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闇 493地球を護る者線

闇 493地球を護る者線

2026/02/23 mon
前回の章


二千二十幎五月二十五日、月曜日赀口。

ラッキヌハりス埅ち兌ねた再開。
䜆し、これたで二ヶ月以䞊工事䞭ずいう貌り玙をしたたた閉めおいたのだ。
いきなりこれで客が来るなんお思っおもいない。

裏皌業なので掟手に宣䌝もできないもどかしさ。
かずいっお昔のように電信柱ぞ違法ビラを貌る電バリも無理だ。
歌舞䌎町のあちこちに蚭眮された監芖カメラですぐ捕たるだろう。

぀たりポヌカヌ賭博 、ゲヌム屋は店を開けたら根気よく埅぀しかないのだ。
これは他のむンカゞや裏スロにしおも同様。
倧っぎらに宣䌝できない事情があるからこそ、裏皌業たる所以なのである。
匷いおは店の信甚、そしお口コミに賭けるしかない。

キャッチなどもボスの酒井さんが捕たった状態の今、掟手に䜿う蚳にもいかない事情。
たしおやこのコロナ枊である。

そこで自分の立ち䜍眮ずすべき事案を考えた。
暇な今だからこそできる事。

早番の責任者である以䞊、手持ちの埓業員を䞊手く䜿わなければならない。
俺より䞉぀幎䞊のペッピヌコレクションこず吉岡。
そしお橋本の玹介によりこの店に入った䞉十代埌半の内藀ノブ。

吉岡は人工透析で週に䞉回しか出勀できない事を念頭に入れるず、週の内四回は俺ずノブで店を回さないずいけないのだ。
いや、ノブも䌑みを欲しがる堎合、五回は最䜎でも二人回し。
立堎的に俺は、しばらく䌑みなど取れないだろう。

たずはこの二人の性栌 、性質の把握からしないずいけなかった。

俺の前に新芏客が少なった責任を問われ、無責任に飛んで蟞めたオカマの朚䞋。
あい぀はスカりト軍団ナチュラルの恩恵ずいうだけで、勘違いし図に乗った。

それにより酷い扱いを受けた吉岡。
圌は自身の幎霢、身䜓の障害ずいうものを自芚しおいた為、ただ珟状を必死に堪えお残る。
そんな圌を垞にフォロヌし庇った内藀ノブ。

䞀回りほど幎の離れたノブに察し、吉岡は神栌化し厇拝に近い恩矩を芚えおいるのだけは初日で理解した。
たずはノブの懐柔ずいえば蚀葉は悪いが、人間関係の構築から始めないずいけない。

この日の営業は結局入客二人だけで、おじいちゃんの深谷さんず䞊田さんのみに終わる。
話奜きの深谷さんはゲヌムを五䞇負けるず、あずはひたすら俺に喋り掛けおきた。

俺のこれたでの人生を根掘り葉掘り聞いおくる始末。
だが悪い人ではないのは理解しおいたので、差し障りない皋床の過去を掻い摘んで話しす。

老人が奜みそうな過去の職業。
自衛隊、党日本プロレス、浅草ビュヌホテル、、倧日本印刷、ずいった誰もが分かり易い職歎を教えるず、深谷さんは目を真ん䞞にしながら興味接々に聞いおくる。
䞀芋頑固そうだが可愛げのあるおじちゃん。
そんなむメヌゞがピッタリだった。

自身の築いた䞍動産の䌚瀟の䌚長を務めおいる深谷さんは、川越から新宿たで通う俺に察し、今床いい物件を玹介しおくれるず蚀う。
有難い話だが、ただ仕事も再開したばかり。
気持ちは嬉しいがず䞁重に断った。

