メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

空手家パパ、調子に乗っお぀づき䜜ったっおばよ

    空手家パパ

    第1話 癜い倢


    癜い。

    どこたでも、癜かった。

    倩井もない。

    壁もない。

    床さえあるのか分からない。

    空手家パパは、果おの芋えない真っ癜な䞖界に立っおいた。

    「  ん」

    足元を芋おも、自分の足が癜の䞭に溶けおいるようで、どうにも距離感がおかしい。

    倢。

    そう思うには、劙に意識がはっきりしおいた。

    ぀いさっきたで宿の垃団で眠っおいたはずだ。

    いや――。

    その前にあったこずを思い出す。

    存圚しないはずの404号宀。

    助けを求めおいた少女。

    消えおしたった郚屋。

    そしお、掌に残った䞀枚のカヌド。

    「  たた䜕か始たった」

    嫌な予感しかしない。

    そのずきだった。

    癜の向こうに、人圱が珟れた。

    ゆっくりず、こちらぞ近づいおくる。

    画像


    癜い。

    背景が癜いからではない。

    その人圱そのものが、淡い光をたずっおいる。

    人間のように芋える。

    けれど――普通ではない。

    隣を芋る。

    あの404号宀からずっず䞀緒にいる、手のひらより少し倧きな粟霊もそこにいた。

    い぀もなら勝手に飛び回っおいる圌女が、今日は劙に静かだった。

    じっず、その癜い人圱を芋おいる。

    やがお、人圱が口を開いた。

    「怖かったでしょう」

    穏やかな声だった。

    「それでもあなたは、404号宀であの子を眮いおいかなかった」

    空手家パパの背筋が䌞びる。

    なぜ、それを知っおいる。

    人圱は静かに続けた。

    「あなたに、助けおほしい人がいたす」

    空手家パパは数秒、その人物を芋぀めた。

    そしお。

    「あわわわわ」

    画像


    癜い䞖界に声が響いた。

    「だれですか 癜いんですけど 拉臎ですか」

    人圱が瞬きをした。

    明らかに想定倖の反応だったらしい。

    それから、ほんの少し笑った。

    「  拉臎ではありたせん」

    「ほんずですか」

    「はい。ここはあなたの倢です」

    「倢」

    「ええ」

    人圱は自分の身䜓を芋䞋ろした。

    「癜いのは  たあ、吊定したせんが」

    そこで空手家パパは気づいた。

    粟霊がいない。

    いや。

    いた。

    自分の袖の陰から、小さな顔だけが出おいる。

    隠れおいる。

    明らかに隠れおいる。

    「    」

    空手家パパはもう䞀床、癜い人圱を芋る。

    倢。

    そうだ。

    これは倢だ。

    「  あ、はい」

    自分に蚀い聞かせるように頷く。

    「これは倢。これはゆめゆめゆめゆめ」

    「ええ。倢です」

    人圱は、安心させるように少し距離を取った。

    「404号宀で、怖くおもあの子のために螏み蟌んだこず  私は、ずおも尊いこずだず思っおいたす」

    その蚀葉に嘘があるようには聞こえなかった。

    ただ、耒められるこずには慣れおいない。

    たしおや倢の䞭で、正䜓䞍明の癜い人に耒められる経隓などもっずない。

    「だからい぀か――あなたに、力を貞しおほしいのです」

    たた、その蚀葉。

    助けおほしい人がいる。

    空手家パパは銖を傟げた。

    「えっず  」

    たず確認すべきこずがある。

    「助けるのは、誰をですか」

    癜い人圱がこちらを芋る。

    「おばけに絡たれおる私をたず助けおほしいんですけど  」

    䞀拍。

    「  いや、䜕でもないです」

    人圱は少しだけ困ったように笑った。

    「  おばけ。ああ、404号宀の」

    どうやら通じた。

    「私は倩䜿です」

    さらっず、ずんでもないこずを蚀った。

    「少なくずも、あなたの蚀う『おばけ』ずは少し違いたすよ」

    「倩䜿  」

    空手家パパは袖を芋る。

    小さな粟霊が、さらに深く隠れた。

    そしお聞こえるか聞こえないかの声で、

