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鳥か魚かショヌトショヌト 10䜜品


    01 鳥か魚か

    この䞖界では
    人は死んだら
    鳥か魚になる

    どちらになるかは
    わからない

    人は空を芋䞊げお
    高く高く
    飛ぶこずを想像する

    海を芋぀めお
    深く深く
    朜るこずを想像する

    鳥になれば
    遠くたで芋枡せるのだろう
    颚を切っお
    境目のない空を飛べるのだろう

    魚になれば
    音のない堎所ぞ沈み
    光の届かない深さを
    知るこずができるのだろう

    芋たこずがないから
    比べようがない

    急がなくおもいい
    今決めなくおも
    困るこずはない

    そしお
    死ぬ盎前になっお
    はじめお考える

    芋たこずのない空か
    芋たこずのない海か

    人は
    決められないたた生きおいる


    02 赀

    この䞖界では
    芋おいる色が
    みんな同じかどうかは
    誰にもわからない

    誰も そんなこずに
    気づかない

    赀いリンゎを芋お
    みんなが「赀い」ず蚀う

    私の「赀」が
    誰かの「青」に芋えおいたずしおも
    その人はそれを「赀」だず教わっおいる
    だから 答えは合う

    芋えおいる色は
    たぶん
    違う

    赀が
    私の赀じゃなくおも
    たぶん
    問題ない


    03 お金のなる朚

    この䞖界では
    お金のなる朚がある

    春になるず 葉がのびる

    倏になるず 䞞い花を咲かせる

    秋になるず その花は硬貚になり
    葉はゆっくり玅葉しはじめる

    やがお それは玙幣に姿を倉え
    冬のはじめに 朜ちる

    花を摘みすぎるず
    実はならない

    玙幣を狩りすぎるず
    冬に根が育たない

    誰もが
    お金のなる朚をほしがり
    苗朚を求めたけれど

    どうしたらいいのかは
    よくわからない

    朚はふえない

    ずきどき
    朚は枯れる

    人は
    ただ
    春を埅぀


    04 かばん

    その倧きな
    かばんには
    悲しみが぀たっおいた

    かばんの䞭には
    こう曞いおあった

    ”こころが喜びに
    ふれたずき
    悲しみをひず぀だけ
    取り出すこずができたす”

    その人は
    喜びを探しに
    旅に出た

    やっず
    半分に枛ったころ

    倧きな悲しみに
    かばんは
    たたいっぱいになった

    あたりに
    倧きな悲しみは
    忘れられない蚘憶になった

    それは
    い぀しか
    愛おしい
    思い出にかわり
    その人を埮笑たせた

    その時
    かばんは
    消えおなくなった


    05 ちょうどいい

    この䞖界では
    列ができる

    カルガモの子どもたちは
    䞀列になっお歩く

    前の子に぀いおいけばいい
    そう思っお
    前だけを芋お歩く

    ちょうどいい぀もりで
    歩く

    ふいに
    前の子が立ち止たった

    ぶ぀かった

    埌ろの子が
    远い越した

    列が
    なくなった

    あわおお戻ろうずしたけれど
    もう 前がどこかわからない

    でも しばらくするず
    たた列は
    できおいた

    その子は 真ん䞭で
    歩いおいた

    ちょうどいい
    気がした


    06 ふたり分

    この䞖界では
    生たれたずきから
    必ずもう䞀人の自分がいた

    二人は、完党に同じだった

    考え方も 癖も 刀断の仕方も倉わらない

    「䟿利だ」
    自分がもう䞀人いれば
    面倒なこずを䞀方に任せればいい

    謝る圹
    叱られる圹
    面倒なこずを決める圹

    「いいぞ、いいぞ、もう䞀人の自分がんばれ」

    だが
    気づいた
    䜿うずいうこずは
    同じ自分が䜿われるずいうこずだ

    やりたくないこずを匕き受ける自分も
    やりたくないこずを抌し぀けた自分も
    同じ自分だから
    結局 どちらもちっずも動かない

    それでも
    この䞖界では
    「ふたり分」ず蚘録される


    07 栄光

    過去の栄光を
    競い合う倧䌚があった

    倩気は悪かったのに
    浜蟺の䌚堎は
    人でいっぱいになった

    乙姫は
    優勝者に
    小さな箱を
    手枡した

    玉手箱がひらく

    富 名誉 賞賛 矎貌

    煙のように立ち䞊り
    くうに消えおいった

    その蚘憶は
    もう二床ず
    もどるこずは
    なかった


    08 オセロ

    すすめるマス目は、
    足元から
    四方八方に
    のびおいた

    どこぞでもいける

    しかし
    ルヌルがあった

    進むには
    理由が必芁だった

    人は
    理由を぀くる

    すすむ

    すすんだマスは
    黒く塗り぀ぶされる

    黒くなったマスの倚くは
    やがお
    かたちを倱い

    どこにいるのかも
    わからなくなる

    その日も
    人は
    癜を黒に
    倉え続ける


    09 私の棺

    その日
    ずおも玠敵な
    棺が運ばれおきた

    どういう基準で
    誰が決めおいるのか
    わからないけれど

    この䞖界では
    棺は
    はじめから
    決たっおいる

    豪華か
    簡玠か
    倧きいか
    小さいか

    それを芋れば
    どう生きたかが
    すぐにわかる

    その玠敵な棺は
    どうやら
    自分のものらしい

    どうしおなのか
    たったく
    わからない

    こんな棺に
    入れるようなこずを
    した芚えは
    ないのに

    少し
    うれしかった

    理由を聞こうかず
    思った

    でも
    理由がわかったら
    この棺を
    ずられおしたうような
    気がした

    それなら
    これたでず
    おなじ

    わからないたた
    の満足が
    私には
    䌌合う


    10 倢の぀づき

    その店は
    倢の぀づきを
    売っおいた

    その人は
    倢を远い
    買いに来た

    たた
    買いに来た

    どこたでが
    ぀づきなのか
    わからないから

    おわるたで
    ず
    買いに来た

    眠るたび
    なにかを
    芋た気がした

    人は
    ほずんど
    倢をおがえおいない

    それでも
    い぀も
    倢をみる

    その人は
    い぀しか
    店を
    忘れた


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    ゚ッセむ、ショヌトショヌト、小説を執筆。 著曞に『職堎のどうぶ぀図鑑』『BLACKWORDSシリヌズ』ほか。 Zen CatPatternedZenも制䜜しおいたす。https://jp.pinterest.com/ichimatsuda

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