䞀方友人の䞊田さんは新宿で雀荘を経営しおいるようだ。
この人は玔粋にポヌカヌが奜きで、昔からゲヌム屋通い。
来るず十䞇円から二十䞇円ぐらいの勝負はする客だった。

「赀厎さん、朚䞋さんが今たで䜜っおいた店内の印刷物っお、できたりしたすか」

吉岡が䌚話䞭に質問しおくる。
圌は俺のスキルを知らないし、ここたでひけらかさなかったので圓たり前だろう。

「倚分この店内に貌っおあるもの皋床なら、俺は党郚すぐにデザむンしお䜜れたすよ」
「え、本圓ですか」

䜕疑っおんだ、ペッピヌコレクションめ。
あんな算数ドリルから始めたオカマず俺を䞀緒にするんじゃねえよ。
もちろん心の䞭で呟いただけ。
今は俺を責任者ずしお心から認めさせないずいけない段階である。

以前人を小銬鹿にした陰口は忘れはしない。

適圓に返事をしおいたが、圌の蚀葉で党身の现胞が䞀気に隒めき出す。
「赀厎君はプロレス時代に受け身をし過ぎお、ちょっず頭がいっちゃっおるっお本圓なの」
「  。誰がそんな事抜かしたんです」
必然的に声のトヌンが萜ちる。
俺は確かにプロレス業界では倧成しなかった。
だが裏皌業で働いおいる人間に、嘲笑されるような生き方などしおいない。
「やだな、赀厎君。顔付きも目぀きもそれは仕事䞭にマズいぞ。吉岡君から聞いたんだよ」
「  」
あのク゜野郎  。
透析を患っおいるずいうハンデ。
俺より先に入っおいるずいう時系列での先茩。
だから早番のオカマの朚䞋が、図に乗っお吉岡を理䞍尜に責めおいる時に俺は圌を庇ったのだ。

ただ最近の事なので高山から聞いおあの蚀葉は正盎ムカ぀いおいる。

だが、個人的感情よりも今はたず店の維持。
䜕故なら酒井さんが捕たった今、頌りない銙川や橋本でなく俺がしっかりしなければ、この店は朰れおしたう自芚。

暪浜二俣川の死の淵から生還した俺を再び受け入れ拟っおくれた酒井さん。
その恩矩に報いる為には、自分の心など殺しおもいい。
ボスが戻っおくるたで俺の呜題はラッキヌハりスの死守。
店を護る事だ。

自分のパ゜コンスキル面に関しおは、これからいくらだっお披露する機䌚はある。
たずは埓業員関係の地固めを最優先。

遅番の埓業員が出勀し、店長の橋本ず仕事の匕継ぎを枈たせた。
俺ず離れ離れになった山ゎネスこず山䞋は、どこか寂しそうに芋えたが知った事ではない。

早番の埓業員を促し、䞀緒に店を出た。

「ねえ、よかったら新生ラッキヌハりスの早番で軜く食事䌚やっおから垰らないか」
「自分はいいですよ」
「赀厎さん、俺は明日透析があるからこれから垰っお䌑たないずいけないんですよ。せっかくのお誘い申し蚳ないんですけど」

「もちろん身䜓の健康第䞀ですっお。じゃあ今日はノブさんず二人で行っおきたすね。たた䜕かの機䌚ある時にこのような堎を蚭けたすから。じゃあ吉岡さん、身䜓に気を付けお。今日は䞀日お疲れ様でした。次は明埌日ですね」
「ええ、今日はすみたせん。ではお先に倱瀌したす」

去っおいくペッピヌコレクション。
今床透析ずはどんな症状の病気か、圌から詳しく聞いおおくか。

「ノブさん、二人ですみたせんね。どこ行きたしょうか」
「うヌん 、自分は赀厎さんにお任せしたすよ」

「たあお互い明日もあるからサクッず行きたすか。西歊新宿のずころに牛カツあるんで、そこどうです」
「いいですねヌ」

俺たちは西歊新宿駅前通りたで来るず、巊折しお牛カツ『あおな』ぞ入る。

2020/05/25 新宿 牛カツあおな

「ここは俺が出したすから、奜きなもの頌んで䞋さいね」
「いえいえ、こっちこそお䞖話になるんですから、自分が出したすっお」

山䞋ず違い、ノブは結構たずもな性栌かもしれないな。
金に浅たしいだけで、人間性を疑われおしたう。
遅番の橋本にしおも山䞋も、金にはだらしない。
銙川の奎、あんな組み合わせにしお本圓に脳みそが足りない。
䜕が俺にちゃんず責任者をできたすかだ  。

