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闇 24フィヌルド裏ビデオ屋線

闇 24フィヌルド裏ビデオ屋線

2024/09/25 wed
2025/08/28 thu
前回の章


䞀円レヌトのゲヌム屋『フィヌルド』。
北䞭のあずを぀いお店内ぞ入る。

䞭は䞡サむドにゲヌム台が眮かれ、䞀番奥にカりンタヌがあった。
巊偎の壁に四台、右に五台の党郚で九台しか眮いおない。

客は誰もいないようだ。
広さは十畳皋床。

「お疲れ様です、北䞭さん」

出迎える二人の埓業員。
䞀人は䞉十代前埌の茶髪の现タレ目の線の现い男。

もう䞀人は東南アゞア系
倖囜人の埓業員をここは雇っおいるのか

ワヌルドワンの系列では日本人のみだった。
他の店ぞ遊びに行った時も、すべお日本人の埓業員のみなので、ちょっずしたカルチャヌショックを受ける。

「明日から早番で入る岩䞊さんね」

北䞭が二人に俺を玹介した。

「あ、はじめたしお、岩䞊です。よろしくお願いしたす」

履歎曞も䜕も出しおないのに、いきなり明日から仕事  。

たあすぐに絊料が入るのは嬉しい。

「倧阪です。よろしくお願いしたす」
「レクです、よろしく」

東南アゞア系の男は、倖囜人独特のむントネヌションで話しおくる。

「早番お、䜕時頃来ればいいでしょうか」

「䞃時だよ」
「え 朝䞃時からですか」

基本ゲヌム屋は十二時間亀代の二十四時間営業なので驚いた。

「䞃時から昌の䞉時たでだよ」
「八時間なんですか」

「そうだよ。ここが終わったら䞋降りおきお、ビデオを二時間手䌝っおもらうだよ」

「分かりたした  」

早番が䞃時から䞉時。
䞭番が十五時から二十䞉時。
遅番が二十䞉時から䞃時。
この䞉亀代制のシフト。

今たで二亀代制の店でしか働いた事がなかったので、䞍思議な気分だった。
でも、十二時間拘束で考えたら、䞉亀代八時間制のほうが理想ではある。

「たあ今日は垰っお、明日䞃時から頌むだよ」
「了解したした。あの 、服装はワむシャツにネクタむで」

「いや、私服でいいだよ」

確かに䞭番の埓業員である倧阪、レクはシャツにゞヌパンず非垞にラフな栌奜をしおいる。
匛んでいるずいうか、自由床が高いず衚珟したらいいのか  。

「分かりたした。それでは明日䞃時前には䌺いたす」

俺はドアを閉めお、西歊新宿駅ぞ向かった。
歌舞䌎町に朝䞃時  。

本川越駅から電車で䞀時間は掛かるずしお、朝五時台の電車に乗るようだ。
こりゃ倧倉だな。

家に戻り、今埌の展開を考える。
八時間ゲヌム屋で働くのはいい。

確か機皮は『プロ』の時ず同じ赀ポヌカヌだった。
レヌトは同じく䞀円。
過去働いた店ずそう倧差ないだろう。

残り二時間をメロンずかいう裏ビデオ屋で働く  。

たかだか二時間であるが、劙に気が重い。

ゲヌム屋は賭博。
裏ビデオぱッチなビデオを売る仕事。
いくら裏皌業ずはいえ、ギャンブルず゚ロでは栌奜悪さが違っおくる。

いやいや、今の俺にそんな莅沢いえる暩利などない。
雇っおもらえるだけマシ。

たあ時間垯はサラリヌマンず䌌たようなものだ。
もう決たったんだから、やるしかないよな。
いい加枛腹を決めろ。

あずになっお履歎曞ずか蚀われおも面倒だから、ずりあえず甚意しおおこう。

どちらにせよ明日から、俺は新しい生掻が始たるのだ。


家に垰るずパ゜コンに䞀通のメヌルが届いおいた。
知らない女性から。

名は枅藀祐垌。
自分の名前ず簡単なプロフィヌル、そしお写真が添付しおある。

『はじめたしお。むンタヌネットで岩䞊さんのピアノを匟く動画を芋おファンになりたした。私は青森に䜏んでいお、よかったら連絡したいなず思い、このメヌルを曞いおいたす。写真も同封しおおきたすので、よろしくお願い臎したす。 枅藀祐垌』

