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アホりドリの空〜自衛隊ラブストヌリヌ〜【第䞃話】じっずこらえおゆくのが男の修行である。 ③

【第䞃話】じっずこらえおゆくのが男の修行である。 再び、連合艊隊叞什長官 山本五十六 ③


「倕陜 どうした」

 突然泣き始めた倕陜に動揺する圌。だめだ、もうこれ以䞊は止め切れない。

「あたし、あたしね  敏生のこずが  」
「タンマ。今その先は蚀うな」
「え  」
「俺は匱みに぀け蟌んで倕陜をモノにするような真䌌はしたくない」
「匱みっお  」
「今の倕陜は、病気で匱っおいるずころを優しくされお揺らいでいるだけ」
「そんなこず  」
 ない、ず蚀いかけお口を噀む。圌はただ知らない。ずうの昔に倕陜が圌ぞの恋を自芚しおいるずいうこずを。

「俺は奜きな女の子のこずが心配で様子芋に来ただけだ。それ以䞊の䞋心はない」

 敏生の手が頬に添えられ、芪指でそっず涙を拭っおくれる。

「初めお䌚った日に蚀っただろ 倕陜のこず正々堂々ず口説き萜ずしおみせるっお。だから早く良くなっお」

 少なくずも自分の前ではどこたでもたっすぐな男。でもずるい。あたしだっおこの溢れる気持ちは吐き出したい。

「ん 䜕か蚀った」
「ううん  。じゃあ、せめお䜕かお瀌させお」
「いいよ、お瀌なんか。俺が奜きで抌し掛けただけだし」
「でも  」

 瞋るように敏生を芋぀めるず、圌は柔らかな笑みを口元に浮かべた。

「じゃあ再来週の金曜日、倕陜のクリスマス・むブを俺にちょうだい」
「え」
「その週は浜束に出匵だけど、金曜日の倕方には戻っお来られるからさ」

 いかに奥手な倕陜であっおも圌の意図は充分に理解できた。この関係を自然な圢で前ぞ進めるのに最も適した日。もちろん、倕陜にずっおもそれは望むずころだ。だから。

「  むブ、だけでいいの」

 拗ねたように銖を傟げおみせる。

「それっお  」

 すごく遠回しな決意衚明だったが、癟戊錬磚の圌は心埗おくれたようだった。

「じゃあクリスマスもいただきたす」
「  ん」

 おどけお小指を絡める二人。茶化さないずお互いどうにかなっおしたいそうだった。でも、この日に限っおはい぀になく倕陜の方の抑えが利かなかった。

「敏生」
「うん」

 倕陜は口元に耳を寄せおきた敏生の襟を掎むず、グッず匕き寄せお圌の頬にキスをした。

「  これもお瀌。今日は来おくれおありがずう。すごく嬉しかった」

 予期せぬ突然の奇襲に、驚きのあたり目を䞞くしお倕陜を芋぀める敏生。やがお理解が䌎っおくるず、盞奜を厩し、ぜりぜりず頭を掻いた。

「えぞぞ。俺、なんか幞せだヌ」
「あたしも  」

 そう蚀うず倕陜は急に恥ずかしくなり、垃団を匕き䞊げお顔を隠した。

「さ、食べちゃおうぜ」
「うん」

 それから敏生はしばらくそばに寄り添っおくれお、お互いの行きたい堎所やお店などをずりずめもなくおしゃべりした。病床ながらそれがずおも楜しくお幞せで。

 ふず気が぀くず既に倜の八時を回っおいた。

「おっず、もうこんな時間か。じゃ、垰るわ。倧人しく寝おいるんだよ 明日も課業埌に寄るからさ」
「うん  」

 ベッドから這い出し、玄関先たで圌を芋送る。

「おやすみ、倕陜」

 圌は倕陜の頭を愛おしそうに撫でるず、振り切るように郚屋を出おいった。パタンず閉たるドアの音が切なくお、倕陜の目にうっすらず涙が滲んだ。
 
           

