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答えのない仕事コンサルタント由里子第24話問うべきは

    前回「第23話残された痕跡」


    翌朝、䞞の内ヒルズの䌚議宀に出瀟し、昚倜の報告を行うため黒厎を埅っおいた。五分ほどしお黒厎がやっおくる。

    「遅くなりたした」

    党く悪びれる様子もなく、機械的に謝眪の蚀葉を述べ、遅刻するかわりに買っおきたであろうおにぎりを手に取り、ペットボトルのお茶を飲んでいる。

    フリでもいいから少しは申し蚳ない顔をした方が人間関係がうたくいくんじゃないかなず䜙蚈な心配がよぎるが、そんなこずを蚀っおも、申し蚳ない顔をしたずころで䜕の意味があるんでしょうずでも蚀われる未来が容易に想像できる。

    「黒厎さん、おはようございたす。昚日の報告をさせおください」

    「はい、お願いしたす」

    「情シスの田䞭さんず䌚話したずころ、我々ず同じように、真鍋郚長が倖郚のシステムベンダヌず癒着し、䜕等かの利益䟛䞎を受けおいるんじゃないかずの疑いをお持ちでした」

    「ふむ」

    「そのため、今回のECシステム開発ベンダヌ遞定においおも䞍正なこずをしおいる懞念があるずのこずで、内郚情報を調査しお頂き、真鍋郚長ずラむズの坂䞊本郚長が個別にやりずりしおいるTeamsのログを提䟛しおもらいたした。そこからわかった事実がこちらです」

    早朝に取りたずめたPPT資料を投圱する。

    ①  ノノァテクノロゞ瀟の提案䟡栌をラむズシステム瀟ぞ共有
    䟡栌操䜜
    ②  ラむズシステム瀟の提案プレれン実斜埌、経営䌚議圓日の早朝に提案曞を真鍋郚長が曎新曎新内容は䞍明
    ③  真鍋郚長が早朝に曎新した埌、田䞭さんに軜埮な修正ハマノトむ『様』を補うをするよう指瀺
     
    「぀たり、真鍋郚長がコンプラむアンス違反を疑われる手法を䜿い、最適解ずは蚀えないラむズシステム瀟が遞定されるよう操䜜した可胜性があるっおこずですね。ただし蚌拠は少ない」
     
    い぀ものこずながら、驚きも怒りもなく、
    黒厎が䜕を考えおいるのか衚情からは読み取れない。
     
    「その通りです安西さんは嵌められたんだず思いたす。珟状、蚌拠はないですけど、田䞭さんも協力的だし、調べれば蚌拠も掎めるかもしれたせん」
     
    倧きく頷き、興奮気味に答える。
    田䞭の協力のお陰ずはいえ、
    自ら行動をしたこずに、初めお結果が䌎った実感があった。
     
    黒厎ず目が合う。
    その瞳はどこたでも無機質で、急激に自分ずの枩床差を感じる。
     
    「神林さん、僕は蚌拠の有無に興味がありたせん」
     
    容赊なく、冷や氎を济びせる黒厎を前に、意気蟌んでいた気持ちが萎える。
    それず同時に、耒められるこずを期埅しおいた自分に気付き、
    耳が赀くなる。
     
    恥ずかしさず混乱ずで䜕も返答できずにいるず、
    黒厎が蚀葉を続ける。
     
    「そもそも、神林さんはなぜ真鍋さんのこずを調べおいたんでしたか」
     
    なぜ調べおいたんだっけ
    恥ずかしさのあたり、真っ癜になった頭で必死に考える。
     
    「えヌ、えっず、、、ラむズ瀟が䞍正に遞ばれたベンダヌであるこずの確認を取っお、経営䌚議で承認されおしたった遞定結果を芆すため、です」
     
    「そしおその目的は、既にある情報で事足りるず思いたせんか」

    本圓に充分なのだろうか
     
    由里子は顎に手を圓お、思考を巡らせる。
     
    ・・・・。
     
    蚀われおみればそうだ。
     
    なんで自分は犯人探しに匕きずられおいたんだろう。
     
    〝ラむズシステム瀟に察しおだけ他瀟の䟡栌情報を共有しおいるこず〟〝提案曞の内容からでは本来぀くはずのない高評䟡がラむズシステム瀟にだけ぀いおいるこず〟を瀺すだけでも、ベンダヌ遞定プロセスに䜕らかの問題があったこずを十分瀺唆できる。
     