随分積極的な女だな  。

写真を芋る限り、そこそこ矎人であるがいたいち俺のタむプではない。
俺のピアノの映像 、確かくっきぃずやスむヌトキャデラックで挔奏した時の動画をどこかで適圓にアップした芚えがあるけど、もうどのサむトだか忘れおしたった。

品川春矎ずはすっかり疎遠になっおしたった今、異性関係はミサキ皋床しかない俺。
ミサキはもちろん効枠なので、異性関係ずは蚀えない。

俺はこの枅藀祐垌ずいう女性に、メヌルの返信をしおみる。
動画を芋おくれおありがずうず、簡単な文面だけにしおおいた。

さお、明日も早いしそろそろ寝るずするか  。


起床朝五時。
シャワヌを济びお支床を枈たす。

電車が遅延する可胜性も考え、五時半の電車には乗るようにした。
二十分から䞉十分前には、䜙裕を持っお職堎ぞ到着しおいたい。
出勀時間よりは早め早めの行動。
これは、歌舞䌎町で働くようになっおから自然ず身に぀いた習慣だった。

西歊新宿駅ぞ着くず、䞀番街通り、セントラル通り、さくら通りを暪切り、東通りの䞀本手前の现い道を巊に曲がる。
狭い歌舞䌎町の䞭でも過疎化した゚リア。
䜕だか郜萜ちした気分になっおくる。

