そもそもインターネットって何?「Wi-Fiはつながっているのに、ネットが使えない?」|ITの再入門 #8
📘 はじめて「ITの再入門」を読む方へ
この「ITの再入門」は #1から順番に読むことで、
ITの仕組みが少しずつつながっていく構成にしています。
今回初めて読んでくださった方は、よければ #1からのぞいてみてください。
今回は「インターネット」という大きなテーマなので、
いつもより少しボリュームがあります。
その分、できるだけ図解を多く入れて、IT初心者の方でも
「なるほど、こういうことか」とイメージできるようにしました。
お時間のあるときに、ゆっくり読んでいただけたらうれしいです。
「Wi-Fiはつながっているのに、ネットが使えない」
「インターネットにつながらない」
「ちょっとネットで調べて」
毎日のように使う言葉です。
でも、改めて聞かれたらどうでしょう。
「インターネットって、何ですか?」
「Wi-Fiのこと?」
「Google?」
「ホームページ!?」
「ウェブのことでしょ!?」
意外と、インターネットを毎日使っていても
うまく説明できないかもしれません。
前回は、「ネットワーク」について考えました。
→ 前回の記事(ITの再入門 #7)
その最後に、こんな問いを残しました。
「こうしたネットワークが世界中でつながり合ったものは、
何と呼ばれるのでしょうか。」
答えは、インターネットです!
今回は、前回のネットワークの続きとして、
「インターネット」をできるだけ簡単に考えてみます。
まず、前回のおさらい
前回のポイントは、この2つでした。
ネットワーク:機器などがつながり、情報をやり取りするための仕組み
LAN:家庭や会社、学校など、限られた範囲のネットワーク
自宅にも、会社にも、学校にも、それぞれネットワークがあります。
では、そうしたネットワーク同士は、
どのようにつながっているのでしょうか。
インターネットとは「ネットワークのネットワーク」
世界中には、家庭、会社、学校、通信事業者など、
さまざまなネットワークがあります。
そうした多くのネットワークが、共通の仕組みを使って
相互につながったもの。
それが、インターネットです。
インターネットとは、世界中のさまざまなネットワークが、
お互いにつながり合ったものです。

インターネットは、特定の1社や1人が持っている、
1つの巨大なネットワークではありません。
いろいろな会社や組織が、それぞれのネットワークを運営しています。
そのネットワーク同士が接続し合うことで、私たちは遠く離れた場所にあるサーバやサービスとも通信できます。
家のネットワークは、どうやってインターネットにつながる?
一般的な家庭では、ルーターなどの機器と、
通信事業者やプロバイダなどが提供するサービスを通して、
家のネットワークから外のネットワークへつながっていきます。
細かな機器や契約の違いはいったん置いて、
スマホ・パソコン
↓
家のネットワーク
↓
ルーターなど
↓
通信事業者のネットワーク
↓
インターネット
くらいのイメージで十分です。

会社の場合も細かな構成は違いますが、ネットワーク同士をつないで外部と通信する、という基本的な考え方は同じです。
なぜ、世界中の違うネットワーク同士で通信できるのか
世界中には、いろいろな会社が作った機器やネットワークがあります。
それなのに通信できるのは、共通の「通信のルール」があるからです。
その土台になっているのが、TCP/IP(ティーシーピー・アイピー)
と呼ばれる通信ルールの集まりです。
たとえばIPでは、IPアドレスという宛先を使いながら、データを目的地へ届けていきます。
細かい仕組みまで、ここで覚える必要はありません。
今回は、
「違うネットワーク同士でも、共通のルールがあるから通信できる」
と分かれば十分です。

TCP/IPについては、それだけでも1つの記事になるくらい奥が深いので、また別の記事で扱いたいと思います。
Wi-Fi = インターネット、ではない
前回の記事でも触れましたが、
Wi-Fiにつながっていることと、インターネット
につながっていることは同じではありません。

