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闇 20闇の䜏人ぞの堕萜線

闇 20闇の䜏人ぞの堕萜線

2024/08/13 tue
2025/07/14 mon
前回の章


明日になれば安田が仕事ぞ埩垰。
それたで早番の䞉門、倧倉、江角で店は回しおもらう。

遅番も、岡本は経隓者なので店のシステムを芚えおもらうくらい。
望月は初心者なので、ポヌカヌゲヌムの理屈から、すべお教え蟌たないずいけない。
山䞋哲也は盞倉わらずマむペヌスだが、仲良しの倧倉ず番を別れたのが悲しいらしく、い぀もブツブツ愚痎を蚀っおいる。

䌊藀はマスタヌキヌの第䞀匟アヌティスト『Hi-Timez』ずしおの東北ラむブが奜評らしく、い぀も週末䌑みを䞀日、二日取っおいたが、倚い時で䞉日間䌑む堎合もあるずいうので了承した。
音楜の䞖界はよく分からないが、䌊藀がそっち食えるようになるなら喜んで送り出したい。

ニュヌペヌクに䜏んでいたずいう䌊藀は少し倉わっおいお、肉がたるで食べられなかった。
コロッケですら倚少の肉があるので断るほど。
ベゞタリアンなのず聞くず、い぀の間にか肉だけ受け付けなくなったようだ。
ステヌキずか最高じゃんず蚀うず、獣の味がするので嫌な顔をする。

そういえば番頭の䜐々朚さんも肉が食えないずか蚀っおいたよな。
兄貎分がず酒を飲んでいる時ちょっずだけ蚀い掛けた事がある。

おそらく俺の掚枬だず、䜐々朚さんがダクザ時代、䜕かしらの抗争でその兄貎分は亡くなっおいるず螏んでいた。
若い頃は肉が倧奜きだったずいうのも聞いおいたからだが。

ダむナミック

しばらく䌑んでいなかったので䌑みをもらう事にした。
正盎、自分が䞍圚の䞭、山䞋ぞ遅番を任せるのは少し怖かったが、䌑たない蚳にもいかない。

久しぶりの䌑み、効代わりに可愛がっおいるミサキの店『サンタナ』ぞ行き酒を飲む。
ここからなら本川越駅たで埒歩数分。
䜕かあったら新宿ぞ駆け付ける事も 、いや、それでも本川越駅から新宿たで䞀時間か  。

「どうしたの、今日は䜕か萜ち着きがないよね」

ミサキが心配そうに芗き蟌んでくる。

「久しぶりの䌑みなんだけどさ、やっぱり心配ず蚀うか、䞍安ず蚀うか  」

安田から電話が掛かっおくる。

「すみたせん 、明日の出勀、䞀日延ばしおもらえたせんか」
「はあ オマ゚䜕を蚀っおんの シフト組んだんだから、出おこい」

「いえ、恥ずかしい話、借金しおいる人間に䌚わなければいけないので  」
「だったら尚曎だろ。安田、金だっお持っおないんだろ その日から日払い枡すから、その人には仕事終わっおから䌚えばいい話だろ」

「そ、そうですね 。分かりたした」

電話を切っお五分もしない内にメヌルが届く。

『すみたせん。やっぱり俺は倧銬鹿野郎です。 安田』

意味䞍明な内容。
考えられるのは、このたた来ない぀もりだろう。

苛立った俺は、安田ぞ䜕床連絡するも出る様子がない。

以前䜕も蚀わず十䞇円貞しおくれず蚀った時、貞しはしなかったが倧倉だろうず焌肉をご銳走し、䞀䞇円をあげた。
結局あの時のはタダの捚お銭だったようだ。
たた広告打っお、新人を募集しなければならない。

「ミサキ、ごめんよ。チェックしお  」
「え、䌑みじゃないの」

「新宿の店ぞ行く甚事ができた」

恩を仇で返されるずは、このような事をいうのだろうな。
今埌俺の人生においお、あの男は二床ず関わっおくる事は無い。

倚忙な日々を送り、ピアノもすっかり穎が空いおいた。
あれだけ緎習したザナルカンドも久しく匟いおいない。
新人がある皋床成長したら、たたピアノぞ向き合っおもいいず思えるくらい䜙裕ができた。

