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どんどん物語がでかくなるんだっおばよ

    第3話 正矩の味方、逮捕される


    朝だった。

    旅先の小さな食堂。

    空手家パパは、出された朝飯を食べながら、がんやりず壁掛けテレビを眺めおいた。

    その画面が、䞍意に速報ぞ切り替わった。

    『続いおのニュヌスです。芆面姿で人呜救助などを行い、SNS䞊で“ブルヌラむン”ず呌ばれおいた男性が、䜏居䟵入および傷害の疑いで逮捕されたした』

    「  ブルヌラむン」

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    画面には、譊察車䞡ぞ乗せられる青い芆面の男。

    二十八歳。

    本名、青柳盎人。

    配送䌚瀟に勀務する、ごく普通の䌚瀟員だずいう。

    ただし、やっおきたこずは普通ではない。

    事故車から人を助け出した。

    火灜珟堎から子䟛を救った。

    暎挢を取り抌さえた。

    半幎ほど前から、倜の街に珟れおは人を救っおきた男。

    䞖間は圌を――ヒヌロヌず呌んでいた。

    「ヒヌロヌなの」

    空手家パパが尋ねる。

    肩の暪を飛んでいた、小さな少女の姿をした粟霊――リュミが銖を傟げた。

    「ニュヌスでは、そう呌ばれおるみたい。でもヒヌロヌっお、本圓の名前じゃないよね」

    「ふヌん」

    今回、ブルヌラむンが逮捕された理由。

    それは、䞀人の女性を救うためだった。

    亀際盞手から暎力を受けおいた女性。

    ブルヌラむンはマンションの窓を砎壊しお䟵入し、男を殎り倒した。

    女性は助かった。

    しかし窓は壊れ、男は顎を骚折した。

    䜏居䟵入。

    噚物損壊。

    傷害。

    テレビの䞭では、様々な声が飛び亀っおいた。

    『ブルヌラむンを釈攟しろ』

    『人を助けたんだぞ』

    『犯眪者をヒヌロヌ扱いするな』

    『結果が良ければ䜕しおもいいのか』

    空手家パパは味噌汁を飲み干した。

    「ヒヌロヌも倧倉だねぇ」

    それだけ蚀っお立ち䞊がる。

    「おばさん、ご銳走様 おいしかったよ」

    「はいよ、たた寄っおね」

    食堂を出た。

    今日も旅の䞀日が始たる。

    ――はずだった。

    胞元で。

    ブルブルッ。

    䜕かが震えた。

    「  」

    魂カヌド《光》。

    空手家パパは嫌そうな顔でカヌドを芋る。

    「なんか、カヌドが震えお嫌な予感がするんですけど」

    「  」

    「リュミさん。今日は倧人しく過ごそうね」

    「うん」

    リュミも力匷く頷いた。

    「今日は平和にいこう。怪しいずころにも行かない。倉なのも远いかけない」

    「それがいいね」

    その瞬間。

    りりりりり――

    消防車が二台、目の前の亀差点を猛スピヌドで通過した。

    続いお救急車。

    通行人たちがスマヌトフォンを芋始める。

    「駅の北偎だっお」

    「マンション」

    「子䟛が萜ちそうっお  」

    リュミは空を芋た。

    ものすごく䞍自然に。

    「  」

    空手家パパも黙った。

    《光》が震えおいる。

    ブルブルブルブル。

    「    」

    数秒。

    「わかったよ」

    走り出した。

    「いくよ 行けばいいんだろ」

    「パパ」

    「呪いのカヌドだ これ」

    「呪いじゃないもん」

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    二人は消防車を远った。

    ◆

    珟堎は十階建おほどのマンションだった。

    人だかり。

    消防隊。

    救急車。

    そしお。

    「あっ」

    高局階のベランダ。

    その倖偎。

    小さな子䟛が、柵にしがみ぀いおいた。

    「うおおおおヌ たずい」

    消防隊員たちは地䞊で救助甚マットを展開しおいる。

    だが、ただ完党には開いおいない。

    空手家パパはマンションぞ飛び蟌んだ。

    「間に合え」

    階段を駆け䞊がる。

    だが途䞭で消防隊員ずぶ぀かりそうになり、足が止たった。

    䞊から悲鳎。

    「いやぁぁぁ」

    時間がない。

    九階。

    廊䞋の非垞甚窓を開ける。

    冷たい颚が吹き蟌んだ。

    数メヌトル先。

    子䟛がいる。

    「よし」

    倖壁ぞ出た。

    现い瞁。

    配管。

    壁の凹凞。

    普通なら、行く堎所ではない。

    だが空手家パパは壁沿いを進んだ。

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    その瞬間。

    足が滑った。

    「うおっ」

    身䜓が宙ぞ攟り出される。

    片手で配管を掎む。

    肩に激痛。

    それでも萜ちなかった。

    しかし――

    子䟛の指が倖れた。

    「あっ」

    萜ちた。

    考える時間などなかった。

    「飛び出すぜ」

    壁を蹎った。

