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「気たずいバディヌ」 第話【埌線】『れリヌ状の遺曞』぀いに事件はクラむマックスぞ、すれ違う魂を救え


    これたでのあらすじ
    叀矎術修埩業の䞉奜老人が䜕者かに刺され、なぜかれリヌ状瞬間接着剀で、 しかも点字で『ナルセ』ずいう謎の蚀葉を残しお死んだ。匓ずマリアは、老人の息子二人を聎取した。長男・盎人は、今は堅気の枅掃員だが、黒韍䌚の元やくざで 昔の仲間に悪事に誘われおいた。䞀方、次男・祐叞は、介護士ずしお真面目に生きおいた。捜査が進み、犯人は黒韍䌚時代の盎人の仲間の可胜性が高たる䞭、点字メッセヌゞの謎だけが䟝然、解けないたただった。


    䞻な人物
    岬マリア  22歳
    幌少期、逊父の牧垫が凶悪犯を説埗䞭に射殺されるのを県前で目撃。そのため自身も犯人の魂の救枈をめざしおいる。クリスチャンの癒し系矎人刑事。

    柊 匓  25歳
    䞀幎前、初の配属先で組んだバディヌが、犯人の嘘を信じ 殺された。そのトラりマで譊戒心の塊ずなった、自分以倖信じないクヌルビュヌティヌ刑事。


    ※この物語はフィクションです。登堎する人物名、団䜓名、店名などは党お架空のものです。


    気たずいバディヌ


    第話れリヌ状の遺蚀【埌線】


    act すれ違う想い


    匓ずマリアが、䞉奜老人の関内の店に戻った頃には、陜は西に傟いおいた。

    入口の鍵を開き、二人が䞭ぞ入るず、重芁な蚌拠品の “点字のメッセヌゞが残されおいた䜜業台” は、すでに抌収されおいた。

    「そうか、あの䜜業台は今、鑑識で分析䞭なんですね」 マリアは嘆いた。

    「  だけど、他にも手がかりがあるかも知れないわ」 匓が蚀った。

    二人は、店内を物色し始めた。

    数分埌。
    マリアが、曞棚から、叀いアルバムを芋぀けお来おテヌブルに眮いた。

    マリアが、アルバムをめくっおみるず、若かりし日の䞉奜、青幎時代の盎人、幌児の頃の祐叞のスナップ写真が、たくさん収められおいた。

    産着を着た祐叞を抱く、幎の離れた兄、盎人の写真を芋お、マリアは埮笑んだ。
    これ、ちょっずいい写真だな

    匓は、デスクの匕出しから、店の垳簿を芋぀けお来た。䞉奜は几垳面だったのであろう、二十幎以䞊前からの垳簿が、きちんず幎別に保管されおいた。

    アルバムをめくっおいたマリアが、怪蚝な顔で呟いた。
    「なぜ、祐叞が小さい頃の写真は、党郚、目を瞑っおいるんだろう」

    デスクで、垳簿をめくっおいた匓が、マリアの声に振り向いた。
    「どうかした」

    「これ、ちょっず芋おください」
    マリアは、手元のアルバムのペヌゞを、匓に芋えるように瀺した。

    「祐叞が歳か歳の頃の写真だず思うんですけど、党郚、目を瞑っおるんです。それに、顔を背けお、光を怖がっおいるように芋えたせんか」

    マリアが瀺した写真を芋お、匓は盎感した。
    「 もしかしたら、祐叞は小さい頃、目の病気だったのかもしれない  そう蚀えば、その頃の垳簿に  」

    匓は、手元の垳簿を開き、マリアに芋せた。
    「祐叞が぀か぀の頃の垳簿だけど、䞉奜さんはその頃、毎幎、かなりの額の医療費を、この県科病院に支払っおいるの」

    「なるほど  あれ」
    匓の話を聞きながらアルバムをめくるマリアの、手が止たった。

    「どうした」 匓が、マリアの傍に来た。

    マリアは、説明を続けた。
    「芋おください  祐叞が歳の誕生日だず思いたすが、こんなに目を開けお笑っおる  しかもその埌は、なぜかもう、目を瞑っおたせんね」

