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【和颚ファンタゞヌ】カラスの婚姻・第2幕⑚呜を分けた倜


    ファンタゞヌ小説、第2幕の連茉䞭です。
    曎新は基本氎曜日ず日曜日ですが、たたに遅れたり曎新内容が倉わるかもしれたせん。
    よろしかったらお぀きあいくださいたせ。

    ⛩ 🐊‍⬛ 目次

    👘 🐊‍⬛ カクペム版
    ※第2幕⑊よりカクペム版を離れ、独自展開ずなりたした。この先どうなるのか、䜜者にも䞍明でありたす。

    ◀ 🐊‍⬛前回 


     䞡芪亡き埌、文圊さんは綟女さんを守ろうず矢面に立っおくれたした。
     金目のものを勝手に持ち出そうずする茩やからず、闘っおおりたした。

     父さたの匔問に、倧勢の人たちがやっおきたした。顔も知らない芪族が、やたらに増えたした。倧人の暩嚁をかさにきお、圓家の䜿甚人たちぞ勝手に指図するのです。

     父さたの気配が消え、小さな壺や湿った土に還っおしたった埌も、その人たちは消えたせんでした。銬島うたじた䞀家、ずいったでしょうか。名前を思い出しお、身震いするぐらいなのです。

     長吉ちょうきちずいう息子が、綟女さんを狙っおおりたした。
     ねばねばした目で党身を芋回し、俺のものだ、などず勝手に決め぀けおくるのです。

     文圊さんは激怒しお、圌らを远い出そうずしたした。
     綟女さんは階䞋に眠るこずができず、階段をかけお屋根裏の狭い郚屋に移りたした。
     し぀こい長吉は、文圊さんが倖した階段をものずもしたせんでした。瞄をかけお這いあがり、綟女さんに手を䌞ばしたのです。

    『ぬばぁ』
    『きゃあっ』

     寝ずの番をしおいた文圊さんが立ち䞊がり、圌ず栌闘になりたした。
     床板に手をかけた長吉は背䞭から萜ち、屋根裏から続きになっおいる、階䞋の厩うたやの藁にぜさりず埋もれたした。

      ええ。
     兄さたが恐ろしい咎人ずがびずにならなかったこずを、綟女さんは心の底から喜びたした。
     お兄さたが牢屋に入れられおしたったら、力ずくで長吉のものにされおしたいたす。

     長吉の父芪はにやにやしお芋物し、母芪は刺すような目で息子の嫁兌䞋女ずしお扱うに違いありたせん。
     長吉は――額にたんこぶを䜜ったぐらいで、にたにたしおしたした。
     けれども明治の民法にくわしい父芪の入れ知恵で、笹朚ささきの子息に怪我をさせられたず隒いだのです。
     文圊さんは青ざめお唇を噛み、銬島うたじた䞀家の芁求するだけの金銭を䞎えたのです。

     䜿甚人は銬島䞀家によっお解雇され、もう残り少なくなっおいたした。文圊さんは、癜井のじいずいう叀くからの執事ず秘密裏に話を進めたした。
     そしお兄効は、屋敷を乗っ取った銬島䞀家から逃れ、北の寒村に移り䜏んだのでした――。

     氎の䞭に映る幻に、時間を忘れおおりたした。
    はっず目芚めた綟女さんは、盥たらいの氎で手拭いを絞りたした。
     二人の顔やら手やらをそっず拭いたす。
     ため息を぀き、氎を換えるためにその堎を離れたした。
     雚の音だけが、い぀たでも錓膜の奥を打ち続ける倜でした。


     お医者さんは二日埌にようやくやっおきお、その頃にはもう起きられるようになりたした。
     䞀通りの蚺察をしたら、特に問題なかったようです。薬も出さず、にこにこしお垰っおゆきたした。
     綟女さんは今、お勝手でお粥を炊いおいたす。
     懐玙を出すのも忘れ、袂で顔を抌さえたす。
     よかった。
     ほんずうによかった。
     この人たちに、なにが起きたのでしょうか。
     どうしお急に、起きられるようになったのでしょうか。

     時を䞀日巻き戻しお、二人の寝かされた郚屋の様子を芋お参りたしょう。
     目を芚たさない文圊さんの䞊に、がたがたず氎が萜ちおいたす。
     墚を溶いお流したように、呚囲は暗いのです。
     圱絵のような姿が、がんやり浮かんで参りたした。がさがさの髪を埌ろでひず぀に束ねた圱の茪郭から、九郎であるこずがわかりたす。

     圌は、こわいのです。
     そしお、恐ろしいのです。
     はぐれ者の自分を家族にしおくれた、倧事なお兄さたを倱っおしたうかもしれたせん。
     しかも、自分のせいで。

     守ろうずしおきた䞖界が、壊れお砕け散っおしたうのです。
     九郎の顔がグシャリず歪みたした。

     誰にも語っおいたせんが、九郎はこの村にくる前は手酷い扱いを受けおいたのです。
     銬の鞭で打たれたり、刀で切られたこずさえあるのです。
     かばっおくれる人なんお、いないのです。

     山に捚おられおいた孀児を、山賊の芪方が手䞋に呜じお手䞋に䜿う。いらなくなれば、野にさらされお骚になる。
     九郎のいた䞖界で、呜ずはそんなものでした。

     盗賊から逃げおこの村に入ったずき、九郎は初めおゆっくり眠るこずができたした。
     口さがないけれど倧らかな村人たちは、埗䜓の知れない汚れた子どもを远い出そうずはしたせんでした。八海はっかい和尚ず村長の口添えもあり、はぐれ者ずしお受け入れおくれたのです。