    「䜕も考えおないぜ」

    「パパぁぁぁぁ」

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    リュミの絶叫。

    空手家パパの身䜓も宙ぞ飛び出した。

    萜䞋する子䟛ぞ手を䌞ばす。

    指先が服を掎んだ。

    だが。

    ビリッ

    垃が裂けた。

    届かない。

    地面が近づいおくる。

    救助マットはただ半開き。

    「光ヌ」

    空手家パパは叫んだ。

    「なんずかなれヌ」

    魂カヌド《光》が茝く。

    「それず子䟛を胞の䞭ぞ 受け身できるか」

    萜䞋。

    「五点着地やっおやる」

    「無茶だよぉぉぉ」

    光が爆発した。

    空䞭に、眩い光が広がった。

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    だが。

    光は足堎にはならなかった。

    身䜓は止たらない。

    それでも。

    空手家パパの腕は――子䟛を捕たえた。

    胞ぞ抱き蟌む。

    背䞭を䞞める。

    子䟛だけは。

    守る。

    次の瞬間。

    ドンッ

    二人は救助マットの端ぞ激突した。

    跳ねる。

    地面ぞ転がる。

    党身に激痛が走った。

    「ぐ  」

    声が聞こえた。

    泣き声。

    子䟛だ。

    生きおいる。

    「子䟛  無事か」

    消防隊員たちが駆け寄る。

    「意識あり」

    「䌚話できたす」

    「救急搬送」

    空手家パパの胞元を、小さな手が掎んだ。

    「おじちゃん  ありがずう  」

    「  怪我、ないか」

    返事を聞いお。

    ようやく力が抜けた。

    「倧䞈倫倧䞈倫。おじさん鍛えおたすから」

    身䜓を起こそうずする。

    「いおおお」

    救急隊員が即座に抌さえた。

    「動かないで」

    「ちょっず救急凊眮お願いしたす」

    「九階から萜ちた人が“ちょっず”で枈むわけないでしょう」

    担架ぞ乗せられる。

    そのずきだった。

    近くにいた譊察官の無線から、奇劙な蚀葉が聞こえた。

    『  ブルヌラむンの䟛述した方角ず䞀臎しおるっお』

    空手家パパは目だけを動かした。

    リュミも聞いおいた。

    『通報前から“北東”“子䟛”っお蚀っおたらしい』

    「  」

    リュミが呟く。

    「パパ。ブルヌラむンっお人  ここにいないんだよね」

    「うヌん」

    空手家パパは担架の䞊で考えた。

    数秒。

    「ブルヌラむン、ブルヌラむンっお  おじさんは、ずりあえず治療されおくるわヌ」

    「それが正解」

    ◆

    病院。

    蚺断は重傷。

    幞い、呜に関わる状態ではなかった。

    ベッドの䞊で、空手家パパは魂カヌドを眺めおいた。

    「いろいろできるんだねヌ」

    さっき萜䞋したずき。

    《光》を足堎にしようずしお倱敗した。

    だが、その埌、自分の身䜓ぞ光を通しおみるず、痛みがわずかに遠のいた。

    傷を治すこずはできなかった。

    それでも、䜕かが身䜓を支えおいるような感芚はあった。

    「このカヌドで回埩ずかできないの」

    「治す力があるかは分かんない」

    リュミはカヌドを芗き蟌む。

    「でも《光》っお、照らすだけっお決たっおないんじゃない」

    「なるほどねぇ」

    空手家パパは枕ぞ沈んだ。

    「今日はもう事件が起こらないこずを祈るよ」

    「ほんずにね  」

    倕方。

    病宀のテレビで、昌の事故が報道された。

    子䟛は無事。

    呜に別状なし。

    空手家パパは小さく息を吐いた。

    だが。

    ニュヌスは、それだけでは終わらなかった。

    『なお、別件で逮捕されおいる通称ブルヌラむンが、この転萜事故の発生前に“子䟛”“北東”などず発蚀しおいた可胜性があり、譊察が経緯を確認しおいたす』

    「  」

    空手家パパはテレビを芋る。

    過去の防犯カメラ映像が流れた。

    ブルヌラむンが歩いおいる。

    普通に。

    突然。

    止たった。

    誰もいない方向を芋る。

    数秒。

    そしお――走り出した。

    その数分埌。

    その方向で事件の通報が入ったずいう。

    「ヒヌロヌっお超胜力でもあるんか  」

    空手家パパは腕を組む。

    「いや、黒幕」

    少し考えお。

    「なんお、たさかね」

    リュミも映像を芋぀めおいた。

    「超胜力なのか、䜕か知っおたのか  そこたでは分かんない」

    「この人もカヌド持っおんじゃない」

    空手家パパは自分のカヌドを指で぀たんだ。

    「ぷるぷる、振動するじゃん。ポケベルみたいに」

    「ポケベル  」

    「そこ」

    リュミはしばらく考える。

    「カヌドを持っおるかは分かんない。でも  」

    テレビのブルヌラむンを芋る。

    「パパの《光》がブルブルするのず、ちょっず䌌おる気はする」

    「ふむ」

    「誰かに匕っ匵られおるみたいな」

    そのずき。

    コンコン。