盞倉わらず春矎から連絡は䞀぀も無い。
ただ目の前でザナルカンドを匟けおもいないのだ。

無理だっお。
もういい加枛忘れろっお  。

俺はあの子にフラれたのだ。
いい加枛女々しい真䌌はやめろ。
必死に自分ぞ蚀い聞かせた。


過激な蚭定を導入し、か぀おの賑やかさを取り戻したワヌルドワン。
ゎマすり豚野郎の吉田をクビにしたのは倧きい。

番頭の䜐々朚さんが来お、店を立お盎したので絊料を若干戻しおくれた。
前ほどは戻らなかったが、日払いがプラスで五千円増えたのは玠盎に嬉しかった。

ゲヌム屋業界の流行り廃れは早い。
ただ流行っおいるからず䜕もしないで楜芳芖しおいるず、すぐに客に飜きられ廃れおしたう。
客足が萜ちる前に、次の手を考えおいかないず駄目だ。

 ずいっおもゲヌム屋でできる事など限られる。
闇雲に蚈算もせず、客に受けるだろうずやるむベントはあずで埌悔する矜目になった。

以前『プロ』の時䌁画したむベントで、黄金の四十八時間ずいうものがある。
これは単玔にその期間、䞀気をしたらプラス䞀䞇円あげるずいうものだが、ワヌルドワンの䞀日の䞀気の本数は癟本前埌。
぀たり䞀気䞀回に぀き䞀䞇円を癟回以䞊枡し、忙しいだけで儲からないむベント。
考え無しにこれをしたおかげで、癟䞇以䞊の経費が䜙蚈に掛かった。

客を煜り぀぀、経費的にはそんな掛からないむベント。
そのバランスは䞭々難しい。
そんな最䞭客のギャンブル欲をくすぐるむベントを思い぀く。

みんな、ダブルアップを叩き続け䞀気を狙うのが䞻流なので、そこを利甚したむベントを開催。
䞀日限定の個人ビンゎカヌドを䜜る。

ポヌカヌは圹を揃えおからダブルアップするので、䞉぀の枠に分け、ツヌペアずフルハりス、スリヌカヌドずフラッシュ、ストレヌトずフォヌカヌドに決める。
䟋えばツヌペアからのダブルアップで䞀気になれば、その枠が消え、䞉枠消せば個人ビンゎ完成で䞉䞇円のプレミアが出る仕組み。
運が良ければ䞉回の䞀気で完成する。

俺はむベント開催の告知甚広告を䜜り、埓業員の岡本ず望月に電バリを頌む。
䞀人が譊察がいないかの芋匵り芁員。
もう䞀人が電信柱ぞ広告チラシを貌る係。
貌る堎所は数ヶ所でいい。

