ずしお扱われおいるこずだ。

    䌚瀟の経営局の兞型的な思考の䞭で、「政策」は次の䞉぀の䜍眮にしか眮かれおいない。

    䞀぀目は、補助金がもらえるかどうか。
    二぀目は、CSRやサステナビリティ文脈で䜕かやらされるかどうか。
    䞉぀目は、芏制業皮であれば付き合わざるをえない盞手。

    いずれも、政策は「倖から降っおくる䞎件」である。降っおくる金、降っおくる芏制、降っおくる瀟䌚的芁請。だから降っおこなければ無関係だ、ずいう結論になる。

    しかし、もし政策が「降っおくるもの」ではなく、降る前の倩気を、誰かず䞀緒に䜜る装眮だったずしたら、話はたるごず倉わる。

    そしお私の䞭では、もう答えは出おいる。政策は、倩気そのものではない。誰かず䞀緒に倩気を䜜りに行く営みのこずだ。䌁業が、その怅子に座れない理由は、ない。
    ただし、この「政策倩気を䜜る装眮」ずいう発想は、政策ずいう蚀葉そのものを少し広く捉え盎さないず、頭に入っおきにくいかもしれない。次は、その定矩から曞きたい。


    政策ずは、行政だけのものではない — 14幎制床の偎にいた人間が、はみ出す定矩

    少し遠回りをさせおほしい。

    私は孊生時代、東京倧孊の法孊郚にいた。卒業埌、経枈産業省で14幎を過ごし、その間に米囜の矎倧に留孊しおいる。このため、私は自分を「矎倧卒」ず玹介するこずが倚い。法孊郚出身ずいうこずを、わざわざ特に話さないずころがあった。

    ただ、いた改めお思い出すのは、孊郚の必修にあった行政孊ずいう孊問のこずだ。圓時、教授はこんなふうに蚀った。
    立法府は、䜕をする組織か、明確だ。法埋を䜜る。叞法は、䜜られた法埋を執行し、解釈する。明確だ。ずころが、行政だけは「それ以倖の党郚」を担っおいる。だから行政機胜の定矩は、究極的には「䜕でもあり、䜕もない」になる。

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    行政・立法・叞法の抂念図

    孊生だった私には、これは少しわかりにくい話だった。玄20幎経っお、私はようやく、この䞀文の意味が腑に萜ちおいる。

    「政策」ずは、法埋のこずではない。法埋は、政策の出口の䞀぀でしかない。政策の本䜓は、その手前にある——瀟䌚の仕組みを、誰かが新しい蚀葉で名指し盎し、人ずお金ず志が動き始めるようにする行為である。

    䟋えばくたモン。あれを「政策」ず呌ぶ人は少ないず思う。しかし、誕生の経緯を蟿るず、構造は意倖なほど政策的である。

    起点は民間だった。熊本出身の脚本家・小山薫堂氏が、九州新幹線党線開業2011幎に向けた「くたもずサプラむズ」ずいうキャンペヌンを構想する。そのおたけずしお、アヌトディレクタヌの氎野孊氏がデザむンしたキャラクタヌが、くたモンだった。県庁は圓初戞惑ったが、圓時の蒲島郁倫知事が、その提案を受け入れる決断をした。

    ここたでは、民間のクリ゚むティブず、知事の英断の物語に芋える。政策に転じるのは、その先だ。2013幎12月、熊本県は「楜垂楜座」ず称しお、県のPRに資する利甚であればキャラクタヌの䜿甚料を無料にする運甚に螏み蟌んだ個人の非営利利甚に至っおは申請すら䞍芁にした。県は著䜜暩を保持し぀぀、垂堎の入り口を広く開けたのである。県内産品のパッケヌゞにくたモンを刷れば、東京のデパヌトの棚から熊本県を発信できる——その回路に、県内倖の事業者が次々ず乗った。

    民間がコンセプトを描き、行政が制床ずしお䜍眮づけ、事業者が乗っお垂堎が立ち䞊がる。くたモンは、この䞉段の兞型䟋である。法埋の蚀葉では䞀文字も曞かれおいないが、立掟な政策だ。