    病宀の扉が開いた。

    譊察官だった。

    「空手家パパさんですね 䜓調が蚱せば、今日の転萜事故に぀いお少しお話を」

    「あ、いいですよヌ」

    譊察官は怅子ぞ座った。

    救助の経緯。

    なぜ珟堎ぞ来たのか。

    なぜマンションぞ入ったのか。

    䞀぀ず぀確認しおいく。

    そしお。

    「もう䞀぀」

    譊察官の声が䜎くなった。

    「珟堎ぞ向かう前、誰かから“子䟛が危ない”ずいう情報を受け取っおいたせんか」

    「いやヌ、ぜんぜん」

    冷や汗。

    「消防の野次銬行ったら倧倉なこずになっおおヌ」

    冷や汗。

    「カヌドずか関係ないですよヌ」

    譊察官のペンが止たった。

    沈黙。

    「  私はただ」

    譊察官が顔を䞊げた。

    「カヌドの話はしおいたせんが」

    「  」

    リュミが䞡手で顔を芆った。

    「その“カヌド”ずいうのは、䜕のこずでしょう」

    「えっず」

    空手家パパは考えた。

    説明。

    非垞に苊手である。

    「すいたせん」

    ベッドから降りる。

    「䜓調がすぐれないので」

    「はい」

    「逃げたす」

    「え」

    「説明は苊手なの」

    「埅っおください」

    重傷患者。

    逃走。

    圓然。

    䞉歩も持たなかった。

    「ぐおっ  」

    廊䞋で膝を぀く。

    「だから重傷なのヌ」

    リュミが远いかけおくる。

    それでも逃げようずしお。

    なぜか魂カヌドを䜿った。

    《光》。

    ピカァァァァァ

    病院の廊䞋が真昌のように茝いた。

    「うわっ」

    譊察官が目を芆う。

    看護垫も目を芆う。

    そしお。

    空手家パパは壁際で動けなくなった。

    沈黙。

    譊察官はゆっくり目を開けた。

    「  分かりたした」

    「  」

    「少なくずも、そのカヌドに぀いおは埌で聞かせおください」

    「  はい」

    リュミが小声で蚀った。

    「パパ  隠すの、ものすごく䞋手だね」

    「カヌドの情報がどんどん挏れおいくヌ」

    空手家パパは頭を抱えた。

    「リュミさんや。このカヌドっお黙っおた方がいいもんなん」

    「むやみに芋せない方がいい、ずは蚀われおたよ」

    「雚宮さんも蚀っおた気がする  」

    「持っおる人を狙う盞手がいるかもしれないし、普通の人には説明も倧倉だから」

    「もう説明どころじゃないよ」

    廊䞋では譊察官が看護垫ず䜕か話しおいる。

    時々こちらを芋る。

    「よし」

    空手家パパは決断した。

    「ずりあえず、寝よヌ」

    垃団ぞ朜る。

    「錯乱しおるずか思われおそうで、぀らい」

    「今日は九階から萜ちお、光っお、逃げようずしお廊䞋で倒れたからね」

    「蚀わないで」

    「寝よ」

    「はい」

    消灯。

    暗くなった病宀。

    枕元にリュミが座った。

    「おやすみ、パパ」

    少し間を眮いお。

    「  明日は絶察、九階から飛ばないでね」

    「おやすみなさい」

    目を閉じる。

    遠く。

    廊䞋のテレビからニュヌスが聞こえおいた。

    ブルヌラむンは、ただ拘束されおいる。

    なぜ事件が起きる前に、子䟛のこずを知っおいたのか。

    なぜ過去にも、通報より早く珟堎ぞ向かっおいたのか。

    超胜力なのか。

    魂カヌドなのか。

    ただ異垞に勘がいいだけなのか。

    䜕も分からない。

    ただ䞀぀。

    今日。

    誰かが「助けお」ず叫んだずき。

    䞀人の男は牢の䞭で、䜕かを感じおいたらしい。

    そしおもう䞀人の男は――

    䜕も考えず九階から飛んだ。

    その倜。

    魂カヌド《光》はもう震えなかった。

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    前の話は💁



    抌忍空手家パパです。

    私のゲヌムやっおくれた人はわかるな。

    この䞻人公なんでもフィゞカルで行きすぎお謎解きができねヌ😂

    謎解きできないからヒヌロヌにも䌚うこずなく終わったわヌ

    本筋に䞀床も絡たないで゚ンディングっお、ある意味すげヌよ🀣

    ず、蚀うわけで、今回のリプレむは終わりたすヌ

    リプレむっおず、疑問に持った方は䞋蚘の蚘事からどうぞヌ💁

    そしお、物語の合間に入っおいる矎しい挿絵は、アプリ『ゎヌストラむティン』のMOMOさんに描いおもらいたしたヌ

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    初登堎若い時のMOMOさん
    タップするずアプリに飛ぶよヌ

    ぜひ、アプリ䜿っおみおねヌ

    むベントもやっおるのでぜひヌ😀

    抌忍

     
     
     
    抌忍医療埓事者、空手家、パパ、そしおAIアプリ職人。 脱力の身䜓操䜜(姿勢道)ずアプリ開発(AI梁山泊)、たたに育児の話を発信䞭。

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