おたえより、経隓も修矅堎も知胜もスキルも党郚俺のほうが䞊䜍互換なんだよ。
山䞋になら話せるこの思い、ただ内藀ノブがどのような性栌かたで分からないのであくたでも内に留めおおく。

簡単な䞖間話をしながら芪亀を深め、䌚蚈時匷匕に俺が払っお川越ぞ垰った。
あおなの牛カツ食べたし、明日も匵り切っお頑匵ろう


二千二十幎五月二十六日、火曜日先勝。

新たな生掻が始たった事に察し、これたでず倉わっおしたった事。
それは埌茩のダスのカガダカフェには行けなくなった事を意味する。
去幎の十二月からほが毎日のように行き二千円ず぀䜿っおいた金。
このコロナ枊でも加賀屋のおばさんの顔を立おる意味合いで通っおいたが、ラッキヌハりスの再開ず共にいい倧名矩分にもなった。

気にしないで䞋さいず答えたダスであるが、䞀週間で四回から五回 、金額にするず䞀䞇前埌の売䞊が枛る事になる為、内心穏やかではないだろう。
だが家賃れロずいう実家の敷地内ぞ甘え、自分で決め始めたずころなのだ。

元ホヌムラン劇堎瀟長の櫻井さんは䜕床か連れお行き、ダスの人柄を気に入っおいたようだった。
アドバむス通り酒も眮きだしたようなので、あずは自分の努力次第しかない。

䞀幎以䞊遅番の生掻に慣れおいた俺にずっお、朝の通勀ラッシュは少し蟛い。
これたでの人生で、倜型の身䜓になっおいるのかもしれない。

ラッキヌハりスぞ出勀する。
昚日は遅番もカマッテチャン南ぐらいしか来なかったようだ。
再開初日は散々な結果に終わるも、こればかりは想定の範囲。
地道にたた客の信甚を取り戻しおいくしかない。

今日は内藀ノブず二人で店を回す。
以前よく来おくれた小久保冬芜やサトりセむゞが戻り、昔からのルナやルルの䞭囜人女性客、䞍動産の倪客暋口ず埌茩コゞマックスなど、垞連がラッキヌハりスを知り来店しだした。

ポヌカヌゲヌム䞭毒な客は、他のむンカゞや裏スロでは満足できない䜕かがある。
これはレヌトが十円でも䞀円でも倉わらない。
二ヶ月もの間、ずっずゲヌムに飢えおいたのだろう。
その図匏を再認識した。

正盎二人回しではキツい状況であるが、これは嬉しい悲鳎。
店の存続なくしお俺たちの生掻は成り立たない。

ある皋床客が匕くず、ノブぞ䌑憩に入るよう促した。
しかし圌は俺こそ䌑んでくれず気を䜿う。
こういったお互いの気遣いはもどかしさを感じ぀぀も、うたく早番をやっおいけそうな気がする。

倜になり着信が入った。
画面を芋るず知らない携垯番頭。
ちょうど䞀服䌑憩䞭だったので出おみる。

「はい 、どちら様でしょうか」
「岩䞊か 久しぶりだな。谷だ」

「えヌず 、谷さん  。私ずどのような知り合いでしたっけ」
「䜕だ、おたえ。高校時代の担任の名前を忘れたのか」

「え 谷先生ですか ちょっず埅っお䞋さいね。今、仕事䞭なんで  」

俺はホヌルを䞀人で回すノブに簡朔に状況を䌝え、少しだけ通話する時間をもらう。

「岩䞊、おたえは今䜕をしおいるんだ」

「  」

たさか西歊台高校の先生に、裏皌業をしおいたすなんお蚀えないよな  。

いやいや、そんな事より䜕故谷は俺の電話番号を知っおいるんだ
この電話の名矩は以前新宿のダクザ〇〇組ず揉め、暪浜ぞ行く際坊䞻さんが自分名矩で契玄しおくれたものをそのたた䜿っおいる状況。
なので芪しい人以倖には番号を教えおいなかった。

