
#11 みつぴー星人と「新しい生物」
海水浴場のトイレから戻ると、
砂から生えた二本の足が、空をバタバタと漕いでいた。
いや、漕いでいるというより、手旗信号のような動きだ。
そのわきで砂遊びをする、ママとペコリーナ(2才)。
みつぴー星人(5才)がいない。
というか、この足……だよな?
「みつぴー星人は?」
ママに聞くと、ママは答えない。
砂の積みのゾーンに入っている。
ペコリーナが答えた。
「見て、パパ、新しい生物。ほら、新しい生物だよ。」
確かに砂浜から動く足が生えていれば、新しい生物だ。
よく見ると、おおよその頭の位置にママの白い帽子が置いてあった。が、気になるのはその角度だ。頭の方が足よりやや低い。
砂から突き出した二本の足は、引き続きバタバタと手旗信号をしている。
いや、足旗信号…?
……もしかして、これは救難信号では?
大丈夫か?と帽子をめくると、
みつぴー星人は砂にまみれて笑っていた。
ああ、存分に楽しんでるのね。
心配して損した。
ママは何も気にする様子もなく、
砂を積み上げては時折ペタペタと固めていた。
パパもペタペタに加わった。
新しい生物を、より強固にするために。
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次回作もお楽しみに。
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