    匓は、想像力を働かせた。
    「小さい頃、目の病気だった祐叞は、歳になる頃、手術を受け回埩した。だからそれ以降、目を開けお笑うようになったのかもしれない」

    マリアも、想像した。
    「ずなるず  点字が読めるのは、祐叞かも知れたせんね」

    匓は、めくる垳簿の頁の間に、封筒が挟たっおいるのに気づき取り䞊げた。開くず䞭に『硝子䜓手術前・誓玄曞』ず『領収曞』が入っおいた。

    「芋お、マリア。十八幎前の手術の誓玄曞よ  硝子䜓手術っお、確か目の難病ね。だずするず、祐叞は幌少期、䞡目の芖力を倱いかけおいたんだわ。手術費甚は、玄䞀千䞇  これはきっず、その時の手術の領収曞ね」

    マリアが尋ねた。
    「でも そんな倧金、圓時の䞉奜さんに、払えたんでしょうか」 

    「十八幎前ず蚀えば、兄の盎人が 黒韍䌚に入った時期ず重なるわ  おそらく盎人は、自分の人生を売っお、匟の県の手術代を手にしたんだわ」

    仮説を述べた匓は、胞の奥に焌けるような痛みを感じた。

    か぀お匓は、“極道の匟” ずむゞメられ 荒れおいた高校時代の祐叞に察し、「兄貎のようにはなるな」ず諭したこずがあったのだ。

    しかし、今、倚くの物蚌が瀺しおいるのは、事件の背景にあるず思われる、幌い匟の未来を救いたい䞀心で、極道の道を遞んだ兄の想いだった。

    「でも、この考えは、仮説に過ぎないわ  盎人に確認する必芁がある」

    匓の目に、決意の光が浮かんだ。



    倜䞃時、山䞋公園。

    仕事垰りなのか、盎人が䜜業着姿で䞀人、公園のベンチに座っおいた。

    黒のベスパが来お、停たった。

    匓が降りお来お、メットを脱ぎ、盎人に声をかけた。
    「倜、呌び出したりしお、すみたせん。どうしおも、早く確かめたい事が、ふた぀あっお」

    「オダゞを殺した犯人が、分かったんですね」 
    盎人は気色ばんだ。

    「有力な容疑者が浮かびたした。あなたに暎行し、店に連れお行ったのは、黒韍䌚の、林、岞田、暩田、この䞉人ですね」 
    匓は、確認を求めた。

    「そうです。林、岞田、暩田に、間違いないです   確かめたい事が、ふた぀あるず蚀ったけど、もうひず぀は䜕ですか」 
    盎人が聞いた。

    「  十八幎前、あなたが黒韍䌚に入ったのは、匟さんの目の手術代を皌ぐ為だったのではないですか 違いたすか」 
    匓は、盎人の目を芋た。

    盎人は目を䌏せ、立ち䞊がり 笑った。
    「十八幎前  そんな昔の事、芚えおいたせんよ」

    匓は、食い䞋がった。
    「匟さんが歳の頃の、手術の誓玄曞ず、䞀千䞇の領収曞を芋぀けたした。祐叞さんの目の手術ず、あなたが黒韍䌚に入ったのは、同じ時期だから、私はこの説に自信がありたす。あなたは匟さんのために  」

    盎人は、匓を遮り、声を荒げた。
    「そんな昔の事は、芚えおないぜ それより俺は、オダゞを殺した奎らを蚱せないんだ。オダゞが殺された件は、俺にも責任がある。だから、黒韍䌚のおびき出しに協力するから、奎らを掎たえおくれ 頌むから」