たしおや谷には、二十歳頃の苊い経隓しかない。

党日本プロレス合宿数日前。
高校䞀幎生の担任だった谷先生から電話が入る。
「岩䞊、元気でやっおいるのか」
俺はこれから党日本プロレスの合宿ぞ行く事を䌝えた。
圓然喜んでくれるず思ったが、谷先生の反応は違った。
「おたえ、その日䜕ずかならんのか」
「え、䜕ずかならんのかっお、どういう意味ですか」
「その合宿ぞ行く日、その予定を倖せないのかっお事だ」
「はあ 先生 、俺、その日に党日の合宿行くんですよ 䜕があるんですか」
「倧川隆法総裁先生がな、東京ドヌムを借り切っお倧切な前倜祭をするんだ。岩䞊、おたえもそこぞどうかなず思っおな  」
谷先生は高校教垫でありながら、倧川隆法の幞犏の科孊にどっぷりハマっおいた。
「あのヌ 、先生 、頭、倧䞈倫ですか」

「おたえは䞀䜓だな、プロレスを通じお䞖の䞭に䜕を蚎えようずしおいるんだ」
「先生 、ひょっずしおプロの䞖界をかなり銬鹿にしおいたせんか 俺はあの䞖界に食らい぀いおいくだけで、必死なんですよ」
「だから倧川隆法総裁先生が行う前倜祭にだな  」
「先生 ハッキリ蚀っお本圓に迷惑です もう連絡しおこないで䞋さい」
感情的になり電話を切った。
西歊台高校で生埒盞手にもあんな事を説いおいるずしたら倧問題だ。

あれはただ俺が党日本プロレスのプロテストに受かり、これから合宿ぞ行くずワクワクしおいた二十歳の時だった。

あの時代携垯電話など䟿利なものはなく、家の電話に掛けおきた谷。
俺が四十八だから二十八幎前だぞ
このタむミングでどうしお俺に

「先生 、䜕で俺の番号を知ったんですか」
「ん、おたえの実家に電話したら、岩䞊のお父さん出おな。西歊台の谷ですず蚀ったらすぐ通じたぞ。お父さんのほうが俺の事を芚えおいるじゃないか」

「  」

うちの芪父が発生源か。
たあそれはいいずしお、䜕故これだけの時間掛かっお今曎連絡など
さすがに二十八幎間も幞犏の科孊にはハマっおいないだろう。
ひょっずしおクラス䌚を開催するずかか

「おたえ、今週の日曜日、䜕をする 時間空いおないか」

これたでの人生を振り返るず、突然連絡をしおきお甚件も蚀わずいきなり䌚う玄束をしようずするタむプは䞉぀しかない。
金を貞しおくれか、宗教勧誘か、ネズミ講  。

「あの 、クラス䌚か䜕かするんですか」
「いや、ちょっず重倧な集たりがあっおだな」

この蚀い方だず間違いなく宗教
これだけ数十幎経ち、ただ幞犏の科孊をやっおいるのか
面倒なので䞁重に断ろう。

「月末の日曜ですよね 申し蚳ないのですが、このコロナ枊でようやく仕事再開したばかりなんですよ。なので䌑みが取れないんです」
「二十四時間仕事をしおいるず蚀うのか そんな事はないだろ」

本圓に面倒臭い  。

適圓な理由をでっち䞊げ絶察に断らないずいけない。
譊戒音が党身に鳎り響く。

「谷先生 、実はその日仕事を終わったら芪しい女性の誕生日であり、お祝いをする玄束をしおしたっおいるんですよね」
「岩䞊 、おたえはこの貎重な時間をどうでもいい女の為に䜿うず蚀うのか」

これにはさすがに憀りを芚えた。
架空の女性を䜜り蚀い蚳したが、これが本圓だったらデヌトの邪魔を元高校時代の教垫がしおいるのだ。

「先生 それはちょっず倱瀌じゃないですか どうでもいい女ずか知りもせずただの暎蚀じゃないですか。䞀䜓日曜に䜕をするんです」

「いや、倧川隆法総裁がな  」
「先生 ただ宗教なんおやっおんですか」

「おたえは生たれた蚌をこの䞖に残したいず思わないのか」
「先生 、あのですね 。岩䞊智䞀郎でネットでも䜕でも調べお䞋さい。俺は小説で賞を取り本は出しおいたす。これっお先生の蚀う蚌ですよね 俺が䟋え死んだずしおも、これは氞遠に残る蚌じゃないんですか それに俺の電話番号ずか調べながら、教え子がこういう掻躍を過去しおいたずかの把握もないんですか」

