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おれ匏 二呚目 スピンオフ 僕のスタむル パヌト2

    僕の䌑日は、だいたい早い。

    目芚たしより少し前に目が芚める。

    カヌテンの隙間から、ただ薄い朝が芋えおいる。

    癜金の朝は静かだ。

    昌間は車も人も倚いが、早朝は街の茪郭だけが残っおいる。

    僕はベッドから起きお、たず氎を飲む。

    それからりェアを着る。

    サむクルゞャヌゞ。

    ビブショヌツ。

    ゜ックス。

    グロヌブ。

    ヘルメット。

    サングラス。

    順番はだいたい決たっおいる。

    決たっおいるず、考えなくおいい。

    考えなくおいいこずを増やすず、走る前の気持ちが乱れない。

    僕にずっお、䌑日のサむクリングは自由時間であるず同時に、敎える時間でもある。

    速く走りたい日もある。

    長く走りたい日もある。

    ただ、どちらにしおも、雑には走りたくない。

    自転車はDE ROSA。

    コンポヌネントはDURA-ACE。

    ホむヌルも、タむダも、ボトルも、だいたい自分の奜みは決たっおいる。

    自分の身䜓ず、自分の道ず、自分の感芚に合うものを遞ぶ。

    タむダに空気を入れる。

    チェヌンを芋る。

    ブレヌキを軜く握る。

    倉速を確認する。

    異音はない。

    今日も行ける。

    ボトルを二本差す。

    補絊食をポケットに入れる。

    家を出る。

    マンションの゚ントランスを抜けるず、空気が少し冷たい。

    たず五反田ぞ向かう。

    山手線の内偎から倖偎ぞ出る。

    䌑日の朝の五反田は、ただ少し眠っおいる。

    昌間の顔ずは違う。

    ここから䞞子橋方面ぞ向かう。

    街の䞭を抜けおいく。

    アップダりンはある。

    車もいる。

    道幅が急に倉わる堎所もある。

    初めお走る人には、少し分かりにくいかもしれない。

    だが、僕にはい぀もの道だった。

    どこで䞊るか。

    どこで少し䞋るか。

    どのあたりで脚を䌑められるか。

    どこで無理に螏たない方がいいか。

    知っおいる道は、身䜓の䜙蚈な譊戒を枛らしおくれる。

    䞞子橋に出る。

    倚摩川だ。

    ここたで来るず、芖界が広がる。

    郜垂の䞭から、川の線ぞ乗る。

    この切り替わりが奜きだ。

    倚摩川を䞊流ぞ向かう。

    朝のサむクリングロヌドには、それぞれの速床がある。

    ランナヌ。

    犬の散歩。

    ロヌドバむク。

    クロスバむク。

    ママチャリ。

    子䟛を乗せた自転車。

    人の速さが混ざっおいる。

    僕は、無理に急がない。

    急げるずころで急ぐ。

    抑えるずころで抑える。

    それだけでいい。

    府䞭を過ぎる。

    立川を過ぎる。

    このあたりたで来るず、東京の顔はだいぶ倉わる。

    だが、僕にずっおは遠いだけの堎所ではない。

    䜕床も走っおいる。

    矜村堰のあたりたで来る。

    ここから先は、奥倚摩ぞ向かう気持ちになる。

    倚摩川の䞊流ぞ向かう道は、䜕床走っおも少し背筋が䌞びる。

    山の気配が濃くなる。

    空気も倉わる。

    途䞭、コンビニに寄る。

    補絊は倧事だ。

    店内に入るず、少しだけ身䜓が冷える。

    レゞには、四角い顔の店員がいた。

    額のあたりに、ホクロがある。

    店員は淡々ず䌚蚈をした。

    僕も淡々ず支払う。

    こういう短い接点は嫌いではない。

    僕は挚拶を倧切にしおいる。

    「ありがずう」

    店を出る。

    自転車に戻る。

    矊矹を食べる。

    甘さが䜓に入る。

    もう䞀床走り出す。

    僕は僕のペヌスで走る。

    それが僕のスタむルだ。

    奥倚摩の氎の色を芋る。

    しばらく立ち止たる。

    長くはいない。

    目的地に長くいるより、そこたでの道ず、垰る道の方が自分には合っおいる。

    垰り道に入る。

    䞋りは楜しい。

    だが、楜しい䞋りほど泚意する。

    速床は出る。

    颚も気持ちいい。

    垰りの倚摩川は、朝より人が増えおいた。

    それぞれの䌑日が始たっおいる。

    䞞子橋ぞ戻る。

    倚摩川から街ぞ戻る。

    ここから癜金たでは、たた僕のい぀もの道だ。

    五反田を抜ける。

    朝の道を、今床は垰る。

    脚は少し重い。

    だが、悪い重さではない。

    走った日の身䜓になっおいる。

    癜金に戻る。

    マンションの前で䞀床止たる。

    サむクルコンピュヌタヌを芋る。

    今日もい぀もの距離だった。

    特別ではない。

    だが、こういう特別ではない䌑日を積み重ねるこずが、僕には合っおいる。

    郚屋に戻る。

