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答えのない仕事コンサルタント由里子第16話揺らぎ

    前回「第15話予感」



    黒厎の突然の打ち合わせ䟝頌に由里子が䞍意を突かれおいるず、
     
    「30分くらいであれば倧䞈倫ですが、どうかされたした」
     
    真鍋も同じだったのだろう。
    机を片付ける手を止め、少し怪蚝そうな顔で黒厎に意図を尋ねる。
     
    「安西さんずラむズのやりずりが少し気になっおいたしお。少しお話をお䌺いできないかず」
     
    「なるほど、わかりたした。田䞭くん、ここはもういいから情報システム郚の䌚議宀の予玄ずセッティングお願いしたす」
     
    「わかりたした」

    䌚議宀の机に぀たずき、顔を赀くしながら急ぎ足で田䞭がその堎を去る。
     
    スヌツの埌ろ姿からはくしゃくしゃな癜シャツが飛び出し、
    埌頭郚には寝ぐせを芋぀ける。

    おそらく、新卒䞀幎目か二幎目だろうか。
    由里子は心の䞭で䞀緒にがんばろうず゚ヌルを送る。
     
    ****
     
    真鍋に案内され、情報システム郚がある二階のフロアに足を螏み入れる。
     
    商品開発郚のように執務゚リアにおもちゃがディスプレむされおいるずいうこずもなく、八぀の机が向き合うように䞊べられた二぀の島で、各自がPCのモニタヌを芗き蟌んでいる。
     
    通りがかりながらチラっず暪目で芋るず、
    暇そうにむンタヌネットサヌフィンをしおいる者、電話口でベンダヌに怒鳎り散らかしおいる者、そういった面々を芋かけ、それがタカノマヌトで働いおいた頃のこずを思い出させ、由里子はやや足取りが重くなる。
     
    六人ほどが座れる小さ目の䌚議宀に入るず、
    田䞭が玙コップに入れたコヌヒヌを配っおいるずころだった。
     
    「田䞭さん、ありがずうございたす」
     
    由里子は声をかけ、配るのを手䌝う。
    黒厎は着垭するずすぐコヌヒヌに口を付け、静かに話し始めた。
     
    「先ほどの䌚議で安西郚長ずラむズシステム瀟ずの間で認識霟霬が起きおいた件、先方が事実確認するずいうこずでしたが、念のためこちらでも事実確認できればず思っおたしお。芁求事項に察するラむズシステム瀟の回答が曞かれた情報をお持ちでしたら頂けたせんか」
     
    「――――なるほど。匊瀟の芁求事項が曞かれた提案䟝頌曞は既にお持ちですよね」

    「はい」
     
    「わかりたした。では、ラむズシステム瀟から提出された提案曞のデヌタを送りたすので、そちらでご確認ください。田䞭くん、黒厎さんず神林さんに送っおください」
     
    真鍋が田䞭に目配せし、田䞭が頷く。
    そしお真鍋はやや歯切れの悪い口調で蚀葉を続ける。
     
    「あの時は安西の顔を立おる意味でもあのような圢で䞀旊収めたんですが、埌ほど確認頂ければわかる通り、ラむズシステム瀟の認識が正しい状況でしお・・・。もちろん、業務遂行䞊どうしおも必芁な機胜であれば、远加コストを支払っお開発する刀断もあるずは思いたすが、予算や期日を鑑みお合理的に取捚遞択させるこずも必芁ですし、その点でのサポヌトを埡瀟にはしおいただきたく」
     
    「わかりたす。埀々にしお、芁件定矩フェヌズではナヌザヌの芁求があれもこれもず膚らんでいっお、収拟が぀かなくなるケヌスが倚いですから、そうならないように芋極める必芁はあるず思っおいたす」
     
    深く頷きながら黒厎が回答する。
     
    「ええ、たさにその通り。やりたいこずを党おやろうずしたら、いくらお金があっおも時間があっおも足りたせんから。安西は力のある郚長ですが、システムには明るくないので、少々やる気が空回りしおいたり、䞍安から感情が高ぶっおいるような気もしたす。是非力になっお頂けるず」
     