 ここなら倧䞈倫かな

 キョロキョロず蟺りを芋回し、人気がないこずを確認するず、倕陜は地面に腰を䞋ろしお手提げ袋から必芁なものを取り出した。

 十二月も半ばに差し掛かろうずしおいるが、陜射しが枩かく、心地よい。䌑憩時間終了たであず䞉十分。気合を入れお䜜業に取り掛かる。倕陜にずっおは初めおのこずだったが、始めおから䞉日も経぀ず、コツも掎めおだいぶ慣れおきた。錻歌亀じりに手先を動かす。

 敏生、今頃どうしおいるかな

 空自からの芁請で、パむロット育成を担う浜束基地に二週間匱、臚時教官ずしお出匵䞭の敏生。むンフル゚ンザから埩垰しお、敏生ず䞀緒に飛べたのはたったの䞀日。考えおみるず、圌ず出䌚っおから十日以䞊も䌚えないのは初めおのこずだ。

 今では、圌ずはコミュニケヌションアプリでも頻繁に連絡を取り合っおいるし、倜もどちらからずもなく電話をしおいる。

 でも  足りない。そばに居お欲しい。

 手元を止め、圌の顔を思い浮かべる。

「䌚いたいな  、敏生  」

 誰もいないのを良いこずに、声に出しお呟く。信じられない。たさか、自分にこんな乙女な䞀面があったなんお。

「あれ 倕陜さん」

 突然降っお来た声に、倕陜は慌おふためいた。

「みっ、矎鈎ちゃん」
「こんなずころで䜕しおいるんですか あれ それ  」

 芋぀かっおしたった。察しの良い圌女に蚀い蚳は通甚しない。ここは無条件降䌏あるのみだ。

「えっずね、その、敏生ず玄束したの。クリスマス・むブ  䞀緒に過ごそうね、っお」

 倕陜が顔を真っ赀にしお俯きながら話すず、矎鈎の顔がみるみる茝いた。

「うそヌ きゃヌっ ぀いにですかっ」

 興奮した矎鈎が、倕陜に飛び぀くようにしゃがみ蟌む。

「じゃあ、それは愛しの圌ぞのクリスマスプレれントっおわけですね」
「う、うん  。倉、かな」
「そんなこずないです すっごく玠敵です。門真䞀尉は倕陜さんがくれるものなら䜕でも嬉しいず思いたすよ」

 それから矎鈎はニダッず笑うず、倕陜を芗き蟌んだ。

「でもたあ、䞀番欲しいのは倕陜さん自身だず思いたすけどねヌ」
「ちょ、ちょっず矎鈎ちゃん、蚀い方いやらしい」

 えぞぞヌ、ず舌を出し、額に手を圓おる機付長。

「芚悟、出来たんですね」
「うん。でも  」
「でも」

 矎鈎から芖線を逞らし、手元を膝に萜ずす。

「ただ、䞍安なんだ  。敏生ずそういうこずになったずしお、あたし、どうなっちゃうのかな、っお。今ですら圌のこずで頭が䞀杯なのに、自分を抑えられるか自信が無くお。あたしは戊闘機パむロットなのに  」
「でも奜きなんですよね」
「う、うん」

 矎鈎の県光に気圧され、頷く。

「だったら無理に恋愛感情を抌し止める必芁なんお無いんじゃないですか 恋人同士になっおからでもお互いを高め合うこずは出来たす」

 確かにその通りだ。少なくずも敏生のストむックさを考えるず、二人で身を持ち厩すこずは考えられない。䞀䜓、自分は䜕に怯えおいるのだろうか。

「倧䞈倫ですよ、お二人なら。あたしが保蚌したす。だいたい、今だっお十分恋人同士にしか芋えないですけどヌ あれで付き合っおないっおいうのが信じらんないです」

 やれやれ、ずいった様子で肩を竊める幎䞋の芪友に苊笑する。

「ありがずう、矎鈎ちゃん」

 圌ずの未来がおがろげながらも描けた気がしお、倕陜は手元の䜜業を再開した。
  

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