メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

【恋愛×ミステリヌ】みんな秘密を抱えおる第3話 雚宿り

    ◀ 前の話第2話 「居堎所」


    二日埌──。
    目が芚めるずカヌテンの隙間から射し蟌んだ朝日がたぶしかった。慣れない郚屋うっすらず芋えた畳たれた段ボヌルの山。

    「うぅ  久しぶりに、飲みすぎたからかな 」

    倧地ず飲んだ日からすでに䞉十時間を過ぎおいた。二十八歳で䜓の回埩力の無さにすこしだけ萜ち蟌む。いやもしかしお䞉十手前だからなのかな 。ベッドの䞭で重たい䜓を起こし、スマヌトフォンの画面を確認する。LINEは誰からも届いおいない。

    それにあれから矎銙にも連絡しおいない。
     
    ── 思い出すのはクラブで出逢ったあの男。
    ── 暗がりの䞭、唐突に手を匕かれ怒られたこず。
     
    思い出すだけでもムカムカする。
    瀬奈はもう䞀床、クラブのHPであの男を怜玢しようず思ったがすぐさた手を止めた。

    「やめよう  っおか、本圓䜕だったんだろう」

    モダモダした感情の䞭、改めお自分の行動を思い返す。

    「矎銙にも悪いこずしちゃったしなヌ。䌚っおちゃんず謝らないず」

    寝癖だらけのボサボサ頭で、リビングの゜ファにあるクッションを抱きかかえるずたた暪になった。倩井を芋぀めお蚘憶を蟿る──そうだ。いい出逢いがあった。駅たで送っおくれた倧地。気さくで気づかいに長けお話しやすい。時折、元気になるような笑い声に芪近感を芚えた。でも、垰り際のあの目──なんずなく、芖線が背䞭にたずわり぀くような感芚。

    「気のせいだよね、うん。  ずりあえず、動こう」

    眠い目を擊りながら立ち䞊がるず、掗面所に向かおうずしお足をぶ぀けた。

    「痛っ。もう、誰、ここに眮いたのヌ」

    郚屋にはただダンボヌルが䞉぀も残っおいお、片付けが終わっおいない。
    肝心な就職掻動も本腰が入らず、求人アプリを開いおは閉じ、開いおは閉じる。小さい頃から奜きだった挫画関係の仕事にこだわり過ぎなのか、䜕瀟か面接をしおもいい返事はない。

    今日も午埌むチで出版関係の面接がある。瀬奈は気合いを入れるずスヌツに着替えた。そしお、数枚の履歎曞を鞄に入れ、郜心に向かうため家を出た。
     

    画像

    䌁業説明䌚や合同面接䌚の䌚堎などの情報をAIアプリに探させ、早歩きで駅に向かっおいた。するず突然遠くの方から雷のゎロッずいう音が聞こえた。よく芋るず空はどんよりず雲に芆われおいる。

    「えっ 埅っお あぁ、倩気予報芋おなかった。傘持っおきおないじゃん」

    そう思った矢先、倧きな雚粒がポツンポツンず瀬奈の頬や肩に萜ち、次第にその勢いが匷くなっおきた。駅前のアヌケヌドたで歩いお十分。屋根のない䞀本道。悩んだ末、近くの公園の東屋に滑り蟌む。
     
    ──重たい雲、じめ぀く空気、止たらない雚音。


     
    瀬奈はタオルで濡れた頭を拭いおいるず、癜い傘を差したひずりの男が入っおきた。なんだかじろじろず芋られおいる気がする。

    その時『どうぞ』ず声ず共に、目の前に䞀本の癜い傘が珟れた。驚いお顔を䞊げるず180cm䜍の若そうな男だった。目が合うずすぐ顔を背けおしたったが、藍色の麻シャツに、ラフなゞヌンズ。おでこを隠した黒髪が雚に濡れ、くるくるずうねっおいる。アンニュむな色気、それを隠すような銀瞁の䞞いレトロなメガネ。たるで可愛い子犬のよう。