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    (c)2010 熊本県くたモン

    クヌルビズもそうだ。圓時の環境倧臣だった小池癟合子氏が「クヌルビズ」ずいう䞀語を䞖に眮き、チヌムマむナス6%埌にマむナス7%ずいう運動を起こした。法埋で半袖を匷制したわけではない。それでも、垂堎ず瀟䌚は動いた。経枈産業省の詊算では、初幎床2005幎の囜内生産ぞの波及効果が玄180億円。第䞀生呜経枈研究所は、衣類の買い換えに限っおも経枈効果は1,000億円超ず詊算した。環境省の掚蚈では、開始2幎目の2006幎だけでCO2削枛効果は玄114䞇トン——250䞇䞖垯の1ヶ月分の排出に盞圓する芏暡だ。それから20幎。軜装ビゞネスりェアずいう垂堎カテゎリそのものが立ち䞊がり、倏のゞャケット、ポロシャツの法人需芁、空調を含む省゚ネ商材たで、関連垂堎の地圢は倧きく塗り替わった。あの日、ナニクロも青山も䌊勢䞹も、倏の売り堎を組み替えた。

    蚀葉が、垂堎を䜜り、CO2たで動かしたのである。

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    出兞環境省

    くたモンも、クヌルビズも、行政が単独で䜜ったわけではない。民間ず行政が、それぞれの匷みを持ち寄っお、共同で垂堎の茪郭を匕き盎した。その共同制䜜の茪に、䌁業が座る垭は、確かに甚意されおいる。


    れブラ䌁業ず「陜ず人」 — コンセプトが、垂堎の茪郭を匕き盎すたで

    「蚀葉が垂堎を䜜る」ずいうのが抜象論に聞こえるなら、もう少し具䜓に降ろしおみたい。

    私の経枈産業省時代の同期に、陶山祐叞ずいう人物がいる。圌は2010幎に経産省に入り、゚ネルギヌ政策や半導䜓政策、震灜察応を担圓したのち、2014幎に退職しおベンチャヌキャピタルの䞖界に転じた。2019幎からは仲間たちず「Tokyo Zebras Unite」を共同で立ち䞊げ、米囜西海岞で生たれたれブラ䌁業——時䟡総額10億ドル超を目指すナニコヌン䌁業の察抂念ずしお、瀟䌚性ず経枈性を「癜黒の瞞のように」䞡立させようずする䌁業矀——ずいう抂念を、日本に翻蚳しお持ち蟌んだ。
    2023幎10月には、その仲間ずずもに、株匏䌚瀟れブラアンドカンパニヌを共同創業しおいる。投資ず経営支揎を通じお、日本のれブラ䌁業を育おる䌚瀟だ。

    れブラアンドカンパニヌの投資第1号ずしお遞ばれたのが、犏島県囜芋町の「陜ず人ひずびず」だった。代衚の小林味愛さんは、2010幎に衆議院調査局に入った——私や陶山さんず䞭倮官庁入庁同期である。その圌女もたた、囜家公務員を退職した埌に起業した䞀人だ。
    いたは犏島の地で陜ず人を経営しおいる。陜ず人は、地域に眠っおいた未掻甚の資源を、新しい商品に仕立お盎す事業を営んでいる。

    たずえば桃。垂堎の芏栌から倖れたものを䞀括りに「廃棄候補」ずせず、芋た目の問題だけで茞送には十分耐える「家庭甚」ず、柔らかすぎお運べない「加工甚」ずに切り分け盎す。前者はBtoBの卞ず、消費者向けの産地盎送で出荷する。埌者は珟地で原料甚に䞀次加工したり、ゞャムなどの最終補品に倉える。あんぜ柿を䜜るずきに残る柿の皮は、デリケヌトゟヌンケアの商品ずしお、郜垂郚の働く女性のもずぞ届く。地域の蟲業を支え、郜垂の暮らしを支える。䞡端で別々の困りごずを抱えおいた人たちを、䞀぀の事業が同時に支える蚭蚈だ。

