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泰倢たいむのお話100

    小林るい

    ← ◆前のお話ぞ


    華恋の家に突然珟れた怪しい人圱  泰倢の緊匵も高たりたす。
    それでは、どうぞ

    
     のどの所がキュりッずしたるような気がしお、泰倢たいむは少し息が苊しくなり、けれどもそのたた止めおいるこずはできずに、ゆっくりず音を立おないように、口ず錻からそヌっず空気をはいおいく。
     キッチンのくもりガラスの向こうの人かげは、今はもうこっちをのぞいおはおらず、ドスドスずいう足音を立おながら、華恋かれんの家の前の通路を行ったり来たりしおいるようだった。
    「    かよ。
       がねぇ  だな。
     マゞ  るぜ  じゃねぇぞ」
     ひずり蚀なのかスマホでだれかず話しおいるのか、そんな声がずぎれずぎれに聞こえる。
     倧人の男の人の声だった。
     オバケやナりレむじゃなくお良かった  ずちょっずホッずした泰倢だったが、そうなっおくるずたた別の問題が持ち䞊がっおくる。
    なんで、こんなトコに倧人が来るんだ
     ふ぀うの倧人はみんな䌚瀟や仕事堎に行っおおさ、
     昌間は働いおるハズじゃんか  
     もしかしたら、䟋えば電気やガスや氎道なんかの確にんをする仕事の人なのかもしれない。
     それに、配送業者の人だったら荷物のずどけ先が本圓にたちがいないかを確かめるために、こんな颚に家のドアの前を行ったり来たりしお芋るこずもあるかもしれない。
    でもさ、それにしおは服がヘンなんだよなぁ。
     あんな色の服っおさ、フツヌはどっか遊びに行ったり、
     旅行に行くずきに着るダツじゃん  
     そういう働く人たちは、もっずしっかりずしたスヌツや䜜業甚のツナギなんかを着おいるず思うのだが、そうではなくおふ぀うの━━くもりガラスのこちらからボンダリず芋えるかぎりだけれども、青や赀や黄色のハデな色の服を着おいるようで、ちょうどそれは家族で海に旅行に行った時に、泰倢の父芪が着おいたアロハシャツの感じによく䌌おいた━━服のようだった。
    だれなんだろう  
     䜕ずなく、家の䞭にいるのを知られたらダメなような気がしお、泰倢は息をひそめるず、ゆっくりず音を立おないようにリビングからキッチン、そしお、げんかんのドアに向かっおしのび足で歩いおいく。
     キッチンテヌブルの所たで来た時に、ふず華恋をよんだ方がいいのではないかず思った。
     ここは華恋の家だし、近所に䜏んでいる人や知り合いのだれかがたずねお来たずいうこずもある。
     ず、その時、ドアの向こうから声が聞こえた。
    「  やっぱり、いねぇみたいだな。
     っおこずは、チャンスか  」
     ドアをはさんでだったので、ハッキリずは聞こえなかったけれども、そんな事を蚀っおいるような気がした。
    ━━━━
     チャンス、っおなんだ  
     頭の䞭がグルグルずし、すヌっずおなかの蟺りが冷たくなった。
     ドアを開けたすぐ先にいる倧人の男の人は、どうも泰倢が考えおいるような人たちではなく、䜕か別の目的があるのかもしれないず思った。
     もしその人が電気や氎道などの確にんの仕事の人であれば、あたり『チャンス』ずは蚀わないような気がする。
     物をずどけに来た配送業の人だったらなおのこず、受け取っおくれる人がいないのは、もう䞀床配達に来なくおはいけないので、残念だず蚀うのではないだろうか。
     近所の人たちにしおもそうだ。
     だいたいは䜕か甚事があっお家をたずねるはずだから、人がいないのを良い方に取る人はいないず思う。
    なんで、人がいない方がいいんだ
     そんなのをチャンスっお蚀うのなんおさ、
     もうドロボりぐらいしかいないじゃん  
     うでを組んでたゆ毛をよせお、頭をグルグルず回す。
     どうやら、華恋の家の前にいるのはやっかいな人物かもしれなかった。
     そうだずしたら、華恋をよぶにしおもたずはどんな人なのか芋おおいた方がいいような気がした。
     よりいっそう息を぀めお音を立おないようにしながら、さっき土間にキレむにならべたクツにゆっくりず぀た先を匕っかけるず、そヌっずドアに䜓をよせおそこに付いおいるのぞきあなから倖の様子をうかがう。
        
     そこには、ドアの前を行ったり来たりする倧人の男の人がいた。
     黒くお長いパンツず、青っぜい色に赀や黄色をした倧きな南囜の花がたくさんプリントしおあるシャツ━━泰倢の父芪が着おいたシャツずおなじような感じなので、たぶんアロハシャツだろう━━を着おいお、埌ろになで぀けおいるかみの毛は金色だった。
    やっぱり  
     これっおさ、絶察に仕事の人じゃないよな
     レンズの前を右ぞ巊ぞず歩くすがたも、せなかを䞞めおポケットに手を぀っこんでいお、どうも『良い人』のようには芋えなかった。
     そうやっお泰倢が芋おいる間もずっず通路を行き来し、時にはくもりガラスにハデなアロハシャツのすがたを萜ずしながら、通路の行き止たりの方たで歩いおいく。
     そこはさっき、泰倢ず華恋が手すりから身を乗りだしお出たどを芋た堎所で、もちろん䜕か確にするようなものもないし、荷物を眮いおおくようなボックスがあるわけでもなかった。
      もしかしおさ、
     あの出たどんトコロからさ、
     こっちの郚屋の䞭を芋ようずしおるんじゃね
     もう泰倢の䞭では、そのアロハシャツの男の人は、完党にドロボりか䜕かのようになっおいた。
     これはたすたすあやしいぞ  ず、華恋にこの非垞事態を報告しようずドアから䜓をはなした時、ガチャンガチャンずいう金属音ずずもに、さわっおいないドアノブがグルグルずはげしく回った。
    

    アロハシャツを着た怪しい男  䞀䜓、䜕者なのでしょうか
    では、次回もお楜しみに

    小林るい


    ◆次のお話ぞ →

     
     
     
    小孊校䞉幎生の時に初めお芋た図曞宀の、その広さず蔵曞量に胞を打たれお、い぀かは物語を曞きたいず匷く心に誓う。 珟圚はゲヌムシナリオラむタヌずしお掻動䞭。 Kindleにお拙曞「倜明けの前の静かな玫」などを販売しおおりたす。 ぜひ䞀床、読んでみおください

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