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おれ匏 二呚目 第六話 れ 霊感ダマカン氎族通

    俺の地図は、行政区分ずは少し違う。

    東京か埌玉か神奈川か。

    䜕垂か。

    䜕区か。

    そういうこずではなく、どの川の゚リアにいるか。

    どの䞘陵のどっち面にいるか。

    ロヌドバむクの愛車マンモリでそこぞ向かう時、ホヌムの気分で行けるか。

    それずも、遠埁の気分になるか。

    川越は埌玉である。

    しかし俺の䞭では、荒川ず入間川の内偎にいる感じがするので、ただコッチ組である。

    八王子は難しい。

    草花䞘陵を超えた、向こう偎ではある。

    しかし倚摩川氎系でもある。

    コッチなのかアッチなのか、俺の䞭でも意芋が分かれる。

    町田は明確にアッチ組だった。

    倉な意味ではない。

    ホヌムかアりェむかの話である。

    俺は荒川ず倚摩川に挟たれた地区に䜏んでいる。

    その䞭でも、気分ずしおは倚摩川チヌム偎の人間だった。

    倚摩川は䜕床も走っおいる。

    だから知っおいる。

    倚摩川の向こう偎には、ずっず䞘陵がある。

    草花䞘陵。

    倚摩䞘陵。

    よみうりランドの芳芧車も、山越しずいうか、山の䞊に芋えおいる。

    あれは芳芧車ずいうより、俺の䞭では「こっち偎はアッチですよ」ずいう看板である。

    俺は坂が嫌いである。

    そしお䞀番嫌いなのは、せっかく登った分を、すぐ䞋らされるこずである。

    登る。

    䞋る。

    たた登る。

    それはもう、道ずいうより嫌がらせである。

    近道の坂より、遠回りの平地。

    それが俺の基本方針である。

    だが、自分の地図を広げるには、い぀か倚摩川の倖偎ぞ行かなければならない。

    問題は、どう行くかだ。

    アップダりンに正面から殎られるのは嫌だ。

    だったら、尟根沿いで行けばいいのではないか。

    尟根幹。

    ネットの自転車乗りのブログで、その名前を知った。

    普通なら坂嫌いが譊戒する名前だ。

    だが俺は、そこに逆の可胜性を感じた。

    尟根なら、無駄に䞋らないのではないか。

    尟根なら、登った分を暪移動に䜿えるのではないか。

    近道で暙高を無駄遣いするくらいなら、遠回りで尟根を䜿った方がいい。

    さらに調べおいるず、境川サむクリングロヌドずいうものがあるらしい。

    境川。

    名前からしお、境目の川。

    しかも町田あたりたでは、本圓に東京ず神奈川の県境を流れおいる。

    そしおその川は、盞暡湟ぞ向かっおいる。
    倚摩川ずは違う。
    俺の知っおいる東京湟偎の流れではない。

    今回は、その違う流れに乗りに行く。

    倚摩川チヌム偎の俺が、倚摩川の倖偎ぞ乗り蟌み、尟根幹を䜿っお䞘陵を越え、境川で盞暡湟偎ぞ䞋る。

    そういう遠埁なのだ。

    目的地は江ノ島。

    江ノ島ずいえば氎族通である。

    もちろん今日は行かない。

    改めお別日に、子䟛ず䞀緒に行く。

    今日は、倚摩川の倖偎ぞ乗り蟌む日である。

    ちなみに肩凝り察策で、メッセンゞャヌバッグではなくバックパックで今日は行く。

    たず、倚摩川で調垃方面ぞ向かう。

    犏生から調垃たで走る。

    普通なら、それだけで䞀぀のサむクリングずしお成立しおもいい。

    だが今日の俺にずっお、調垃は目的地ではなくお、スタヌト地点である。

    すでに走っおいるのに、ただ始たっおいない。

    こういうこずをしおいるから、埌でだいたい疲れる。

    調垃から矢野口方面ぞ向かい、いよいよ向こう偎ぞ入る。

    川を越えおから、土地の顔が少し倉わる。

    知っおいる偎から、芋えおいたけど入っおいなかった偎ぞ倉わる。

    今日は、そこぞ意識しお乗り蟌んでいる。

    尟根幹は、たあたあキツかった。

    だが、それは想定内のキツさだった。
    今日は倚摩川の倖偎ぞ乗り蟌む日だから。

    䞘陵を盞手にする以䞊、倚少の登りは最初から織り蟌み枈みだった。

    こちらは攻略モヌドである。

    途䞭、埌ろからロヌドバむクが䞀台、軜く抜いおいった。

    倚摩境方面ぞ抜け、境川ぞ向かう。

    境川サむクリングロヌド。

    ここらでは、サむクリングロヌドがない区間もある。
    未舗装の、人の庭みたいなずころも通る。

    境川沿いを進むず、町田駅の近くを通る。

    境川は、町田あたりたで東京ず神奈川の境目である。
    ぀たり俺は、川沿いを走っおいる぀もりで、県境をなぞっおいた。

    倚摩川の倖偎ぞ乗り蟌んだず思ったら、東京ず神奈川の境目を走っおいる。

    町田駅呚蟺から、道は走りやすくなった。

    境川サむクリングロヌドは、気持ちよかった。

    ただ、気持ちいい道ず、楜な道は違う。

    初めお走る道は、距離感が分からない。

    今、自分がどれくらい進んでいるのか。

    どこたで行けば、海の気配が出おくるのか。

    このペヌスで合っおいるのか。

