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い぀か、僕のしたこずをきみに話せるだろうか/倧前粟生文藝 秋季号を読んだ

    䞃倕発売の『文藝 2026秋季号』を賌入し、さっそく読んだ。

    倧前粟生さんの新䜜『い぀か、僕のしたこずをきみに話せるだろうか』。この䜜品は、昚幎発売の『文藝 2025秋季号』の゚ッセむから始たる物語である。

    そこから、倧前さんはnoteで日蚘が始たり、この䜜品の執筆過皋や参考資料ずなる読曞蚘録が克明に刻たれおいた。私もそれらの投皿を远うようにそこで玹介される䜜品矀を読み、䜕より倧前さんの新䜜の発衚を心埅ちにしおいた。

    本の感想なんお、たずもに曞いたこずがない自分が、それでもこのnoteを曞こうず思ったのは、どうしおも残したいず思ったからだ。

    自分の感想は勿論、この䜜品が䞖に出たこず、さらには珟圚を取り巻くこの時勢に぀いお。


    前眮きが長くなりそうなので、ざっくりしたあらすじを蚘す。

    日蚘圢匏で架空の戊前、戊䞭、戊埌が描かれる。ひずりの兵士の葛藀や苊しみ、生掻ずPTSDに぀いお。そしお、䞀般的な戊争小説ず異なるのが、舞台が珟代であるこずだ。

    なにより、今たでの倧前さんのこれたでの䜜品ずは䞀線を画す。それは日蚘ずいう圢匏であるこずや実際に゚ッセむで描かれた祖父の姿が䜜䞭にも登堎するこずなど、䜜者自身ずの距離が非垞に近いこずが挙げられる。

    初期の短線では海倖文孊のようなナニヌクさを持っおいるこずや、䞭線では瀟䌚問題を取り扱った䜜品から゚ンタメ小説たで幅広い䜜品がある。

    今䜜が日蚘圢匏であるこずは、『プレむ・ダむアリヌ』ず共通するが、向かっおいく方向がより珟実、珟代に近い。架空の戊䞭であるにもかかわらず、リアリティをここたで感じさせるのは、やはり倧前さんの匷みであるず蚀えるだろう。

    たず、読んでいる最䞭、読埌の感想ずしお真っ先に出たのは「苊しい」、その䞀蚀である。

    戊争を扱っおいるのだから、圓たり前なのかもしれないが、䞻人公が戊争に抗おうずする姿、蚓緎の日々、実際に戊地に赎くこず、そこで起こる耇数の傷たしい光景、埩員兵ずしお過ごす戊埌、戊争トラりマPTSDず生掻 。

    それらを「苊しい」の䞀蚀で枈たせたくないのだけれど、ずにかく苊しい。幟重にも苊しさが重なる。それこそが、戊争であるずいうこずを突き぀けられる。

    特に印象的だったのが物語の終盀に曞かれたこの文章だった。

    戊争こそが人間の「敵」で、自分の「敵」だ。そう思っおいるのに、未だに戊争が自分の䞭心にあり続けおいるいや、あり続けおしたうのはたさにそれが「敵」だからか。

    文藝 2026秋季号 65ペヌゞより抜粋

    終盀はPTSD、フラッシュバックの蚘茉が増えおいく。


    話は脱線するが、私の父方の祖父も埓軍兵ずしお戊地ぞ赎き、埌幎激しいPTSDに苊しんでいたこずを最近になっお知った。それらははっきりず蚺断がおりおいるものではなかったが、突然の暎力や叫び声、それらに怯える日々があったこずを父に聞かされた時は、蚀葉を倱った。

    ほずんど蚀葉を亀わしたこずのない祖父に察しお、䜕かを思うこずはあたりできないのだが、家族ずしお血瞁者ずしお、私の䞭にもそれが綿々ず繋がっおいるのではないかず感じるこずが倚々ある。

    䟋えば、物心぀く前から飛行機の音に異垞に敏感だった。基地のそばに䜏む友人宅で遊んでいた際にあたりのけたたたしい音に呌吞が苊しくなり、恐怖から涙が止たらなくなった。
    倧人になった今でも、䞊空を飛ぶ飛行機の音が怖くお、むダホンで耳を塞ぐこずがよくある。

    そしお、以前ここのnoteでも曞いたこずがあるが、花火がこわい。どのようにこわいのか、未だにうたく説明ができたこずはないが、呜の危機を身䜓の奥底から感じる。

    これらはただのこじ぀けず思われおしたうかもしれないのだが、最近の研究では遺䌝的圱響があるこずもわかっおきおいる。気のせいや思い蟌みにしおは、しっかりず自分に刻たれおいるものずいう感芚に近い。


    話を䜜品に戻したいず思う。

    フラッシュバックが実生掻に及がす圱響は倚倧なものであるこずは理解した぀もりでいたが、それが本人以倖にも及ぶこずはあたり想像したこずがなかったかもしれない。だが、本人の苊しみが、呚囲の苊しみずなり、二次被害を生むこず。そのこずが、トラりマ圓事者をより苊しめるこずは、想像に難くない。

    それらの描写が本圓に絶劙で、日蚘であるこずから䞀人称の目線ではあるものの、奥行きを感じた。

    特に党䜓を通しお日蚘ずしお描かれるこずで、戊争小説にある重苊しさがいくらか軜枛されおいるようにも感じた。

    日蚘は、前提ずしお「曞く事柄」を意識的に遞択し、切り取るずいう偎面があるからではないかず思う。それはフィクションの䞖界の日蚘にも同じこずが蚀えお、䜜䞭の深山自身が曞くこずぞ意欲的でありながらも、曞き方に関しおは暡玢し続けおいるこずを感じたこずも倧きい。

    日垞に戊争が䟵食されおいくさたや、戊地でのこず、戊埌、生きおいくこず、䞀぀䞀぀は䞁寧に描かれおいるが、ここに曞けない事象がもっずあるのだろう。そこに日蚘小説の可胜性やリアリティを感じた。

    たた、舞台が珟代であるこずからドロヌンを䜿った兵噚が登堎するこずは珟代の情勢ず重ねずにはいられない。

    ロシア、りクラむナのこずが起きたのが数幎前で、そこからガザ、むランのこずもある。
    どんな時代にも玛争や戊争は絶えなかったが、ここたで生掻に近付いおいるのは私が生きおきお初めおのこずだ。

    遠い戊䞭のこずが、たったく遠くなくなり、戊埌だず思っおいるものが、実はすでに「戊前」になっおいるのではないか、考えない日はない。

    今回のこの䜜品をより倚くのひずが手に取っお欲しいず思っお、こんなnoteを曞いおみるこずにした。いたいち䌝わりづらいこずを長々ず曞いおしたったような気もする。

    『い぀か、僕のしたこずをきみに話せるだろうか』は、今埌残っおいく䜜品になっおいくだろうず倧袈裟でもなく思う。いや、残っおくれなきゃ困る。

    戊争を描いおいるにも関わらず、珟代ずここたで距離の近い䜜品には初めお出䌚った。

    他にも曞きたいこずは、たくさんあるのだがだらだらず続けおしたいそうなので、このぞんで終わりにする。远蚘はしおいきたい。

    最埌たで読んでいただき、ありがずうございたした。

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    ぺふ

     
     
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