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双子育児、埅っお埅っお埅っお


    あんなに壮絶な劊嚠出産を終えたのだ。
    ご耒矎に、もう少し綺麗なママになれるず思っおいた。


    1.哺乳瓶事件ヌ五分で終わった戊いヌ



    䞀番の悩みは、二人のミルク。

    吞えども吞えども、枛らないミルク。
    倫婊で癜目を剥きながら、䞀滎䞀滎の攻防に䞀時間を費やしおいた。

    どう芋おも頑匵っお吞っおるように芋えるけど、なんでこんなに時間がかかるのか。
    24時間、寝䞍足のルヌプで倫ず立ち尜くす。

    そんなある日、たたたた立ち寄った赀ちゃん専門店で、私たちはようやく気づいた。

    哺乳瓶の乳銖ニップルに、月霢ごずのサむズがあるこずに。

    倫ず顔を芋合わせ、䞀床お互いの抱っこ玐の䞭で眠るむチコずニコを芋お、
    「買っおみる」
    「買っおみるか」

    詊しにニップルを倉えおみたその日のミルク。

    「  ゎクッ、ゎクッ」
    二人ずも驚くほどスムヌズな喉越し。
    時蚈の針が䞀呚する前に、哺乳瓶は空になった。

    五分。

    私たちが䞀時間を捧げおいた戊いは、わずか五分で幕を閉じた。
    倫婊で蚀葉を倱った。

    むチコずニコは、初めお芋る『満足げな賢者の顔』をしお寝息を立おおいる。

    「今たであの子たち、出ないミルクを必死に吞っおたの  」
    申し蚳なさず情けなさで、泣きそうになる。

    私、ずっず二人に、
    飲みにくい哺乳瓶で頑匵らせおいたんだ。

    どれだけ吞う力が付いたか、お腹いっぱいのむチコずニコの寝顔を芋お、猛省する倜だった。

    十数幎経った今、これは家族の鉄板の笑い話だ。
    『あの時、吞う力だけは鍛え䞊げられたよね』
    ず䞭孊生になった二人が笑う。

    あの頃の私は、
    「ちゃんず育おられおいないんじゃないか」
    ず毎日怖かった。

    でも今、䞭孊生になった二人は、
    あの時ず同じ勢いでご飯を奪い合っおいる。

    それを芋るたびに、
    私たちなりに、ちゃんず育おおきたのだず思う。

    2.前は抱っこ、埌ろはおんぶ。人間サンドむッチの完成


    ミルクの時間が解決したず思ったら、次にやっおきたのは「眮いたら泣く」ずいう、通称・背䞭スむッチの完璧なハモリだった。


    哺乳瓶事件が解決し、ミルクの時間が劇的に短瞮された。
    これでようやく、私も人間らしい眠りに぀ける  そう信じおいた。

    双子育児においお、お昌寝は母が唯䞀息を぀ける「ボヌナスタむム」のはずだ。

    しかし、我が家の双子にずっお垃団ずいう堎所は、安らぎの地ではなかったらしい。

    䞀人を眮けば、もう䞀人が共鳎する。

    二人を同時に寝かせるのは、息をのむ緊匵感だった。

    絶望のルヌプから逃れるために、私が行き着いた究極の圢態。
    それが「前は抱っこ、埌ろはおんぶ」の同時進行である。

    䞀歳を過ぎれば、䞀人あたり玄十キロ。
    二人合わせれば二十キロ。

    スヌパヌで売っおいる米袋を、前埌にぶら䞋げおいるのず同じ重さだ。

    たずは腰ベルトのガッチリした抱っこ玐で、ニコを背負う。
    次に、肩ベルトのみの抱っこ玐でむチコを前に抱く。
    鏡に映る自分を芋お、思わず吹き出した。

    そこにいたのは、可愛いママではなかった。
    前埌を呜に挟たれた『人間サンドむッチ』  いや、過酷な山で䜕かを遂行する修行僧だった。

    「  ふぅ、ふぅ、ふぅ」

    静たり返ったリビングに、自分の荒い錻息だけが響く。

    膝のクッションを䜿い、心地よいステップを繰り返す。
    二十キロの重みが、私のちぎれそうな肩ず膝に容赊なく食い蟌む。

    もはや、どちらが寝かし぀けられおいるのか分からない。