    匓は、盎人に、過去の真実を認めさせるのは難しいず感じ、話題を倉えた。
    「  分かりたした。それで、黒韍䌚の䞉人を、どうおびき出したすか」

    盎人は、萜ち着きを取り戻し、応えた。
    「奎らは俺に、莋䜜造りさせたがっおいる。金が欲しいから盞談したい ず蚀えば、必ず来たす。堎所は、埠頭の倉庫が良いでしょう。早い方がいい」

    匓が、冷静に応えた。
    「確かに、圌らに考える暇を䞎えない方がいいでしょう。今倜、倧黒埠頭に呌び出したしょう。黒韍䌚の連䞭ぞの連絡は、お願いできたすか」

    盎人は、薄く埮笑み 応えた。
    「それは任せおくれ。オダゞの仇を打おるのなら、䜕だっおしたす」



    深倜の倧黒埠頭。
    海颚が朮の銙りず鉄錆の匂いを運んでくる。

    盎人が、レンガ造りの F倉庫の前の、街頭の䞋に立っおいた。

    ひず぀離れた街灯の䞋に、男たちが姿を芋せた。
    盎人が呌び出した黒韍䌚の、林、岞田、暩田の䞉人だった。

    匓ずマリアは、手前の倉庫の圱に朜み、逮捕の機䌚をうかがっおいた。
    二人の埌方には、山手眲の譊官隊も、物陰で埅機しおいた。

    黒韍䌚の林が、盎人に呌びかけた。
    「金が欲しいからパチ物造りに協力したい、っおのは本圓なんだろうな」

    盎人は、林たちの方ぞ歩き出し、蚀った。
    「ああ。俺にはもう、それ䜍しか出来ないからな  他にあるずすれば」

    盎人は、䞉人の前に来お、突劂、身を匕くくした。
    「これだっ」

    盎人は、ポケットからカッタヌを出し、いきなり林に切り぀けた。

    「野郎っ」
    林はカッタヌを避け、岞田ず暩田が、盎人を抌さえ぀けた。

    林が、懐からナむフを取り出し、蚀った。
    「お前の事だから、どうせそんなこったろうず思ったぜ。せめおもの匔いに、お前のオダゞを刺したナむフで、お前もあの䞖ぞ送っおやる」

    バンッ

    その瞬間、蟺りに銃声が響いた。 

    匓ずマリアが、銃を手に、倉庫の圱から飛び出しお来た。
    「譊察よ 動くな」

    岞田ず暩田が、すかさず銃を出し、匓ずマリアに向け発砲した。

    しかし、匓は正確な射撃で、岞田ず暩田それぞれの膝を撃ち抜き、岞田ず暩田はもんどり打っお、その堎に転がった。

    林は、盎人の銖にナむフを突き぀け矜亀い絞めにし、匓ずマリアに叫んだ。
    「近づくなっ こい぀を殺すぞ」

    そこぞ譊官隊が党員、銃を手に、遅れお駆け぀けお来たが、人質を盟に埌退する林には、誰も手が出せなかった。

    林は、盎人を盟に、倉庫に向かっおゞリゞリ埌退しお行く。


    その時だった。
    もう䞀぀の黒い圱が、倉庫の圱から螊り出た   祐叞だった。

    祐叞は、手にしたナむフで、埌ろから盎人に襲いかかった。

    「父さんが死んだのは、お前のせいだっ」

    突劂、背埌から迫っお来た祐叞に驚き、林は、人質の盎人を手攟した。

    瞬間、マリアが、林に飛びかかり、その堎に倒しお抌さえ぀けた。

    䞀方、
    その埌ろでは、盎人が、ナむフを手にした祐叞ず向き合っおいた。

    盎人が、祐叞に聞いた。
    「祐叞  そんなに俺が、憎いのか」

    奮える手でナむフを構え、祐叞が蚀った。
    「あぁ、憎いね  やくざの兄貎のせいで、僕はい぀もむゞメられおきた。その䞊、父さんたで巻き蟌たれお殺された   絶察、蚱さない」

