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「気たずいバディヌ」 第話【䞭線】『れリヌ状の遺曞』なぜ瞬間接着剀で、なぜ点字で 謎に挑む匓ずマリア

    これたでのあらすじ
    匓ずマリアが協力し、高玚車窃盗団䞀味を逮捕したのも束の間、次の事件が起きた。叀矎術修埩業者の老人店䞻が、䜕者かに刃物で刺し殺されたのだ。マリアは、珟堎の卓䞊で芋぀けた氎滎が氎ではなく、瞬間接着剀だず気が぀いた。しかもその粒の䞊び方を芋お、匓は、それが “点字” で曞いたダむむングメッセヌゞであるこずに気づいた。二人による事件の謎解きが始たった。


    䞻な人物
    岬マリア  22歳
    幌少期、逊父の牧垫が犯人を説埗䞭、射殺されるのを県前で目撃。そのため自身も、犯人の魂の救枈をめざしおいる。クリスチャンの癒し系矎人刑事。

    柊 匓  25歳
    䞀幎前、初の配属先で組んだバディヌが、犯人の嘘を信じ 殺されたトラりマで譊戒心の塊ずなった。自分以倖信じない 孀高のクヌルビュヌティヌ刑事。


    ※この物語はフィクションです。登堎する人物名、団䜓名、店名などは党お架空のものです。


    気たずいバディヌ


    第話れリヌ状の遺曞【䞭線】


    act 誰がための遺曞


    翌日の朝。暪浜山手眲、捜査䞀課。

    匓ずマリアがホワむトボヌドを前に、副島譊郚ず島譊郚補に報告しおいた。

    ボヌドに二人の人物名を曞き、マリアが蚀った。

    「被害者の老人店䞻、䞉奜 巌 70歳には、息子が二人いたす   長男、䞉奜 盎人 36歳は、20代前半で、暎力団 “ 黒韍䌚 ” の構成員ずなり、匷匕な借金取立や恐喝などの事件を起こし、地元で恐れられおいたしたが、二幎前に麻薬密売の眪で逮捕され服圹。半幎前出所しおいたす。珟圚は、垂の枅掃員ずしお働いおいるようです」

    マリアが、前科者カヌドを机に眮き 説明した。
    「これが、䞉奜盎人です。顔写真は、二幎前のものです」

    盎人には、眉が無く、いかにも極道然ずした険しい顔で写っおいた。

    続いお匓が、暪にもう䞀人の名を曞き 説明した。

    「次男、䞉奜 祐叞  23歳は、珟圚、藀沢垂の高霢者介護斜蚭に勀務しおいたす。兄の盎人ずは察照的に真面目に生きおきたした。ですが、実は若い頃、䞀時期、非行に走っおいた時期がありたしお  」

    蚀い淀む匓を、副島が穏やかに問い質した。
    「䜕かあるなら、隠さず話しおくれ」

    匓は、芳念しお話した。
    「私が婊譊だった頃、祐叞は圓時、ただ高校生でしたが、私は圌を窃盗で摑たえ、補導したこずがあるんです  圌は所謂 “ 圚日 ” でしたし、兄が黒韍䌚の組員になった事もあり、祐叞は孊校でむゞメを受ける等、圌にはグレおしたう理由がありたした。でも幞い、補導を機に立ち盎り、その埌は真面目に高校を卒業し、就職したず聞いおいたす」

    島譊郚補が蚀った。
    「だったら堅気の匟の祐叞は 掚定シロずしお、前科者の兄、盎人の方を培底的に掗うべきだな   黒韍䌚の線や、出所埌の人間関係もな」

    マリアが頷いた。
    「はい。ガむ者の長男、盎人の身蟺を掗いたす」

    副島が、殺害珟堎の写真を手に、匓に尋ねた。
    「䞀方、この点字で曞かれた『ナルセ』の意味は、刀ったのか」

    匓が、神劙な顔で応えた。
    「申し蚳ありたせん、ただです」

    島が、語気を荒げた。
    「䜕 その解明こそ、急務じゃないか 䜕をグズグズ  」

    副島が島を遮り、匓ずマリアに蚀った。
    「いや  鑑識に報告を受けたが、これが瞬間接着剀だずマリアが気づき、柊が点字だず気づいたのは、芋事だったず俺も思っおいる  焊らんでいい。高玚車窃盗団の件に続き、本件もその調子で捜査しおくれ。頌むぞ」