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    陜ず人のビゞネスモデル小林味愛さん提䟛

    陶山さんたちがれブラずいうコンセプトを䞖に眮き、自瀟で投資を実行し、陜ず人のような実䟋を䜜っおいく。それを芋お、政策の偎が「これは応揎すべき䌁業のあり方だ」ず動き始める。民間が蚀葉ず実䟋を䜜り、行政がそれを埌抌しする。これは、いたの日本で「政策ず垂堎が䞀緒に䜜られる」最もリアルな姿の䞀぀だ。

    䞻導の濃淡を倉えおもう䞀぀䟋を曞いおおきたい。䞭小䌁業庁が2025幎2月に始めた「100億宣蚀」だ。こちらは、行政偎がコンセプトを線んだ実䟋である。これは「䞭堅䌁業」を䜜る政策ではない䞭堅䌁業はたた別の制床抂念だ。意味があるのは、フェヌズで䌁業を切り分けたこずのほうにある。蚭立期、数億円芏暡、数十億円芏暡、そしお100億円芏暡——いた䞭小䌁業の平均売䞊は玄2億円だが、100億円を目指す局には、平均倀の延長線䞊では拟えない別の課題がある。
    そこに「100億宣蚀䌁業」ずいう新しいカテゎリを眮き、最倧5億円の成長加速化補助金などを぀なげた。蚀葉でセグメントを切り盎すず、垂堎の芋え方が倉わる——その実䟋である。

    民間先行のれブラ。行政先行の100億宣蚀。先頭を走るのが誰かは違っおも、共通しおいるのは、コンセプトの蚀葉が、垂堎の茪郭を匕き盎しおいるずいうこずだ。

    以前、特蚱庁で「䞀人ひずりが創造力を発揮したくなる瀟䌚」ずミッションを曞き換えた話で、私は「蚀葉は制床の蚭蚈図だ」ず曞いた。あのずきは知財ずいう公共財の語圙の話だった。今回は、䌁業区分ずいう産業政策の語圙の話だ。共通しおいるのは䞀぀だけ。

    蚀葉が、垂堎を䜜る。

    そしお、蚀葉を線む仕事は、行政の独占物ではない。


    政策の話を「聞く」堎所ず「持ち寄る」堎所 — 倧衆济堎ず虎ノ門ヒルズの違い

    ここで、以前曞いた宮城県川厎町の話に、もう䞀床戻りたい。
    私たちは川厎町で、地域の方の声に耳を柄たす時間を、たくさん持った。なかでも忘れがたいのが、町の䞭にある青根枩泉ず呌ばれる地区にある倧衆济堎だった。顔銎染みの人が倚いからか、湯船に浞かりながら雑談をされおいた。「今幎の畑は熊の被害が特に酷いよ」「町に高校がないから、孫がさ、町を出ちゃっおさ」——圓たり前だが、本人たちは、政策の話をしおいる぀もりがない。ただ、湯気の残った身䜓で、日々の生掻を口にしおいるだけだ。

    しかし、あの堎所で聞こえるのは、「声なき声」である。語っおいる぀もりがないからこそ、構えがない。構えがないから、本音が萜ちる。

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    出兞じゃっぜの湯川厎町青根地区

    䞀方、虎ノ門ヒルズGlass Rockに足を運ぶ人は、たったく違う。自分の声を、誰かに届けたいずいう意思を持っお、わざわざ虎ノ門たで来おいる。䌁業の人も、自治䜓の人も、NPOも、倧孊も、「ここで䜕かを動かしたい」ずいう気持ちを胞に抱えお来る。

    私はこの二぀の堎所性を、最近こんなふうに敎理しおいる。

    倧衆济堎は、声を"拟う"堎所である。 Glass Rockは、声を"持ち寄る"堎所である。
    䞡方が芁る。倧衆济堎で拟った地熱で身䜓を枩めたたた、その湯気を持っお虎ノ門に䞊がっおくる——そのずき初めお、政策ずビゞネスは噛み合い始める。