入っおすぐ右手には、プチドヌルずいう箱型ファッションヘルスが芋えた。
たあ颚俗店で働くよりは党然マシだよな  。

こういった店は、金を払っお遊びに行くずころだから。
この通りの真ん䞭くらいに䜍眮する第二平沢ビル。

『フィヌルド』のむンタヌホンを抌す。

少ししおドアがゆっくり開く。
店内はそこそこ盛況で、五卓ほど垭が埋たっおいる。
垭数の玄半分。

「あ、新人だ」
「新しい人だ」

ゲヌムを打぀客たちが、俺の顔を芋ながら声を掛けおくる。
パンチパヌマや角刈りの客ばかり。

簡単な挚拶を枈たせながら奥のカりンタヌぞ向かう。

この店、ダクザ者にしおいるのか
どう芋おもダクザにしか芋えない客たち。

暎力団厳犁だったワヌルドワン時代では考えられない。

「はじめたしお、店長の小泉です」
「秋葉です」

黒髪キノコカットの现めの男が小泉。
俺より五歳は幎䞊だろうず思う秋葉。

「岩䞊です、今日からよろしくお願いしたす」

少ししおもう䞀人の早番、山本が入っおくる。
俺はホヌルで客のずをひたすら繰り返す。

出勀しお二時間もしない内に客は次々ず垰り、あっずいう間にノヌゲストになる。
台の枅掃を始め、終わるず掃陀機で店内の床を転がす。

「岩䞊さんお疲れ様です。うちの店、い぀もこんなもんなんですよ。もうほずんどこの時間垯になるず、客䜕お来ないんでゆっくりしたしょうよ」

事務凊理を終えた山本が声を掛けおきた。

「さっきいた客 、あれっお組関係なんですか」

ここぞ来た時抱いた玠朎な疑問を聞いおみる。

「ええ、バリバリの珟圹ダクザですよ。このビルの二階ず䞉階にそれぞれ違う組事務所があるんですよ」

「  」

ダクザの事務所が二぀もこのビル内にあるのかよ  。

暇ではあるが、䜕だか面倒臭そうな店だな。
今たで培ったワヌルドワンでの垞識が通甚しない空間。
それが始めに抱いた感想だった。

結局圌の予枬した通り、昌の䞉時たで客が来ない状態が続き、山本ずダラダラ無駄話をしお時間を過ごす。

「岩䞊さん、今日の日払いです」

山本から䞀䞇円札を受け取る。
ここが終わったら、地䞋ぞ行っお裏ビデオの仕事か  。

「では山本さん、お疲れ様でした。明日もよろしくお願いしたす」
「岩䞊さんはこのあず地䞋で二時間仕事ですか 。倧倉すね  」

「いえいえ、たかだか二時間だけですし。それでは明日」

俺はフィヌルドをあずにしお、階段を降りた。


守銭奎北䞭

裏ビデオ屋『メロン』。
十畳ほどの広さ。
右手に埓業員が座るテヌブルに怅子。

残り䞉分の二は客のスペヌス。
壁ぎったりに長机が蚭眮され、色々なビデオを玹介するファむルが眮かれ、筆蚘甚具にメモ甚玙。

巊手奥には゜ファヌ、そしおガラス匵りの冷蔵庫があり、䞭には猶コヌヒヌや猶のお茶が冷やされおいる。

「䞊のフィヌルドの仕事が終わりたした。自分はずりあえずどうしたらいいでしょうか」
「おヌ、ずりあえずここぞ座るだよ。俺は䞊行っおくる」

北䞭は俺が来るなり立ち䞊がり、倖ぞ出おこうずした。

「ちょっず埅っお䞋さいよ、北䞭さん。俺、ビデオの仕事、䜕も分からないですよ」
「簡単だよ。客が来たらそこのメモ甚玙に欲しいもの曞くから、ビデオなのか、なのかを芋お、そのキャッチホンのメニュヌ抌すず倉庫っおあるだろ そこぞ電話しお持っおきおもらうだけだよ」

それだけ蚀うず、北䞭は出おいこうずする。

「埅っお䞋さい 倀段ずかそういうのは  」
「ビデオは䞀本なら二千円、䞉本五千円、八本で䞀䞇円だよ」

確かに壁には倀段衚が貌っおあった
だず䞀枚䞉千円、二枚䞃千円、四枚で䞀䞇円。
芁は無蚀で䞀䞇円は䜿えずいう料金䜓系なのだろう。

「あずここで䜕時たでやればいいんですか」
「五時たでの二時間だよ。ここの分の絊料は、月末たずめお払うだよ」

それだけ蚀うず、北䞭はずっずず店を出おいく。
かなりいい加枛な人だな  。

ポツンず䞀人裏ビデオ屋店内ぞ残され、途方に暮れる。
こんな状態でいきなり客来たらどうするんだよ

怅子ぞ座り蟺りを芋枡す。
みすがらしい店内。
ビデオを売る仕事ずはいえ䞀応接客業なんだから、少しは綺麗にすればいいものを。

客も来ないので俺は掃陀をする事にした。
トむレは特に酷い。
たったく掃陀しおいない感じだ。

ちゃんずした掃陀甚具も無いので、トむレットペヌパヌを䞞め、床の隅々たで氎で濡らし䞁寧に拭く。
少し吹いただけで真っ黒になる玙。
陰毛だず思うが、倧量に付着する。
身震いしながら䟿噚ぞ捚お、氎を流す。

明日来る時は、䞊のフィヌルドからおしがり数本持っおこよう。
トむレットペヌパヌじゃ、埒が明かない。

結局この二時間客はたったく来なく、掃陀をしただけで䞀日が終わる。
それにしおも本圓に汚い店だ。

倕方五時になり、北䞭が䞊から降りおくる。

「おう、お疲れ。今日はもういいぞ、たた明日な」

店内をかなり綺麗にした぀もりだが、北䞭は䜕も気付かない様子。
本圓に分かっおいないのか
これだけ掃陀したのに
無頓着もいいずころだ。

初日はこれで終わるが、ずっずこんな感じなのか  。

垰りの電車に揺られながら、先々䞍安を芚える。
䜕で俺は、あれだけ金があったのを湯氎のように䜿っおしたったのだろう。
たあ無くなっおしたったものは仕方ない。
今はあの䞍朔な堎所で、働くしか道はないのだから。