家庭で使うWi-Fiは、スマホやパソコンを無線で家の
ネットワークにつなぐ、**「家の中の道」**のようなものです。
インターネットは、その先の世界です。
だから、
Wi-Fiのマークは表示されているのに、Webサイトが開けない
ということは普通に起こります。
Wi-Fiにはつながっていても、
ルーターより先で通信できなくなっている
端末やネットワークの設定に問題がある
通信事業者側で障害が発生している
など、さまざまな原因が考えられます。
冒頭の、
「Wi-Fiはつながっているのに、ネットが使えない」
は、決して矛盾した状態ではありません。
また、インターネットにつながっていないネットワークもあります。
例えば病院の電子カルテのシステムなどでは、通常のインターネット
利用とは分けたネットワークで運用されているケースがあります。
では、なぜわざわざ分けるのでしょうか。
大きな理由の1つが、医療情報を守り、診療に必要なシステムへの影響を
できるだけ小さくするためです。
普段インターネットを使うパソコンでは、Webサイトを見たり、
メールを受け取ったり、外部とさまざまな通信をしたりします。
便利な一方で、不正なサイトやファイル、サイバー攻撃など、
外部からの脅威に触れる機会も増えます。
もし、そうしたネットワークと電子カルテなどの重要なシステムが何の制限もなく同じようにつながっていたら、1台のパソコンで起きた問題が、
重要なシステムにまで広がる可能性があります。
そこで、用途の違うネットワークを分けたり、
ネットワーク同士で通信できる範囲を制限したりして、
「問題が起きても、できるだけ影響を広げない」
ようにします。
病院の場合、守る必要があるのは患者さんの情報だけではありません。
電子カルテなどが使えなくなれば、診療そのものに影響する
可能性もあります。
だからこそ、ネットワークを分けることには、情報を守ることと、必要なシステムを止まりにくくすることの両方の意味があります。
ただし、「分けている=絶対に安全」ということではありません。
外部との連携や保守用の接続などが必要になるシステムもありますし、
分けたネットワークの中でも適切なセキュリティ対策は必要です。

※すべての病院がこのような構成ではありません。
病院によって構成は異なりますが、医療情報やシステムを守るため、
ネットワークを分けたり、通信を制限したりする対策が行われています。
ここで覚えてほしいのは、
ネットワークにつながっていることと、インターネットを
自由に使えることは別ということです。
「ネットが使えない」とき、どこを疑う?
私もITの仕事でトラブルを見るとき、
「ネットワークがつながらない」
という言葉だけで、いきなり原因を決めることはありません。
まず考えるのは、
どこまではつながっていて、どこから先がつながっていないのか。
ということです。
たとえば自宅で、
「Wi-Fiにはつながっている。でもネットが使えない」
という場合。
まず、ほかのスマホやパソコンでも同じ状態なのか確認します。
他の機器でも使えない?
自分のスマホだけ使えないのであれば、そのスマホ側に
原因がある可能性があります。
一方、
スマホも使えない。
パソコンも使えない。
家族の端末も使えない。
となれば、3台が同時に壊れたと考えるより、
ルーターや回線など、共通して使っている部分
を疑った方が自然です。
ルーターのランプは、いつもと違わない?
機種によって表示方法は違いますが、ランプの状態から異常のヒントが得られることがあります。
別の通信手段で障害情報を確認できない?
スマホのモバイル通信など、別の通信手段が使えるのであれば、通信事業者やプロバイダの障害情報を確認することもできます。
ここで大切なのは、
最初から「Wi-Fiが悪い」「ルーターが壊れた」と決めつけないことです。
正常に動いている範囲を確認しながら、
原因の範囲を少しずつ狭めていく。
ITのトラブル対応では、この考え方を「切り分け」と呼びます。
複数の機器が同時に使えなくなったら、それぞれの機器より、
まず共通部分を疑う。
逆に、1台だけ使えないなら、その1台に固有の部分を疑う。
こうやって、
「どこまでは正常なのか」
を確認していくと、原因を探しやすくなります。
自宅であれば、ルーターの電源を入れ直すことで直る場合もあります。
ただし、会社のネットワーク機器は、絶対に独断で勝手に電源を切ったり
設定を変更しないでください。まずはIT担当者へ連絡してください。
Wi-Fiという「家の中の道」と、その先の「インターネット」を分けて考えるだけでも、トラブルの見え方はかなり変わります。
ほかにもある、よくある2つの勘違い
① Webサイト = インターネット、ではない
私たちが普段見ているWebサイトは、インターネットを使って
利用するものの1つです。
Webサイトを見る。
メールを送る。
オンラインゲームをする。
ビデオ通話をする。
どれもインターネットを利用できますが、インターネット
そのものではありません。
ざっくり言えば、
インターネットが通信するための土台で、
Webはその上で使われる仕組みの1つ
と考えると分かりやすいと思います。

