門出を祝うハナムケに、不安な心も灯す【癒やしの桜】:桜花物語
~ まえがき ~
本文の文字数:約1,400文字
読了の目安時間:3分
これは、実話をもとに綴る幻想小説です。
文章はAIではなく、私が執筆しています。
全ての画像の著作権者は、絵筆描月です。
画像は、著作者の描画、それを基にしたAI生成画像 ( Gemini )、およびAdobeStock画像を組み合わせ、加筆・修正・編集を行ったものです。
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【 月 と 盾狼 】:003
これは、私への【ハナムケ】にとどまらない。
朔望が込められた【癒やしの桜】なのである。
生きることを諦めたかった絵描き、描月。
描月の ‘ 憎悪 ’ から生まれでた私、伊盾。
描月は私の主ではあるが「人の笑顔を引き出す」創作の同志であり、“ 相棒 ” である。
我々は『咲藤』一家が営むシェアハウス『藤ノ升目家』に身を寄せている。

『藤ノ升目家』の館主、もとい2児の母である美巴から、私は任務を与えられた。それにより「引用の自学」を開始した。これは、未知の世界への冒険に備える “ 盾 ” となるそうだ。
この間、描月は呼吸という義務を必死に果たしながら、かろうじて自分の今を延命させていた。我々は冒険への準備時間が必要だった。
描月の胸に空けられた大きな漆黒の穴。それは ‘ この世の彩りを喰らう空虚 ’ となり、繰り返される ‘ 止まった1日 ’ は歳月をも砕き流した。
夜がくる恐怖と悪夢、引きずり落とされる目覚めの絶望感、繰り返し襲いくる消せない記憶。積もりゆく消失願望に苛まれる歳月 ——— 。
「この苦しみで、だれの心を温められる?」
ウェブ上に傷心や苦痛を発信する人も多いが、描月はそれらへの感情承認を求めない。行わずしも解っているのだ。そうじゃないことを。
その行為は、描月という絵描きを救わない。自分すら救えずして、だれを救えるのか?とも思っているから、ここで自分と戦っている。
漆黒の穴は、絵筆を遠ざけた。だが『藤ノ升目家』にある “ 自心の升目 ” は「ここには居つづけていい」という安堵をくれる。
存在承認があるのだから、それで十分だった。
しかし、消失願望や自己否定は消せずにいる。
描月という絵描きを救う方法は、1つなのだ。
“ だれかの笑顔を引きだせる1枚を描きたい ”
描月は “ 最初のだれか ” を決めていた。それは、隣にいる “ 心実の者 ”。つまり、私へのハナムケを描くと決めていたのだ。
「伊盾は新しいことを学んでる。僕も今まで描いたことがない画風に挑戦しよう。やさしい描写で、ハナムケの桜を添えよう」
しかし、沈みゆく心体を引きずりながら、しばらく奮えずにいた絵筆で、初めて試みる画風 ——— 、理想どおりに描けるはずもなかった。
得意の画風で描けばよいものを・・・。 私はそう思いながら見守っていたが、描月は “ やさしい描写 ” を諦めず、努めつづけて描きあげた。
今なら描けると感じたときを紡ぎ、ときに寝食さえ惜しんで描きつづけ、何度も何度も描きなおし、2か月もの月日を費やして完成させた。
それは、まるで奇人の所業のようだった。
描きあげた描月は、私にこう言った。
「満足はできてないけど、納得した1枚だ」
つづけて自分の想いを伝えてくれた。
「この桜の絵は、門出にたつ人へのハナムケだけど、苦しみを抱えて動けない人も癒やせるように、その想いも込めて描いた」
その桜には、消えない傷を抱えて生きることを受けいれ、必死に立ちあがろうとしている描月の “ 朔望 ” が込められていた。
結果的に私だけへの1枚ではなくなったが、私は本望である。無論、問題などもなく、むしろ “ その方がいい ” とさえ思っている。
私は、未知の世界への冒険準備を終え、出発地点に描月の絵を掲げた。
ここから始める冒険においても、描月は心を癒やす途上にあるが、この世界の激流にのみ込まれずに、我々のペースで志を昇華していく。

1つの空に朔望がある。1つの春にも、門出にたって歩みだす人と、苦しみや悲しみで動けない人がいる。描月は、それを知っている。
どのようなカタチであれば、あなたの日常にそっと寄りそえるだろうか? 我々は、声をあげない人の心にも、届けたいと願っている。
我々の目的は「人の笑顔を引き出す」こと。
我々なりのエンタメ創作と発信で ——— 。
【ハナムケ】と【癒やしの桜】
それぞれの春に、それぞれの桜を・・・🌸

【 月 と 盾狼 】シリーズ目次

1話1,700文字程度の読み切りシリーズ
前の話:002
次の話:004

~ あとがき ~
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読者さまの “ 貴重なお時間 ” をいただきました。私の小説を最後までお読みくださいまして、誠にありがとうございました。

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