
元銀行員日記⑤
銀行員になって最初の四年間は、公私ともに順調でした。
四年目には職場が同じだった女性と結婚しました。
その話は書きません(笑)
僕は大学時代、応援部に所属してました。
そのため銀行員になってから、送別会などのイベントの時は必ず
「トイレ君、出番」
とか言われて、
真夜中の繁華街や駅のホーム、
いたるところで「フレー!」ってやつを切らされました。
めっちゃ本格的なやつです。
めっちゃでかい声で。
通りすがりの人が立ち止まって拍手してくれたり、
関係ない酔っぱらいが握手を求めてきたりしました。
世界が自分中心に回ってるような感覚がありました。
野球部があったのですが、この時期めっちゃ強くて、
都市対抗野球の全国大会にも出場しました。
僕は応援団長でした。
観客4万人の前でエール交換をした時が、
僕の人生のピークだったかもしれません。
4万人が全員僕のファンだと思ってました。
冗談です。
統制された応援が評価されて、応援賞を受賞しました。
繰り返しますが、世界は僕中心に回ってました。
肩で風を切って歩いてました。
僕の人生には、上り坂しかありませんでした。
ただ歩いてるだけで、なぜか上がっていくやつです。
銀行の看板があったから。
ただそれだけだったことに気づいたのは、ずいぶん後のことでした。
あとがき
この「元銀行員日記」シリーズは、
「元コンビニ店長日記」「警備員日記」と繋がっていきます。
それぞれバラバラに見える話ですが、
全部まとめて、一つの長編として完成させるつもりです。
最終的には、創作大賞のお仕事部門に応募する予定です。