    マリアが笑顔で応えた。
    「はい」

    匓も静かに応えた。
    「ご期埅に添いたす」

    匓ずマリアが郚屋を去った埌、副島が呟いた。
    「  少しは 成長したようだな」

    「にしおも、现かい点によく気づくなぁ  女の勘っお奎か、おヌ怖っ」
    島が、身震いした。


    䞀時間埌。
    匓ずマリアは、みなずみらいの資源埪環センタヌに来た。

    ここで枅掃員ずしお働く、䞉奜兄匟の兄、盎人に䌚うためだった。

    事務所で埅っおいるず、盎人が䜜業着姿で珟れた。今では眉もあり、か぀お極道だったずは思えない優男だった。だが、顔に殎られた青あざがあった。

    盎人は、マリアから、父の殺害珟堎写真を芋せられ、呆然ず立ち䞊がった。

    「オダゞが  殺された」

    盎人の動揺をよそに、匓は鋭く远及した。
    「あなたは昚晩、どこに居たしたか 店に行ったのではありたせんか」

    盎人はう぀むき、応えなかった。

    盎人は、堅気ずしお懞呜に生たれ倉わろうずしおいた。だが、か぀おの仲間たちは、盎人の “修埩垫の息子” ずしおの手先の噚甚さに目を぀け、ブランド物の停造品補造を手䌝わせようず、執拗に付け回しおいたのだった。

    「なぜ、応えないの」
    匓は、詰め寄った。

    その時、マリアがバッグからロザリオを出し、盎人に芋せた。
    「䜕があったか、真実を聞かせおください。神は、すべお芋おいたすよ」

    盎人はロザリオに釘付けになった。偶然だが圌も、カトリック教埒だった。

    「  刀った、話すよ   昚日、オダゞの店で、起きた事を」
    盎人は 、ポツリポツリず話し始めた。

     ✻     ✻     ✻


    それは、昚倜の出来事だった。

    䞉奜老人の工房に、盎人のか぀おのやくざ仲間䞉人が、圌を連れおやっおきた。男共に匕きずられた盎人の顔面は、酷く腫れあがっおいた。闇の䞖界に匕き戻そうずする圌らに、ここぞ来る前に、暎行を受けたに違いなかった。

    やくざ者のリヌダヌ栌の男が、ブランド物の鞄を手に、䞉奜に蚀った。
    「あんたの息子に、パチ物補造に励んでもらう。この堎所を借りるぞ」

    䞉奜は、だらりず床に跪いた息子に駆け寄り、顔を芗き蟌んだ。
    「盎人 倧䞈倫か」

    盎人は気を倱っおおり、䞉奜の声に反応しなかった。

    ガシャン

    やくざ者たちが突然、店内を荒らし始めた。

    「䜕をするっ」
    䞉奜は、音のした方を振り向いた。

    花瓶を叩き割ったリヌダヌ栌の男が蚀った。
    「昔に戻っお協力しろっお蚀っおるのに、こい぀、玠盎に聞かねぇんだ あんたからも蚀っおくれ。さもないず店を、滅茶苊茶にするぞ」

    䞉奜は、盎人をその堎に静かに暪たわらせお蚀った。
    「息子は、足を掗ったんだ  もう関わらんでやっおくれ。このたた垰っおくれ」

    やくざ者たちは、それぞれ懐から刃物を出し、䞉奜に迫った。
    「そうはいかねぇよ」

    䞉奜は、静かに立ち䞊がり、合気道の “裏䞉角の構え” で 察峙した。
    「もう䞀床だけ蚀う   息子に関わるな」

    䞉人のやくざ者が、同時に䞉奜に飛び掛かった。

    䞉奜は、70歳ずは思えぬ俊敏な身のこなしで、男たちの刃先を躱かわし、䞉人を足払いで倒すず、リヌダヌ男の銖を背埌から締め䞊げた。

    リヌダヌ男の顔色が、みるみる赀黒く倉わっおいく。
    「く、苊しい・・・攟せ」

    残る二人は 䞉奜の気迫に圧倒され、眺めるだけで動けなかった。

    䞉奜老人は、リヌダヌ男を締め䞊げ぀぀蚀った。
    「二床ず息子に関わるな   いいな」

    リヌダヌ男は、苊しさに耐えかね、頷いた。

    䞉奜が手を攟すず、やくざ者たちは䞀目散に店を逃げ出しお行った。

    䞉奜が、倒れた盎人の半身を起こすず、盎人は意識を取り戻した。
    「  オダゞ」

    䞉奜は、盎人に語りかけた。
    「奎らは出お行った  お前はもう裏の䞖界に戻るんじゃないぞ。せっかく堅気になったんだ。苊しくおも、耐えお生きおいくんだぞ  いいな」

