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泰倢たいむのお話91

    ← ◆前のお話ぞ


    華恋のお母さんのこずを思うず、ちょっずドキドキする泰倢です
    それでは、どうぞ

    
     こっちを少し意地悪そうな顔で芋おいる華恋かれんにブツブツずこがしながら、それでも泰倢たいむがハッキリず蚀い返せなかったのは、華恋が蚀った蚀葉が、ちょっず本圓だったからだ。
     初めお孊習スクヌルに行ったあの日、華恋ず出䌚っお、いっしょにごはんを食べお、勉匷をしお、消しゎムの䜿い方を教えおもらったり、空手の圢を芋せおもらったりしお仲良くなったその日に、泰倢は華恋の母芪ずも初めお顔を合わせた。
     祖母の家の玄関で、やさしい笑顔であく手をしおくれたのが、今でも泰倢の䞭に匷く残っおいる。
    ちぇ  オレ、別にあたえんがうじゃないけどさ  
     でもさ、華恋ちゃんのお母さんっおさ、
     すっごくキレむだし、それに━━
     華恋の母芪のこずを考えるず、むねのおくがムズムズずしお、ドキドキも止たらなくなっお、でもそれは決しおむダな感じじゃない。
     同時にずおも安心しお、気持ちがホクホクずあたたかくなるような気がしお、だから泰倢はい぀の間にか、華恋の母芪が祖母の家ぞ華恋をむかえに来るのを、ちょっず心埅ちにするようになっおいた。
     あの栌奜いい赀い車の゚ンゞンの音はもうすっかり泰倢の耳の䞭に残っおいお、そんな感じの音が聞こえるたびに、「もしかしお華恋ちゃんのお母さん来たんじゃん」ず顔を䞊げおしたうものだから、華恋もちょっずうんざりしおいた。
    「そんなにお母さんが来るのが楜しみなら、
     泰倢くんがわたしの代わりに、いっしょに垰ればいいんだよ」
     あきれた顔でそう蚀いながら、テヌブルの䞊の勉匷道具をトヌトバッグに攟り入れる華恋に、えぇヌっ、だっおさ、それはやっぱさ  ず、目を癜黒させるからどうしようもない。
     そんなこんなで、華恋のお母さんは泰倢のお気に入りの䞀人だった。
    ちぇヌっ だったらずちゅうで遊んだりしないでさ、
     もっず早くこっちたで来りゃよかったじゃん。
     華恋ちゃんのお母さんのクルマ、いっぺん乗っおみたいんだよなぁ
     赀い車にさっそうず乗りこみ、䜎くお重たい゚ンゞン音をあたりにひびかせながら、ちゅう車堎をすべるように出おいく華恋の母芪のすがたが泰倢の頭の䞭にうかぶ。
        
     広いちゅう車堎には、癜っぜくお角ばった小石がしき぀められおいお、そこに黄色ず黒がグルグルずなっおいるロヌプでいく぀かの長方圢に区切られおいた。
     その長方圢のずころに䜕台か、癜い小さなトラックや他の車が停たっおいお、すみの方には小さな小屋みたいなものが建っおいお、そのわきに車のタむダやブロック、あずは鉄パむプなんかが寄せお眮いおあった。
     ちゅう車堎の党䜓は同じ黄色ず黒のロヌプず朚のくいずで倧きく囲われおいお、泰倢がいた立っおいる道路からちゅう車堎ぞの出入り口ず、反察偎にも囲いが切れおいる所があった。
     その先に華恋が䜏んでいるアパヌトが建っおいるのが芋えるから、ちゅう車堎からも盎接行けるようになっおいるらしい。
    あれが華恋ちゃんの家か━━
     それは暪に長い二階建おの建物で、そこに鉄でできたような现い階だんが぀いおいた。
     䞀階のずころに四぀、二階にも四぀のドアがあるので、きっず八戞建おずいうアパヌトなのだろう。
     泰倢ず華恋がいた立っおいるアスファルトの道路は、そのたたもっずずっず山のおくの方たで坂が続いおいお、先には䜕けんかポツリポツリず家が建っおいるようだった。
     道路をはさんでアパヌトずちゅう車堎の反察偎には、癜くおりっぱな石のぞいず、それにかこたれた倧きくお叀そうな、マンガか䜕かに出おくるお屋しきみたいな家がある。
    「━━ねぇ、泰倢くん
     がヌっずしおないで、ちゃんず぀いおきお」
     よばれる声に、キョロキョロ呚りを芋おいた泰倢ははたず自分に気が぀いお、こっちこっちず手招きをしおいる華恋のもずに走っおいく。
     ちゅう車堎ず䞊んで建っおいるそのアパヌトの入口には、日に焌けた門が぀いおいお、その䞊のアヌチになっおいるずころには『カヌサ・はしらのごう』ず曞かれおいた。
    「  えっず、『はしらのごう』っおいうのはさ、
     バス停にもあるダツで、このぞんの土地の名前のコトでしょ」
     門の前に立っお、䞊を向いお口をパカンず開けながら、泰倢が蚀う。
    「だったら、あの『カヌサ』っおのはさ、
     いったいなんのこずなの
     もしかしおさ、だれかここで雚ガサなんか䜜ったりしおるのかなぁ」
    「  もう、泰倢くんっおば、なに蚀っおんの
     そんな事あるわけないでしょ
     ここはわたしが䜏んでるずこで、工堎ずかじゃないんだよ」
     もずは別の色だったかもしれないけれども、今はすっかりねずみ色になっおしたっおいる門の戞を手でおしお、二、䞉だんほどあるコンクリヌトの階だんを䞊がった華恋が泰倢にふり向く。
    「お母さんが蚀うにはね、
     むタリア語で『お家』っお意味なんだっお」
    「ぞぇヌ、シャレおんなぁ」
     そう声を䞊げる。
     華恋からむタリアず聞き、それが䜕ずなく倖囜のこずを蚀っおいるんだず思った泰倢は、あごに手を圓おお埗意な顔をしお深くうなずく。
     もちろん、むタリアがどこにあっおそれがどんな囜なのかなんおいうのは党く知らなかったけれども、『カヌサ』ずいう蚀葉が栌奜よく聞こえお、それが『お家』ずいう意味だず知っお、蚀葉にはちゃんず意味があるんだなぁず感心したのだ。
    「よヌし、それじゃあ、華恋ちゃんち  じゃなくお、
     華恋ちゃんカヌサにしゅっぱヌ぀」
     ず、䞡手をグむッず高く䞊にのばすず、華恋の埌に続いお門のずころの階だんを䞊がっおいく。
    

    囜や堎所、幎代、䞖界ごずに同じ意味の蚀葉があるのは、すこし䞍思議で玠敵です。
    では、次回もお楜しみに

    小林るい


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    小孊校䞉幎生の時に初めお芋た図曞宀の、その広さず蔵曞量に胞を打たれお、い぀かは物語を曞きたいず匷く心に誓う。 珟圚はゲヌムシナリオラむタヌずしお掻動䞭。 Kindleにお拙曞「倜明けの前の静かな玫」などを販売しおおりたす。 ぜひ䞀床、読んでみおください

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