自分を大切にすることは、誰かのためにもなる|船頭の道しるべ#5
はじめに
家族のために働く。
職場で誰かを助ける。
困っている人に手を差し伸べる。
誰かのために動くことは大切です。
けれど、そのために自分が疲れ切ってしまったら、いつまで続けられるでしょうか。
今回は「自利利他」という考え方から、「自分のため」と「誰かのため」を一緒に考えてみます。
1|そもそも「自利利他」とは?
意味としては
「自利」とは自らの利益、「利他」とは他者の利益を意味する言葉です。
仏教ではより深い意味を持ちますが、この記事では日常生活に置き換えて、
自分を整え、その余裕や成長を誰かのためにも活かしていくこと
と捉えてみます。
つまり、自分の幸せと誰かの幸せは、必ずしも別々のものではない――そんな考え方です。
「舟の語り#5」では、自利か利他か、どちらか一方を選ぶのではなく、二つをどう両立させるかを描きました。
2|空の水筒から、水は注げない
まず「自利」について、物語の一場面から考えてみます。
船頭は二つの水筒を取り出します。
一つは水で満たされ、もう一つは空。
そして男に問いかけます。
「空の水筒から、水は注げるか?」
この場面で
水筒=自分の心や体の余裕
と置き換えます。例えば
・睡眠不足なのに家族のために頑張る。
・仕事で疲れ切っているのに頼まれ事を断れない。
・自分の時間を全部削って周囲を優先する。
最初はできても、長くは続きません。
自分の水筒が空だからです。
3|だからといって、自分だけ満たせばいいわけではない
ただし、「自分を満たす」と「自分のことだけを優先する」は違います。
自分だけが満たされればいいと考えれば、今度は周囲に負担が偏ってしまいます。
自分も、やりたいことに夢中になるあまり、家族との時間を後回しにしてしまったことがあります。
「自分を大切にする」と「自分のことだけを考える」は、似ているようで違うものです。
けれど、「自己犠牲」か「自分本位」か。その二択で考える必要はありません。
自分を整える
→余裕が生まれる
→その余裕を周囲にも渡していく
という、別の航路があります。
4|自分の水筒は、小さなことでも満たせる
では、自分の水筒を満たすには何をすればいいのでしょうか。
旅行や買い物、趣味を楽しむことも、自分を満たす方法の一つです。
でも、もっと小さなことで構いません。
・疲れている日は少し早く眠る
・一人になる時間を10分つくる
・好きな本を読む
・誰かに頼る
・学びたいことを勉強する
・「今日はここまで」と仕事を切り上げる
こうした時間も、立派な「自分の舟を整える時間」です。
ひと息つくことは、航海をやめることではありません。
この先も航海を続けるために、自分の舟を整備する。
そう考えれば、休むことへの罪悪感も少し変わるのではないでしょうか。
5|満たした水を、誰に渡す?
自分の水筒に少し余裕が生まれたら、その余裕を誰かへ渡してみる。
それは、決して大きなことでなくていいのだと思います。
・家族の話を丁寧に聞く。
・職場で困っている人に声をかける。
・自分が知っていることを教える。
・自分の経験を文章にして残す。
物語の中で、船頭はこんなことを言っています。
「私は道を知っているわけではない。」
「少し先を漕いできただけだ。」
「だから、渡せる景色がある。」
自分が経験してきたことも、誰かに渡せるものの一つです。
自分には当たり前の経験でも、これから同じ航路を進む誰かにとっては、道しるべになるかもしれません。
6|今日、自分の水筒を少しだけ満たしてみる
今日、自分の水筒を少し満たすために、何をしますか?
その余裕を、誰に少しだけ渡したいですか?
まとめ|自分も、誰かも乗せて舟は進む
自分を犠牲にし続ける必要はありません。
だからといって、自分だけを満たせばいいわけでもない。
まず、自分の舟を整える。
そこで生まれた余裕を、今度は誰かへ少しだけ渡していく。
自分の舟を整えることは、航海を止めることではありません。
誰かと一緒に、もう少し遠くまで進むための準備なのだと思います。
二つの水筒から、この考え方が生まれた物語はこちら。
この記事を読んで、自分の場合はどうだろうと思った方へ。
自分の現在地や悩みを形にしてみませんか?
コチラからどうぞ。
→「人生の航海図」
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