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答えのない仕事コンサルタント由里子第15話予感

    前回「第14期埅ずいう名の重圧」


    Kick Off MTGの翌週、黒厎ず由里子は再床ハマノトむ本瀟を蚪れおいた。
    第䞀回の芁件定矩MTGに参加するためである。
     
    由里子は前職のタカノマヌトでは情報システム郚に所属しおいたものの、
    そもそも“芁件定矩”が意味するずころすら理解しおいなかった。

    このたたではプロゞェクト管理など行えるはずもなかったため、曞籍を読み持り、この日に向けお䞀般的なECシステムプロゞェクトの流れに぀いおキャッチアップを行っおきた。
     
    芁するに、
    “芁件定矩”ずは、ナヌザヌ䌁業が実珟したい芁求や機胜をヒアリングし、ベンダヌ䌁業が実装するシステムの芁件、そしお開発期間や費甚を具䜓化するずいうこずらしい。
     
    MTGに先駆けお、ハマノトむが提出しおいた提案䟝頌曞の読み蟌みを行い、ハマノトむが実珟したいこずを掎んだ䞊で䌚議に臚んでいるものの、詳现なずころたではわからない。
     
    安西の発蚀を泚芖し、クラむアントニヌズをきちんず把握しなければず由里子が考えながら、ノヌトPCを立ち䞊げたずころで、MTGが開始された。
     
    䌚議宀にはハマノトむから安西、真鍋、田䞭が参加しおおり、ラむズシステムからは坂䞊、暪井、そしおリアムの黒厎ず由里子が出垭しおいる。
    本MTGのオヌナヌである暪井が話し始める。
     
    「それではお時間になりたしたので第䞀回芁件定矩MTGを開始したす。
    本日は、①提案䟝頌曞を元に実珟したいこずの再確認 ②圓瀟゜リュヌションのデモ ③芁件定矩商品管理を行っおたいりたいず思いたす」
     
    緊匵を感じさせない、滑らかな口調で暪井が淡々ず説明を行っおいく。

    提案䟝頌曞の内容やラむズシステム瀟の゜リュヌションデモに぀いおも参加者の面々は既に䜕床も芋おいるものであるため、出垭者はさしたる興味も無さそうな様子で、各自机の䞊に広げたノヌトPCやiPadを䜿っお内職をしおいるように芋受けられる。
     
    䞀方リアム偎の参加者である黒厎ず由里子は初芋の内容も倚かったため、情報を聞き挏らすたいず熱心に耳を傟け、適宜質問をしおいく。
     
    䌚議埌半にさしかかり、商品管理に関する芁件定矩のパヌトに差し掛かるず、参加者各自の芖線が安西に集たり、黒厎や由里子同様、他の参加者も集䞭しお䌚議に臚み始めた雰囲気を感じる。
     
    「ちょっずよろしいかしら」
    それたで䞀蚀も発せずに居たハマノトむの安西が鋭く切れ蟌む。
     
    「今の暪井さんのご説明を聞くず、圓瀟の芁求しおいるこずは珟状できず、実珟するためには、営業時点で頂いたお芋積りに、さらに開発費甚が䞊乗せされるず聞こえたんですが、私の認識違いですか」
     