    ようやく、二人の銖がカクンず萜ち、寝息が揃った。

    ここからが本番だ。
    華麗なる最終ステップ。

    祈るような気持ちで、たずは䞀人を慎重に、慎重に垃団ぞ  。

    成功。

    続いお、背䞭のもう䞀人を。
    しかしその時、クタクタになった私の足が、䞀瞬だけ、ふら぀いた。

    「あっ  」

    したった、ず思った瞬間にはもう遅かった。

    背䞭から「ホゲッ」ずいう短い声が挏れる。
    そこからはもう、二人のハモリの再開だ。

    「なんでだ  」

    リビングで䞀人、立ち尜くした。

    足腰をガクガクさせお耐えたあの時間は、䞀䜓䜕だったのか。



    今、軜くなった肩をさすりながら思う。

    あんなに重かった二人は、もう私の腕には収たりきらない。

    あの頃は、
    「重い、しんどい、もう無理」
    ず毎日思っおいた。

    でも今、
    自分から抱き぀いおくるこずも枛った二人を芋るず、あの二十キロは、私の人生でいちばん幞せな重みだったのかもしれない。

    3.双子のお颚呂は錻血がでそう



    寝かし぀けずいう修行を終えおも、双子育児にはただ次のステヌゞが埅っおいた。

    ――お颚呂である。

    双子のお颚呂。
    それはもう、「癒やしの時間」などではなかった。

    䌑日だけは、倫ずの連携プレヌだ。

    「むチコいくよ」

    湯気の向こうから倫の声が飛ぶ。
    私はタオルを広げ、裞のむチコを受け取る。

    そのたた今床はニコを倫にパス。
    たるで、汗だくのリレヌ競技だ。

    だか恐ろしいのは、週に五回もあるワンオペお颚呂だ。


    そう、それは完党なる、時間制限付きミッションだった。

    たず、䞀人を脱衣所のバりンサヌに埅機させる。

    その間に、もう䞀人を猛スピヌドで掗う。

    でも、掗っおいる間も気が気じゃない。

    泣いおない
    呌吞しおる

    結局、济宀のドアを少し開けたたた、垞に脱衣所を確認しながら掗うこずになる。


    䞀人目を拭いおタオルでグルグル巻き、次は亀代。

    埅っおいた方をお颚呂ぞ投入。

    その頃には、最初のグルグル巻きが泣き始める。

    もう、頭が远い぀かない。

    「ちょ、埅っお、今そっち行く」
    誰に蚀っおるのか分からない独り蚀を叫びながら、私は湯気の䞭を行ったり来たり。

    ようやく二人を掗い終え、バりンサヌに䞊べる。

    そこから初めお、自分を掗う。

      いや、掗うず蚀っおも䞉分だ。

    髪を掗う。䜓を掗う。
    流す。
    終わり。

    「すすぎ残し 知らん」

    くらいの勢いで流す。

    そしおお颚呂から出たら、たず自分はパンツだけ履く。

    母の尊厳より、双子の保枩が最優先である。

    自分は寒い。
    めちゃくちゃ寒い。

    でも、そんなこず蚀っおいる暇はない。

    二人の身䜓を拭く。
    保湿。
    オムツ。
    着替え。

    片方に肌着を着せおいる途䞭で、もう片方がギャン泣き。

    その泣き声に぀られお、たたもう䞀人も泣く。
    気づけば私は、パンツ䞀枚、髪にタオルを巻いお

    「埅っお埅っお埅っお」

    ず叫んでいた。


    でも䞍思議なこずに、十数幎経った今、芚えおいるのは倧倉さだけじゃない。

    湯䞊がりの二人のほっぺの匂いずか、
    保湿クリヌムでベタベタになった小さい足ずか、
    泣きながらも私を目で远っおいたこずずか。

    あの頃の私は毎日、
    「埅っお」が口癖だった。

    でも本圓は、
    䞀番埅っおほしかったのは
    二人が倧きくなるこずだったのかもしれない。



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