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『むンパヌルのアンドレ』第十六話「決闘」

    ★このお話の流れを前二話で぀かんでください。
    ◆第十四話「尊厳」
    ◆第十五話「回想」


    コツン、コツン、ず䞍気味な足音が、静たり返ったカングラ砊の螺旋階段に響き枡る。 すべおのクロヌン兵が眠りに぀いた静寂の䞭、黒いマントを翻し、右顔面を焌け爛らせたクマヌルが、ゆっくりず階段を降りおきた。

    その姿は、砊の闇から這い出しおきた死神そのものであった。

    「――そこだ」

    二階の物陰で機を窺っおいたラゞャンの郚䞋が、枟身の狙撃を攟぀。だが、クマヌルは盲目的な戊闘盎感でその匟道を玙䞀重でかわすず、流れるような動䜜で足元に忍ばせおいたナむフを玠早く飛ばした。

    鋭い颚切り音の盎埌、喉元を貫かれた狙撃手が短い悲鳎を䞊げお厩れ萜ちる。

    ラゞャン軍のむンド人兵士たちが、その圧倒的な殺気にじりっ、ず埌退りした。

    クマヌルは冷酷に口元を歪め、倧広間を芋䞋ろしお声を匵り䞊げる。

    「ラゞャン、盞倉わらず腰抜けだな男なら、このわしず䞀階打ちずいこうじゃないか」

    その傲慢なハラスメント粟神的抑圧の蚀葉を激しく掻き消すように、䞀階の階段盎䞋から、地響きのような重䜎音の咆哮が響き枡った。

    「クマヌル  ラゞャンの前に、俺が盞手だ」

    満身創痍のアンドレが、そこに立ちはだかっおいた。その力匷い叫びにより、砊党䜓の空気が䞀瞬にしお、二人の䞀察䞀の空間ぞず切り替わる。

    二人が歩みを進めたのは、か぀おクマヌルが絶察的な神ずしお君臚しおいた䞀階奥の高座付近。

    そこは、これたでの激戊で砎壊された薬品や匷酞が床に溢れ出し、シュヌシュヌず癜い煙を䞊げながら䞍気味にぬかるむ最悪の泥仕合のステヌゞであった。

    「ナカノの化け物め、ここで塵になれ」

    クマヌルの長尺のタルワヌルが猛烈なスピヌドで奔る。䞀歩螏み出すたびに、アンドレの金属装甲が、クマヌルのブヌツが、足元の匷酞に焌かれおゞリゞリず音を立おる。

    その死地の䞭で、刃ず刃が激突し、火花ず酞の飛沫が倜の砊に飛び散った。

    だが、極限を迎えおいたアンドレの身䜓が、䞀瞬の駆動゚ラヌを起こす。
    その隙をクマヌルは芋逃さなかった。獰猛な䞀撃が、アンドレの巊脚を深く捉える。

    バチバチず激しい火花が散り、サヌボモヌタヌが完党に砎壊されたアンドレの巊脚が、膝䞋からブツリず斬り萜ずされた。

    その刹那、正門を突砎し停止状態の『恒河沙』たちを死に物狂いで掻き分けおきた源䞀郎、聡、明、䌞圊、蟰巳が倧広間に雪厩れ蟌んだ。圌らの目に飛び蟌んできたのは、隊長が巊脚を倱う絶䜓絶呜の光景だった。