    瀟䌚課題に向き合おうずする䌁業の方に、私が䞀番䌝えたいこずは、ここだ。自瀟の事業の呚りに、「拟う堎所」ず「持ち寄る堎所」が、それぞれあるかどうか。N=1の珟堎で䜕が起きおいるかを拟い続ける足ず、それを瀟䌚に眮き盎すために持ち寄る堎所。どちらか䞀方しか持たない事業は、たいおい螊り堎で止たる。

    虎ノ門ヒルズGlass Rockの垞蚭性も、線路のない駅を぀くる川厎町での珟堎も、぀たるずころ、この二皮類の堎所をどう蚭蚈するかの話だった。今回はそれを、事業䌚瀟の方にも䜿える蚀葉に眮き盎しおおきたい。
    そしお、もう䞀぀曞いおおきたい。政策コンセプトは、机の䞊では線めない。前章のれブラ䌁業も、くたモンも、珟堎の手觊りから始たっお、誰かが蚀葉ずしお束ね盎し、瀟䌚の真ん䞭に持ち寄ったずころで、ようやく垂堎を動かす力を持った。「拟う堎所」ず「持ち寄る堎所」の埀埩こそが、垂堎を䜜る装眮の駆動源である。事業䌚瀟が政策×垂堎の䞡茪に乗ろうずするなら、必芁なのはたず資金ではなく、この二぀の堎所ぞの自分の足の運び方の蚭蚈だ。


    ノマド政策家ずいう生き方が、生たれ぀぀ある

    もう䞀぀、曞いおおきたいこずがある。
    私は経枈産業省を出お、䌚瀟を立ち䞊げお1幎ず9ヶ月になる。この期間で䌚った人のなかで、䞀番興味深いのは、自分のキャリアの「倖偎」に、もう䞀぀の怅子を持っおいる人たちである。

    䟋えば、Glass Rockで私ず共に共創コヌディネヌタヌを務める小菅隆倪さん。圌は、長く広告業界等の民間䌁業にいたが、ある時期から「週䞀官僚」ずいう圢で、週に䞀日だけ霞が関の䞭に垭を眮いおいた。最初は限られた制床の䜿い方しか分からないが、半幎もすれば、行政の蚀語ず民間の蚀語のあいだに、自分なりの翻蚳蟞曞を䜜り始める。

    私は逆方向だ。霞が関の䞭で14幎を過ごしたあず、倖に出お、いたは䌁業や自治䜓のテヌブルに座っおいる。

    私たちはよくこんな話をしおいる。こういう生き方を遞ぶ人が、もっず増えおいい。むしろ、増えなければならない。

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    私ず小菅さんの察話で進行を進めるWeb配信"EchoTalk"での察話にお

    「ノマド政策家」ずいう蚀葉を、私は連茉のタむトルに眮いおきた。政策の珟堎を、特定の組織の䞭だけで担う時代から、組織のあいだを移動しながら担う時代ぞ。

    霞が関を出た元官僚も、行政に出向した元民間人も、自治䜓から囜に異動した職員も、NPOから䌁業に転じた専門家も、それぞれの圢で「組織のあいだ」を歩いおいる。職業の名前があるかないかの話ではない。生き方ずしお、こういう人たちが瀟䌚の必須むンフラになり぀぀ある、ずいうこずだ。

    ノマド政策家が果たしおいる仕事の栞心は、実は䞀぀に集玄できる。私たちKumanomicsがキヌメッセヌゞずしお掲げおきた䞀行——「政策をあらゆる人ずずもに」——だ。

    新公益連盟ずいう、党囜200以䞊のNPOが加盟する連盟がある。その総䌚のリブランディングを、Kumanomicsで䌎走させおいただいおいる。䞀぀䞀぀のNPOはN=1の珟堎性のなかにいる。だが、200の珟堎が共通の構造を共有しおいるなら、それは政策が応答すべき構造的課題である。個別の声では届かないが、束ねお新しい蚀葉に線み盎せば、政策の俎䞊に乗る——この束ね圹を匕き受けるのが、ノマド政策家の仕事だ。NPOも、政策を共に線む偎の䞀員になる。「あらゆる人ずずもに」の意味は、たずここから始たる。

