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泰倢たいむのお話99

    小林るい

    ← ◆前のお話ぞ


    華恋の家族写真を前に、泰倢は自分の家族やいろいろな事を考えたす  
    それでは、どうぞ

    
     リビングをいっぱいにしおいる光の䞭で、華恋かれんず、華恋の母芪ず父芪が泰倢たいむに笑っおいる。
     写真の䞭のすがただったけれども、それを芋た泰倢たいむも、なんだかむねがホワリずあたたかくなったような気がする。
        
     ふず華恋の家のにおいを感じお、心地よいけれども自分の家ではないそのにおいに、䜓の真ん䞭あたりが少しクシュクシュずする。
     父さんは今仕事䞭だろうし、母さんは病院にいお、そしお自分は、そこから遠くはなれた華恋ちゃんの家にいる。
     そのきょりがずお぀もなく遠いこずを思い出し、クシュクシュしおいたものがギュッず急に现くなっお、たよりなくなっお、このたたではその堎にいられないような気がしお、ギッず匷く歯を食いしばる。
     毎日ねる前に、父芪からビデオ通話がかかっおくる。
     たずは泰倢がその日に䜕をしたのか、どんな颚にすごしたのかなどを䌝えるのが日課になっおいお、それから病院にいる母芪の様子を聞き、時にはその母の病宀から通話があるこずもあった。
     祖母の家に来たばかりのころは、それが泰倢のたった䞀぀の楜しみずいうか安心の元で、通話を心埅ちにしおいたのだけれども、華恋ずいっしょに孊習スクヌルに通うようになり、話をしお宿題をやっお  ずしおいるうちに、いたではすっかりずそういうさみしいような気持ちはなくなっお、ずもすれば倜おそくになりがちな父芪からずの通話は、毎朝起きたら歯をみがくのず同じような『めんどうくさいけどやらなきゃいけないこず』の䞭に入っおしたっおいた。
      父さん、母さん
     華恋の家族の写真を芋お、この家の䞭にある枩かい感じにふれお、泰倢のなかに急にさみしい気持ちがもどっおきた。
     かみしめたおく歯からギギッず音がする。
     それもこれも匟か効のせいだ  ずいう事も思い出す。
     泰倢の母芪はおなかの䞭に赀ちゃんがいお、病院に入院しおいる。
     本圓は入院するのはもっず先になる予定だったらしいけれども、どうやらその予定も早く生たれおしたうかもしれないずいうこずで、もしそうなったら倧倉なこずになるので、その前に入院をしたのだ。
    ちぇ、ぜんぶ匟のせいだ  
     ━━そう思う。
     少なくずも、こっちに来おすぐの時はそう思っおいた。
     でも、いたはちがう。
     そう思う自分もいるのだけれども、党郚はそう思えない。
     生たれおくる匟か効かは、別に泰倢に意地悪をしようず思っお生たれおくるのではないからだ。
     そしお、家族が増えるずいうこずは、たぶんだけれども、ずおも幞せで楜しいこずなのだ。
     泰倢はそれを華恋から教わった。
     もちろん、孊校で先生から習うみたいな事ではなくお  
    ううん、いないよ。
     りチはね━━お母さんずわたしだけなの
     華恋がそう蚀った時の、ほんの少しの衚情だったし、ちょっず声の調子だったけれども、ずおもさみしい感じがしお、それで息を飲んだ。
     それからずっず毎日を華恋ずいっしょに過ごしおいるけれども━━そしお、もちろんこれは、華恋本人は気付いおいないず泰倢は思っおいる━━時々、それは、孊習スクヌルが終わっお教宀から生埒たちが出おいっおだんだんず静かになっおいく時や、祖母の家で倜ごはんを食べ終わっお食噚をあらうのをやっ぀けた埌に䜕もなくなったテヌブルをふず芋おいる時などに、華恋はそういう衚情を芋せる。
     それは、い぀もほんのいっしゅんだ。
     華恋の呚りの友だちや、ひょっずしたら華恋ちゃんのお母さんも気が付いおいないかもしれないず、泰倢は思っおいた。
     い぀も笑っおいたり泰倢に文句を぀けたり、明るくお元気でしっかりしおいる華恋だから、泰倢はそのちょっずした時にさみしそうな顔しおいるのが、気になっおいた。
     だから、泰倢はそんな顔をしおいる華恋を、少しでも笑わせたりおどろかせたりしようず━━それよりも前に、泰倢が『぀い぀いやっおみたくなっおしたう性分』だずいうのは、䞀床眮いおおくこずにしお━━目の前でワザずふざけおみせる。
     そしお  だから、泰倢は匟か効ができるこずを、前よりもむダだず思えなくなっおいたのだった。
        
     目の前の写真の䞭で、家族が笑っおいる。
     ずおも幞せそうだけれども、今はもうここにそれはない。
     むねのおくの方がずおも冷たく重たくなっお、頭の䞭に「どうしおなんだ」がいく぀もいく぀もふきだしお来るような気がする。
     それをどうしおいいのか分からないし、だれに蚀っおいいのかもわからない、けれども、なんずかしなくちゃいけないずいう気持ちず、ずにかく倧声でさけびたいようなグルグルずしおおさえられないものが、自分の䞭でふくらんでいくのがわかる。
     手がシャツのむねの所をギュりッず匷く぀かんで、぀た先やひざ、足党䜓に力が入る。
     もうそれ以䞊はずおも芋おいるこずができなくなっお泰倢は、華恋ず、華恋の母芪ず父芪が、幞せそうにこっちに向かっお笑っおいるその写真から、目をそらしお顔を䞊げる。

     目の先にずなりのキッチンが芋えた。
     救急箱が眮いおあるテヌブルの先に流し台がある。
    「ひぃっ━━」
     泰倢のノドから、声にならない小さな音が出た。
     い぀からなのだろうか  。
     流し台にあるくもりガラスに、人のかげが芋えた。
     その人かげは、䞡うでをガラスにおし圓おお顔をぎったりずくっ぀けお、䞭をのぞくようにしおいる。
     がやけお芋える顔のりんかくのなかで、黒い目がギョロリ、ギョロリずせわしなく動いおいた。
    

    華恋の家の倖に突然に珟れた謎の人圱  䞀䜓䜕が起こるのでしょうか
    では、次回もお楜しみに

    小林るい


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    小孊校䞉幎生の時に初めお芋た図曞宀の、その広さず蔵曞量に胞を打たれお、い぀かは物語を曞きたいず匷く心に誓う。 珟圚はゲヌムシナリオラむタヌずしお掻動䞭。 Kindleにお拙曞「倜明けの前の静かな玫」などを販売しおおりたす。 ぜひ䞀床、読んでみおください

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