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【温泉ファンタジー】Sa・Ga3 温泉の覇者 第35話 核爆弾

    白い雲の中で、三つの影がステロスの進路上へ飛び出した。

    前面窓の外は、ほとんど何も見えない。

    ただ、白い雲の壁の向こうを、小さな黒い影がいくつも横切っている。

    翼。

    尾。

    鋭い爪のようなもの。

    影が通るたび、雲の表面に細い切れ目が走った。

    スパ子
    「……近づいてきてない?」

    メカ
    「接近中。」

    スパ子
    「やっぱり!」

    スパロウ
    「ミニドラゴンか。」

    パー美
    「空だから飛ぶやつ出てきたね〜。」

    ぺーすけ
    「この高度と環境で活動できるなら、かなり特殊な生態ですね。」

    スパ子
    「今は観察してる場合じゃないでしょ!」

    三つの影が、また雲の向こうを横切った。

    今度はかなり近い。

    船体が小さく揺れる。

    メカ
    「敵性反応、接近中。」

    スパロウ
    「迎撃だ!」

    メカ
    「迎撃シマス。」

    ブリッジ中央へ、武装一覧が浮かび上がった。

    主砲。

    副砲。

    対空兵装。

    誘導弾。

    だが、表示された項目はどれも赤く点滅している。

    メカ
    「……武器ガアリマセン。」

    スパ子
    「使えないわね!」

    スパロウ
    「なあ?」

    スパ子
    「何よ。」

    スパロウ
    「アトミックなんたらって項目があるんだが?」

    ブリッジ中央の表示の端に、ひとつだけ目立つ項目があった。

    [地脈制御用超熱核穿孔弾]

    メカ
    「地脈制御用超熱核穿孔弾ちみゃくせいぎょようちょうねつかくせんこうだんデスネ。」

    スパロウ
    「ちみゃくせいぎょ……何?」

    メカ
    「核爆弾デス。」

    スパ子
    「核!?」

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    ぺーすけ
    「なぜそんなものが……?」

    メカ
    「温泉開発用装備デス。」

    スパ子
    「温泉開発の範囲を超えてるわよ!」

    メカ
    「一度、更地ニシテ……。」

    スパ子
    「うるさい!」

    パー美
    「撃てるの〜?」

    メカ
    「否定シマス。」

    スパ子
    「撃てないの!?」

    メカ
    「項目名ノミ残存。弾体ハ存在シマセン。」

    スパ子
    「じゃあ表示しないで!」

    メカ
    「過去ノ武装一覧デス。」

    スパロウ
    「つまり、核爆弾はないのか。」

    メカ
    「アリマセン。」

    スパ子
    「よかった……。」

    メカ
    「必要デスカ?」

    スパ子
    「いらない!!」

    その時、三つの影のうち一つが真正面から近づいてきた。

    白い雲の中から、小さな翼と鋭い頭部が一瞬だけ見える。

    次の瞬間。

    ドンッ!

    船体に何かがぶつかった。

    ブリッジが大きく揺れる。

    パー美
    「うわっ、来た!」

    ぺーすけ
    「外装に取りつかれました!」

    スパ子
    「メカ、何とかしなさい!」

    メカ
    「何トカシマス。」

    スパ子
    「その返事が一番信用できないのよ!」

    再び、船体が揺れた。

    今度は右舷側からだった。

    ギィィィィッ。

    金属を引っかくような音が、ブリッジの壁越しに響く。

    スパ子
    「何の音!?」

    メカ
    「右舷外装パネルニ損傷。」

    スパロウ
    「穴を開けられたのか?」

    メカ
    「否定シマス。未修復ノ整備ハッチヲ、爪デ引キ剥ガサレテイマス。」

    スパ子
    「そこ直してなかったの!?」

    メカ
    「復旧率52パーセントデス。」

    スパ子
    「言い訳に使うな!」

    ギィンッ!

    さらに鋭い音が響いた。

    メカ
    「右舷整備通路、隔壁一部破損。」

    スパ子
    「それ、もう侵入されるやつでしょ!」

    さらに警報音が鳴り響いた。

    [WARNING:敵性反応 艦内侵入]

    スパ子
    「早っ!?」

    メカ
    「敵ハ艦内ニ侵入シテキタ。」

    スパ子
    「セキュリティどうなってんの!?」

    メカ
    「復旧率52パーセントデス。」

    スパ子
    「二回目よ、それ!」

    前面窓の外では、残る二つの影が雲の中を旋回している。

    まるで、こちらの動きを見張っているようだった。

    ぺーすけ
    「一体が侵入。残り二体は外部で牽制、あるいは待機しているようですね。」

    パー美
    「連携してるっぽ〜い。」

    スパ子
    「ミニって言うわりに賢いじゃない。」

    スパロウはカトラスを抜いた。

    スパロウ
    「行くぞ、スパ子!」

    スパ子
    「はいはい!」

    パー美
    「あーしも行く〜。」

    ぺーすけ
    「仕方ありませんね。」

    メカ
    「本機ハブリッジヨリ状況管制ヲ継続シマス。」

    スパ子
    「逃げたわね。」

    メカ
    「適材適所デス。」

    スパ子
    「便利な言葉ね!」

    一行はブリッジを飛び出した。

    通路の照明は赤く明滅している。

    警報音が鳴り、壁の奥で配管が震え、どこかから風のような音が漏れていた。

    ステロスはまだ雲の中を進んでいる。

    窓のない通路でさえ、外の白さが船体の隙間から染み込んでくるようだった。

    パー美
    「なんか寒くな〜い?」

    ぺーすけ
    「外装に隙間ができた可能性があります。」

    スパ子
    「最悪じゃない!」

    メカの声が、通路のスピーカーから響いた。

    メカ
    「敵性反応、右舷整備通路。」

    スパロウ
    「近いな。」

    スパ子
    「急ぐわよ!」

    右舷整備通路へ近づくにつれて、金属を引っかくような音が強くなる。

    ギィ。

    ギィィ。

    ガリッ。

    何かが船内をこじ開けようとしていた。

    床には細かい金属片が散らばり、壁の継ぎ目から白い霧が吹き込んでいる。

    パー美
    「わ〜、雲入ってきてる。」

    スパ子
    「わ〜、じゃない!」

    ぺーすけ
    「気圧差はそれほど大きくありませんが、長時間放置すれば危険ですね。」

    スパロウ
    「つまり、さっさと倒せばいいんだな。」

    ぺーすけ
    「かなり雑にまとめれば、そうです。」

    スパロウはカトラスを構えた。

    スパ子も苦無を握る。

    パー美は軽く指を鳴らし、ぺーすけは眼鏡を押し上げた。

    通路の先。

    白い霧の奥で、何かが動いた。

    ガリッ。

    もう一度、金属が裂ける音。

    そして。

    スパロウ
    「ここか!」

    角を曲がった瞬間、白い霧の向こうから爪が飛び出した。

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    DERAです。 ガンダムやMSについて、好きな機体や勝手な仮説を書いていきます。 走る前から何かがズレるマラソン日記、普通なら流すところに引っかかる雑談、温泉に3分入ると強くなる男の創作ファンタジーを書いています。

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