    ここで蚀っおおきたいのは、これは既存の業界団䜓ロビむングずは異質のもの、ずいうこずだ。経団連や各業皮団䜓が長く担っおきた「業界の利益を集玄しお政策に届ける」仕事は、これからも重芁である。ただし、いた立ち䞊がっおいる瀟䌚課題の倚くは、既存の業界の茪郭をたたいで立ち珟れおいる。介護テック、地域モビリティ、フヌドロス、瀟䌚的むンパクト投資——ひず぀の業界に括れない問題ばかりだ。新しい事業がセクタヌ暪断で次々生たれおいるこの時代、叀い業界の地図を片手に政策議論に出おも、新しい地圢には远い぀けない。

    ノマド政策家が事業䌚瀟にずっお必芁になるのは、ここだ。業界の茪郭の倖偎で、䌁業も行政もNPOも、地域䜏民も研究者も、緩やかに集たれるネットワヌクを線む。そしお、そこで新しい事業ず新しい政策コンセプトを、䞀緒に創っおいく。これが、「政策をあらゆる人ずずもに」ずいう䞀行の、珟堎での実装だ。事業䌚瀟の偎で、その堎を内郚に組む胜力を持぀のか、倖郚のノマド政策家ず組むのか——少なくずも今埌10幎は、避けられない経営刀断になる。


    政策ず垂堎を、入れ替えお芋るずどうなるか — クマノミの蚀語で

    ここたで曞いおきたこずを、最埌にひず蚀で蚀い盎しおみる。
    小菅さんが私にこんなこずを蚀った。「政策っお蚀葉ず、垂堎っお蚀葉を、䞀床入れ替えおみおもいいんじゃないか」。
    入れ替えおみるず、芋え方が倉わる。政策を䜜る、ずいうのは、垂堎を䜜るずいうこずだった。垂堎を䜜る、ずいうのは、政策のコンセプトを描くずいうこずだった。䞡者は別の蚀葉だが、同じ仕事の異なる呌び方である。

    ここで、連茉タむトルに冠した「クマノミ」のメタファヌを、改めお曞き盎しおおきたい。これは2024幎9月3日クマノミの日、Kumanomicsの登蚘の日に、私が遞んだ瀟名の由来でもある。

    クマノミは、む゜ギンチャクの觊手のなかに䜏む。む゜ギンチャクの毒は、倖敵からクマノミを守る。䞀方、クマノミがむ゜ギンチャクの䞭に䜏み蟌むこずで、新しい海流が流れ蟌み、む゜ギンチャクの生息環境も豊かになる。䞀方が他方に寄生しおいるのではない。互いの存圚が、互いの生きる堎所を広げおいる。

    䌁業クマノミは、行政む゜ギンチャクが甚意するコンセプトず制床の茪郭の䞭に身を眮くこずで、自瀟単独では立ち䞊げられない垂堎を獲埗する。行政む゜ギンチャクは、䌁業クマノミが運んでくる珟堎の事実ず速床によっお、コンセプトの粟床を䞊げる。

    共生経枈ずは、垂堎を奪い合う経枈の察矩語ではない。垂堎を䞀緒に䜜る経枈である。


    最埌に、瀟䌚課題に向き合おうずしお「垂堎が小さくお事業にならない」ず感じおいるすべおの方に、「明日の䞀歩」ずしお䞉぀だけ曞き残しおおきたい。
    これは、明日の皟議を䞀発で通すための凊方箋ではない。3幎先の経営䌚議で「垂堎を䞀緒に䜜る」ずいう遞択肢が机に乗るための、土壌づくりだ。だからこそ、今日から始めおも遅くない。

    1. 自瀟の事業領域の呚りで、ただ「蚀葉」になっおいないコンセプトを3぀曞き出す。 その3぀は、未来5幎で誰かが政策の蚀葉ずしお眮き盎す可胜性がある。「うちの蚀葉」のうちに、自瀟で曞き盎しおおく䟡倀がある。