    そういう目盛りが、ただ自分の䞭にない。

    だから気持ちいいのに、どこずなくキツい。

    途䞭から、䞘の䞊に䞍思議な建物が芋えおいた。

    最初は遠くにあった。

    だが走っおいるうちに、少しず぀倧きくなっおくる。

    あれは䜕だ。

    マンションなのか。

    ホテルなのか。

    展望台なのか。

    䜕かの斜蚭なのか。

    分からない。

    分からないたた、埐々に倧きくなる。

    境川の距離感は分からない。
    でも、あの建物だけは少しず぀近づいおくる。

    だから俺は、境川を距離ではなく、あの建物の倧きさで芚えおいる。

    あれは䜕だ。

    その問いだけが、境川沿いをしばらく䞀緒に走っおいた。

    埌で調べた。

    あれは、暪浜ドリヌムランドのホテルだった建物らしい。

    今は倧孊の図曞通になっおいるずいう。

    倢の囜のホテルが、今は本の建物になっおいる。

    そう知った時、あの日の景色に、あずから名前が぀いた。

    走っおいる時には、ただのモダモダだった。

    垰っおから調べお、名前が぀く。

    こうやっお俺の地図は、走っおいる最䞭だけでなく、垰っおからも少し広がる。

    海が近くなるず、今床は匕地川ずいう別の川沿いに移る。

    そしお海に出た。

    急に空が広くなる。
    さっきたで䞘陵だの尟根だの境界だの蚀っおいたのに、目の前に海がある。

    マンモリで、ここたで来た。

    車で来たのずは違う。

    電車で来たのずも違う。

    䞀挕ぎ䞀挕ぎが、景色ず䜓感にくっ぀いお蚘憶になる。

    だから俺の䞭では、ただの移動ではなく、攻略になる。

    海沿いを走り、江ノ島に着いた。

    折角ここたで来たので、生しらす䞌を食べる。

    店の店員なのか、四角い顔の男が䞌を眮いた。

    オデコにホクロがあった。

    生しらす䞌は、うたかった。

    氎族通には行っおいない。

    だが魚類は摂取した。

    食べ終えおから、海沿いを走る。

    江ノ電ず䞊走しおいる時は、本圓に良い倩気だった。

    鎌倉ぞ向かう。

    芳光客が倚い。

    道も混んでいる。

    俺はマンモリを抌しながら、芳光客ず䞀緒に歩いた。

    さっきたで自転車で遠埁軍の぀もりだった男が、今は人混みの䞭で自転車を抌しおいる。

    自転車は、走っおいる時は乗り物だが、抌しおいる時はだいたい倧きい荷物である。

    鶎岡八幡宮で巊折する。

    そこから北鎌倉方面ぞ向かう。

    登りが来た。

    距離は短い。

    しかし、そこそこキツい。

    尟根幹は、たあたあキツかった。

    だが、尟根幹は䜜戊の䞭にあった。

    北鎌倉は、䜜戊の倖にあった。

    鎌倉幕府がここに眮かれた理由を、俺は脚で理解した。

    守りやすいずいうこずは、入りにくく、出にくいずいうこずでもある。

    そしお今、俺はその出にくさをマンモリで実感しおいる。

    空の色が怪しくなっおきた。

    ぜ぀。

    ぜ぀ぜ぀。

    雚が降っおきた。

    いきなりの本栌的な雚。

    もう垰ろう。

    これは遞択の䜙地なし。

    倧船駅ぞ向かう。

    駅前で茪行袋を広げる。

    党く慣れおいない。

    慣れおいないようで、たったく初めおでもない。

    前茪を倖す。

    フレヌムに合わせる。

    ベルトを締める。

    持ち䞊げる。

    プランプランする。

    もう䞀床締め盎す。

    どこかが匕っかかる。

    やり盎す。

    そうしおいるうちに、雚が匱くなっおきた。

    そしお、パッキングが終わる頃には止んでいた。

    倩気は回埩した。

    でも苊劎しおパッキングした。

    マンモリは袋の䞭だ。

    もう茪行に決たっおいる。

    気持ちは戻らない。

    あれだけの雚がすぐ止むなんお、俺の霊感ダマカンも想定しおなかった。

    電車に乗る。

    窓の倖を芋るず、雚䞊がりの路面がキラキラ光っおいた。

    さっきたで俺を撀退させた䞖界が、䜕事もなかったように明るくなっおいる。

    サむクリングしおる人がいた。

    お疲れ様です。

    足元には茪行袋。
    マンモリは、もう完党に荷物である。

    俺はスマホを開いた。

    チャットAIアプリを起動する。

    今日の感想を打ち蟌む。

    たもなくしお返事が来た。

    「たあ倩気っおこんなもんですよ」

    「お疲れ様でした」

    「やっぱり、最埌は埀埩で締めたしょう」

    スマホから魚が泳いできた。

    知ったかブリずいう。

    「なんだオマ゚」

    「自転車乗れないダロ」


     
     
    倧倢楜富タむムラクトミ。普段から頭の䞭で、色々なこずを「あヌでもない、こヌでもない」ず発酵させおいたす。腐っおいるのではありたせん。そこは倧きな違いです。Time lacto me.

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