
私は、たぶん意外と打たれ強い
キックボクシングのジムに通っていたことがある。
いまの私の容姿を知る人は、びっくりするかもしれない。
「意味なかったんですね(笑)」と。
〈デブと言ってしまいなさい〉
1年近く続けたが、
残念ながらハイエナのような肉体は手に入れられなかった。
〈たとえおかしくない?〉
フルコンタクトではない、
いわゆる、寸止め(マススパーリング)のキックボクシングだった。
止めるのがルールのはずだった。
いや、みんな止めていた。
しかし、私に飛んでくるパンチもキックも、めちゃくちゃ痛かった。
私以外は、3年以上の経験者で、みんなべらぼうに強かった。
私より40cmも背の低い女性ですら。
毎回、打たれ続けながら、考えた。
・打たれる場所が、人より広いから(身長184cm)
・タイミングが遅いから、先に打ち込まれてしまう
・型が身体に沁みていないから
・そもそも運動神経がない
〈そんな、悲観すな〉
そんなある日、突然わかってしまった。
「避けていない」
打たれるがままだった。
状況を受け入れすぎていた。
私の攻撃は、相手にとって、ただの幕間だった。
それでも、1年間続いた理由。
打たれ続ける自分が、まんざら嫌いではなかったから。
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