
【読書・展示紹介】和の静謐に浸る -「QUIET CLASSIC」展/ 『眠れる美女』/「ケリス・ウィン・エヴァンス展」 - 140字で最近好きなものを語る
『QUIET CLASSIC』展

WALL_ALTERNATIVE(西麻布)で開かれている「QUIET CLASSIC 」は、
和の伝統工芸のエッセンスと現代アートとの融合が美しい展示だった。
扱っている作家も若手が中心だということで、「伝統と革新がどう融合するのか」ということへのインスピレーションを与えてくれる。
静謐さの中に息づく創作表現の色が穏やかかつ鮮やかで美しい、細部までこだわり抜かれた空間だった
(185字)

工芸としての籠編みと、
工業の象徴としての木板を融合させている

銀箔を用いており、
空気や様々な素材との化学変化により
異なる色合いが生まれる様が作品となっている

ひとつとして同じ形はない。
統一性の中に絵画のような多様性が
生まれているのがとても素敵で
じっと見つめてしまった

枝や小石など、作家が拾った小物のための「器」を
漆で制作されている

どちらがどちらの器なのかの逆転が起きるのが
また面白い、と教えていただいた

こちらの方向から見たときと…

雰囲気が変わる。
「視覚の変化による気づき」というスパイスを、
伝統と革新の融合というテーマの展示に
与えてくれている

独特の質感やほんのり香る匂いが、
空間の雰囲気をまた変えている。
座っていいのか悩むけど、座れます!!

アートブックも多くて、時間があるときに
ゆ〜〜っくり眺めたくなった
【展示情報】
「QUIET CLASSIC」
WALL_alternative(西麻布)
2026.03.11- 04.11
18:00 - 24:00
入場無料・予約不要
川端康成『眠れる美女』

川端康成『眠れる美女』。耽美な魅力のある小説に触れたくて読んでみた一作。
読んでみて、その描写の荘厳さに驚いた。情景描写の一つ一つが一点の曇りもなく磨き上げられていて、景色がありありと伝わってきつつも人物の心情がそこはかとなく感じられる。
現実に存在しうるのに、私の眼では捉え得ない鮮烈さを伴って描かれたその筆致に感動せずにはいられなかった
(168字)
実は本編もさることながら、収録されていた短編「片腕」に惹かれた。
霞がかった夜、男はとある女性のもとへ「腕」を借りにいくーー。
夢の中にいるような紫の霞んだ夜の中で、仄かな性愛の香りとぼんやり灯る光が明滅する、そんな雰囲気を持った作品。
描写の一つ一つを味わってシーンの中に浸りたくなるような美しさがあった。
「ケリス・ウィン・エヴァンス展」/ イサム・ノグチ「石庭」

外からのお写真を。
ケリス・ウィン・エヴァンス展。
東京にこんな場所があったのか、と息を呑んだ。イサム・ノグチの建築「花と石と水の庭<天国>」(通称「石庭」)の中に位置する作品は、
その石庭の雰囲気に劣らず、対等に語り合っている。
水音を背景として、吹き出す噴水の描写の文字一つ一つをを光るネオン管で表した作品はまさに圧巻。
巧みな建築空間の持つ力と、いけばな草月流のスピリットを肌にひしひしと感じる。
水の流れが涼しげな中に、
自然と人工との間の静かな対話が存在していた
(212字)
(流石に140字を無視しすぎな気もする)
あの静かな感動を何と言い表せばいいのか、適当な言葉を探してもなかなか見つからない。
身体の中を清らかな水が流れて、
自分の中に溜まっていた澱みが流されてゆくような感覚。
静かな森の中に佇んでいるときと同じあの感覚を、東京の中心部で感じられたことに純粋な驚きがあった。
「石庭」を去った後にも身体の中を流れる時間がゆったりとした静けさを保っているのを感じられる。
和の思想と哲学のみがもたらすことの出来る静寂と安らぎ。
あの空間があれほどのパワーを持ち得たのは、和と現代建築の融合を目指したイサム・ノグチの建築空間の巧みさと、
いけばなという伝統の華道を現代的に革新させてゆくことを目指す草月流の力があってこそなのだな、とひしひしと感じた。

【展示情報】
ケリス・ウィン・エヴァンス展
草月会館1Fエントランス
10:00 - 17:00
日休
入場無料
和の静けさと自然との関わりを愛する
最近、和の文化の「静けさ」みたいなものにとても興味がある。
もともと日本の文化は、特に服飾や色、言葉などが小さい頃から大好きだった。
私は特に平安中期〜室町あたりの文化に関心がある。
昔に大和和紀先生の『あさきゆめみし』にどハマりして、その後源氏物語の世界にどっぷり浸かった。源氏物語絵巻の本をわくわくしながら眺めていたあの頃を思い出す。
今は「侘び寂び」や禅といった文化にも興味が出てきて、日本固有の空間や空気の捉え方、あの「静けさ」とでも呼べるものを空間に見事に演出した室町時代の文化、
特に東山文化のエッセンスをもっと学びたいと思っている。
ついでに、今は日本らしい「自然/環境と人間との関わりかた」みたいなものにも関心がある。
大学の授業で、「里山」という概念は日本特有のものでそれが欧米に紹介された際には新鮮なものとして受け入れられたという話を聞いた。
里山では、人と自然が共生する。
どちらかがどちらかを統制したり支配したりすることはなく、人は自然に手を加えることで自然がよりよい形で循環するようにし、自然の恵みを同時に享受する。
そういった自然と人とが付かず離れずのような中で「共に生きる」といった距離感に興味がある。
そういったものをもっと知りたくて、最近はいけばなを学びたいなと思っている。
昔からガーデニングの本を読むのが好きで、母が取り寄せている雑誌や本を舐めるように読んでいた。
自分の興味にまっすぐでいられることというのは、とても幸福なことだと思う。
以前自分が心から「素敵」だと思っていたものが、しばしの間の忘却を経てもまた思い出されて、それにまた向き合おうと思えること。
そういった自分がもともと抱いていた興味関心の点と点がつながって線になり、
それがまた広がって面になり立体になってゆくこと。
そういう瞬間に出会えたとき、大げさではなく私は「あぁ、生きていてよかったなぁ」と思えるのだ。
…といった感じで、noteではアート/文化/言葉/生活/たまに仕事などの様々なトピックを、
「アートと人文と暮らしの交差点」をテーマに
自由気ままに書いていこうと思っている。
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それでは、今日が良き日となりますように。
春は。/Haru - ha.