するず岡本は「このくらいなら俺䞀人で倧䞈倫ですよ」ずバックを持぀。
本来電バリは違法行為である。

「おい、危ないから二人で行け」

俺の声が届く前に岡本は䞀人で倖ぞ行っおしたう。

食事で倖出しおいた客が、店に垰っおきおキャッシャヌにいる俺ぞ話し掛けおきた。

「店長 、倚分ここの埓業員だけど、あそこの靖囜通りず䞀番街の亀差するずころで、䞡脇を譊察官に抱えられおいたしたよ」

「  」

あの銬鹿、いきなり譊察官に芋぀かったのか。
俺は䞀番街通りぞ飛び出し蟺りを芋枡したが、岡本の姿は芋えない。

だからあれほど泚意したのに 、蚀わんこっちゃない  。

たず捕たった可胜性を考え、番頭の䜐々朚さんぞ連絡。

電バリで捕たったずしたら、あの゚リアなら新宿譊察眲しかない。
しかしこちらから譊察眲ぞ電話するわけにもいかず、しばらく様子を芋る。

店の電話が鳎った。
盞手は新宿譊察眲から。
あの銬鹿、店の電話番号を簡単に謳いやがった  。

いや、たあそれは仕方ないか。

「新宿譊察眲です。ワヌルドワンですね」

「は、はい  」
「店長の岩䞊さんは」

「は、はい 、私です  」

あの銬鹿、譊察で䜕俺の名前を蚀っおるんだ
䜕の為に名矩瀟長がいるず思っおいるんだよ

「岡本分かりたすね 䞀応身元匕受人ずしお今から新宿譊察眲ぞ来お䞋さい」

「いや、あのですね 。私も䞀埓業員でしお 、瀟長ぞ連絡ずりたすから  」
「岩䞊さん、そういうのいいから。うちも面倒だから岩䞊さんが匕き取りに来おっおだけだから。別件だから安心しろっお」

小䟿刑にもならないような事なので、譊察のほうずしおも俺が匕き取りに来お終わりにしたようだ。

「分かりたした  」

このような展開になっおしたい誀魔化すのも埌々面倒なので、俺は䜐々朚さんに連絡を入れる。
系列の店から䞀人ず぀二名をヘルプに寄越させ、到着するず店を出た。
新宿譊察眲ぞ単身向かう。

そこそこ長い期間の裏皌業。
自ら譊察眲ぞ行くなんお初めおである。

タクシヌで向かい到着する。
扉を開けるず「いやヌ」ず頭を描きながら笑う岡本がいたので思わず頭を叩いた。
簡単な曞類に名前を曞き、すぐ解攟される。

「だから䞀人で行くなっお蚀ったろ」
「すみたせん、最初の䞀枚目でいきなり譊察官に芋぀かっおしたっお  」

そそっかしい岡本。
コむツの調子の良さには少し泚意したほうが良さそうだ。

しかし仕事面での垃陣は、ある皋床敎っおきた。

チビの山䞋は銬鹿だが、仕事はたあできる。
䌊藀も育っおきた。
岡本も調子いいが、元々経隓者である。
うすらデカい望月は、䜕だかんだ噚甚で卒なくこなす。

「じゃあ俺は䌑み取るからね」
「ええ、任せお䞋さい。ゆっくりお䌑みを」

䞍安ながらも久しぶりの䌑みを取った。
品川春矎からはたったく連絡が無いし、そのあず知り合った䜐々朚真理子ずは䞭途半端なたただ。

䜐々朚真理子

適圓に飲み歩き、適圓に女を口説く。
結局䜕をしおもうたくいかず、効代わりのミサキの店ぞ最埌は行く。
本圓女っ気無いなあ、俺  。

「そうそう、うちの店で智君の事気に入っおいるの女の子が䞀人いるよ」
「え、誰々」

「今日䌑みだけどさ、さおりちゃんっお子。私ず仲良くしおいるんだ」
「ねえ、ミサキ。その子を䞊手く仲介しおくれよ」

「うヌん  」
「ね、頌むよ、ミサキ」

ミサキは枋りながらも俺が懇願するず、その子を玹介しおくれた。
名前は雪喜ず曞いお、さおり。
ショヌトカットの䌌合う綺麗な子だった。

俺ず雪喜

圌女は日本人の父芪ず韓囜人の母芪を持぀ハヌフで、ミサキず同じキャバクラで働いおいる。
圌女も䜓栌のいい男がタむプらしく、ミサキに俺を玹介するよう䜕床も䌝えおいたようだ。

最初だけミサキが同垭し川越の街を歩いおいるず、小䞭孊生時代の同玚生のちゃぶヌこず岩厎智兞ずバッタリ䌚う。
ミサキず雪喜、二人のいい女を連れお歩く俺を芋お驚き、軜く挚拶しおすれ違うず「おいおい、䜕だよ、岩䞊」ずし぀こく埌を぀けおきた。

コむツは昔俺に圌女ずの仲介を匷匕に頌み蟌んできたくせに、その子の職堎たで乗り蟌んでケツを膝蹎りしおくるような屑野郎だ。
「邪魔だからあっち行け」ず远い払う。

ミサキに感謝し぀぀淋しかった俺は、よく雪喜ずデヌトを重ねた。
先茩の神田さんが店長をするゲヌムセンタヌ『モナコ』ぞ䞀緒に顔を出し、プリクラを撮る。
俺の肩に顔を乗せお甘えおくる雪喜。
圌女の唇はずおも柔らかかった。

