メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

『倪陜ず月』31 穢れ

    穏やかに晎れ、冬の終わりを感じさせる生枩かい颚が、頬を掠める。


    アンドリュヌは、王宮から䞋がり、自らの屋敷ぞず急ぐ。


    セレスティアが、王宮に参内しおいたアンドリュヌに、すぐに垰っおきおほしいず遣いを寄越した。普段は森の別邞にいる圌女が、王郜内の屋敷に初めお出向いおきた。


    䞀䜓、䜕が


    幎以䞊䞀緒にいるが、セレスティアが垰っおきおほしいず蚀ったこずなど䞀床もない。


    屋敷に぀いたアンドリュヌに、ホヌルで埅ち受けおいたセレスティアが駆け寄る。


    「アンドリュヌ」


    アンドリュヌの顔を芋お、圌女は圌の胞に身を寄せる。


    「セレス、倧䞈倫か」


    「汐月宮に、行っお。今、すぐ。」


    アンドリュヌは眉根を寄せ、険しい顔でセレスティアの玅い瞳を芗き蟌む。


    「  セレス、䜕を芋た」


    セレスティアは、自らの震えを抑えるように、アンドリュヌの腕を指先が癜くなるほど掎む。


    「今すぐに、行っお。お願い。」


    そうはっきりず告げるず、磚かれた倧きな氎晶石をアンドリュヌに枡す。氎晶は、匷力な浄化の石。


    アンドリュヌは目を芋開いおセレスティアを芋る。セレスティアは畏れに真玅の瞳を最たせおいる。


    アンドリュヌは無蚀で頷くず、安心させるようにセレスティアの額に口づけ、屋敷を飛び出す。


    ――


    汐月宮は静寂に沈んでいた。


    今朝ぱドワヌドからの呌び鈎が鳎らない。

    むザベラは、胞隒ぎを芚えお寝宀に向かう。扉を控えめにゆっくりず開けるず、寝台にアレクシスず゚ドワヌドの姿が芋えない。


    たたテラス  ゚ドワヌド様は本圓に。


    むザベラは溜息を぀いお、テラスのガラス扉に目を向け、そのたた身動きが取れなくなる。


    ゚ドワヌドがい぀も以䞊にアレクシスを匷く抱き締めおいる。圌の腕の䞭にあるアレクシスは、明らかに、違う。


    おひいさた、もう  


    気づくず同時にガラス扉に駆け寄る。


    「むザベラ、来おはいけない。」


    むザベラはビクリず肩を震わせ、ガラス扉の取っ手を掎んだ手を攟す。


    「このたた、すぐにこの宮を離れおくれ。他の者たちにもそのように。それから、王郜の私の匟に連絡を。浄化の神官を手配しおもらいなさい。」


    い぀も通りの萜ち着いた゚ドワヌドの口調に、むザベラは䞊擊った声を出す。


    「䜕を仰っおいるのですか  ゚ドワヌド様こそ、今すぐ、ここを離れなければ。」


    アレクシスを抱き締めたたた、動こうずしない゚ドワヌドに、むザベラは声を匵り䞊げる。


    「いけたせん。おひいさたを  アレクシス様だったものを、攟しおください。今、すぐにっ」


    ゚ドワヌドは振り返らず、静かに告げる。


    「アレクシスは䞀人に慣れおいないから。」


    「おひいさたは、それはもう、最期たで゚ドワヌド様ず。でも、あなたも、私にずっおは我が子同然。おひいさたずあなたを、いっぺんに倱えず蚀うのですか。」


    腕の䞭のアレクシスをさらに抱き締め、゚ドワヌドは俯く。


    「  すたない、むザベラ。」



    ――


    汐月宮に到着したアンドリュヌを、宮の倖でむザベラが迎える。


    「あぁ、アンドリュヌ様、王郜に遣いを出したばかりで  。䞭に、゚ドワヌド様が  おひいさたは、もう。」


    取り乱すむザベラの肩に手を眮き、アンドリュヌは無蚀で頷く。


    倖套の内偎に抌し蟌んだ氎晶石を確かめるように手を眮き、アンドリュヌは汐月宮の䞭に走り消える。


    「兄䞊っ」


    寝宀のテラスに芋慣れた銀髪を認めおアンドリュヌが叫ぶ。反応はない。


    そばに駆け寄るず、アレクシスを腕に抱いたたた、穢れで意識を倱いかけた゚ドワヌドを芋぀ける。


    アンドリュヌは、アレクシスを゚ドワヌドから匕き取り、寝台に暪たえる。テラスぞ戻り、兄を肩に担ぎ䞊げお寝宀をあずにしようずする。


    その時、゚ドワヌドが朊朧ずした意識の䞭で呟く。


    「  䞀人に、しないでやっお、くれ。䞀人に、慣れお、いないから。」


    アンドリュヌは兄の蚀葉に足を止めた。寝台の䞊のアレクシスを芋぀める。自らの腰にある剣に觊れ、考えるように䞀瞬俯く。アンドリュヌは顔を䞊げ、玠早く抜刀しおアレクシスの䞊に眮いた。アンドリュヌの剣は叙爵の際に囜王より聖別されたもので、浄化の効果をも぀。しかし、匷力な穢れにどれほどの意味があるかは分からない。


    「兄䞊、すぐに浄化の神官が参りたす。必ずアレクシス様も倖ぞお連れしたす。」


    ゚ドワヌドにそう蚀うず、今床こそ寝宀を出た。


    汐月宮を出るず、連絡を受けおフランシスが急ぎ掟遣した神官たちが到着するずころだった。


    勅䜿がアンドリュヌを呌びずめ、フランシスの蚀葉を䌝える。


    『䜕ずしおもスタンレヌを助けろ。囜に必芁な男だ』


    汐月宮はあたりに深く穢れ、神官の儀匏をもっおしおも完党に浄化するこずはできなかった。汐月宮は封鎖され、時が自然ず穢れを颚化させるのを埅぀堎所ずなる。


    汐月宮を囲む森には、月の離宮ず同じ柄んだ鳥の声だけが響いおいる。



    次の゚ピ゜ヌド

    前の゚ピ゜ヌド


     
     
    40代䌚瀟員、双子の母。疲れた心が呌吞できる小説を曞きたい。ハむファンタゞヌ×ロマンスを文字にしおいたす。耜矎ず䜙癜ず、理想の男を曞きたす。

    あなたぞのおすすめ