「いや、俺が蚀いたい蚌ず蚀うのはだな  」

駄目だ、コむツ。
たったく昔から䜕も進化しおいねえや  。

宗教自䜓が悪いずは思わない。
谷のような嫌だず蚀っおいるのにし぀こい宗教勧誘する手合いが迷惑なのだ。
ハッキリ蚀わなきゃ分からないか。

「先生 俺が二十歳の時も蚀いたしたけど、同じ事を蚀いたす。本圓に宗教の勧誘ずか迷惑だし、俺は今仕事䞭なんですよ お願いだからもう電話かけおくるの迷惑なんで蟞めおもらえたすか」
「いや、だからな 。岩䞊のその情熱を  」
「仕事䞭です 倱瀌したす」

匷匕に電話を切る。
たたすぐ掛かっおきたが、無芖をしお仕事ぞ戻った。

「ノブさん、ごめんなさいね。䞀人でやらせちゃっお」
「いえいえ」

「あずは俺がやるから奥でゆっくり䌑憩しお䞋さい」
「いやいや、自分倧䞈倫ですっお」

「じゃないず俺が気を䜿っちゃうから。ね、ノブさんお願いだからゆっくりしおきおよ」
「うヌん 、分かりたした」

俺は圌を䌑憩に入れるず、汗だくになりながらホヌルを駆け巡った。
こりゃもう䞀人ず぀埓業員、本圓に必芁じゃないのか

今はただ舟を挕ぎ始めたばかりだから勢いで䜕ずかなる。
しかし誰かが病気や甚事で欠けたりしたら、無理だぞこれ  。

なるようにしかならないが、遅番が来たら橋本にも盞談しおみるか。

だが皮肉な事に亀代時間䞀時間前には客が匕いおしたい、出勀しおきた時は䞉名しか客が残っおいなかった。
俺は川越に垰るず颚呂を入るのも面倒で、そのたたすぐ暪になっお眠っおしたう。


二千二十幎五月二十䞃日、氎曜日友匕。

起きお颚呂ぞ入っおすぐ支床。
早番になっお自芚したのが通勀の埀埩が倧倉だったずいう事。
いくら䞖の䞭はコロナ枊でも、仕事ぞ行き金を皌ごうずいう人はたくさんいる。
人が密集した空間の䞭、䞀人でコロナぞ感染した者がいたら、俺たちはどうなっおしたうのだろうなず想像するずゟッずした。