    2. 自瀟が䟝拠しおいる政策コンセプトを、誰がいた再蚭蚈しようずしおいるか、3぀調べる。 経営䌁画のレポヌトに混ぜれば、半月もあればできる。

    3. 業界団䜓の窓口を、補助金獲埗から、コンセプトメむキングに切り替える。 業界の蚀葉を、誰が、どんな新語に眮き換えようずしおいるか。

    このどれもが、補助金獲埗でもCSRでもない。事業戊略ずしおの政策連携である。

    政策は、垂堎を䜜る装眮である。そしお、その装眮のスむッチは、霞が関の机の䞊にあるのではない。Glass Rockの䌚議宀にも、新公益連盟の総䌚にも、犏島県囜芋町の桃の朚の䞋にも、100億宣蚀䌁業の経営者の議論の茪にも、そしおあなたの䌚瀟の経営䌚議宀の䞭にも、確かに眮かれおいる。
    クマノミは、む゜ギンチャクの䞭でしか生きられない。だが、クマノミがいないむ゜ギンチャクもたた、海流を倱う。

    スむッチに手を䌞ばすかどうかは、䌁業の偎の遞択である。「政策をあらゆる人ずずもに」——この思考法を、自瀟のテヌブルにも眮いおみおほしい。


    次回は、芖点をぐっず内偎に振りたい。垂堎を䜜る装眮の話を曞いおきたが、その装眮を動かしおいるのは、い぀だっお生身の人間だ。霞が関を蟞めるず決めた倜、「うたくいかなくおも、私も働くから、倧䞈倫」ず蚀っおくれた劻が、いた「みどり線集長」ずしお連茉の隣に座っおいる。
    共生は、海の䞭だけの話ではない。看護垫ず官僚が、二人で䌚瀟を始めた話を、察話を通じお曞きたす。


    線集埌蚘〜おのひら草子〜

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     以前の線集埌蚘でも觊れたしたが、自分が看護垫をしおいた時、残業芏制の政策ができたこずにより、時間が足りなくなり、満足いく仕事ができなくなったこずが蟛かったずお話ししたした。その時私は、この日本で䜕かを営んでいる以䞊、必ず政策は぀いお回るものなんだず実感したした。
     政策が自分ずは関係ないこずだず思っおいたり、はたたた関係あるずは思っおいるけど、自分の抱える問題ずは関係のないこずだず感じる人は少なくないのではず。
     倫が担圓する、東倧の公共政策のデザむンの授業の䞭で、東倧生の考えたアむディアを元に山梚県庁が政策立案に乗り出した話がありたしたが、実は政策は自分で぀くれるものなんだずいう衝撃的な事䟋でしたよね。
     行政の方も囜民の声を拟い切るのは無理があるし、行政に所属しおいるが故に知らないこずもあっお圓然だず思いたす。䌁業の方も、たさか行政に問題解決を持ちかけるなんお思っおもみないだろうし、どういう切り口なら意芋が通るのか知り埗ないず思いたす。
     その橋枡しをしおいるのが倫で、その堎を提䟛しおいるのがGlass Rockだずいうこずです。

    ノマド政策家の劻 橋本みどり より

    政策×ビゞネスの共創プロゞェクトのご盞談は、以䞋にご連絡ください。

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    橋本 盎暹はしもず なおき

    株匏䌚瀟Kumanomics 代衚取締圹ノマド政策家
    東京倧孊法孊郚卒業埌、経枈産業省に入省。囜家公務員ずしお初めお矎術倧孊院に留孊。米囜パヌ゜ンズ矎術倧孊におMFA矎術孊修士号を修了。垰囜埌、知的財産暩により瀟䌚課題を解決する「特蚱庁 I-OPENプロゞェクト」の立ち䞊げなどに携わり、2023幎に同プロゞェクトでグッドデザむン賞を受賞。2024幎、株匏䌚瀟Kumanomicsを蚭立。組織の枠を越境する「ノマド政策家」ずしお、䌁業ず行政が共創し、ビゞネスず政策を䞀䜓でデザむンするプロゞェクトを倚数手がける。その他、虎ノ門ヒルズGlass Rock共創コヌディネヌタヌ、東京倧孊公共政策倧孊院 非垞勀講垫などを務める。
    Web: https://kumanomics.jp/

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