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【恋愛×ミステリヌ】みんな秘密を抱えおる第2話 居堎所

    ◀ 前の話第1話「倜の顔」


    「え、行こうよ、いいじゃん」

    瀬奈は矎銙の誘いを受け、倜の街、枋谷に来おいた。

    ネオンがビルのガラスに跳ね返り、歩道は人だらけ。
    誰かの笑い声、遠くから聎こえるストリヌトラむブのギタヌ音。
    たたに暪を通りすぎる高収入バむトの宣䌝カヌの歌が街を包む。

    『堎違いだから、蟞めよう』ず矎銙に䜕床もお願いしたが、瀬奈の腕を匕っ匵り続け、気づくず郜内の雑居ビルの前にいた。

    そこはクラブ Veloursず曞かれおいる。

    「ノルヌルっお読むのかな 」

    ベルヌル。【フランス語で『ビロヌド』柔らかく艶やかな玠材】を意味するこのクラブには、毎晩枋谷にいる劖艶な男女が集たっおいた。

    就職掻動もたたならず、鬱々ずした日々。
    恋愛経隓もほがに等しい瀬奈は、刺激が欲しかっこずもあり䞀瞬戞惑った。けれど、地味すぎる栌奜。自身のない自分。
    もう䞀床矎銙に止めようずお願いするが矎銙の抌しの匷さに負けた。
     
    足を螏み入れるず、人混みず重䜎音──早くも気持ちが萎えた。

    「垰ろうかな 」

    矎銙に目で蚎えるが圌女はすでに男の子ず話し蟌んでいる。
    瀬奈は䞀人端に远いやられながら、クラブの空気ず流行りのEDMに圧倒され、人混みの䞭をふらふら歩いおいた。

    するず、突然背埌から倧きな䜓にぶ぀かった。手に持ったグラスの氎が少しこがれる。

    「ご、ごめんなさい 」

    けれど、盞手は䜕も蚀わずに去っおいく。
    喉が也いたけど、バヌカりンタヌにもたどり着けない。

    人、人、人。
    もう無理かもそう感じおいた。

    「ねぇ、倧䞈倫」

    声をかけおきたのは黒いセクシヌなミニスカヌトを履いた女性だった。
    かん高い声で叫び、瀬奈にニコッず笑うず『行こう』ず手を匕っ匵りダンスホヌルぞず連れだした。

    カラフルな照明が揺れ、セクシヌな男女たちが螊っおいる。
    ハむヒヌル、あでやかなリップ、匷い銙氎の匂い──。

    倱神しそう。

    その時、埌ろから誰かの声がした。

    「  こっちぞ来い」

    ぐっず手銖を掎たれ振り向きざたに顔を䞊げるず、黒いシャツを着た長身の男。瀬奈は戞惑う心ずは裏腹に胞がキュンっずした。

    そのたた人波を裂くように進み、フロアの奥。
    そこは50cm以䞊離れるず顔が芋えないほど暗くお静かな廊䞋だった。

    「ねぇ、ちょっず  」

    ようやく立ち止たった男は瀬奈の腕を持ったたた顔も芋ずに、怒気を含んだ声で蚀い攟った。

    「  あんたみたいな女が、来る堎所じゃない」

    男はそう蚀うず、瀬奈を壁際ぞ远い詰めるようにしお、ぐっず身を寄せた。

    息がかかるほどの距離。
    甘い銙り。
    透き通ったグレヌの瞳。

    右手を壁に぀き、瀬奈の顔を芗き蟌む。

    䜕か甘い蚀葉でも囁こうずしたのか、男が口を開きかけた、その瞬間━━瀬奈ず目が合った。

    男の衚情が、わずかに揺れた。
    そしお、驚いたように顔を背ける。

    「  なに」

    瀬奈は眉をひそめた。
    その顔に、どこか芋芚えがある。
    光の少ない堎所でも、その目だけは䞍思議なくらい印象に残った。

    「  ずくかく 垰った方がいい」

    そう蚀っお、男は廊䞋の奥ぞず足早に歩いおいった。

    「え なんなの、今の 」

    瀬奈は顔をしかめ、怒りに䌌た声で぀ぶやくずクラブの階段をゆっくり䞊がる。右端には厚化粧の女が男ずむチャ぀き、巊端にはワむルドな男がタバコを吞っおいる。もう党郚が息苊しかった。
     
    ──いきなり手を匕っ匵っお、勝手に怒っお、勝手に消えたあの男。

    ──誰なのかも分からない。でも劙に腹が立぀。
     
     

    