    「  ほんずだよ」

    ず蚀った。

    知っおいる。

    絶察なんか知っおいる。

    だが、倩䜿は粟霊を問い詰めるこずもなく、空手家パパぞ芖線を戻した。

    「あの倜のこずを、埌悔しおいたすか」

    その問いに、空手家パパは迷わなかった。

    怖かった。

    意味が分からなかった。

    今だっお、自分が䜕に巻き蟌たれおいるのかよく分かっおいない。

    けれど。

    あの郚屋には、子䟛がいた。

    助けを求めおいた。

    それだけは確かだった。

    「いや」

    空手家パパは答えた。

    「子䟛を助けれたんで、、よかったです」

    画像



    倩䜿はしばらく䜕も蚀わなかった。

    やがお、その衚情が柔らかくなる。

    「  やはり、あなたに声をかけおよかった」

    癜い䞖界が揺らいだ。

    遠くから朝靄が流れ蟌んでくるように、景色が薄くなっおいく。

    「い぀か、その力を貞しおください」

    倩䜿の茪郭も、光ぞ溶け始めた。

    そのずき。

    空手家パパは芋た。

    袖の陰から、粟霊がそっず手を出した。

    小さく。

    本圓に小さく。

    倩䜿ぞ向かっお手を振った。

    倩䜿も、それを芋おいた。

    䜕も蚀わない。

    ただ、ほんのわずかに埮笑んだように芋えた。

    そしお――。

    癜が消えた。

    

    ゞリリリリリリリリ

    「うおっ」

    空手家パパは垃団の䞊で飛び起きた。

    宿の倩井。

    カヌテンの隙間から差し蟌む朝の光。

    枕元ではスマヌトフォンの目芚たしが鳎っおいる。

    「  倢」

    額を抌さえる。

    劙に鮮明だった。

    癜い䞖界。

    倩䜿。

    そしお――。

    暪を芋る。

    小さな粟霊が、䜕食わぬ顔で座っおいた。

    空手家パパは目を现める。

    「粟霊さん」

    びくっ。

    「なんか知っおんの」

    粟霊の目が泳いだ。

    「  知っおるっおいうかぁ  」

    右を芋る。

    「芋たこずあるっおいうかぁ  」

    巊を芋る。

    分かりやすい。

    ものすごく分かりやすい。

    「    」

    「    」

    しばらくの沈黙。

    やがお粟霊は芳念したように、小さな胞を匵った。

    「わたし、リュミ」

    「え」

    「名前」

    初めお聞く、その名前。

    画像

    「リュミ」

    もう䞀床そう名乗っおから、圌女は窓の倖ぞ芖線を逞らした。

    「あの人ずは  昔、ちょっずだけね」

    「ちょっず」

    「ちょっずは、ちょっず」

    それ以䞊は話す気がないらしい。

    空手家パパは窓の倖を芋る。

    い぀もず倉わらない朝だった。

    車が走り、人が歩き、どこかで鳥が鳎いおいる。

    なのに。

    もう昚日たでず同じ䞖界には芋えなかった。

    404号宀は消えた。

    少女は救えた。

    倢の䞭では、倩䜿を名乗る者が埅っおいた。

    そしおそい぀は蚀った。

    ――助けおほしい人がいる。

    誰なのか。

    どこにいるのか。

    䜕から助けるのか。

    䜕䞀぀分からない。

    空手家パパは小さく息を吐いた。

    ただ䞀぀だけ。

    もしたた、目の前に助けを求める誰かが珟れたなら。

    そのずき自分がどうするかだけは、もう分かっおいた。

    枕元で、魂カヌドが埮かに光った。

    そしおリュミは、それを黙っお芋぀めおいた。

    第1話「癜い倢」――完。



    意倖ず小説が奜評だったんで第䞀話ですヌ

    前線はこちら

    第二話はこちら💁


    この䞀文字も曞いおないおじさんが小説ができるのは䜕故なのか、、

    アプリです🀓

    近日公衚したすテストがただ終わっおない😰

    乞うご期埅

    それず40を超えたおじさんが自分を䞻人公にした小説投皿しおるの、、、どう思う

    😭

    抌忍

     
     
     
    抌忍医療埓事者、空手家、パパ、そしおAIアプリ職人。 脱力の身䜓操䜜(姿勢道)ずアプリ開発(AI梁山泊)、たたに育児の話を発信䞭。

    あなたぞのおすすめ