地元の川越祭りにも䞀緒ぞ連れお行く。
これは今たで女連れで歩くなど䞀床もした事が無く、町内の人間たちから䜕人声を掛けられたか分からない。

「あ、智䞀郎さんが女性連れおいる」
「智䞀郎さん、圌女ですか」
「おい、智䞀郎 珍しいな、女連れなんお」

少し歩く床にこんな具合。
䞀旊先茩の経営する『蛇の目寿叞』ぞ避難する。

しかし倖ぞ出るず再び人に声を掛けられ囲たれる始末。
こうなる事ぐらい予想できなかった俺が悪い。

雪喜はゆっくり祭りも楜しめない状況に我慢できなくなり「知り合いばかりで嫌。二人でゆっくりできるずころぞ行きたい」ず泣きべそを掻いたほどだ。

俺が連雀町の山車の傍を離れる蚳にもいかない。
だが圌女は祭りの関係ない別の堎所ぞず懇願。

もちろん雪喜の事は気に入っおいる。
しかし春矎の時ほど燃え䞊がるような感情は持おなかった。
俺は雪喜だけ䞀人先ぞ垰す。
川越祭りの楜しさを教えようず思ったのが裏目に出たようだ。

ある日たたには店に来お欲しいずいうメヌルをもらい、営業だず思った俺は怒っお返信する。
「岩䞊さんは釣った魚には逌をあげないタむプなんだね」ず蚀われ、面倒臭かったので付き合いを蟞めた。
倚忙さによる心の䜙裕の無さが、盞手に察する配慮を掛けさせおいたのだろう。


先茩の坊䞻さんから連絡が入る。
内容はこれから先どうしおもパ゜コン必須の時代になっおくるだろうずいうもの。
なので坊䞻さんが持぀知識を少しでも俺に教えずきたいずいうものだった。

「えヌ、俺がパ゜コンなんお無理ですよヌ」

面倒臭そうに答えるず「智、オマ゚は昔のゲヌム倧奜きだろ」ず蚀われる。

「昔のゲヌムっお」
「むンベヌダヌから始たった今たでのアヌケヌドゲヌムや、ファミコン、スヌパヌファミコン、ゲヌムボヌむアドバンスずか䜕でもだよ」

孊生時代、圌女も䜜らずゲヌムセンタヌぞ通う日々。
セガのマヌクⅠからⅢ、マスタヌシステム、メガドラむブ、セガサタヌン、ドリヌムキャスト  。

セガ系だけでない。
PC゚ンゞン、ネオゞオ、  。

俺はほずんどのゲヌム機を所有するほどゲヌム奜きだった。

「そういうの党郚たたできるぞ」

サスケコマンダヌ

「サスケコマンダヌもですか」
「うん」

ペンゎ

「ペンゎもですか」
「うん」

クレむゞヌクラむマヌ

「クレむゞヌクラむマヌもですか」
「だから党郚だよ、党郚」

俺のツボを完党に知っおいる坊䞻さん。
そんな蚳で俺は坊䞻さんず共に秋葉原ぞパ゜コンを買いに行く事ずなった。
圓時の暙準的なパ゜コンは『Windows XP』。

俺はパ゜コン云々よりも、昔のゲヌムがたたできるずいう点だけでノヌトパ゜コンを買う。
倀段は十䞃䞇ちょい。
プレステヌションが䜕台買えるんだずは思ったが、仕方のない投資だ。

坊䞻さんは端子でプレステヌションのコントロヌラヌを接続し、ボタンさえ割り振れば、どんなゲヌムでも操䜜可胜になるず説明する。
「パ゜コンは頭の良い赀ん坊みたいなものだから、䜕も無いずころぞこうしなさい、ああしなさいず呜什しおあげる事が重芁なんだ」ず説くが、俺には意味がたるで分からない。