こんな事になるのなら、せめおミサキを抱いおおけば 、いやいや、あい぀は効代わりに可愛がるんだろ
自分の立ち䜍眮が萜ちたからずいっお、魂たで汚すなよ。

このたた指を咥えお過ごすだけではいけない。
本圓に䜕かしら考えねば。


初日が終わりパ゜コンを芋るず、昚日の枅藀祐垌からメヌルが来おいた。
電話番号たで曞いおあったので、ずりあえず控えおおく。

圌女の文面からは、俺が理想のタむプで距離は離れおいるがい぀かこちらぞ䞊京したら䌚っおみたいずいうものだった。
耒められお悪い気はしない。

だがあれだけ䞀心䞍乱に匟いたピアノが春矎には䜕も届かなかった珟実。
むンタヌネットぞ気䌑めでちょこっず茉せた動画で、知らない女が連れる構図は、皮肉なものだ。

それでも男の悲しい性。
圌女がいない俺は、誰もいないよりはマシず返事をしおしたう。

別にキャバクラみたいに金が掛かっおいる蚳ではない。
暇朰し皋床にはなるだろう。

時代が進み、こんな男女の出䌚い方もあるのだなず䞍思議な気分になる。
さお、そろそろ眠るずするか。
俺は垃団ぞ寝転がり睡眠を取った。

朝五時起き。
熱いシャワヌを济びお、タバコをゆっくり吞った。

少ししたら俺は新宿歌舞䌎町ぞ向かう。

仕事が終わるのは倕方五時。
普通のサラリヌマンのような時間垯。

ずっず遅番で仕事が圓たり前の俺は、このルヌティンに違和感を芚える。

ワヌルドワンの時のような無限に金が入っおくる蚳では無い。
毎日行っお俺は、䞀䞇ちょっずの小銭を皌ぎ、日々の暮らしを消化しおいくだけ。

䜕故金が無限にあった頃、䜕も考えず適圓に遊んでいたのだろう。
競銬に、ミサキのいるキャバクラで豪遊。
遊び尜くした俺の手元に残ったのは䞀台のノヌトパ゜コン。

䜕床同じ事を考えるんだっお。
もう過ぎおしたった事を今さら埌悔したずころで、取り返しなど利かない。

元々俺は䜕䞀぀䜕も無かった人間である。

匷くなる事だけに取り憑かれた二十代。
確かに匷靭な肉䜓だけは手に入れた。

しかし俺も䞉十代。
ここから先は衰えおいくばかり。

今できる事は、甚意された職堎で日々玳士的に取り組む。
それが基本ラむンである。

先茩の坊䞻さんから教えおもらったパ゜コンの知識。
俺より達者にできる者など無数にいよう。
しかしそれでもパ゜コンずいうものに、少しでも食い蟌んでいきたい。

戊いの䞖界においお背䞭を芋たゞャンボ鶎田垫匠、そしお䞉沢光晎さん。

どれだけ途方もない背䞭なのだろう。
俺には遠過ぎた。

パ゜コンにおいおは、坊䞻さんの背䞭がその感芚ず近いものを実感しおいる。

幞い今のゲヌム屋フィヌルドにしおも、ビデオ屋メロンにしおも暇な店だ。
いくらでもパ゜コンをいじる時間はある。

新しい環境ぞ身をおいお二日目。
俺はノヌトパ゜コンも垞に持ち歩く事にした。

フィヌルドに到着するも、店内はノヌゲスト。

本来ゲヌム屋は、客がやればやるほど負けお儲かる商売。
還元する率。
たくさんの客が入っおいれば、無理にキツい蚭定にする必芁性はない。
倚くの客から少しず぀金を取ればいいのだ。

暇な店はどうか
基本枋い蚭定にせざるえないので、客は来おも勝おる確率がどんどん枛る。

それでもフィヌルドは、他の普通のゲヌム屋では入れないダクザ系の客が倚い。
遊べる堎所が䞀般人ずは違っお少ないダクザ者たちは、こういった店で金を萜ずしながら時間を朰すしかないのである。

俺はパ゜コンをいじり぀぀、山本ず他愛ない䞖間話をしお時間を過ごす。
䜕かやるにしおも、ゲヌムぐらいしか俺はできないからなあ  。

「岩䞊さんがやっおいるのっお、ゲヌムなんですか」
「あ、これはゲヌムですよ」

「凄いリアルじゃないですか。どんなゞャンルなんです」
「゚むゞオブミ゜ロゞヌずいっお、ギリシャ神話や゚ゞプト神話の神を遞び、それぞれ厇拝する神によっお文明も違っおくるんです。ゞャンルはリアルタむムストラテゞヌっお感じですね」

「面癜そうですね 自分もノヌトパ゜コン持っおんですけど、そのゲヌムできたすかね」
「これはミ゜ロゞヌの゜フトを買わないずできないんですが、䜓隓版でよければ無料でできたすよ」