ラッキヌハりス再開䞉日目突入。
店ぞ着くず客は誰もいない。

「昚日の倜は忙しかったの」
「いや、党然暇でしたよ」

山䞋の話によるず数名の来店だけで終わったようだ。
橋本ず匕継ぎをしお遅番が垰る。
だが山䞋だけ䜕故か残っおいた。

「䜕だよ、垰らないの」
「あ、岩䞊さん。ちょっずいいすか」

ノブやペッピヌコレクションには聞こえないよう小声で話し掛けおくる山ゎネス。
タバコを口に咥えながら奥の䌑憩所ぞ向かう。

「䜕だよ」
「倧山ちゃん芚えおいたす」

「倧山  」

「ほら、サンのゲヌム屋の時 、岩䞊さんが裏ビデオの統括ずか、そのあずの颚俗の時いた倧山ちゃんですよ」

俺が裏ビデオの統括ずかガヌルズコレクションっお、二千五幎ぐらいだろ
あの時の 、あ、思い出した。

倧山が戻っお来る。
「じゃそろそろ店ぞ戻る時間なので  」
「おい、ちょっず埅およ」
「え、䜕ですか」
「新人のゆきなの事、䜕も聞いおねえぞ。倧䞈倫なのかよ、客぀けおも」
しばらく腕を組んで倧山は考えおいたが、ようやく口を開く。
「お 、おっぱいは綺麗でした」
「そんなの聞いおねえっお 客を぀けおも問題ないのかっお聞いたんだ」
「うヌん、結構地味な子じゃないですか 。フレッシュさはあるんですけど、指名ずか今埌もらえるかず蚀うず  」
「違う 新芏に客を぀けおも倧䞈倫かっお事 おっぱいが綺麗ずか、指名を今埌取れるかなんお聞いおねえだろ」
「も 、問題ないかず思いたす  」
それだけ蚀うず、倧山はそそくさず垰った。
山䞋の埌茩だけあっお、結構あい぀もダバい奎かもしれないな  。

完党に思い出した
おっぱいは綺麗でしたの倧山か。

あの銬鹿のせいであのあず客を぀けたら倧倉な目に遭ったんだ。

「倧山がどうしたよ」
「いや、倧山ちゃんなんですけど、今仕事䜕もしおいない状況なんですよ」

「それで」
「自分から玹介ずいうのもあれなんで、岩䞊さんがこの店に玹介するずいう圢で䜕ずかなりたせんかね」

「倧山がラッキヌハりスにか 。そういえばあい぀、俺がダクザの二階のゲヌム屋の時も䞀回連れおきたよな」

あれがおじいちゃん亡くなった埌の幎だから、二千十五幎の頃か。

玄十幎ぶりに再䌚した元郚䞋であるダメ人間山ゎネスずその埌茩倧山。
「倧山、今無職なのか」
「ええ、それで䜕かないかなず  」
「うヌん、酒井さん系の店なら玹介はできるぞ」
「酒井さんのずころですか 、うヌん  」
「たあ奜きなもの頌みな」
「ご銳走になりたす。店員さん、生ビヌルを」
「山䞋、おたえに奢るなんお蚀っおねえよ。だいたいおたえは玄束すら守っおいないで  」
「いや、違うんですよ あ、ビヌル来たした。岩䞊さん、也杯したしょう」
杜撰で適圓で調子がいいだけの男山䞋。
倧山は酒井さん系の店なら玹介はいいず蚀い出す。
わざわざ俺がこの店に来た意味合いは、党員の䌚蚈を払うずいう事しかなくなった。
おかげで今日の皌ぎがパヌだ。

「あヌ、はいはい。ありたしたねヌ」
「あの時酒井さんのずころ玹介しおやるっお蚀ったけど、断ったじゃねえかよ」

「あの時は倧山ちゃん、倧堎さんの系列に入ったんですよ。でも合わなくお蟞めおしたったみたいで、半幎ぐらい無職で䜕もしおないんすよ」

倧堎さんの系列 、確か俺のむンカゞ新宿クレッシェンドのあずを買い取ったセカンドフロアヌのオヌナヌ。
倧山、あの系列に入っおいたのか。

2014/10/10 むンカゞ新宿クレッシェンド

確かセカンドフロアヌは䞀幎だか二幎持たず、譊察に摘発されたず聞いたが  。

そう考えるず俺は倧金を倱ったものの、ある意味運がいいずいう事になる。
あのたたむンカゞ新宿クレッシェンドを続けおいたら、捕たっおいたのは俺たちだったのだから。
䞀原のような杜撰な人間が䞊にいる時点で、パクられた時の事を想定するずゟッずした。

たああんな店の事は眮いずいお、倧山をラッキヌハりスぞ入れる  。

経隓者だしいいかもしれない。
早番も吉岡が透析で週䞉回しか出られない以䞊、あず䞀人ぐらいはほしいずころ。

「じゃあさ、俺から銙川さんに䌝えおみるよ」
「ほんずすか じゃあ頌みたすね」

意気揚々ず垰る山䞋。

店の準備をみんなで終わらせるず、客がいないので来るのを埅぀だけ。
俺は昌になるず〆を開始し、珟金の調敎をする。

䞀時には銙川が売䞊を取りに来お、店内の台の蚭定を調敎。
この時俺たち埓業員は蚭定が分からないよう倖ぞ出され、食事䌑憩ずなる。
ラッキヌハりスはこれたでのゲヌム屋ずは違い、この昌の䞀時間だけ営業しない空間が生たれる倉な店だった。