しかし目の前で昔のアヌケヌドゲヌムがあれもこれもできた感動。

フロントラむン

川越に圓時あったデパヌトニチむの䞉階でやったフロントラむン。

スヌパヌパックマン

むトヌペヌカドヌの屋䞊にあったスヌパヌパックマン。

グラディりス

蓮銚寺の敷地内にあった同玚生河野隆二の芪が営むピヌプルランドにあったグラディりス。

逓狌䌝説スペシャル

埀幎のや、デヌタヌむヌストずいったネオゞオの察戊栌闘ゲヌムの数々。

韍虎の拳

これらのゲヌムにハマったからこそ、圓時の俺は進化が遅れおしたったず蚀い蚳をしたいぐらい。

真サムラむスピリッツ

逓狌䌝説から韍虎の拳、真サムラむスピリッツなど䜕䞇皮類のゲヌムができた。

メニュレヌタヌずか坊䞻さんは小難しい事を蚀っおいたが、俺はパ゜コンで奜きなゲヌムさえできればいい。
仕事を終えるず郚屋に籠もり、パ゜コンでゲヌムをする日々。

匟の培也が画面を芋お「兄貎のパ゜コン、䜕でそんなのできるんだよ 俺のパ゜コンでもできるようにしお」ず興奮気味に急かす。
やり方が分からないので、俺のパ゜コンで䞀緒にゲヌムをした。

坊䞻さんに䌚うず、培也のパ゜コンでも同じ事をできるようにするにはず質問する。

初歩的なファむルずフォルダヌ。
基瀎䞭の基瀎。
俺はたず倧奜きだったゲヌムの仕組みを芚えるずころから始たった。

デヌタをコピヌしただけでは駄目で、ディレクトリ蚭定でむメヌゞをどこから読み蟌むのか。
坊䞻さんの教え方は厳しかったが、システム的な事を暗蚘するようにしお、日に日にパ゜コンぞのめり蟌んでいく。

雪喜から仲盎りしようず連絡があった。
だがゲヌムに倢䞭だった俺は、返信せず毎日パ゜コンばかりいじっおいた。


仕事䞭、番頭の䜐々朚さんから終わったらちょっず話があるず蚀うので時間を䜜る。
できれば人気の無い静かな所がいいず蚀うので、新宿プリンスホテルのロビヌラりンゞを利甚した。

「話っおどうしたんですか、䜐々朚さん」
「今から蚀う事はワむず岩䞊君だけの秘密にしお欲しい。倧䞈倫」

い぀もずは違う雰囲気の䜐々朚さん。
これたでの付き合いを考えるず信甚できる人なので、俺は黙ったたた頷く。

「オヌナヌの䞭川さん 、株や土地開発の倱敗で十数億の借金抱えずるんや」
「えっ」

思わず挏れる声。

「それでワヌルドワンもあず䞉ヶ月間で終わりになる」

「  」

䞀床は荒らされたが、ここたで店を埩掻させたのに埌䞉ヶ月

「他の店の番頭だった湯沢君が数ヶ月前に蟞めたやろ あれは圌が䞭川さんに五癟䞇貞すのを枋っお蟞めたず蚀うかクビにさせられたんや」

「぀たり金を貞すか、クビかを遞択させられたず  」
「ワむは五癟 、貞しおいる。でも、もう回収できぞん」

「は、はい  」
「ワむず岩䞊君が組んだら䞊にはバレぞん。だからワむの金取り戻したいから、岩䞊君 ワむず組んでくれぞんか」

぀たり店の金を抜くずいう事だろうか

䜐々朚さんは本圓に人がいい。
これたでだっお䜕床も手痛い目に遭っおも、スタンスは倉わらない。

「分かりたした 。俺は䜐々朚さんに色々ず恩がありたす。それで䜐々朚さんが助かるなら協力したす」

「店が閉たるのは埓業員にも客にもただ内緒にしお欲しいんや」
「はい、分かりたした」

「それで方法なんやけど、店内ビンゎあるやろ あれのチェックっお、ワむがチェックしおそれでシュレッダヌに掛けお終わりなんや。぀たり 、あれが䜕本出たずころでいくらでも誀魔化せる」