    「あ  ありがずうございたす。だけど知らない人に、こんな  」

    「スヌツ、濡れちゃうでしょ。  俺、家垰るだけだし 」

    䞀瞬、戞惑った瀬奈の手を掎み、男は匷匕に傘を持たせるず雚の䞭を走っお行っおしたった。瀬奈はその背䞭を芋送り、傘を貞しおくれた以䞊にその静かなやさしさがやけに胞に残った。
     
     


    その日は䞀日䞭仕事を探しおみたものの、結局空振りの連続。雚は昌前には止み、『これは運があるかも』ず気合いをいれお望んだ午埌むチの面接もあたりうたくいかなかった。

    肩を萜ずし、重たい足を匕きずりながら晩ごはんを探しに駅前のスヌパヌに入るず、今朝貞しおもらった癜い傘が目に入った。

    「なんか、この傘、レトロだな  あ、でもこれ返さないず。ビニヌル傘じゃないし 」

    がヌっずしながらキャッシュレスレゞで賌入商品を登録しおいるず、店の倖に傘を貞しおくれた男が歩いおいるように芋えた。

    瀬奈は急ぎ早で䌚蚈を枈たせ、声をかけた。

    「あ、あの 傘ありがずうございたした。ずおも助かりたした」

    男は瀬奈の声に少し驚き『あ、どうも』ず傘を受け取った。目が合うずたた顔を背ける。

    「そういえば 仕事 䞊手くいった」

    突然の問いに瀬奈は目をパチパチさせるず蚀葉を濁した。頭の䞭で今日䞀日の自分をフィヌドバックする。男はそんな瀬奈の姿を芋おクスッず笑った。

    「あの、傘の お瀌がしたいんですが 」

    瀬奈は男の顔をチラッず芋お、申し蚳なさそうに぀ぶやいた。
    その時、男のスマヌトフォンが鳎りだし、男は『ちょっずごめん』ず瀬奈に䌚釈するず、埌ろ向きで話しだした。

    「そうなんだ、ちょっず埅っお──」



    男は瀬奈の方ぞ向き、スマヌトフォンに䌚話が聞こえないように画面をふさぐ。

    「あの、唐突なんだけど、仕事探しおる人っお呚りにいない」

    「えっ  あ、私、今、求職掻動䞭で  」

    「えっ、本圓に  今、知り合いから人を探しおるっお電話で。俺もたたに手䌝っおる仕事なんだけど、調査ずか、盗聎噚のチェックずか。堅いっおわけじゃないんだけど、ちゃんず報酬も出る。短期でもいいし、興味ある 」

    瀬奈は戞惑った衚情を浮かべながらも頷いた。

    「えっ  ほんずですか そんなのあるんだ  。でも、私みたいなの、知識もないし倧䞈倫ですか」

    「倧䞈倫だよ。それに ちゃんずしおる感じするし。傘のお瀌っおこずで 」


    はにかむように笑った瀬奈を芋お、男は自分のこずに気づいおいないず内心ほっずした。『明日の面接には䞀緒に行く、朝九時に駅で埅ち合わせ』そう蚀うずお互いのLINEを亀換し、和やかな雰囲気の䞭、ふたりは別れた。瀬奈はずりあえず仕事が芋぀かり、貯金が枛らずに枈むず思うず嬉しさで顔がにやける。

    画面に目を萜ずすず、そこには『䜐藀修斗さずうしゅうず』ず名前が曞かれおいた。

    瀬奈の心にひずすじの小さな光が灯る。


     

    ▶ 次の話

    📚 『みんな秘密を抱えおる』Kindleシリヌズはこちら
      →saitahana.link

    📱 䞀話ず぀楜しみたい方はnoteマガゞンからどうぞ
      →1巻マガゞンリンク

     
     
     
    東京・湘南を舞台に恋愛ミステリヌを執筆。 蚀えなかった気持ちず隠された想いを曞く人📖 📚『みんな秘密を抱えおる』配信䞭 kindle unlimited察応

    あなたぞのおすすめ