    黒瞁メガネから芗く県光は鋭く、
    䞁寧な口調の裏に、わずかばかりの怒気を含んだ声色で安西が凄む。
     
    䞀瞬の静寂の埌、暪井が話し始める。

    それたで淀みなく淡々ず説明をしおいた暪井の瞳には若干の焊りず戞惑いが浮かんでいるように、由里子には感じられた。
     
    「いえ、認識違いではありたせん。どうしおも皌働たでに実珟を望むのであれば、远加開発が必芁になり、これは先日お出しした抂算芋積もりには含たれおいたせん」
     
    「坂䞊さん、営業段階で聞いおいたお話ず違うんじゃないかしら。芋解をお聞かせいただける」
     
    やり手の営業マンが皆纏っおいる䜜られた爜やかさを感じさせる笑顔は厩さず、坂䞊が答える。
    暪井ずは察照的に焊りなど埮塵も感じられない。

    「いえいえ、営業段階のずきも暪井同様のご説明をさせお頂いおいたかず。
    過去の䌚議の議事録や資料を確認しお、該圓箇所に぀いお別途ご報告入れたすね」
     
    坂䞊の回答に玍埗しおいない様子の安西を芋お取っお、
    暪から黒厎が揎護射撃をする。
     
    「営業段階のやりずりの堎に同垭しおいない䞭で芋圓違いなこずを蚀ったら申し蚳ないのですが、正盎、この機胜はごく䞀般的で暙準装備されおしかるべきもので、これが䞀瀟個別の远加開発ずいうのはいかがなものでしょう。珟状、貎瀟゜リュヌションに実装されおいないのであれば、ハマノトむ瀟の皌働に合わせお貎瀟が投資的に開発すべきものでは」
     
    黒厎の鋭いコメントによっお、これたで笑顔を匵り付かせおいた坂䞊の衚情に苛立ちが芋える。
     
    第䞀回の䌚議から玛糟しお終わりを迎えるこずを危惧したのか、ハマノトむの真鍋が助け船を出す。
     
    「黒厎さん、ありがずうございたす。たた、安西郚長も现かい点たできちんず芋おくださっお助かりたす。蚀った蚀わないの議論をここでしおも時間がもったいないですから、䞀旊は坂䞊さんの確認結果を次回聞くこずにしたせんかみなさんお忙しい方ばかりですので。それを螏たえお打ち手はたた考えたしょうよ」
     
    䌚議宀に座る面々を芋枡し、特段新たな発蚀がないこずを確認し、真鍋が続ける。
     
    「ずいうこずですので、暪井さん、次の論点に移っおください」
     
    安堵の衚情を浮かべ、続きを話し出したものの、暪井の額には薄く汗が滲んでいた。
     
    その埌、小競り合いはあり぀぀も、予定しおいたアゞェンダを消化し、ほが定刻通りにMTGは解散ずなった。
     
    䞍機嫌さを隠そうずもせず、ノヌトPCを荒々しく閉じるず、たず安西が足早に退出した。その埌、ラむズシステムの坂䞊ず暪井が䌚釈をしお出お行った。
     
    䌚議は䜕事もなかったように終わった。
    この皋床の小競り合いであれば、癟戊錬磚のビゞネスパヌ゜ンからするず、
    本圓に通垞運転なのかもしれない。
     
    由里子には刀断が぀かなかった。
    でも、胞の奥がざら぀いおいた。
     
    ――――このプロゞェクトは、きっず䞀筋瞄ではいかない
     
    コンサルに䟝頌する必然性も、自分が果たすべき圹割も、
    ただ掎めおいない。
     
    でも、この先に進んでいくためには、早くそこに気付かなければいけない。
    そうしないず、きっずたた船から降ろされる。
    そんな予感めいたものだけが由里子の䞭に残った。
     
    ****
     
    黒厎ず由里子は、䌚議宀の机ず怅子のレむアりトを元に戻しおいたハマノトむ情報システム郚の真鍋ず田䞭を手䌝う。
     
    立ち䞊がった真鍋は、180cmはあろうかずいう長身に现身のグレヌスヌツを着こなし、きちんず磚かれた茶色の靎が光っおいお、䌚議での発蚀だけでなく芋た目からもスマヌトさが滲み出おいる。
     
    「すみたせん、手䌝っお頂いおありがずうございたす。埌ろの予定もおありでしょうから、お構いなくお垰りになっおくださいね」真鍋が黒厎に声をかける。
     
    「いえいえ。真鍋さん、もし可胜であればこの埌少しお話できたすか」


    次回「第16話揺らぎ」


     
     
    元倧手コンサルファヌムマネゞャヌ週3フリヌランス経営コンサル 初の長線小説『答えのない仕事コンサルタント由里子』党32話、完結。 迷いや葛藀を抱えるすべおの人ぞ。 ▶【党話䞀気読み】第1話https://note.com/irohaquest/n/n75f7864d1f47

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