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5 おかしなラジオ(思い出採掘業 佐々木のこづち提供) 【クリスマス連続ショートショート】

      機械は苦手だ。特に、最新式の機械は。
     父の部屋から、メモと名刺、本を何冊か、印刷物の入った封筒、それからラジオを貰い受けてきた。自分のアパートにとりあえずつくねておいた。
     そしたら、このラジオが勝手に喋る。しかも定時に喋る。タイマーでもついているのかもしれないが、ボタンがわからない。それどころか、オンオフのスイッチすら定かじゃない。何を押してもうんともすんともいわない。

     捨てようかとも思ったが、父のメモが気にかかる。

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     『ラジオをあける』ってなんだろう。
     上に『伝ぴょうを渡す?』とあるから、『ラジオをあげる』の間違いなのかもしれない。封筒の中も探したが、結局伝票らしきものは見当たらなかった。
     もうメモのどちらかにあげたんだろうか。 

     それにしてもこの名刺。

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     どういうことだろう。

     『柊勇人』は亡くなった兄と同じ名前だ。同姓同名だろか。『柊』ということは父の親戚か。親戚なのに同じ名前を避けないのか。悪ふざけだとしたら質が悪すぎる。

     あの、サングラスの人。
     どうして部屋に入ってきたんだろう。泥棒? 名刺渡す泥棒? 『勇人と話をする』ってなに?

     父の机の中にあった名刺を眺める。『佐々木』と『野崎』がある。多分メモに書いてある人だ。


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     「佐々木こづち」の名刺はひっくり返すと別の店になっていた。 


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     この店には見覚えがある。名古屋駅の地下のサンロードにある店だ。歩いている時看板を見た記憶がある。

     伯母から渡されていた父からの手紙はまだ開けていない。
     怖い。読むのが。

     今朝はよく冷える。

    ショートショート No.518

    ラジオ音響制作・朗読:水上洋甫


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    この物語は、12月1日から25日まで毎日更新される、
    お話のアドベントカレンダーです。


    連続ショートショート サンタクロースとねずみの王さま

    目次

    1st week お天気配送業

    12月1日 小さなねずみのはなし(その1)
    12月2日 おかしなラジオ(お天気配送業 柊屋提供)
    12月3日 父親
    12月4日 名刺

    2nd week 思い出採掘業
    12月5日 おかしなラジオ(思い出採掘業 佐々木のこづち提供)
    12月6日 ササキノキッチン

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    小説(ショートショート)を書いています。オンライン文芸コミュニティhoshiboshi運営スタッフ(星々ラジオ担当)。

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