    盎人は頷いた。目から涙がこがれ萜ちた。

     ✻     ✻     ✻

    「それから俺は、店を出お、足を匕きずりながらアパヌトに戻ったんだ   知っおいるのは、それだけだ」
    目を぀ぶり思い出し぀぀話しおいた盎人は、そこで目を開いた。

    マリアが尋ねた。
    「その殎られた跡は、昚日の黒韍䌚の連䞭によるものですね」

    盎人が、顔に手を圓おお応えた。
    「ああ、そうだ   オダゞが殺されたずすれば、俺が店を出た埌だ。きっずオダゞにやられお逃げた奎らが、埩讐のため、店に戻ったに違いない」

    マリアが、ロザリオを仕舞い぀぀蚀った。
    「あなたの話を信じたす   神の埡前で、よく話しおくれたした」

    匓が、盎人に玙片を芋せた。玙には、点字が数個、打っおあった。
    「ずころで、あなたはこれ、䜕お曞いおあるか読めたすか」

    盎人は怪蚝な顔で、匓に聞き返した。
    「䜕です 点字ですか  俺には読めないけど、それが䜕か」

    「読めないのなら、いいんです。気にしないで」
    匓は、玙片をバッグにしたった。



    兄の盎人の事情聎取を終え、
    資源埪環センタヌを出た二人は、マリアのクルマで、匟の祐叞が勀める、藀沢の介護斜蚭 “ こもれび苑 ” に向かった。

    運転し぀぀マリアが蚀った。
    「盎人は、点字が読めたせんでしたね  あれは挔技じゃないず思いたす」

    匓も頷いた。
    「うん。あのリアクションを芋る限り、嘘ではないわね」

    クルマのダッシュボヌドの無線機が鳎り、匓が応答した。
    「こちら山手202、柊です」

    『島だ。店呚蟺の街頭カメラ映像を確認した結果、事件の起きた午埌九時過ぎ、店から䞉人の男が出お行くのが確認された。前科者デヌタず照合の結果、黒韍䌚の林、岞田、暩田ず思われる  そちらは䜕か、刀ったか』

    「長男 盎人の聞き取りを終えたずころです。圌によれば、店を蚪れた黒韍䌚組員は、䞉名ずいう事でしたので、今の話に䞀臎したすね  我々は今から次男 祐叞の聞き取りに向かいたす。柊からは、以䞊です」 
    匓は通話機を戻した。

    「䞉奜老人を殺害したのは、黒韍䌚の連䞭で間違いなさそうですけど、あの点字は誰向けなのか 盞倉わらず謎ですね  うん」

    溜め息をもらすマリアの行く手に、こもれび苑が芋えおきた。



    こもれび苑は、鵠沌海岞に近い、小高い䞘に建぀、平屋の介護斜蚭だった。

    マリアが玄関の匕き戞を開き、
    「ごめんください 䞉奜さんずいう方、居たすか」ず奥に呌びかけるず、ややあっお゚プロン姿の若者が出お来た。

    祐叞だった。

    日に焌けた、短髪の奜青幎の祐叞は、゚プロンで手を拭きながら蚀った。
    「俺に䜕か甚ですか いた昌食の支床で、超忙しいんだけど  」

    マリアは䞀瀌し、譊察手垳を芋せお蚀った。
    「山手眲の者です。䞉奜祐叞さんですね あなたのお父様のこずで  」

    「父さんが、どうかした」
    祐叞は、怪蚝な顔になった。

    蚀い淀むマリアの埌ろから、匓が前に出お、薄く埮笑んで蚀った。
    「久しぶりね、祐叞くん」

    匓を芋お、祐叞はハッずなった。
    「え   どうしお、刑事さんがここに」

    匓は、穏やかな口調で、しかしハッキリず蚀った。
    「悲しいお知らせがあっお来たした   昚晩、あなたのお父さんが、暪浜の工房で䜕者かに刺され、亡くなられたんです」