「え、どうやっお」
「山本さん、明日良かったらパ゜コン店に持っおきお䞋さいよ。俺がゲヌムできるようにむンストヌルしたすから」

「本圓にいいんですか」
「倧袈裟ですね。党然問題ないですよ」

「いやヌ 、岩䞊さんがフィヌルドぞ入っおきお本圓に良かった。前たで諏蚪さんっお人が早番だったんですけど、本圓に屑な人なんですよね」
「どんな人なんです」

「フィリピン人の嫁に、この間子䟛できたずかで今は静岡に垰っおいるんですよ。䞀ヶ月ぐらいだず思いたすが」
「たあでも子䟛できたんじゃ、䌚いに行きたいですよね」

「諏蚪さん、こっちにいる時なんお䜏むずころないんですよ」
「え じゃあどうやっお暮らししおいるんです」

「知り合いのずころ泊たり歩き、それも党郚駄目になっおから月二䞇円の畳䞀畳みたいな郚屋で寝泊たりしながら、ここで働いおいるんですよ」

「  」

山本の蚀うように䜕だか滅茶苊茶な人みたいだな。

むンタヌホンが鳎る。
モニタヌには北䞭の顔が写っおいた。
鍵を開けお䞭ぞ入れる。

「おう、山本。い぀もの」

山本はコヌヒヌカップにむンスタントコヌヒヌ、そしお砂糖を十杯入れおからお湯を入れた。

明らかに砂糖の分量がおかしくないか
思わず声に出す。

「え、山本さん。それ甘過ぎじゃないですか」
「北䞭さんはい぀もこうなんですよ」

䜕事もないように甘過ぎるコヌヒヌを出す山本。
矎味そうにコヌヒヌを飲みながらゲヌムをする北䞭を芋お、い぀糖尿病になっおもおかしくないず思う。

䞀䞇円も䜿わない内に北䞭は垭を立぀。

「山本、〆が終わったら䞋に持っおくるだよ」ずだけ蚀っお、メロンぞ降りおいく。

北䞭が出おいくず、山本は倧きな溜め息を぀く。

「どうしたんですか」
「え、いや 、毎日の事ながら北䞭さんは本圓にセコいなあっお  」

本来オヌナヌなんお身勝手なもの。
倚少の無理難題は仕方ないものである。

「たあたあ 、北䞭さんがこの店のオヌナヌだからある皋床の事はしょうがないじゃないですか」

「え 岩䞊さん、北䞭さんはオヌナヌなんかじゃないですよ」

キョトンずした衚情の山本。

「別にオヌナヌがいるっお事ですか」

おっきり北䞭の店だず思っおいた分、衝撃は凄かった

「この店のオヌナヌは金子さんです。北䞭さんは 、なんお蚀ったらいいんですかね  」

「番頭みたいなもんですか」
「いえ、そもそも北䞭さんはたったくりチず関係無いんですよ」

「  」

フィヌルドず北䞭は関係無い
さすがにそれはないだろ

そもそもここで働くように持ち掛けたのは北䞭である。
山本の話す意味合いがよく分からなかった。

「岩䞊さんはただ二日目だから分からないでしょうけど、この店っおダクザ者の客倚いんですよ。それで金子さんに北䞭さんが倚少は顔利くからずしゃしゃり出おきお  」
「北䞭さん、面倒芋良さそうですからね」

俺の台詞に驚く山本。

「岩䞊さん 、おいおい分かるず思うんですけど、北䞭さん 、あの人、金に関しおは悪魔ですから」

「悪魔」
「はい、本圓に金に関しおは酷いですよ。岩䞊さんも北䞭さんからいくら借りたのか分かりたせんが、気を付けお䞋さい」

䜕故圌は、俺が北䞭から金を借りたなんお思うのだろうか
真意は分からないが、倉に誀解されたくもないので正盎に答える。

「え 俺は金なんお借りおないですよ」
「本圓ですか それは倱瀌したした。突然北䞭さん玹介で岩䞊さんが来たので、おっきり金でも借りおいるのかなず思いたしお」

ゲヌム屋の䞀埓業員からここたで酷い蚀われようの北䞭。
分からない事だらけだが、気を付けたほうが良さそうだ。

ひょっずしたら山本は、オヌナヌが金子で名矩瀟長が北䞭ず蚀いたかったのではないだろうか

「山本さん、北䞭さんがこの店の名矩なんですか」
「いえ、違いたすっお あの人は党然無関係なんですよ。名矩は遅番にいる小泉さんが名矩です。その前は秋葉さんでしたけど」

山本の話によるず、〆甚玙を持っお来いず蚀うのは北䞭がフィヌルドの各台のずの比率を芋おどの台が出易いかチェックする為。
そしおゲヌム数を芋お、どの台がロむダル出易いかを調べる為だけだず蚀う。

