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第4話: 『理系変人・海軍大佐の航泊日誌』理系の執念と、結論。空気漏れトラブル修理と対応方法!


    こんにちは、漫画家の上乃です!
    大日本帝国海軍の大佐だった曾祖父・高柳勝次郎の、異常なまでの愛と執念が詰まった極秘の「航泊日誌」を解読して漫画にする試み、第4回目です。

    今回は、戦艦【霧島】の6インチ砲の気畜機から空気が漏れるというトラブルに対し、ひいおじいちゃんが「理系の執念」と「究極の合理主義」を見せつけるエピソードです。
    まずは漫画をどうぞ!

    「『理系変人・海軍大佐の航泊日誌』第4話:理系の執念と、結論。」


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    「丸2日かけてデータを取った結果が、まさかの力技(運用でカバー)!!」という、ひいおじいちゃんの理系変人っぷり(と合理主義)が最高に爆発しているエピソードでした(笑)。

    ↓そしてその原本の日誌ページがこちら

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    高柳勝次郎「航泊日誌」22ページ

    【高柳勝次郎・航泊日誌】解読と現代語訳

    原文(書き起こし)

    六吋砲気蓄器ニ就テ (5-2-3rd 實施)

    【本文:上段】
    六吋砲気蓄器ハ漏気多ク誠ニ心配ノ種ニ係リ、乃チ右部六吋砲気蓄器ニ百五十気圧充填シテ(※取り消し線)燭火ヲ用ヒテ漏気ノ箇所ヲ十分ニ取調ベ、之ニ防止手段ヲ施シタル結果次ノ成績ヲ得タリ

    【グラフ部分】
    縦軸:80〜150(気圧)
    横軸:3rd 2PM 〜 4th noon 〜 5th noon(3日午後2時〜5日正午)

    【本文:下段】
    初期ニ於テ比較的減圧ノ甚ジキハ、漏気ノ箇所等ト調整ノ為メ使用シタルニ因ルモノト思フ
    先ヅ此程度ナラバ、戦時ニ於テ毎朝補給スルナラバ確実ニ効力ヲ奏シ得ベシ、勿論使用時ニ於テ補給ヲ怠ラザルモノトス

    現代語訳

    6インチ砲 気蓄器(※圧縮空気タンク)について(大正5年2月3日実施)

    【本文:上段】
    6インチ砲の気蓄器は空気漏れが多く、実戦において本当に心配の種であった。そこで、右舷側の6インチ砲気蓄器に150気圧の空気を限界まで充填し、ロウソクの炎を使って(目に見えない)空気漏れの箇所を徹底的に調べ上げ、それに修理・防止手段を施した結果、次のようなデータが得られた。

    【グラフの推移】
    (3日午後2時から5日正午まで、丸2日間かけて空気圧が150気圧から80気圧近くまで低下していく様子を記録)

    【本文:下段】
    実験の初期段階において比較的空気圧の減少が激しかったのは、空気漏れの箇所を調べたり調整したりするために、タンク内の空気を実際に消費したからだと思われる。

    ひとまず空気漏れがこれくらいのペースに収まるならば、実際の戦闘時には毎朝空気を補充しさえすれば、確実に本来の性能を発揮できるはずだ。もちろん、大砲を連続使用している最中にも空気の補充を決して怠ってはならない。



    ① 舞台は最新鋭戦艦「霧島」の初期不良トラブル

    見出しにある「5-2-3rd(大正5年2月3日)」という日付。これは高柳勝次郎大佐(当時は大尉)が、竣工したばかりの最新鋭巡洋戦艦「霧島」の分隊長に着任した直後の記録です。「新車」であるはずの霧島でしたが、あちこちに調整不足があり、この6インチ副砲の空気タンクの漏れも、現場を悩ませる深刻な初期不良の一つでした。

    ② 「気蓄器」とは何か?

    大砲の運用において「圧縮空気」は命綱です。発射した後に砲身の中に残った有毒なガスや火の粉を吹き飛ばしたり、重い部品を動かしたりするために使われます。これが漏れて圧力が下がれば、大砲の連射ができなくなるばかりか、暴発の危険すらありました。だからこそ「誠ニ心配ノ種」として、真っ先に徹底検証の対象となったのです。

    ③ アナログ手法と48時間の執念

    150気圧という超高圧の空気漏れは、シューッという音がしなければ目視で確認することは困難です。そこで「ロウソクの炎の揺れ」というアナログかつ確実な方法で、配管の継ぎ目やバルブのわずかな漏れを特定していく姿は、現場を熟知したエンジニアとしての真骨頂と言えます。そして、修理後も油断せず、丸2日(48時間)かけて圧力計の数値をグラフに書き続ける執念は圧巻です。

    ④ 完璧主義者の「究極の合理主義」

    この日誌の最も面白いところは、最後の結論です。これだけ執念深く修理とデータ計測を行っておきながら、「わずかな漏れを完全にゼロにするのは当時の技術では無理」と悟るやいなや、即座に「ならば毎朝空気を足す運用手順(ルーティン)を組めば実戦で使える」と割り切っています。

    「直るまで絶対に許さん!」という非科学的な精神論に陥るのではなく、海軍兵学校35期生として培った科学的素養に基づき、実戦を見据えた「運用(オペレーション)でカバーする」というプラグマティズム(実用主義)。これこそが、高柳分隊長の「理系変人」たる最大の魅力が詰まった1ページです。

    終わりに

    ロウソク片手にグラフと睨めっこする大正時代の海軍士官たちの姿、少しでも身近に感じていただけたら嬉しいです。
    感想など聞かせていただけたら励みになります!ではまた次回〜!!

    次回5話はこちら


    前回の『理系変人・海軍大佐の航舶日誌』3話

    第0回↓



    【本作について】

    本作は、私の曾祖父・高柳勝次郎が遺した大正時代の海軍日誌や写真を元にした、個人の記録の再構成です。
    当時の生活様式や出来事を後世に伝えるための資料的・創作的な試みであり、特定の政治的思想、宣伝、または差別を助長する意図は一切ございません。

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    上乃

     
     
    漫画家。曾祖父(帝国海軍大佐・高柳勝次郎)が遺した極秘の『航泊日誌』を解読し、漫画とコラムで連載予定。 ※本作は遺された実物の日誌・史料に基づく歴史的記録の再構成です。特定の思想信条を支持・反映するものではなく、歴史のひとコマを客観的に描くことを目的としています。

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