    「そうか   すたなかったな、祐叞」
    盎人は抵抗せず、匟のナむフを受け入れようず目を閉じた。

    バンッ

    瞬間、匓の攟った匟䞞が、祐叞の手のナむフを飛ばした。

    間䞀髪で、祐叞の凶行は未然に防がれた。

    手銖を抌さえ、その堎にうずくたった祐叞に、
    匓が、䞉奜老人が残した点字メッセヌゞの写真を、懐から出しお芋せた。

    「お父さんが、点字で曞き残したメッセヌゞ、あなたなら読めるわね」

    「   ナ・ル・セ 

 これを、父さんが」 
    読んだ祐叞は、倩を仰いだ。

    匓は、埌悔しお蚀った。
    「そうよ   誰に向けたものか、分からなかったけど、あなただったのね。もっず早く芋せるべきだったわ」

    祐叞が、呟いた。
    「父さんは分かっおたんだ。僕がずっず、兄貎を殺したいほど憎んでいたこずを  『ナルセ』か、それだけで僕には十分、父さんの声が聞こえるよ」

    二人のやりずりを芋おいたマリアが、祐叞に蚀った。

    「でも、祐叞さん。お兄さんが、黒韍䌚に入った理由を、知らないでしょう   あなたには、お父さんの蚀う『ナルセ』の意味が、ただ分かっおないず思う」

    傍らでうなだれおいた盎人が、顔を䞊げ、マリアを目で制した。
    よせっ

    マリアは、盎人の制止を無芖しお、続けた。
    「あなたの目を、治すためだったのよ」

    「 䜕だっお  それ、どういう事だ」
    祐叞は、呆然ずした。

    匓が、祐叞に蚀った。
    「あなたが、歳の頃の話だから、知らなくお圓然よ。お兄さんは、お父さんだけでは払いきれない、あなたの目の手術代を皌ごうず、闇の䞖界に足を螏み入れた  それが真実よ。でも、あなたの心の負担になるから『匟には蚀うな』ず盎人さんに蚀われおたのに   バレおしたったわね」

    祐叞が、盎人を芋た。

    盎人は、照れお顔を背けた。

    匓が、盎人に頭を䞋げた。
    「私は昔、匟さんに『兄貎みたいにはなるな』ず忠告した事があるんです。でも、それは間違いだったず分かりたした  申し蚳ありたせんでした」

    盎人は、黙っお頷いた。

    その盎人の手を、祐叞が握っお蚀った。
    「そうだったのか   蚱しおくれ、兄貎」


    事件は解決した。


    ほっず胞を撫でおろしたマリアず匓の傍らを、海颚が吹いお行った。



    ゚ピロヌグタコス、ふたたび



    翌日、昌䞋がりの関内。

    評刀のタコス屋の前に、フィアットずベスパが䞊んで停たっおいた。

    店のテラス垭で、マリアず匓が、熱々のタコスにパク぀いおいた。

    「  うわっ、おいしヌい ね、匓先茩。私の蚀った通りでしょ」

    「  たあね。でも、食べたいっお蚀ったのはマリアなんだから、ここは圓然、あんたのおごりよ。私はあんたの、ゲストなんだから」

    「えっ、ゲストっお、䜕よそれ、ひどい  私、今月ピンチなのに」

    「ごちそうさた  ゲストは、垰りたす」  

    匓はさっさず食べ終え、ヘルメットを被り、ベスパに跚った。

    「埅っおくださいよ  先茩、バディヌじゃないんですか」

    「そっ、バディヌじゃなく、ゲスト」  

    匓は排気煙を残し、颯爜ず走り去った。  

    「たったく、気たずいんだから、もう」  

    マリアは䞀人、残りのタコスを口に抌し蟌んだ。




    第話『れリヌ状の遺曞』 【完】


    ☆「気たずいバディヌ」第話『れリヌ状の遺曞』【埌線】をお読みいただき、ありがずうございたした。いかがだったでしょうか よろしければ、励みになるので、スキ、フォロヌ、コメントをよろしくお願いしたす


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