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Photo bymegenai2020

スキ警察に捕まるな!?④〜原則ぬくもりフォロバ主義〜

    妄想物語「スキ警察」シリーズの④を書きました。①から読んでいただけたら、嬉しいです♪

    (*以下の物語は、noteで「スキ」を押しすぎると取締られる世界という妄想の中の話である。)

    5、 第二取締局:フォロバ特別監査室

    白い部屋だった。

    ここは、noteスキ取締課の下部組織――
    第二取締局・フォロバ特別監査室。


    役割はひとつ。

    フォロー関係の“異常拡散”を監査すること。

    壁一面に並ぶアカウント名。
    矢印でつながれた相関図。
    中央モニターには、ひとつのアイコン。

    目をバナナで隠した、ふざけた顔。
    その上に赤字で表示されている。

    要観察対象:モヤハル
    フォローバック率:92%



    「高すぎますね」
    若い監査官が言う。
    彼は分析担当。
    数字を読み、偏りを見つける役目だ。

    「原則フォロバ主義のようです」

    奥の椅子に座るのは、主任監査官。
    感情を表に出さない、効率ゴリゴリズム信奉者。

    「厳選こそ戦略だ」
    主任は言う。

    「無差別フォローはノイズを増やす。
     アルゴリズム評価も不安定になる」

    若い監査官がタブレットを操作する。
    「ですが先輩、一定の傾向があります」

    「何だ」

    「ジャンルはバラバラですが……
     “心が動いた形跡”のあるアカウントに集中しています」

    「形跡だと?」

    「スキ履歴とコメント履歴を重ねると、
     高確率で一致しています」

    主任は眉をひそめる。

    モニターにフォロワーの一覧が流れる。

    物語を書く人。
    詩を書く人。
    絵を描く人。
    投資を語る人。
    子育てに悩む人。
    教育に携わる人。
    動物や植物を愛する人。
    ゲームを作る人。
    趣味を語る人。
    新しいことに挑戦する人。
    資格勉強中の誰か……

    「……まるで一貫性がない」

    「まだいますけど……」

    「もういい!!」
    主任はこめかみに手を当てながら断言する。
    「すなわち、……戦略性ゼロだな」

    若い監査官は、少しだけためらう。
    「……ですが、拡張性はあります」

    「拡張?」

    「未知ジャンルへの接触率が高い。
     結果として接触母数は増えています」

    主任は椅子にもたれた。
    「リスク過多だ…
    それに、ノイズも増える」

    沈黙。

    モニターの中央で、赤字が点滅する。

    要観察対象。

    「本人はどう考えている?」

    若い監査官が資料をめくる。
    「“知らない世界を覗きたい”と書き込んでいます」

    主任は小さく息を吐く。
    「感情優先型か」

    「はい」

    「数値は育ちにくい」

    「ですが主任……、ぬくもりは育つかと」

    主任の指が止まる。
    「ぬくもりは測定対象外だ」

    「承知しています」
    若い監査官は、少しだけモニターを見つめる。
    「ですが……フォロバ後の交流継続率は、
     平均より高いです」

    主任は黙る。

    壁の相関図が、静かに広がっている。

    効率から見れば、非合理。
    だが完全に無意味とも言い切れない。

    「結論は?」
    主任が問う。

    若い監査官は答える。
    「管理対象ですが、
     排除対象ではありません」

    わずかな沈黙。

    「……泳がせるか……」

    赤字が黄色に変わる。

    要観察。

    6、その頃……(モヤハル自宅。)

    私は、のんびりと昼食を終え、
    コーヒーを淹れると、
    タイムラインに戻っていた。

    新しくフォローしてくれた誰かのプロフィールを開く。

    まだ知らない文章。
    まだ知らない景色。

    一行目。
    二行目。
    三行目。

    ——あ。

    世界が、少し広がる。

    私は、フォローバックを押す。

    戦略ではない。
    義務でもない。

    ただ、扉をひとつ開けるように。

    効率ゴリゴリズムの世界で、
    私は少しだけ遠回りをする。

    遠回りは、
    ときどき思いがけない景色へ私を連れて行ってくれる。

    それを私は、もう知ってしまったのだ。

    (つづく)

    最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
    みなさんにとって、いいことがありますように♪
    続きは、下記より読めます。

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