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泰倢たいむのお話93

    ← ◆前のお話ぞ


    泰倢が出窓に倧隒ぎをしおいたころ、今床は華恋が静かなピンチに  
    それでは、どうぞ

    
     倧きなトヌトバッグの䞭をひっかきたわしお、華恋かれんが自分の家のカギをさがす。
     い぀もだったら、家のカギはバッグの䞭にある内ポケットに入れおいるのだけれども、そこにカギはなかった。
     スッず䜓が奥から冷えるような感じになり、少しこたっお泰倢たいむの方を芋る。
     けれども泰倢はこっちの事はお構い無しの様子で、行き止たりのおくにある手すりに足をかけ、䜓を乗り出すようにしお䞋を芋おいた。
    えぇ  り゜でしょ れッタむにここに入れたず思うんだけど 
     ━━そんなぁ、せっかくここたで泰倢くんも連れおきたのに、
     これじゃあ、家に入れないよ  
     内ポケットはファスナヌではなくお、ポケットの真ん䞭をボタンで止めるタむプだ。
     もしかするず、そこから飛び出おどこかに萜ちたのかもしれなかった。
     泰倢の郚屋からじゃり道、぀り橋、バス停━━ず、いろんな景色が頭の䞭でグルグルず回る。
    おばあちゃんちに行く時も党力で走ったし、
     図曞通に急ごうず思っおお、カギの確にんもしおなかったし  
     それに、さっきだっお぀り橋から━━
     ず、逆さたになった川ず空、そしお、ふわっず空䞭にうくような感じが華恋の䜓によみがえっおきお━━思わず目をギュッず぀ぶっお、それをふりはらいたくお、右手をグッず匷く、匷くにぎりこむ。
       だいじょうぶ。ここは家の前。泰倢くんもそばにいる。
     考えるよりも頭にうかぶよりも早く、にぎった右手から華恋の䜓の党郚に『安心』のようなものが広がっおいく。
    萜ち着いお、ちゃんずさがそう  
     カギはバッグの䞭にあるハズなんだもの。
     ━━もし無かったら、おばあちゃんちにもどったっおいいんだから
     息をゆっくりすっお、そしおはいお、もう䞀床バッグの䞭をあらためる。
     孊習スクヌルの教科曞ずノヌト、厚い垃でできたやわらかなペンケヌス、ハンカチやティッシュなんかをたずめお入れおいるポヌチ、氎ずう、もしもの時ようのお金が入った小さなお財垃  いろいろな物が華恋の指先にふれる䞭で、カチャリずいうかたそうな金属音がした。
    ━━━━っ
     やった、あった
     よかったぁ、これで家にはいれる  
     黄色いマスコットのキヌホルダヌが぀いたカギを手にしお、ほっず䞀安心した華恋だったが、出しぬけに聞こえた泰倢の倧声に、思わずそれを萜ずしそうになる。
    「ちょっ  な、なに
     泰倢くん、いったいどうしたの」
     うおぉヌっずさけんでいる泰倢におどろき、䜕かあったのかず華恋があわおおそばにかけ寄る。
    「━━ねぇ、ほら
     ちょっず芋およ、華恋ちゃん
     あそこのトコっおさ  出たどになっおるじゃんか」
     泰倢ず同じ様に手すりの䞋の郚分に足を乗せお、アパヌトのかべの方をのぞきこむず、そこに茶色い金属でできたサッシに囲われたたどがあった。
    「あれ  は、
     わたしんちのたどだけど、
     泰倢くんの蚀っおる『出たど』っお、なに  」
    「うっそヌ、マゞかよ
     華恋ちゃん、知らねヌの
     出たどっおのはさ、出おいるたどのこずじゃん」
     泰倢は䞡手をたえに手すりぞもたれかかり、目をキラキラずさせおこうふんしながら、なんだか圓たり前のこずを蚀いはじめる。
    「オレんちにもさ、出たどがあるんだよね。
     でもさ、そこは父さんが仕事をする郚屋になっおおさ、
     あんたり入っちゃダメなんだよ━━華恋ちゃん、なんでかわかる」
     自分のすぐずなりで、同じように手すりにもたれかかっおいる華恋に、泰倢はちょっず錻をツンずさせながら蚀う。
    「えヌ、そんなこず急に蚀われおも、ふ぀うはわからないよ。
     そうだなぁ  泰倢くんのこずだから、
     きっず、むタズラしおおこられたんでしょ」
    「━━えヌっ どうしお
     華恋ちゃんっおば、
     なんでわかっちゃっうのさ」
     ず、華恋に䞀発で答えを圓おられ、それじゃあ面癜くないじゃんか、ずたゆげを寄せお口をムゥヌず぀き出す泰倢。
    「ちぇ、絶察にわかんないず思ったのに でもさ、
     マゞで、むタズラをしようずしおたんじゃなくっおさ、
     出たどんトコにあった、父さんのプラモを萜っこずしちゃったんだよね」
    「  それっお、
     ふ぀うにむタズラでしょう」
     アパヌト二階の手すりの䞊に䞡うでを乗せお、そこぞ顔を暪にしながら華恋が蚀った。
    「ち、ちがうんだっお
     だっおさ、オレさ、別にプラモのロボットずかどうでもいいんだよ。
     オレはただ、出たどんトコにすわりたかったの」
    「すわる  
     ちょっずむミがわかんないんだけど  そこっお、たどだよね
     たどにすわっお、お父さんのプラモデルをこわしちゃったっおこず」
     あきれ顔の華恋に泰倢がピッず指を立おる。
    「そうそう、それ
     あんなトコに眮いずいたらさ、やっぱゞャマじゃん
     よけたんだけどさ、オケツが圓たっおガシャンっおなったんだよね」
    「だったら、泰倢くんが悪いんでしょ。
       だっお、あそこは『たど』なんだもの。
     りチでも怍朚ばち眮いおるし  だから、すわる堎所じゃないよね」
     たるで小孊校の䜎孊幎の先生が入孊したおの生埒たちに蚀っおきかせる時ように華恋が蚀うのぞ、ちぇヌ、もう党然わかっおないんだよなぁ  ず、泰倢がプりッずほっぺたをふくらめた。
    

    どうやら、泰倢には出窓ぞの特別なこだわりを持っおいるようですね
    では、次回もお楜しみに

    小林るい


    ◆次のお話ぞ →

     
     
     
    小孊校䞉幎生の時に初めお芋た図曞宀の、その広さず蔵曞量に胞を打たれお、い぀かは物語を曞きたいず匷く心に誓う。 珟圚はゲヌムシナリオラむタヌずしお掻動䞭。 Kindleにお拙曞「倜明けの前の静かな玫」などを販売しおおりたす。 ぜひ䞀床、読んでみおください

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