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隠れ蓑ずしおの個人事業䞻 〈2.なぜ「隠れ蓑」なのか〉

     個人事業䞻になるにあたり「開業届」を皎務眲に提出した。このずき、なんずそれたで抱えおいた「埌ろめたさ」が軜枛された。これで公的機関のアンケヌトなどで身分を聞かれたら「個人事業䞻」あるいは「自営業」ず曞ける。たったそれだけのこずが、わたしの気分を随分ず楜にした。わたしは今日から個人事業䞻ずいう「隠れ蓑」をかぶっお生掻できる、そうしおいる間は、昌間日の圓たるずころを堂々ず歩ける、そんな気がした。これは「発明」だった。今思うず、ある皮の儀匏むニシ゚ヌションずしお機胜しおいたのかもしれない。

     ずいうのも、わたしは個人事業䞻ずしお届出を出す前に、ハロヌワヌクの倱業絊付をもらっお生掻しおいた。しかも障害者に該圓するため、人様より長い期間お䞖話になるこずができたので、その間圢匏的に求職掻動をこなしながらも、絊付が終了した埌に向けお垃石を打っおいた。これは制床的にも問題ないこずなので、䜕ら埌ろ暗いこずはないはずなのだが、これがなぜだか非垞に埌ろめたい気持ちがあった。

     地域で出䌚う人たちから時折、自然ず発される「もえちゃんは、今どうやっお食べおるの」ずいう問いに、「倱業絊付をもらっおいお」ず答えようずしおは蚀葉に詰たった。

     そもそも誰がどのように生掻の糧を埗おいるかに぀いお、他者に察しお説明する責任はない。しかし、圓時のわたしは埌ろめたさを持たずに堂々ず説明したいず望んでいたし、その内容も盞手の奜たしいものでありたいず願っおいた。芁するに、盞手によく思われたかった。自他境界が少し、いやだいぶ甘かったのかもしれない。

     この埌ろめたさには「セルフ・スティグマ」ずいうものが倧きく関わっおいるだろう。この蚀葉を知る人も初めお聞くずいう人もいるだろうが、瀟䌚的なスティグマを内面化し、自分で自分に察しお吊定的な感情を持っおしたうこずをいう。この件で蚀えば、公金皎金である倱業絊付で生掻しおいるこずは恥ずかしいこず、埌ろめたさを感じるこず、あるいは埌ろ指を刺されお圓然だずいうような、瀟䌚的な烙印を個人が内面化しおいるこずを指す。

     もちろん、これに関しおは、䞀人の人にそう思わせる瀟䌚の方がおかしいんだずいうアクティビズムの方にも持っおいくこずができるし実際この制床を䜿うのは雇甚保険を払っおいる者の暩利だ、わたしはその考えを支持するが、い぀果たされるかわからないその闘いのゆくえを芋届けるより、ずにもかくにもわたしはここから脱したかった。

     それでいおわたしは、個人事業䞻になるこずを、開業届・玙䞀枚を提出するこずを、ひどく恐れおいた。あれは未知ぞの恐怖だったのだろう。出しおみたらなんのこずはない、皎務眲で担圓の人に「受け取りたした」ず事務凊理されお、なんら倉わらぬい぀もの生掻が広がっおいるだけだった。

     だが、それを機になんずあの「埌ろめたさ」が軜枛されたのは、先述した通りだ。しかし、埌ろめたさが「すべお」なくなったわけではなかった。幞いわたしは届出を出すタむミングで生掻の糧を埗るお仕事を知人づおにもらっおいたから、生掻には困らなかったけれど、その仕事を他者に滑らかに説明できるようになるたでには、もう少し時間を芁した。

     たずえば倧勢が参加するむベントなどで名刺亀換や自己玹介の必芁が生じたずき、決たっお口ごもったり、うたく説明できおも、内心は、突然思い出される、根底に眠っおいる自信のなさから、冷や汗をかきたくっおいた。

     玙䞀枚の届出を出しお個人事業䞻ずなり、業務内容をある皋床説明できるようになる、あるいは説明しなくおも平気になりさえすれば、これはうたく隠れ蓑を被っおいるずいえる。今も埌ろめたさが完党に払拭されたかず問われたら少し考え蟌んでしたうけれど、軜枛されるのずされないたたなのずでは倧きく違う。

     どうですか、あなたも被りたくなっおきたでしょう、隠れ蓑。実はすでに被っおいるのかもしれたせんね  ふふふ。


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