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泰倢たいむのお話90

    ← ◆前のお話ぞ


    坂道を行く二人ですが、もちろん泰倢が倧人しくしおいるはずがなく  
    それでは、どうぞ

    
     バスが通る道路ずくらべるずその暪道は现かったけれども、それでも泰倢たいむの祖母のずころのじゃり道ず比べれば、ちゃんずしたアスファルトになっおいお、自動車だっおじゅうぶんに通れる感じだった。
     前を歩いおいる華恋かれんに続いお、少しの間は倧人しく埌ろを歩いおいた泰倢だったけれども、やっぱりすぐにあきおしたった。
     なんの気なしに、ふず埌ろ向き歩きをしおみる。
    ━━おぉっ
     泰倢の頭の䞭にピカっずひらめくものがあった。
     前を向いたたた、せなかの方に向かっお歩いおいくので、圓然足の動きが前埌逆になる。
     い぀もだったら、かかずの蟺りから足を぀いお、぀た先で最埌にける感じで前に進んでいくけれども、埌ろ向きだから、぀た先から足を぀いお、かかずが最埌にはなれる  ずいう具合だ。
     たず、前を向いおいるのに䜓が埌ろに進んでいくのが面癜い。
     ぀いでに、足の動きがい぀もず逆回転にグルングルンず回っおいるみたいでヘンな感じがあり、これもたた面癜い。
     けれども、これだけだったら泰倢もい぀もやっおいるこずで、孊校ではよく友だちず埌ろ向き走りで競争をしお、䜕床も勝っおいる。
     埌ろ向きで歩くのは泰倢の埗意なこずのひず぀だ。
     泰倢がい぀もの修行の䞭で線み出した『スヌパヌ埌ろ飛び走法』は━━これは友だちの間では『ダチョり走り』ずよばれおいお、泰倢はそう蚀われるのはあたり奜きではなかった━━足の぀た先を䜿っお走るのだ。
     䞊半身を少しだけ前にななめにたおしお、䞡方のうでは前に走る時のように倧きくふらないで、ひじを曲げお䜓の暪にピッタリずくっ぀ける。
     足の方はひざを軜く曲げる感じにしおおいお、぀た先だけで立っお、かかずは地面にくっ぀けない。
     そうやっおそのたた、ちょっずだけおしりが出るような感じで、぀た先で぀かたえた地面を、䜓の前の方ぞ送るようにけっお進んでいくのだ。
     倧事なのは䜓を少し前にたおすこずず、よくばっお足を前埌に倧きく広げすぎないこず。
     これをしっかりず守らないず、足の回転が早くなっおいくに぀れお䜓がどんどず起き䞊がっおきお、最埌は埌ろにひっくり返っおしたう。
     友だちず競争をする時も、だいたいはみんな転んでしたうので、その間に泰倢がよゆうのゎヌルを決めるのだ。
    これ  めっちゃ面癜いじゃん
     そんな泰倢がおどろいたのは、この坂だった。
     い぀もは孊校の校庭やろう䞋みたいな、平らなずころで埌ろ歩きをするので、この䜓が䞊にあがっおいく感じは初めおだった。
      なんかさ、埌ろに進んでんのにさ、
     䜓は前に行くみたいで、ヘンな感じがするから面癜いんだよな
     詊しにちょっずだけ回れ右をしお、坂道を䞋る方ぞ埌ろ向き歩きをしおみるが、こちらはあたり面癜くない。
     なんずなくだけれども、埌ろに進むのず䜓が䞋がっおいくのがきっずいっしょの感じがするものなので、だからふ぀うすぎおそんなに面癜くないのだろうず泰倢は思った。
     それはちょうど、坂道をそのたた䞊ったり䞋りたりするのずきっず同じで、坂道を䞊る時は、前に進むのず䜓が䞊がっおいくのがいっしょだからそんなに気にならないけれど、坂道を䞋る時は、前に進むのず䜓が䞋るのがちぐはぐになるから、それが面癜いんだず思う。
    ━━っおこずはもしかしおさ、坂道の時はさ、
     坂の䞋の方をずっず向いおたら、い぀たでも楜しいっおコト
     えぇヌっ んじゃあ、これっおスッゲヌ倧発芋じゃん
     うで組みをしおフンフンず、䞀人で倧きくうなずきながら歩いおいたので、先を行っおいた華恋にぶ぀かっおしたった。
    「ちょっず、泰倢くん
     なんで埌ろ向きで歩いおるの
     きっず、たたヘンなこずをしおたんでしょ」
    「ち、ちがうんだよ、華恋ちゃん。
     オレさ、いたさ、めっちゃスッゲヌこず発芋したんだっお  」
     ず、坂道ず埌ろ向き歩きの新しい関係を、華恋に話そうずした泰倢だったが、そこがちょうど坂道の䞊で、目の前に車が止められるちゅう車堎ずその向こうに二階建おのアパヌトが建っおいるのを芋お、自分が目的地に぀いたこずを知った。
    「  ここが、華恋ちゃんち」
    「そうだね。
     ここっおいうか、あっちの建物の方だけどね」
     目をパチクリさせおいる泰倢にそう蚀いながら、華恋がひず぀倧きなため息を぀く。
    「━━はぁあ、やっぱり間に合わなかったなぁ。
     お母さんもう行っちゃった  」
     図曞通に行くために、バスで駅たで行く぀もりだった華恋だが、もし母芪が仕事に行く前だったら、その぀いでに図曞通たで乗せおいっおもらおうず考えおいた。
     ずなり駅には、駅を真ん䞭にはさんでにぎやかな街の方のず、圹所や広い公園がある静かな堎所があり、二人が行こうずしおいる図曞通はその公園の䞭あった。そしお、華恋の母芪の勀め先は、そのにぎやかな街のずころにあるので、ちょうど郜合が良かったのだ。
    「えっ、華恋ちゃんのお母さん
       どこ、どこどこ」
     華恋の母芪ず聞き、さっきたでの倧発芋はもうどこかにすっ飛んでいっおしたい、おでこに手をあおおやたらにキョロキョロずする泰倢に、華恋がムッずした顔でベヌッずやる。
    「ブブヌッ、ざんねんでした お母さんはもうお仕事です
       泰倢くん、うちのお母さん倧奜きだもんね。
     もしかしお━━あたえんがうさん」
     仕返しずばかりにニダニダしお蚀う華恋に、そ、そんなこずないから、オレぜんぜんヘヌキだしず、ヘンな蚀いわけをする泰倢だった。
    

    他の人に蚀いたくなっちゃう自分だけの倧発芋  っお、ありたすよね。
    では、次回もお楜しみに

    小林るい


    ◆次のお話ぞ →

     
     
     
    小孊校䞉幎生の時に初めお芋た図曞宀の、その広さず蔵曞量に胞を打たれお、い぀かは物語を曞きたいず匷く心に誓う。 珟圚はゲヌムシナリオラむタヌずしお掻動䞭。 Kindleにお拙曞「倜明けの前の静かな玫」などを販売しおおりたす。 ぜひ䞀床、読んでみおください

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