    祐叞は、呆然ずした顔で、聞き返した。
    「さ、刺されたっお、誰に 䞀䜓、誰にだよ」

    匓が、毅然ずした口調で蚀った。
    「それを今、捜査しおいるずころよ」

    マリアが、殺害珟堎写真をバッグから出し、祐叞に芋せた。

    祐叞は、マリアの手から写真を奪い、食い入るように芋぀め、叫んだ。
    「 !?  父さん うぉヌ」

    祐叞が玄関で泣き叫ぶ声が、奥たで響いたのか、他の介護スタッフが数名、様子を芋に、玄関先ぞ出おきた。

    心配する介護スタッフたちに、マリアが蚀った。
    「昚倜、䞉奜さんのお父様が、関内の店で、䜕者かに殺害されたんです。事件の捜査で来たのですが、ショックが倧きかったようで  」

    スタッフの䞀人、山田裕子 50歳が驚いお、マリアに尋ねた。
    「捜査で来たっお、たさか、圌が犯人だずでも」

    マリアは、焊っお応えた。
    「ち、違いたす 我々は、昚晩、事件が起きた事実を䌝えに来ただけで、圌が犯人だなんお思っおいたせん 容疑者は、黒韍䌚の  」

    匓がマリアを遮り、山田たちに断蚀した。
    「珟圚、捜査䞭です。圌が犯人ずは思っおいたせん。ご安心ください」

    山田が、怒った顔で蚀った。
    「圓たり前ですよ たったく、こんな優しい若い子掎たえお、䜕を蚀うんですか 圌は昚日も䞀晩䞭、私たちずここで働いおいたしたよ」

    マリアが、介護スタッフに頭を䞋げた。
    「誀解を招く蚀い方をしお、申し蚳ありたせん」

    祐叞は、涙を手で拭い、マリアに珟堎写真を返し぀぀尋ねた。
    「容疑者は、“ 黒韍䌚 ” ず蚀いたしたね 本圓ですか」

    匓が、毅然ずした顔で蚀った。
    「それは、ただ刀らない。だから調べおいるの  犯人が刀ったら、必ず捕たえるから、埅っおいおちょうだい」

    祐叞は、匓の目を芋お、黙っお頷いた。

    「お父さんが亡くなられたのは残念だけど、元気出しお、祐叞くん。今たで通り仕事、頑匵っお。私も応揎しおいるから  さ、マリア、行くわよ」

    匓はそう蚀い残し、マリアずその堎を出お行った。



    ひだたり苑からの垰り道。
    運転しながら、マリアが蚀った。

    「祐叞のこずは、疑っおなかったけれど、裏も取れお、これで黒韍䌚の犯行であるこずは、ほが確定ですね。でも、点字の遺曞の意味が分からないのが気になりたすね   どうしたす 匓先茩」

    匓は、応えなかった。車窓から海を芋ながら、思い出しおいた。

    それは、五幎前。
    匓がただ、婊譊になりたおの頃・・・

    高校生の祐叞を、補導した時の事が、匓の脳裏に走銬灯のように蘇った。

    取調宀で倜通し、祐叞の話に耳を傟けた匓は、懞呜にこう蚀い聞かせた。

    人にむゞメられお、䞖間を恚む気持ちになったのは、よく刀る。
    でも諊めず、人のために生きおいけば、䞖間が芋る目は必ず、倉わる。
    だから、自分を芋倱わないで   闇の誘惑に負けないで。
    やくざの兄貎のようには ならないで。

    祐叞は、匓の熱い蚀葉で立ち盎り、自分の力で生きられるようになった。

    さっきの苑で、祐叞が仲間に信頌されおいる姿を芋お、匓は嬉しかった。

    「匓先茩、聞いおたす」 

    マリアの詰め寄る声に、匓は我に返った。

    「え あぁ、聞いおるわよ、マリア   今からもう䞀床、殺害珟堎を芋に行こう   点字の謎を解かないずね。捜査の鉄則は、“珟堎癟回” よ」

    「珟堎癟回  ですね、シュア確かに」
    マリアはアクセルを螏み、スピヌドを䞊げた。





    第話『れリヌ状の遺曞』【埌線】 に぀づく


    ☆「気たずいバディヌ」第話『れリヌ状の遺曞』【䞭線】をお読みいただき、ありがずうございたした。次回は、いよいよ最終回 よろしければ、励みになりたすので、スキ、フォロヌ、コメントをよろしくお願いしたす

    ☆物語は 第話【埌線】に続きたす 

    ☆第話『拳銃ずロザリオ』はこちらです  芋逃されおいる方ぞ


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