
地味な恋愛|正義の翻訳ー上海⑨ー
父は脅すように怒る。
お前も同じレベルでバカなんだぞ。
あんな場末のバーに
金魚のフンみたいに
ついて行って。
怒号をよそに
ジンジンがペプシを持って
肩を抱く。
ワォ
有名人じゃん!
スゴイよ。
新聞載ってる
有名になってるよ。
朋友Aと繰り返し呟いては
笑っていた。
どれくらい経ったのか…
怒号が終わる
いいか。
お前これ見ろよ
新聞なんてクソだぞ。
事件に巻き込まれた友人Aの父親が
上海公安と結託して事件の隠蔽を示唆…
マスコミなんて嘘しか書かねぇ
ってのが、よく分かるだろ。
お前らのあの状況が
簡単に利用されて
このザマだろ。
あの城木ってガキ
日本のテレビにまで出てほざいて
日本の連中
友人Aの父親は俺だって言ったら
たまげてたぞ。
Skypeを立ち上げる
今すごいことなってるよ!
そのほら、言ってた城木ってヤツ
朝のニュースのテレビ出てたよ。
ちょっとかっこよかったけど。
変なやつなんだ?
え?
まあ確かにやばそうな感じはしてたけど…
それよかそっち大丈夫?
上海でも
デモとか起こっちゃったんでしょ?
うん。
こっちは全然…
朱さんが真っ赤になっている。
日本食レストランの
ガラスが割られたのよ。
カルフールで働いていたのは皆中国人なのよ!
デモに近づいた朱さんは怒っていた。
あいつら皆んな上海とは関係ない田舎モンで、行進しながらアイスまで配ってたんだから。
扉を閉じて
机に突っ伏す。
winny
LimeWire
Cabos
ダウンロードが止まらない。
鋼の錬金術師を見ていた。
足でも手でも失くしてみたかった。
父が扉を叩く。
お前は堂々と学校にいけよ!
分かっている。
でも行きたくはない。