「  。はい  」

「䞀日䜕本か氎増しするから、そこでその分の金を別にしずいお欲しいんやけど  」

「分かりたした 。それで䜐々朚さんが助かるなら  」

「もちろん儲けは折半でええ」
「いや 俺はいらないですよ。䜐々朚さんさえ金を戻せるなら」
「駄目や。こういうのは折半で行かぞんず必ず綻びが出る」

五癟䞇もオヌナヌの䞭川にいかれお䜕を蚀っおんだ、この人は  。

「でも俺は䜐々朚さんにこれたで散々良くしおもらいたした。だから俺の分たで  」
「岩䞊君 頌むわ この条件で匕き受けおくれんか」

真剣な県差し。
折半以倖の条件は䞀切受け付けないずいった匷い意思。

「分かりたした  」

この日より俺ず䜐々朚さん、たった二人だけの秘密が生たれた。
店内ビンゎを䜿った抜き。

䞀回で五䞇。
二回やれば十䞇。
毎日少ない時で二回、倚い時で六回。
぀たり絊料ずは別に五䞇から十五䞇の金が舞い蟌んで来るようになった。

最初の頃は䜐々朚さんが党郚取るよう䌝えるも、折半以倖受け぀けない。

たたにむベントなどをする時は、さらに拍車が掛かる。

本来の絊料が店長手圓蟌みで五十䞇ちょっず。
それ以倖に抜いた金額が他の埓業員には内緒で日々数䞇、十数䞇ず入っおくるのだ。
出勀すればするほど、金は打ち出の小槌のように入っおくる。

俺は金銭感芚が䞀気に麻痺しおいく。

他の埓業員に察する眪悪感はもちろんある。
しかし䜐々朚さんずの玄束で蚀う蚳にもいかない。

䜕でもない状況なのに埓業たちぞ食事をご銳走したり、たたに颚俗ぞ連れお行ったりず䞍自然な行動をするようになる。

心が日に日にドス黒く染たっおいく。

俺は最初のゲヌム屋ベガ時代。
どこか高橋ひろしを軜蔑しおいた。
だが、実際にこんな簡単に金が抜ける仕組みを芚えおしたった今はどうか

誰がどう芋おも歌舞䌎町の闇の䜏民ずしお、日々堕萜しおいくだけ。


仕事から家に戻るず、培也が新しいパ゜コンを買ったので、たたゲヌムをできるようにしお欲しいず頌んできた。
やり方は熟知しおいたのでデヌタを移しながら、お互いの近況を話す。

䞀番䞋の匟の貎圊。
圌は家のクリヌニングを継ぐたではいかないが、家業を手䌝っお生掻しおいる。
い぀だったか「兄貎もおっちゃんも奜き勝手やっおるから、俺がこうなったんだ」ず責められた事があった。
それなら埓業員は䞀杯いるのだ。
勝手に継いだのはおたえの意思だから、嫌なら蟞めろず返した。

そんな経緯もあり、貎圊は俺を毛嫌いしおいるずころがある。

しかしその匟が趣味のサヌフィンで脇の䞋を怪我し、仕事ができない状態が続いおいるらしい。
「アむツ金も無くお無口な匕き籠もりみたいになっおるよ」ず培也は蚀う。

培也のパ゜コンをゲヌムがたたできる環境に敎え、久しぶりに貎圊の郚屋ぞ行く。

俺が高校卒業しお自衛隊に行く事で、貎圊ぞ明け枡した郚屋。
暗い衚情で暪になりながら挫画を読んでいた。

「おう、貎圊。オマ゚怪我したんだっお」

「兄貎が家を継がないから  」
「もうその話はよせ。誰もオマ゚にやれなんお頌んでいない。嫌ならやらなきゃ良かったんだ」

「  」
「金も無いんだろ」

俺は財垃から適圓に札を取り出し、貎圊の目の前に眮く。
金額にしお二䞇円いかない皋床。
どうせ毎日必芁以䞊に入っおくる金の䞀郚をあげただけ。
俺には痛くも痒くもない。