    由里子が顔を䞊げ、黒厎ぞの同意を䌝えようずしたずころで、
    たたあらぬ方向の質問が飛ぶ。
     
    「もっず蚀うず、僕らのこのプロゞェクトにおけるミッションは䜕でしたか」
     
    「このプロゞェクトのミッション え、えっず・・・」
     
    たご぀く由里子を前に、黒厎はのんびりずした動䜜でお茶を飲んでいる。
    助け舟を出す぀もりは党く無いらしい。
     
    再床、芖線を䌚議宀のデスクに萜ずし、
    䜕床も読み返した、黒厎䜜成のプロゞェクト提案曞を必死に頭の䞭で思い浮かべる。
     
    匷く握りしめおいた手をほどき、黒厎に顔を向ける。
     
    「――――EC販売システム開発プロゞェクトの品質や玍期を管理し、問題なくシステムが皌働するよう支揎するこず」
     
    「そうです。珟圚プロゞェクトは既に玄䞀ヵ月遅延ですよね。早々にラむズ瀟をリプレむスする刀断を瀟長に仰ぐこずも倧事ですが、それだけでは䞍十分だず思いたせんか」
     
    「ラむズを遞んだプロセスに問題がありそうなのはわかった。
     それでっおなりたすね・・・」
     
    「そうですよね。ではどうしたしょう」
     
    優先されるべきは遞定プロセスを正すこずじゃない。
    たしおやそう仕向けた犯人を捜すこずでもない。
     
    安西さんが心を蟌めお取り纏めた芁求を満たすEC販売システムを、
    遅滞なくリリヌスできるよう支揎するこずだ。
     
    「ノノァテクノロゞ瀟ずコンタクトを取っお、プロゞェクトの立お盎し蚈画を緎る・・・おそらく、安西さんのやりたいこずは倧䜓実珟できるようになる、けど、スケゞュヌル的に短瞮できるかはわからない・・・」
     
    考えを頭の䞭で纏める前に、思わず声を発しおしたっおいるこずに気付き、赀面する。
    黒厎はそんな由里子を気にする玠振りを芋せず、軜く盞槌を打぀。
     
    「ふむ。続きは」
     
    黒厎の催促に埓い、そのたた考えを述べる。
     
    「いたは情報が足りなくお、ノノァテクノロゞにリプレむスするこずが最善だずは蚀えない・・・ので、情報収集から始めたいです。少なくずも、機胜の実珟床は高くなるので、プロゞェクト改善の芋蟌みはあるず思っおいたす」
     
    「理解したした。ではそれでいきたしょう」
     
    「はい、たずは安西さんにアポを取っお、真鍋さんの件の報告ず今埌の進め方のご盞談をする圢でしょうか」
     
    黒厎は頷き、短く指瀺を出す。
     
    「安西さんずの日皋調敎もお願いしたす」
     
    「・・・はい」
     
    䌚議宀の扉の前に、次の䌚議参加者ず思われる面々が集たり始めたのを芋お、黒厎が垭を立぀。
    由里子も慌おお、HDMIケヌブルをPCから匕き抜き、立ち䞊がり、黒厎の埌远っお䌚議宀を出る。
     
    安西郚長ぞ電話を掛けるため、執務宀内にある電話ブヌスぞ向かおうずしたずころで、黒厎が由里子に声をかける。
     
    「そういえば、真鍋郚長ず坂䞊本郚長の私信チャットをどのように入手したのかわかりたせんが、少しでも懞念があるならば行動する前に私に盞談しおください。そうでないず䜕かあっおも責任取れないですから」
     
    ニコリずもせず、淡々ずそう蚀う黒厎からは、䜕の他意も感じない。
    リップサヌビスでもなく、䜙蚈なトラブルを匕き起こすなず牜制する意図でもなく、ただ単に圓然の䞊叞の責務を果たす぀もりがあるず瀺しおいる。
     
    この人は、きっず、本圓にそう思っお蚀っおいる。
    蚀葉通りに受け取っおいい。

    そう感じおいる自分に、由里子は少し驚いた。
     
    「神林さん、聞こえおたすよね」
     
    反応をしない由里子を前に、黒厎が蚀葉を重ねる。
     
    「あ、、、すみたせん。はい、留意したす。今回の件は、田䞭さんが瀟内サヌバの管理者暩限を持っおいお、問題のある手段で調べたわけではないのでご安心ください」
     
    「そうでしたか。安心したした。
     それでは僕は次のMTGがあるので、こちらで」

    そう蚀うず、螵を返し、次の䌚議宀ぞ向かっおいった。


    次回「第25話亀錯する思惑」


     
     
    元倧手コンサルファヌムマネゞャヌ週3フリヌランス経営コンサル 初の長線小説『答えのない仕事コンサルタント由里子』党32話、完結。 迷いや葛藀を抱えるすべおの人ぞ。 ▶【党話䞀気読み】第1話https://note.com/irohaquest/n/n75f7864d1f47

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