② インターネットは、情報が入った巨大な箱ではない
「インターネットの中に情報が入っている」
というイメージを持っている人もいるかもしれません。
でも、インターネットそのものが、世界中の情報を全部ため込んでいる巨大な箱なのではありません。
Webサイトなどのデータはサーバなどに保存されています。
私たちは、インターネットという通信の仕組みを使って、
そのサーバとデータをやり取りしています。

サーバについては、以前の記事でも詳しく紹介しました。
スマホでWebサイトを開くとき、裏では何が起きている?
ここまでシリーズで登場した用語を使って、
スマホでWebサイトを開くときの流れを整理してみます。

大きく分けると、2段階です。
① 必要に応じて、名前からIPアドレスを調べる
私たちは普段、
「○○.com」
のようなドメイン名を使ってWebサイトへアクセスします。
でも、通信ではIPアドレスという宛先が使われます。
そこで、必要に応じて、
「このドメイン名に対応するIPアドレスは何ですか?」
とDNSを使って調べます。
DNSについては、以前の記事でも詳しく説明しました。
ここで重要なのは、
DNSは、Webサイトのデータが通っていく場所ではない
ということです。
DNSは、目的地となるIPアドレスを調べるための仕組みです。
② 分かったIPアドレスを使って、Webサイトへアクセスする
目的のIPアドレスが分かれば、今度は実際にWebサイトへアクセスします。
イメージとしては、
スマホ
↓
Wi-Fi
↓
家のネットワーク
↓
ルーターなど
↓
インターネット
↓
目的のWebサーバ
という流れです。

そしてサーバから必要なデータが返ってくると、スマホのブラウザがそのデータを受け取り、Webページとして表示します。
実際の通信はもっと複雑ですが、大まかな考え方はこれで十分です。
ここまでシリーズで扱ってきた、
サーバ、IPアドレス、ドメイン、DNS。
別々のIT用語に見えていましたが、Webサイトを1つ開く流れの中で、それぞれに役割があります。
まとめ
今回、覚えてほしいのはこの3つです。
インターネットは、世界中のさまざまなネットワークが つながり合ったもの
Wi-Fiとインターネットは別物
「ネットが使えない」ときは、どこまではつながっていて、 どこから先がつながっていないのかを考える
「Wi-Fiにはつながっている。でも、ネットが使えない」
一見すると矛盾しているようですが、Wi-Fiとインターネット
を分けて考えると、不思議な状態ではありません。
私もITの仕事でトラブルを見るとき、
いきなり、
「これが原因だ」
と決めつけるのではなく、
「どこまでは通信できている?」
と考えます。
正常なところと、正常ではないところの境目を探していく。
それが、原因を切り分ける第一歩です。
今回、何度も登場したWi-Fi。
毎日のように使っていますが、
そもそもWi-Fiとは、何なのでしょうか。
次回は、「Wi-Fi」の正体
を見ていきます。
▼「ITの再入門」シリーズはこちらのマガジンにまとめています
元全力高校球児が語る「ITの再入門」|kai|元高校球児、現在IT技術者|note
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
少しでも役に立ったと思っていただけたら、スキで教えてください。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
高校野球での経験と、IT技術者としての経験を、誰かの仕事や人生を
少し前向きにする言葉に変えていきます。
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