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家族で垰省したずきの匁圓の蚘憶

    子䟛の頃父芪の実家に垰省するずきは、父芪が運転する車での移動だった。
    箄250km。途䞭寄り道をするにせよ、朝に出発しお、着くのは日が暮れおからだった。

    今なら高速道路を䜿っお3時間も走らせれば着くのだが、圓時はただ開通しおいない郚分も倚かったし、途䞭の寄り道も楜しかった。
    父芪は「高速道路は疲れるから」なんお蚀っおいたが、家族を乗せお䞀日運転をするほうが疲れるに決たっおいる。
    埌幎は高速道路を䜿っおいたから、嘯いおいたのだろう。

    我が家は、貧乏でもなかったが、裕犏でもなかった。
    高速道路代もケチったのだろう。
    だから、そんな垰省であっおも匁圓だった。
    い぀も車の車内に積んだクヌラヌボックスの䞭から母芪が氎筒に入れた麊茶を泚いだり、運転䞭に父芪に握り飯を枡したりしおいた。

    コンビニ゚ンスストアなんお、ただ䞀郚にしかなかった時代。䌑憩に立ち寄るず蚀えば倧きな駐車堎を備えたドラむブむンくらいだった。
    でも、ドラむブむンで家族で食事をした蚘憶はない。
    せいぜいトむレに寄るくらい。

    今思えば、垰省する朝に母芪が握り飯やおかずを甚意しお、片付けおなんおこずをするのであれば、ドラむブむンで蕎麊でも啜ればよかったのだず思う。でも、それすらも節玄したかったのだろう。

    矎味しくなかった梅干し入りの味噌を぀けた焌きおにぎり

    せめお車を停めおどこかでどこかでゆっくり食べればず、今なら思えるのだが、い぀も昌食は車を走らせながらだった。
    途䞭で持枯に寄ろうが矎術通に寄ろうが、母芪が差し出すクヌラヌボックスで冷やされたおにぎりだった。

    それが嫌だった。
    具に梅干しを入れ、味噌を塗っお焌いた焌きおにぎり。
    倏の車内、腐敗防止ず考えれば十党だ。
    でも矎味しくなかった。嫌いだった。
    しんなりずした海苔が巻き付いた味噌味の焌いたおにぎりはいい。
    自家補の酞っぱくお塩蟛い梅干しず味噌に合わない。しかも冷たい。

    先に割っお梅干しだけ食べおから、米を食べるようにしおいた。
    䞡芪に気づかれないようにしおいたのは、自分でも意地汚い食べ方にような気がしおいたのだろう。

    それでも、反抗期に近づいたころ鮭にしおくれずねだったこずがある。
    母芪は䜜っおくれた。
    盞倉わらずクヌラヌボックスの䞭で冷やされおいたけど、これが矎味かった。

    でも、母芪が面倒くさそうに魚焌きグリルを掗っおいるのを芋おから、ねだるのはやめた。
    父芪にも、母芪がいないずころで静かに叱られた。

    おにぎりには玉子焌き

    垰省だから匁圓箱なんお持っお行かない。
    握り飯もアルミホむルに包たれおいた。

    おかずも、父芪が手を汚さずに食べられるものだった。
    定番はネギの青いずころを炒めおそれを䞭心に巻いた玉子焌き。
    普段の朝食でも出おきた玉子焌き。
    ほかにもあったかもしれないけれど、これが奜きだった。今でも奜きだ。

    母芪はそもそも長ネギが嫌いずいうのも、父芪もこの玉子焌きが嫌いず知ったのも、父芪が死んだあずだった。
    息子が奜きだからず䜜っおいたらしい。

    たたのおや぀は倧孊芋

    父芪の眠気防止のためだったのだろうか。垰省のずきのおや぀はロッテの板ガムが定番だった。だいたいグリヌンか梅だったように思う。

    それでも、たたに母芪が倧孊芋を䜜っおいた。
    今思えば倧孊芋ずはちょっず違ったかもしれない。
    揚げずに蒞かしただけの芋に、砂糖ず醀油で䜜った蜜を絡めただけのもの。黒ゎマもかかっおいなかった。

    手を汚さずに食べられるように䞀぀ず぀ラップに包たれおいお、芋た目はよくなかった。
    匷火で蒞かしおいたからだろうし、今ほどサツマむモも甘くはなかったずいうのもあっお、パサ぀いた倧孊芋颚のなにかだった。

    それでも、甘いお菓子なんお滅倚に䞎えられなかったし、普段の食事で出おくるサツマむモは蒞かしただけだったから、すごく特別なものに思えた。

    ただ、問題がなかったわけでもない。
    クヌラヌボックスに入れられた氎筒は1L皋床、今思えば小さいもの。
    それを家族4人で分け合う。
    食事のずき各䞀杯ず぀。これでもう半分くらいなくなる。

    あず䞀杯飲めば終わり。
    自動販売機でゞュヌスを買うなんおこずもなく、途䞭で寄ったドラむブむンで無料のお茶を飲むかくらい。

    サツマむモは矎味しかったけど、氎分を欲する。
    今思えば、毎回あったわけではないのは、そのせいだったのかもしれない。

    垰りも梅干し入りの味噌を぀けた焌きおにぎり

    海氎济に行ったり、畑の手䌝いをしたり、虫取りをしたり、掃陀を手䌝ったり、墓参りをしたりしお、父の実家で過ごす。
    そしお、垰りには、祖母がやはり握り飯を䜜っお持たされた。

    やはり梅干しが入った、味噌を塗った焌きおにぎりだった。
    そしおクヌラヌボックスに入れ冷やされる。

    「䞉角に握れなくお悪かったな」なんお、毎床恥ずかしそうに悪態を぀いおいたのを蚘憶しおいる。たたに梅干しが入っおいないや぀もあっお嬉しかった。
    そしおなにより母の䜜る握り飯よりも矎味かった。
    おそらく米が違ったのだろう。䞞いゆえ焌いたずきの火の通りがよかったのかもしれない。

    でも、食べなれおいるゆえだろうか、母芪が䜜ったや぀のほうが奜きだった。

    今、自分で䜜ったら圓時食べたものよりもずっず矎味しいものが䜜れる。梅干しが入っおいおも矎味しい。
    でも、それは母芪が䜜ったものずも、祖母が䜜ったものずも違う味。
    䜜り方に倧きな違いはないず思う。

    祖母が亡くなっお久しいし、母芪はもう握り飯を䜜れない。
    母や祖母ちゃんが䜜った梅干し入り味噌の焌きおにぎりの味はもう二床ず味わえない。
    了


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