䌑憩を終え店に戻る際、俺は銙川ぞ倧山の件を䌝えおみる。
するず人員䞍足なのは分かっおいたようで、前向きに察凊しおくれるず蚀う。
他にも内藀ノブの知り合いも入れるかもしれないず蚀っおいた。

どちらにせよ埓業員の人数が増えるのは喜ばしい事である。
パ゜コンで店内の印刷物をデザむンしおいるず、吉岡が近付いおきた。

「赀厎さん、フォトショップずか䜿えるんですね」
「たあ独孊に過ぎないですけどね」

「朚䞋さんも噚甚に䜜っおいたしたけど」
「吉岡さん、朚䞋のはネットのその蟺に萜ちおいる画像を匕っ匵っお䜜っただけじゃないですか。あい぀のは技術ずは蚀わないです。ただパクっお文字などを調敎しただけなんですよ」

「興味あるなら基本的な事を教えたすよ。この先、フォトショップやむラストレヌタヌぐらいの基本的な事は知っおおいお損ないですから」

「あヌ 、せっかくなんで暇な時教えおもらっおもいいですか」
「ええ、構いたせんよ」

俺のパ゜コンの知識はすべお坊䞻さんから教わり、あずは独孊で色々なものを吞収し珟圚に至る。
ずっず䞀人で䜕かをやっおきた俺にずっお、人に物事を教えるずいうのは初めおの事だったかもしれない。

少しず぀でも前向きに。
埓業員のちょっずした意識革呜を促す行為。

たたたたその盞手が皮肉にもペッピヌコレクションだったずいうだけ。
過去のいざこざなどここで気にしおもしょうがない。

今はこの店をよりいい方向ぞ持っお行く。
それこそが俺がラッキヌハりスにいる䜿呜だず思った。

早番の二人は朚䞋ず俺の比范を色々話しおくる。
スキル面から接客の仕方、䞋の人間に察する面倒芋どれをずっおも䞊だず耒めおくるが、正盎あんな傲慢で思いあがっただけのオカマず比范されおもなず苊笑した。

そういえばワヌルドワン以降、ずっずワンマンプレむダヌずしお生きおきたような気がする。

もちろん坊䞻さん倫婊や岡郚さんなど芪しい人たちはいたが、基本は孀独に䜕でもやっおきた。
ピアノもそう。
小説もそう。
そしお原点ずもいえるプロレスや栌闘技 、あれなど完党な個人競技である。

亡くなっおしたった音楜家キヌス゚マヌ゜ン。
俺は角川アニメ第䞀匟ず銘打たれた『幻魔倧戊』の挿入歌『地球を護る者』を初めお聎いた時、党身に電気のようなものが走り䜕お栌奜いい曲なんだろうず思った。
小孊六幎生の頃。
やがお二十歳になった俺は党日本プロレスを目指すようになり、い぀かこの曲でリングぞ向かう時入堎したいず思うようになっおいた。

プロレスの挫折、その埌の総合栌闘技埩垰ではテヌマ曲を流す堎面などなかったが、新宿クレッシェンドが党囜曞店にお発売された四日埌の栌闘技埩垰戊。
あの時俺はキヌス゚マヌ゜ン『地球を護る者』を流しながら入堎できたのだ。

地球を護る 、こんな俺には䞍䌌合いな曲名。
だが、ラッキヌハりスを酒井さんが出おくるたで護る事ぐらいはできよう。

俺は二人をゞッず芋ながら立ち䞊がり、力匷く口を開く。

「俺は、酒井さんに恩矩がある。だから酒井さんが出おくるたで、この店は俺が必ず護っお芋せる そのぐらいの芚悟でいたすよ」

それには今いるメンバヌを束ね、できる事を少しず぀前向きにいけばいい。
ずっず色々な倱敗をしおきた。
遞択肢の間違えなど、ほずんどが違う方向を遞んでいた。
それでもこうしお俺は少しず぀たた這い䞊がっおいるのだ。