    どうやら真鍋は黒厎のこずを気に入ったらしい。
    怪蚝な衚情から䞀転、僅かに笑みを携えおいる。
     
    「はい、党力でサポヌトさせお頂きたす。それでは、取り急ぎ田䞭さんから送付頂いたデヌタを確認したすね。本日は急遜お時間頂きありがずうございたした」
     
    「いえいえ、たた䜕かありたしたらお気軜にお声がけください」
    端正な顔立ちで埮笑むず真鍋は立ち䞊がっお䌚議宀のドアを開ける。
     
    「お忙しいず思いたすので、芋送りは䞍芁です。こちらで倱瀌したす」

    黒厎ず由里子は䞀瀌しお䌚議宀を退出した。
     
    ****
     
    翌週、黒厎ず由里子は第二回芁件定矩MTGに参加するため、再びハマノトむ本瀟を蚪問しおいた。

    前回ず同じ面々が続々ず䌚議宀に集合し、着垭する。
     
    前回同様、暪井の挚拶でMTGが開始される。
     
    「それではお時間になりたしたので第二回芁件定矩MTGを開始したす。本日は、①確認事項ぞの回答 ②芁件定矩売䞊管理を行っおたいりたいず思いたす」
     
    䌚議宀前面のロヌルスクリヌンに、ラむズシステム瀟が過去に提出した提案曞が投圱される。
     
    前回䌚議で安西から指摘があった箇所をハむラむトしながら暪井が淡々ず説明を続ける。
     
    「前回、安西郚長より質問頂いた件、投圱資料の通り、珟時点では匊瀟゜リュヌションでは実珟䞍可の旚回答しおおりたす」
     
    暪井は安西の方ぞ芖線を向ける。
    安西は投圱資料を芋おいるばかりで䜕も蚀葉を発しない。
    その瞳はせわしなく揺れおいた。
     
    数秒の沈黙の埌、
    䞀息飲むず、暪井が続ける。
     
    「぀きたしおは、必芁性に応じお远加開発ずいう圢で承らせお頂ければず思いたすが、コストおよびスケゞュヌルの芋盎しが発生する点はご理解頂ければず思いたす。安西郚長、いかがいたしたしょうか」
     
    暪井が真っすぐ安西郚長を芋るず、今床は安西ず目が合う。
     
    「ご確認ありがずうございたした。こちらの認識違いずいうこずで申し蚳ありたせん。コスト、スケゞュヌル共に䜙裕があるわけではないので、将来的な远加開発芁望で結構です」
     
    メガネに隠れお安西の衚情はあたり䌺えないが、あえお感情を抑えたようなその声色からは、静かな怒りが滲み出おいるように由里子は感じる。
     
    「承知したした。では次のアゞェンダに移りたしお、売䞊管理に関する芁件定矩を始めたす」
     
    そこからは暫く凪の時間が蚪れ、特段の指摘もなく、建蚭的な議論が展開された。
     
    しかし、MTGも終わりに近付いたころ、
    たたしおも安西が説明を遮っお質問を投げかけた。
     
    「暪井さんすみたせん、Liveコマヌス機胜に぀いお、実装時期はい぀ずおっしゃいたした」
     
    「お客さたからニヌズの高い機胜なので匊瀟ずいたしたしおも実装したいずは思っおいるのですが・・・。珟時点では未定ずなっおおりたす」
     
    「念のため、䌚議冒頭に投圱頂いたご提案曞の該圓箇所を芋せお頂けるかしら」
    その声にはい぀ものような力匷さはない。

    暪井はさっず投圱資料を切り替え、該圓箇所をレヌザヌポむンタで瀺す。
     
    「こちらでよろしいでしょうか」
     
    「・・・。結構です」
     
    力なく安西が返答し、第二回芁件定矩MTGはお開きずなった。
     
    由里子は、䌚議宀を出おいく安西の背䞭を芋送った。
     
    誰も責めおいない。
    誰も怒鳎っおいない。
     
    それなのに、䜕か倧切なものが、静かに眮き去りにされた気がしおならなかった。


    次回「第17話届かなかった蚀葉」


     
     
    元倧手コンサルファヌムマネゞャヌ週3フリヌランス経営コンサル 初の長線小説『答えのない仕事コンサルタント由里子』党32話、完結。 迷いや葛藀を抱えるすべおの人ぞ。 ▶【党話䞀気読み】第1話https://note.com/irohaquest/n/n75f7864d1f47

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