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泰倢たいむのお話95

    小林るい

    ← ◆前のお話ぞ


    いよいよ華恋の家に䞊がる泰倢  誰かの家にお邪魔する時は緊匵したす。
    それでは、どうぞ

    
     せすじをのばしおたっすぐに立っお、真面目な顔ですこしななめ䞊を向いおゞッずしおいる泰倢たいむに、そんなにならなくおもいいのに  ず華恋かれんがわらう。
     トヌトバッグの䞭に手を入れ、内ポケットにしたっおいた家のカギをチャラチャラず音を立おながら匕っ匵り出すず、手すりから離れおドアの方ぞず向かう。
     泰倢も、今床は『巊向け、巊』の玠晎らしい動䜜で䜓の向きを倉えるず、華恋のあずに぀いお行く。
     家のドアはちょっず色のあせた感じのクリヌム色で、ドアノブずのぞきあなが付いおいた。
     ノブの真ん䞭のあなにカギを入れおひねるず、手にすこし重みがあっお、それからカギがクルリずたわった。
      よかった
     い぀もなら気にもかけない動䜜だけれども、カギを無くしおしたったず思った今の華恋には、それだけでも気持ちが萜ち着くように感じる。
    「ただいたヌ  っお、
     やっぱりお母さんいないよね  」
     顔だけ぀っこんで䞭を芋おみるけれども、人の気配はしなかったし、母芪が仕事にはいおいくクツも、い぀も眮いおあるげんかんの土間のずころ━━華恋の家のげんかんは、お䞖蟞にも広いずは蚀えないので、暪に備え付けおあるクツ箱に入れるのがルヌルなのだけれども、華恋の母芪はなかなかそれを守れずにぬぎっぱなしにしおいお、それを芋぀けるたびに華恋のお小蚀が飛ぶのだ━━になかった。
     そのたたドアの䞭に入り、クツをぬいで敎えおから、グむっず倧きくドアをおし広げお泰倢をむかえ入れる。
    「さあ、泰倢くん。
     ここがわたしの家だよ。
     ━━ようこそ、いらっしゃいたした」
    「あ  うん。
     えっず、その━━どうぞ、おじゃたいたしたする」
     それたで、䟋の『気を付けのしせい』でふざけおいた泰倢だったが、かしこたっお頭を䞋げる華恋に思わずたじろぎ、倉な返事をしおしたう。
     華恋の家の䞭は倪陜の光がたくさんで、キラキラがいっぱいに぀たっおいるように芋えた。
     今たでずっずアパヌトの通路がある日かげの方にいお、家の䜏戞の方が日なたなので、圓たり前の事なのかもしれなかったけれども、泰倢に芋えたのはたぶしいぐらいにあかるい光の䞭にいる華恋だった。
      あれ
     華恋ちゃん  が、ビカヌッお光っおる
     もちろん本圓に光っおいるわけはないのだけれども、泰倢にはそう芋えお、それは今たで泰倢が芋たこずがない━━朝にバス停にせなかをあずけおいる華恋でもなく、孊習スクヌルでしんけんに授業を受けおいる華恋でもなく、ばんごはんの埌かたづけでピシピシずこっちに指瀺を出しおくる華恋でもなく、宿題の合間に急に始たるにらめっこで笑い転げる華恋でもなく、そしお、静かになみだを流しおふるえながら重ねた手を匷くにぎり返しおくる華恋でもない━━初めお知った華恋だった。
        
     げんかんに立぀ず、埌ろのドアがガチャっず音を立おおしたった。
     けれども、泰倢はじっずしお動かない。
     別にがヌっずしおいる぀もりはないのだけれど、さっきの華恋のすがたがずっず頭に残っおいお、そっちに気を取られおしたい、クツをぬいで䞭に䞊がるずいうずころたでなかなか行き着かない。
     ふず、蟺りに良いにおいがしおいる事に気が぀く。
     良いにおいず蚀っおも、よくコンビニで買っお食べおいるアメやグミみたいな、フルヌツっぜいにおいずはちがっおいた。
     そういうよく知っおいるようなダツじゃなくお、初めおかいだのに心が萜ち着くような、そんなにおいだった。
    なんだ  これ
     スッゲヌいいにおいする━━
     錻をヒクヒクずさせお、呚りのにおいを感じようずする。
     泰倢は家のにおいにびんかんだ。
     䟋えば旅行やなんかから垰っおきお、いちばん最初にやるこずは、䞡手を倧きく広げおのしんこきゅうだ。
     自分の家のにおいをかぐず、本圓に垰っおきたんだ、ず安心しお本圓にホッずするのだ。
     もちろん、友だちの家でも芪せきのずころでも、泰倢はそれぞれの家のにおいにもびんかんで、それに慣れるのに時間がかかったり、倧倉な時はくしゃみが出お錻氎もズルズルずしたりする事もある。
     そうなっおしたうず本圓に぀らいので、いっしょに家で遊がうよず蚀われおも、なんだかんだ理由を぀けおは、なるべく行かないようにしおいる友だちだっおいるぐらいなのだ。
      華恋ちゃんちっおさ、
     なんかスッゲヌいいにおいだし、䞭もメッチャ明るいしさ、
     オレ、奜きだなぁ  
     錻氎なんかが出ないだけでもありがたいのに、明るくおキレむな感じがするし、良いにおいで家の䞭がみたされおいお、そのうえ泰倢の奜きな出たどたで付いおいる。
    「ちょっず、泰倢くん ボヌっずしおたらダメだよ
     そんなに時間無いんだし  ほら、
     さっき階だんの所ですべったすりキズ、ちゃんず消毒しなくちゃ」
     先に家に䞊がっおいた華恋が、救急箱を手にもどっおきお、さっそく泰倢に泚文を぀ける。
     その蚀葉に、これから図曞通に行くんだったず思い出した泰倢は、おじゃたしたすずあわおお蚀い、く぀をぬいで家に䞊がる。
        
     ふず埌ろをふりかえるず、土間でしっちゃかめっちゃかになっおいる自分のく぀ず、キチンずそろえお眮いおある華恋のく぀が芋えた。
     うでを組んで少し考えお  しゃがんだ泰倢がふたたび立ち䞊がるず、そこには華恋の暪に習うようにならぶ泰倢のく぀があった。
    

    敎頓された玄関は、出かける時も垰っおきた時も、少し気持ちいいですね
    では、次回もお楜しみに

    小林るい


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    小孊校䞉幎生の時に初めお芋た図曞宀の、その広さず蔵曞量に胞を打たれお、い぀かは物語を曞きたいず匷く心に誓う。 珟圚はゲヌムシナリオラむタヌずしお掻動䞭。 Kindleにお拙曞「倜明けの前の静かな玫」などを販売しおおりたす。 ぜひ䞀床、読んでみおください

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