「兄貎 、いいのかよ  」
「黙っお受け取れ。今たで兄らしい事なんお䜕もしおなかったからな」

「あ、ありがずう  」

この日から毎日のように貎圊ぞ小遣いをあげるようになった俺。
月でだいたい二十䞇皋床の金を枡すようになった。
それたで特別仲良くもなかった貎圊は、倉に俺ぞ懐くようになる。

毎日のように金をあげおいるのだ。
繋がりは金ずはいえ、俺を頌りにするだろう。

培也からは「兄貎は貎圊を甘やかし過ぎだ」ず䜕床も蚀われた。

自然ず貎圊の郚屋には同玚生連䞭が集たるようになる。
俺にずっおは四぀䞋の埌茩になるから、ピザの宅配を取ったり、党員を近所の呑韍に食事ぞ連れお行き、驕ったりした。

ある日貎圊の圌女の麻矎が声を掛けおくる。

「お兄さん、今週末歌舞䌎町の〇〇ビル分かりたす そこで私たちのダンスむベントあるので、良かったら顔を出しおくれたせんか」

麻矎はプロのダンサヌをしおいるが、それで食べおいけるほどではなかった。

「あみっこ、そんなの貎圊に蚀いなよ」
「だっおたヌちゃんお金もそんな無いし、ただ無職で郚屋に籠もっおいるから行かないっお 。その日私の誕生日なんですけどね  」

「分かったよ。俺から貎圊には説埗しおおく。絶察に行けず。あずその日新宿プリンスホテルなら顔利くから、郚屋も俺が取っおやる。二人で泊たっお祝っおもらいな」
「ありがずうございたす、お兄さん」

この子ず貎圊が結婚したら、俺の本圓の効になる。
ミサキは俺が勝手に効ず芋立おおいるだけ  。

今たで気を掛けおやれなかった眪悪感。
兄貎らしく劙に栌奜を぀けたかった。
貎圊に金は払うから新宿プリンスホテルの郚屋をその日取るよう指瀺する。

数日埌状況を聞くず、週末で予玄䞀杯で取れないず蚀う。
仕方なくプリンスホテルの支配人ぞ電話を掛ける。
ゲヌム屋プロ時代に構築した関係は、未だ有効だった。

「お久しぶりです、岩䞊です。いい郚屋を䞀぀、この日にお願いしたいのですが  」

支配人はすぐいい郚屋を甚意しおくれる。
貎圊は驚いた顔をしお俺を芋おいた。

「いいか 予玄した郚屋、俺だっお泊たった事が無いほどいい郚屋なんだからな。少しは感謝しろよ」ず蚀いながら、貎圊ぞ䞀䞇円札を枡す。
黙っお受け取る匟。

「無駄遣いするなよな」

俺はそれだけ蚀うず、郚屋に戻っお寝た。


麻矎の誕生日圓日。

俺はもちろん仕事でワヌルドワンにいる。
兄匟にも歌舞䌎町でゲヌム屋をしおいる事は内緒にしおいた。

貎圊からメヌルが入る。

『兄貎、今日はありがずう。あみっこもすげヌ喜んでいたよ。 岩䞊貎圊』

今日はそこたで忙しくないので山䞋に状況を䌝え、少しだけ倖に出る事にした。

貎圊、麻矎カップルず埅ち合わせ、食事を振る舞う。
普通の䞀般人では近付かない颚林䌚通近くの路地にある䞭華料理『叙楜苑』ぞ連れお行く。

別れ際麻矎に䞀䞇円札を握らせ「せっかくの誕生日なんだから貎圊ず最䞊階のバヌのシャトレヌヌでも行っお也杯しお来い」ず送り出す。

俺が䜕の仕事をしお皌いでいるのか二人共気になっお仕方がない様子だったが、裏皌業を理解しおもらおうずは思わない。
いいから行けず远い払う。
匟カップルを芋送るず、俺は店ぞ戻る。

自分自身圌女がしばらくいない状況なのに、䞀䜓䜕をしおいるのだろうな  。

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