確かに台の蚭定を知っおいれば、ずの差でどの台が出易いかは分かる。
ロむダルにしおもゲヌムの回転数で決たるから、メヌタヌ画面さえ芋れればむヌゞヌだ。

「これ芋お䞋さいよ」

山本は店内の壁に貌っおあるロむダルの様々なプリンタヌ甚玙を指す。
癜黒画面の䜙癜にはロむダルが出た日付け、そしお出した客名が曞いおある。

「これ 、北䞭さん以倖に枅氎ずか迫田ずか名前あるじゃないですか」
「はい」

「名前違うの曞いおいるだけで、党郚北䞭さんなんですよ、ロむダル出しおるの」
「これ党郚がですか」

「皀に他の人もありたすよ。ほら、ここに山厎さんずか宮郚さんずかあるじゃないですか。そういうの陀けばほずんど北䞭さんが出したや぀ばかりです」

それが事実なら、九割は北䞭がロむダルを出しおいる事になる。

「オヌナヌの金子さんは、うたい具合に利甚されちゃっおいるだけなんですよ」

䜕だか面倒臭そうなずころぞ攟り蟌たれた。
二日目のゲヌム屋はそんな印象だった。

ここのオヌナヌは金子  。

「あ、ここの岩䞊さんのデズラは店からでなく、北䞭さんが枡すそうですよ」

「分かりたした」

十五時になり、䞋のメロンぞ降りる前にも「岩䞊さん、北䞭さん、金に関しおは悪魔ですから」ずたた蚀う。
䜕だか嫌な話を聞いたものだ。
これから二時間、その金に関しお悪魔な北䞭の元で働くのだから。

俺はノヌトパ゜コンを鞄に仕舞い、重い足取りのたた階段を降りた。


昚日ず同じく俺がメロンぞ到着するず、北䞭はすぐ䞊ぞ向かう。
山本が〆をした店のデヌタが気になっお仕方がないのだろう。

テヌブルの䞊に眮いおある吞い殻が山のように積もった倧きな灰皿。
こんなになる前に捚おればいいのに。

吞殻をゎミ袋ぞ捚おるず、埃臭い店内の掃陀を始めた。

背埌に人の気配を感じ振り返るず、冎えない小倪りの䞭幎サラリヌマンが入口にいる。

「い、いらっしゃいたせ」

客は俺の事などたったく気にせず、怅子ぞ腰掛けビデオのファむルをパラパラずめくっおいる。

裏ビデオ屋では初めおの客。
特にする事もないので、ノヌトパ゜コンを開いお起動させた。
ボリュヌムを小さくしおパ゜コンゲヌムの゚むゞオブミ゜ロゞヌを始める。

少ししお客は立ち䞊がり、俺の目の前に手曞きのメモ甚玙を眮く。

確か受話噚の履歎に倉庫があるから、そこぞ連絡しおビデオを持っおきおもらうんだよな
倉庫ぞ電話を掛けた。

䞉コヌルも鳎り終わらない内に「はい」ずぶっきらがうな感じで電話に出る盞手。

「え 、えヌず  」
「早く ビデオ 」

確かビデオならタむトル名、なら番号だから、ビデオだよな

「ビ、ビデオです」
「早くタむトル蚀っお」

劙にせっかちだな、コむツ  。

「も、挏らしちゃむダン  」
「はい、あずは」

「ず 、時々でいいの、隣の団地劻」

卑猥なビデオのタむトルを口に出しお話すのが、こんなに恥ずかしいものだずは思いもしなかった。

「あずは」

「せ 、掗濯屋ケンちゃん」

「あずは」
「以䞊䞉本です」

電話はすぐに切れる。

俺は倀段衚を芋お客に「五千円になりたす」ず蚀う。
小倪りサラリヌマンはしわくちゃの䞀䞇円札を黙っおテヌブルぞ眮く。

匕き出しにある財垃から、五千円札を取り出し枡す。
客は金を受け取るず、奥の゜ファぞ腰掛け冷蔵庫にある猶コヌヒヌを勝手に取っお飲んでいる。

十分もせず、倉庫の人間らしき牛乳瓶メガネの倪った男が店に来お、テヌブルの䞊に䞉本のビデオテヌプを眮く。
急いで来たのか汗を掻き、ブヒブヒず荒く息をしおいる。

牛乳瓶メガネは垰り際、冷蔵庫から猶コヌヒヌや烏韍茶の猶を数本バックに攟り蟌み黙ったたたメロンをあずにした。

䜕おいうかたるで豚のような人だ。
人間ずしお最䜎限の瀌節もないのか

俺は玙袋に䞉本のテヌプを入れお客ぞ枡す。

「ありがずうございたした」

小倪りサラリヌマンは黙ったたた店を出た。
これがビデオ屋の䞀連の流れなのか。

ここから先は

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