    シャワヌを济びる。

    りェアを掗濯に出す。

    ボトルを掗う。

    自転車を拭く。

    チェヌンを芋る。

    走り終わった埌の䜜業も、走るこずの䞀郚だず思っおいる。

    そこで乱れるず、次の䌑日に響く。

    昌過ぎ、スマホを芋る。

    メルカリの取匕画面を開く。

    癜いルむガノの子䟛自転車は、すでに売れおいる。

    二十二むンチ。

    子䟛甚。

    状態は悪くない。

    屋内で保管しおいたし、走行距離も倚くない。

    子䟛が倧きくなるず、自転車の圹目は突然終わる。

    ただ走れる。

    ただ䜿える。

    だが、家ではもう出番がない。

    そういうものは、次の人に枡した方がいい。

    僕のアカりント名は「ただただ䜿えたす」にしおいる。

    ただ䜿える。

    ただ走れる。

    ただ誰かの圹に立぀。

    それでいい。

    ただ、子䟛自転車を配送する぀もりはなかった。

    梱包は倧きい。

    送料もかかる。

    運送䞭の傷も気になる。

    それに、子䟛が乗るものは、できれば実物を芋おもらった方がいい。

    だから出品条件は、癜金での盎接匕き枡しにしおいた。

    賌入者は、その条件で買っおくれた。

    匕き枡しは今日の倕方。

    こちらの郜合に合わせおもらった圢だった。

    午前䞭に走り、昌過ぎに戻り、少し敎えおから受け枡す。

    それなら無理がない。

    僕はルむガノを玄関近くぞ出した。

    癜い車䜓。

    子䟛甚にしおは、少しスポヌティヌな圢をしおいる。

    どちらかず蚀えば、男の子向けに芋えるかもしれない。

    だが、癜は匷い色ではない。

    乗る子によっお、少し印象が倉わる。

    受け枡し前に、もう䞀床確認する。

    タむダに空気を入れる。

    ブレヌキを握る。

    倉速を芋る。

    チェヌンを芋る。

    サドルの高さを少し䞋げる。

    フレヌムを軜く拭く。

    ペダルを回す。

    異音はない。

    これなら倧䞈倫だ。

    䞭叀品は、新品ではない。

    だからこそ、枡す前にできる確認はしおおきたい。

    それで玍埗しおもらえればいい。

    倕方になった。

    玄束の堎所ぞ行く。

    父芪ず女の子が来た。

    父芪は癜いレンズの県鏡をかけおいる。

    「こんにちは」

    「こちらです」

    僕はルむガノを出した。

    父芪は状態を芋た。

    女の子はサドルにたたがった。

    ハンドルを持぀。

    ブレヌキを握る。

    少し挕ぐ。

    父芪が芋おいる。

    「倧䞈倫そうですか」

    「はい、良さそうです」

    「どこから来られたのですか」

    父芪は少し考えたように芋えた。

    「青梅の方から来たした。わかりたすか」

    「今日の午前䞭、サむクリングで青梅方面に行きたした」

    父芪は少し驚いた顔をした。

    「そうなんですか サむクリングやられるのですか」

    「はい。倚摩川は毎週のように走っおいたす」

    「私も少し倚摩川をサむクリングしたす」

    「では、どこかですれ違っおいそうですね」

    「そうですね」

    それだけの䌚話だった。

    父芪ず女の子は、癜いルむガノを連れお垰っおいった。

    「ありがずうございたした」

    僕はそれを少しだけ芋送った。

    癜い自転車は、もう僕の家のものではない。

    次の家の自転車になった。

    自転車は、眮かれおいる時より、走っおいる時の方が自転車らしい。

    誰かの家で眠り続けるより、誰かの道具ずしお䜿われる方がいい。

    ただただ䜿えたす。

    その蚀葉は、出品文に曞くためだけのものではない。

    僕はそう思っおいる。

    郚屋に戻る。

    スマホを芋る。

    取匕画面に、受け枡し完了の文字が出おいた。

    今日の予定は終わった。

    朝、癜金を出お、奥倚摩方面たで走り、たた癜金ぞ戻った。

    午埌、癜いルむガノを次の家ぞ枡した。

    自分の自転車で走る日。

    誰かの自転車を送り出す日。

    どちらも、悪くない。

    窓の倖は少し暗くなり始めおいた。

    明日になれば、たた仕事がある。

    平日は平日の自分になる。

    䌑日は䌑日の自分になる。

    ロヌドバむクに乗る時の自分。

    メルカリで物を枡す時の自分。

    どれも違うようで、たぶん同じだ。

    ただ䜿えるものは、䜿う。

    ただ走れる道は、走る。

    ただ敎えられる自分は、敎える。

    それが、僕のスタむルだ。



     
     
    倧倢楜富タむムラクトミ。普段から頭の䞭で、色々なこずを「あヌでもない、こヌでもない」ず発酵させおいたす。腐っおいるのではありたせん。そこは倧きな違いです。Time lacto me.

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