     笹朚家ささきけの人たちは、さらに倉わり者でした。
     九郎の玠性を根掘り葉掘り聞きたせんし、悪いこずをするなどず疑いもしたせん。
     それどころか、九郎がいなければ自分たちは食うにも困り干からびおいただろうなど、冗談に玛らせお感謝しおくれるのです。

     もしも文圊さんにカラスの呜を䞎えなかったら、圌は人間のたたでいられたでしょう。
     けれども衰匱が激しかったので、死んでしたったかもしれたせん。

     文圊さんをどうにか生かそうずする行為が、圌の䞭に異界の穎を穿うがち、あやかしを呌びこむ芁因を䜜っおしたった。
     そのこずが、九郎の苊悩の皮ずなっおいたす。
     䞀床きりの接点であったなら、最少限の倉化を䞎えるに留たるこずができたでしょう。
     文圊さんは少し倉だけれどふ぀うの人ずしお、生きおゆくこずができたかもしれたせん。

     しかし、圌は倉わっおしたった。
     しかも進んでカラスになりたいなどず蚀い出すのです。開明の光をこの村にもたらすために、鳥の芖点を埗たいずいうのです。

     これは困った。困りたした。
     䞎えた呜の量など蚈れないのですが、思ったより倚くを䞎えおしたったのかもしれたせん。

     九郎は内心、頭を抱えおいたした。
     こんな事態は初めおです。
     ちょいちょい村人に手を貞しお、物を運ぶなどしおきたした。そんな手䌝いなら、ただ怪しくないですから。
     物陰でひょひょいず䜕本も手を出したり、矜を䜿ったこずは秘密です。

     ああ、笹朚家に来た時もやりたした。
     朚の葉の䞋敷きになっおいた蔵の鍵を、カラスの県をもっお芋぀けたした。

     けれども、人間に呜を分けたのは初めおです。
     九郎はただ若く、経隓が浅いのです。もしかするず、人間ずの混血かもしれたせん。

     眷族らしき存圚が、九郎の呚囲にあらわれたす。
     カラスの姿をした"䜕か"が、ずきおり様子を芋にやっおきたす。石地蔵の䞊ずか、魚塚のあたりでこちらを芋おいる気配が䌝わっおくるのです。
     もしかしたら、あれらの力を借りるこずもできるのか。

     でも、そうしたら今のおだやかな暮らしは壊れおしたうかもしれない。
     どうか、このたたで。
     綟女さんを笑わせたり叱られたりしながら、䞉人で暮らしおいたいのです。

     文圊お兄さたは、慈愛の人です。
     匟になりなさいず家長ぶっお蚀いながら、にこにこしお腕を広げる。
     匟が欲しかったなどず子どものように蚀い、懐に迎えようずするのです。

     文圊さんの手先が九郎の肩に觊れたずきに、"それ"が起きたした。
     九郎の本胜が、無防備に差しだされた呜の茝きを啜ったずきに、――文圊さんは笑顔のたた埌ろに倒れたした。
     そしお、"向こう偎"ぞずぞず匕かれおゆきたした。

     茝きをなくした者が留たる、柱んだ沌のような堎所があるのです。
     魚塚が、その接点になっおいたす。
     庭に氎蟺はありたせんので、象城的な"沌"でありたす。人によっおは䞭有ずか圌岞などず称するこずでしょう。
     異界ぞの門、でしょうか。ふ぀うな感じでお庭にある、出入り自由の開かれた境界。

     文圊さんは、無意識にそんなものを建おおしたったのです。
     庭からうおヌんうおヌんず、異様な唞りず振動が䌝わっおきたす。
     魚塚が、文圊さんを呌んでいるのです。

     人間にずっおあたり"良くない"堎所になっおいるので、九郎がひずりで掃陀を請けおっおいたす。
     文圊さんにも綟女さんにも、できれば近づいおほしくないのです。

     九郎が飛び぀いお文圊さんを取り戻したずき ――頭の䞭でばちんず音を立おお、䜕かが切れたした。
     飛び぀いたずきに掎んだ文圊さんの腕から、匱々しい生気の乱れが䌝わっおきたす。

     九郎は無造䜜に、自分の回路を開きたした。
     目に芋えない、゚ネルギヌの環流です。
     それではわかりにくいので、人の目にも映るよう衚したすず。

     九郎は着物の前を開きたす。
     手先を鋭い矜にしお胞を裂き、心臓を切りずりたした。
     がたがた萜ちる血をすくっお、文圊さんに飲たせたした。
     そうせずにはいられなかったからです。

    『混ざっおもなんでもいいっ。兄責でいおくれっ』

     本心から出た蚀葉でした。
     自分なんか消えおもいいんです。文圊さんに生きおもらわねば困りたす。

     ――あやかしは、どこたで己を刻めば死ぬるものか。のう。

     興き深げに自分を芋䞋ろす芋䞖物小屋の、あるいは盗賊の芪方の凍えた目がよぎりたす。
     あんな奎らに、䞎える䟡倀なんかねえ。文圊兄ぃで、よかった  。
     九郎の意識はゆっくりず霞かすみ、焊点を倱いたした。

     
    ▶ 🐊‍⬛ 続き

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    👘 🐊‍⬛ カクペム版

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    呌んでいる確かに君はいたんだず知り埗るこの身抱きしめ眠る 文䜓は短歌・散文詩・小説のあいだ。 根幹は存圚論。 衚出はSF幻想文孊児童文孊ノワヌル構造神話など。 https://kakuyomu.jp/users/yellow_snap_dragon

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