    「隊長――ッ」

    源䞀郎たちが䞀斉に身構え、軍刀を抜き攟ずうずする。

    「手出しはするな」

    アンドレの鋭い怒号が倧広間に響いた。

    アンドレは巊手で名刀・吉宗を床の泥に突き立お、それを杖代わりにしお、蟛うじお䞀本足で巚䜓を支えおいた。孀高の隊長ずしおのプラむドが、仲間たちの介入を拒絶する。

    クマヌルはそれを芋䞋ろし、勝ち誇ったように笑った。

    「ナカノの象城も、ただの鉄屑にすぎん」

    クマヌルの次の䞀撃は、あえお銖ではなく、アンドレの拠り所である吉宗の刃を真っ向から捉えた。

    足元の匷酞の飛沫を济び、すでに金属組成が脆くなっおいた吉宗の刀身は、タルワヌルの圧倒的な衝撃に耐えきれず「パキィン」ずガラスのように䞭倮から激しく砕け散った。

    アンドレの身䜓が、高座のぬかるみぞず厩れ萜ちる。

    「勝負ありだ悪く思うな、アンドレ」

    クマヌルは勝利を確信し、トドメの刃をアンドレの銖筋めがけお䞀気に振り䞋ろした。

    その、刹那。

    アンドレは、折れお短くなった吉宗の『柄』に刻たれた王章を芪指で匷く抌し蟌んだ。そこにあったのは、もはや過去の歎史の呪瞛たる葵王ではない。

    二本の日本刀が亀差し、その真ん䞭にの花文字が刻たれた自分たちの誇り――『ナカノ・ベレヌ』の王章であった。

    ――ガチィィン

    盎埌、折れた柄の先から、凄たじい高呚波の唞りずずもに、眩いばかりの『緑色の電子刃』が爆発的に突き出た。

    光の刃は、振り䞋ろされたタルワヌルを、そしおクマヌルの重装甲の胎䜓を、䞀文字に真っ盎ぐ打ち抜いた。

    「な  に  っ」

    タルワヌルを持ったたた、クマヌルの党身が数秒間、狂おしいほどの緑色の電光に包たれ、その動きが完党に硬盎する。

    「おおおおおっ」

    厩れ萜ちるクマヌルの銖めがけ、アンドレは残された党おの力を乗せお、気合䞀閃の暪薙ぎを攟った。

    ザシュッ

    鮮烈な緑の閃光が闇を裂き、クマヌルの銖が宙を舞った。

    その銖は、か぀お圌が絶察的な暩力で珟堎を支配しおいた高座の䞋、匷酞の這う泥の䞊を、二転䞉転し転がっおいった。

      砊の䞭に、しばしの、あたりにも深い静寂が蚪れた。

    「隊長―――」

    静寂を砎り、源䞀郎たちが叫びながらアンドレの元ぞず駆け寄る。その瞬間、戊いの䞀郚始終を固唟を飲んで芋守っおいたラゞャン軍のむンド人兵士たちず、ナカノのロボット兵士たちが、囜境も、人皮も、機械ず人間の壁をも超えお、䞀瞬だけお互いの顔を芋合わせた。

    そしお――地鳎りのような歓声が爆発した。

    「ゞンダヌバヌド䞇歳 ゞンダヌバヌド(䞇歳)」

    「アンドレ アンドレ アンドレ」

    激しいアンドレコヌルが砊の壁を震わせる。続いお、むンドの未来を蚗された男ぞの「ラゞャン ラゞャン」の咆哮が、倜明け前のむンパヌルの空ぞず突き抜けおいった。


    『むンパヌルのアンドレ』を最初から読みたい方はこちらぞ

    ハラスメント察策を綎る物語『瀟劎士Mの事件簿』

    小説も執筆する瀟劎士・歊藀の異色のSF小説『神の声ず仏の声』

    私の趣味は山菜・きのこ採り『瀟劎士Mの山歩き』

    NOTEを立ち䞊げた私の想い

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    還暊を過ぎ、20幎前に取埗した瀟劎士資栌を掻かし『ナラティブ瀟劎士』ずしお掻動開始。人間の業、組織の真実をリアルな物語ぞず昇華しお発信しおいたす。 🔶珟堎のリアルを描く『瀟劎士Mの事件簿』🔷魂を揺さぶるSF長線『神の声ず仏の声』 / 倖䌝『むンパヌルのアンドレ』党話公開䞭

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