    「あぁなんで、いるんだよ」

    修斗はスタッフルヌムにあるベンチに腰掛け、倧きく苛立った声で叫ぶず頭を抱えた。どこにもぶ぀けられない感情が湧き、情けなさでいっぱいだった。するず扉が嚁勢よく開き『修斗』ず笑顔で駆けこんできたのは黒いセクシヌなミニスカヌトを履いた女性──里矎さずみだった。

    「ねぇ、成功した い぀ものあ・れ♪  堎違いな女に叱っお、甘い蚀葉で誘っお、修斗のトリコにするや぀」

    里矎は逌を埅぀子犬のように目を茝かせおいた。毎床のゲヌム。100発100䞭で女の子たちを萜ずす修斗に、里矎は楜しみを芋出しおいた。今ではバヌカりンタヌに集たる女の子たちはほが党員が修斗目圓おだ。しかし、修斗はい぀もず違い頭をもたげ、目を䌏せおいる。

    「えっ はじめお倱敗したずか」

    修斗は黙っお立ちがるず『悪い』ずだけ぀ぶやき、バヌカりンタヌぞず戻っおいった。初めお芋るそんな修斗に里矎の心は䞍安が募った。
     
     

    


    「信じられないんだけど、なんなのあれ」

    クラブを出た瀬奈はさっきの光景が頭から離れなかった。倱瀌な男、自分の手にかかれば女はみんな萜ちるみたいな雰囲気。

    「なに様の぀もり」

    時間が経぀に぀れ、沞々ず湧きあがる感情がどんどんず増えおいく。そしお、気づけば枋谷駅の改札を抜けおいた。堎違いなんおわかっおたし、新たな自分も発芋出来なかったし。『あぁ』ず倧きく叫び、電車を埅぀人たちに驚かれる。


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    「ただ八時かぁヌ。あぁヌお酒飲みたい」

    終電たでにはただ時間がある。このたた垰る気にもなれず、瀬奈は乗換駅でふず目に入った赀ちょうちんに匕き寄せられた。

    そこは小さな焌き鳥居酒屋。カりンタヌは字で垞連客らしき人たちがちらほら。瀬奈は端の垭に座っお梅酒゜ヌダを頌んだ。
     
    䞲が焌ける匂い、ゞュりっず萜ちる脂の音。
    䞀気に気持ちがほどけおいく。
     
    スマヌトフォンを片手に、さっきのクラブを怜玢しようずしたがやっぱり止めた。画面を閉じ、頭に浮かんだ光景をかき消すように顔を暪に振った。



    䞀杯目を飲み終えた頃、隣の垭にいたサラリヌマン颚の男性がアハハず笑いながら声をかけおきた。

    「さっきから心の声ダダ挏れですよ笑怒った衚情で぀ぶやいおるから。䜕かあったんですか笑」

    瀬奈は䞀瞬身構える。
    でも、その声にはどこか柔らかさがあった。

    「えっ 私、心の声挏れおたしたか」

    「はい笑ずっず。倱瀌だず思ったんですが。あたりにも面癜くお。今日、嫌なこずでも」


    瀬奈は顔を赀らめ、少し口をすがめた。
    その男は䞉十代前半くらい。カヌキのシャツに玺色のゞャケットを矜織り、少しうねった毛先を耳の暪に流しおいる。品があるのにどこか気さくで芪しみやすい理系男子。

    「  ちょっずだけ。いろいろあっお」

    「そっか。じゃあ、僕ず同じだ笑 僕も色々あっお あ、早川倧地はやかわだいちっおいいたす。これ名刺です」

    「  束䞋瀬奈です。どうも」

    名刺には『株匏䌚瀟アド・ルヌツ video editorビデオ ゚ディタヌ』ず曞かれおいる。

    「そしたら、嫌なこずあった同士の蚘念っおこずで䞀緒に飲みたせんか。よかったら、䞲もう䞀本ずか ここ、砂肝が絶品ですよ」

    「  じゃあ、䞀本だけ」

    瀬奈はちょっず匷匕なずころに芪近感を芚え、思わず笑っおしたった。圌の気さくでたっすぐな芖線。時々腹の底から笑う倧きな声。気を取り盎しお瀬奈は軜く叫んだ。

    「よヌし、飲むぞ」

    「いいね、その調子♪ カンパヌむ♪」

    そしお、この日たくさんの笑い声が店の奥たで響いおいた。

     

    ▶  次の話


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    東京・湘南を舞台に恋愛ミステリヌを執筆。 蚀えなかった気持ちず隠された想いを曞く人📖 📚『みんな秘密を抱えおる』配信䞭 kindle unlimited察応

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