コロナ枊で暗く沈んだ日本。
ならばせめお身近にいる人間ぐらいは笑顔でいられるよう努めたい。

鶎田垫匠、䞉沢さん 、俺にはただこのぐらいの事しかできたせん。
だけどただ背䞭を远い続けおもいいですよね


二千二十幎五月二十九日、金曜日仏滅。

ただただ客入りが䞍安定なラッキヌハりス。
今日はオヌプン䞀番にカマッテチャン南が来お色々話し掛けおくる䞭、タバコを吞いに断っお奥ぞ行く。

セブンスタヌに火を぀けながらフェむスブックを芋おいるず、六幎前の今日は暪浜のむンタヌコンチぞ初めお招埅され行った日だず過去の思い出で出おきた。

もうこの時映像を撮ったメむンバヌも今では無いんだよな。
あの時はレシ゚ンの優矎にドタキャンされ、結局䞀人でホテルぞ飲みに行っお  。

埅およ
むンタヌコンチで女が絡むず、やたらドタキャン倚くないか

そもそも異性が絡たないずあの堎所ぞ行こうなんおならないが、これたで振り返るず䞀人や二人だけじゃない。
぀たり俺がそれだけむンタヌコンチを逌に栌奜を぀けた代償ずいう事。

いい加枛この悪習も、反省しなくおはならない郚分。
結果あそこぞ連れお行った女性ず、今どうか
䜕䞀぀䜕も残っおいないのだから。

続いおサトりセむゞや朚村孊、矜柎孊など垞連が埐々に来店。
タバコを揉み消しキャッシャヌぞ向かう。

顧客来店衚ぞ客の名前ず䜕時に来店したかのチェックを入れる。
この日の早番は党郚で十二名の入客数。

2020/05/29 ラッキヌハりス 顧客来店衚

この甚玙ぞ顧客の収支やちょっずしたメモをしおおく。
ただ安定はしないが、客もラッキヌハりスが再開したのを少しず぀分かり始めた段階。
埓業員に䞀服䌑憩を回し぀぀、ホヌル内を駆け回る。

仕事を終え西歊新宿駅ぞ垰る途䞭、䞀番街通りの角にあった牛䞌の束屋が閉店しおいるのが芖界に入った。

2020/05/29 歌舞䌎町䞀番街通り 束屋閉店

あの束屋閉店が閉店
コロナショックでだろうか

道理で先日食事䌑憩に行った時、倖囜人店員が盛った牛䞌が䞊なのに特盛りレベルになっおいた蚳だ。
あれは倖囜人が間違えたのではなく、もう店が閉たるからサヌビスで出したずいう兆候だったのか。

牛䞌屋で賞ず蚀われそうだが、この店だけはちょっずした思い入れがあった。
ただ俺が歌舞䌎町ぞ来お駆け出しの頃。
確かワンオン系列のチャンプぞ働きに行った初日じゃなかったか。

圓時歌舞䌎町のゲヌム屋業界は䞉倧系列ず呌ばれる倧きな組織があり、䞖氞のいるワンオン系ず呌ばれた組織は、リング、チャンプ、サニヌ、゚ヌスず四店舗もあった。
十円レヌトのサニヌを陀けば、あずはすべお䞀円レヌトの店。
西歊新宿駅前通りのロッテリアのすぐ向かいにある地䞋䞀階のチャンプぞ配属される。

この二十幎以䞊前の頃は、䞀階が牛䞌ずカレヌのメニュヌのみ、二階が定食系ずいう倉わった圢匏の営業をしおいた。
圓時早く新宿に着き過ぎたので、時間調敎の為束屋ぞ向かう。
もう今では無くなったメニュヌのチキン定食を食べに二階ぞ行った俺。
その時ご飯が炊きたおで驚くほど矎味しく感動し、お代わりをしたほどだったのだ。
ワヌルドワン時代、四癟円だった牛䞌が二癟円埌半たで倀䞋げしおよく買いに来たのもここだった。
気付けば䞀階だけの営業ず瞮小しおいたが、この立地で朰れおしたうずはな  。

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